イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

百舌谷さん逆上する 1

篠房六郎講談社。アフターヌーンを切られIKKIを切られたしのふーが、アフターヌーンに出戻って編集にケツを蹴り上げられつつ書いてる漫画。家政婦時代に戻った生きのいいギャグ漫画のように見えて、しのふー特有の、世の中斜めに切り落とす歪んだ姿勢は相変わらず共有。いや、ギャグの生きはいいんだけどね。というか歪みとギャグは切り離せないっつーか。
「ナニがツンデレブームだよケッ」とこみ上げてくるおっさんの苦笑いがインク越しににじんでくるような、ガチ精神疾患としてのツンデレをわずらった小学生百舌谷さんを中心に進む漫画でして。ラブコメの中にしのふーセンスがピックした小学校センスと、洒落にならない社会的肉体的精神的ダメージと、腐ったオタクのため息を練りこんだような仕上がりになっております。心がギシギシきしんだ結果としてオタクやってる人間ならひとしきり笑った後、おなかの裏ッ側が辛い漫画に仕上げるパワーはやっぱしのふー凄いな。
ネームのクドさとか、鋭い観察力と表現力に裏打ちされたあるあるネタとか、久々にしのふーギャグの鋭いところもブンブン振り回しており面白い。ネットゲー漫画でも追いかけてた、脛に傷持った人たちがどう捻じ曲がるかというテーマも、相変わらず追求。どーもしのふーは自分とのシンクロパワーが高すぎて、無条件に褒める部分が多いんですが。ただ終わったことがあんまないので、この漫画は終わって欲しいなぁちゃんと。出だしは非常に素晴らしいわけで。