イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

リリアとトレイズ 5 私の王子様(上)

時雨沢恵一メディアワークス。リリトレ、最終巻ですよー。うむう。上巻はいかにも上巻らしく、ネタの振りまきと配置で情勢を整えたところで終了いたしました。面白いとか感想を言う以前に、話が始まっていないのでそこらへんは保留しつつ。
正直リリトレはアリソンに比べてかなりパンチが弱い部分があって。ずっと「なんでかなぁ」と首をかしげていたわけですが、その理由がようやっとわかりました。アリソンとヴィルの場合、ヴィルは確かに朴念仁だけど、「俺はアリソンのこと好きだよ」ってビームをガンだしではあったわけです。それが「可愛いやつ」「ええ娘」であるアリソンの気持ちが無駄になってない、大丈夫なんだという安心感につながっていたわけです。
しかし、トレイズの場合、アリソンとおなじく「ええ娘」であり、好きな人が自分のことが好きかどうか解らない、そんなとてもとても辛い状態に絶対に置きたくないリリアに対し確実なアクションを起こしていない。結果リリアはとても暗い顔をするタイミングというのがある。それは、リリアという魅力的なキャラクターを生み出す筆の力が、時雨沢先生にあればあるほど起こってしまう感情なわけです。
そこが「なぜトレイズはリリアに好きだぜビームを打たないのか」が説明された今回でようやく見えたな、と。結局この作品は恋の物語で、僕は悲しい恋はあまり好きではないのです。特に「ええ娘」が悲しい恋をするのは耐えられない。そういう意味で、今回出したネタはもう少し早く出してくれれば、と奥歯を噛み締めるしだいですよ。それもまぁ、リリアが「ええ娘」でありそう描ける時雨沢先生の筆力ゆえ、なのですが。