イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

銃姫 7

高殿円MF文庫J。はい、面白愉快鉄砲魔法戦争愛憎小説の七巻目です。みんながみんな戦争してる。そのことに四つに組んだ小説だなぁ、とつくづく思う。主役三人組の道は分かれて、再び出会う気配もあるけど、今回のラストで少なくとも姉弟の関係はギリギリと破滅の歯車を巻いた。もちろん、その歯車が回ってるのは主人公だけではなくて、周りで戦争している状況と、その戦争にかかわっている人たち(つまりは登場人物すべて)が大きな歯車の中で噛み砕かれていく。
そんな中で、主人公セドリックは、ヒロインアンブロージアは、一体どのような運命を選ぶのか。ここで書かれているのは戦争だけではない。人が好きだということ。そのことを飲み込んで、もしくは原動力にして回る死人の歯車。愛情と殺戮はかっちりとかみ合って、延々回り続ける。たぶんそれは、運命という名前の機械だ。そんな、ひどく複層的でいて単純な、矛盾していながら強力な、つまりは面白い小説として、この小説はある。キャラクターの造詣と世界観の掘り込み、なにより小説としての強力さ。そこらへんの武器がそろってきて、クライマックスに向けて加速し、加速し、加速して(そして加速し続けるだろう)第七巻。面白かった。