イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

ハチワンダイバー 4

柴田ヨクサル集英社。ヨクサル先生の変な勢いが過激にぶん回る、勢い重視の将棋漫画の四巻目。なのですが、主人公が初の敗北を喫して引いた前の巻の続きということで、キッチリ修行編に入って一息ついた、という感じでございます。
今までの三巻が異常な勢い(だけ)で押し込んでいただけに、この緩急は非常に気持ちいい。確かにヨクサル先生は漫画会でも異常な押し込みのアル漫画力の持ち主なわけですが、こういう細かいテンポのとり方を使う巧さも持っていて、とにかく漫画うめぇなぁ、という感想ですよ。勢いだけで押し込んでいると、いつの間にかマンネリと説得力のなさに魅力がぼろぼろにされているというパターンは山ほどありますからね。
さておき。比較的谷の修行編とはいえヨクサル先生の押し込みは健在で、理屈は良くわからんが面白いのでとにかくよし! という感じにさせる荒唐無稽怪力乱神なパワーは呼んでいてやはり気持ちいい。修行の文法が完全にバトルマンガのそれですが、このマンガで棋譜を並べる人がいたら見てみたいほどのバトル将棋漫画なのでそれはそれでまぁいいんじゃないかと。ええ。
ともあれやっぱベテランというか油の乗っている漫画家はいい漫画を描く、というのを実感した一冊でした。おもすれー。