イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

オイレンシュピーゲル 2

冲方丁角川スニーカー文庫。ウブチンの色んな方向に尖ったライトノベル、レーベルで展開しているウブチン小説。相も変わらず"今"にコネクトしようとするスタンスで、今回のネタはロシア周りの赤と白のテロ。にプラスして各種周辺国家のろくでもないテロ集団オンパレード。ほんとにウブチンはろくでもない悪人を思いつくことに関して天下一品です。
前回でキャラ紹介が終わって、今回は一本丸々ウブカタ文章でウブカタ話。キャラをばらして、各々違う角度からUCシティが落ち込んでるクソッタレろくでもない状況を掘り込んでいくつくりはなかなか面白かった。白がややハブだった気がしないでもないがそれはいわない約束。話の展開も山あり谷あり山々山と、全体的に盛り上がる。
のだが、相も変わらずレーベルイレギュラーな文章と文体と内容とキャラクターに含まれた毒だなぁ、と思う。硬くて分厚くて、苦くて熱い。お手軽に食べるにはちょっと咬合力を要求しすぎなのだが、僕はそれがいいしそういうのが好きなのだ。ライトノベルというメディアが置かれている場所で、そういうことをやってくれるとても面白いし、ただやるのではなく、小説としてとても面白くやるあたり、やっぱウブチンはスゲェ。
裏っかわでキッチリスプライトのほうも回っているっぽいので、そっちも早く読みてぇ。クロスオーバーがクロスする瞬間はマジで脳汁あふれるからなぁ。そういうのを激しく期待してしまう出来でしたよ。小説回すのにてんてこ舞いで、露悪的なのやってる暇がなかったのも好感触。全体的にグ。