柴田ヨクサル、集英社。ヨクサル先生の勢い満載将棋漫画、五巻目。イキオイありすぎてコースアウト気味ですが、コースアウトしたらしたでそこをサーキットにしてしまう、とにかく押して押して押すパワーがある漫画ですね。全開の修行で貯めに貯めた漫画力をどう使うかな、と考えていましたが、将棋→恋愛→将棋→ストリートファイトという、予想の右上をかっとんで行く展開になりました。
何の脈絡もなく柔術の路上実戦に一話使われたのは、多分ヨクサル先生が｢あー、思う存分ストリートファイトが描きたいぞ！｣という病気に侵されたせいでしょう。そこで躊躇わずに書いてしまうのが先生でありますが。肝心の将棋のほうは、非常にジャンプチックな修行に対比するように、ジャンプチックな展開でした。勢いあっていいことです。
あとこのマンガになってからずっとそうですが、ヨクサル先生萌え頑張ってますよね。そよちゃんは可愛いと思いますよ。恋愛表現がどう考えてもバトルマンガの文法なのは、まぁヨクサル先生の血管に流れる墨汁が熱血工場生産なので仕方がないでしょう。でも、色々と細かい技術はやっぱり織り込まれていて、イキオイだけじゃなく、そのイキオイをいや増すように作りこんでいるのが見えます。
今回の大一番で一段落、ラスボス臭の漂う人も出てきましたがいまいち展開は読めません。しかしま、このマンガである以上イキオイと漫画力、そしてヨクサル先生の漫画ラブで読ませてくれるでしょう。楽しみです。
