吉田正紀、小学館。サンデーで好評連載中の異能力必殺仕事人の二巻目。みょーにこのページの検索ワードの常連であるユウくんとニナミちゃん、あとはおっちゃんという少なめなメンバーで回る丁寧なマンガ。今回は僕がこの漫画を始めて認識した「凍る心」のエピソードが入っていて大満足です。「いつものサンデー新連載か」と流し読みしてたわけですが、ニナミちゃんがバカキャラから情念存在にフェイスを変えた瞬間に「この漫画は凄いんじゃないか」と僕の漫画勘が告げて読み始めたわけです。
前回ラストがユウくんエピ、「凍る心」がニナミちゃんエピというわけで、お互いの普段のフェイスに隠した情念が迸る場面なわけですね。「凍る心」はなんとも七十年代必殺モノっぽい女の情念迸るエピであり、見返してみてもどろり濃厚で面白い。「２月１４日の〜」は抜きエピだとしても、「咎人の掟」は必殺モノに必須の依頼人の裏がクサいネタ。長尺使って丁寧に話しまわしてます。
相も変わらず、キャラ少な目、派手さ薄め、丁寧な回しという昨今の足の速い漫画にはちょっとない味満開で僕の好みでありまして。あと絵が線固め濃い目の流行スジから離れながら作品とガッツリマッチした絵柄なんすよね。絵の力ある漫画は、やっぱいいですわ。ニナミちゃんは相変わらず可愛いし。全体的に非常に漫画力の高い、細かく仕事してる漫画で好きですよぼかぁ。雑誌のほうでは魅力的な新キャラと、過去にまつわるエピとか始まっているので速く単行本が欲しいっス。
