吉田正紀、小学館。サンデーでちまちまと地道にやっている、必殺仕事人漫画の六巻目。今回は新キャラお披露目エピソードの後半、抜きっぽいエピソードが一つ、オーソドックスな仕事人モノが一つ、久々のポリス人登場前半が一つ、という構成。バラエティー広い構成だなぁ。
新キャラの姫ちゃんは、巻末漫画を読むと読みきり時代からいたキャラっぽく。新キャラと言っても、取って出してきた唐突感はありませんでした。というか、この子を挟むとニナミちゃんとユウくんの関係がさらに安定するように感じる。キャラの方向性が、外側に放射していくって言うか。……まぁ、そういうエピソードはなんとなくラストエピソードかエピローグになりそうなんですけどね、現在の連載だと。
暗い話題はさておき、残りの話も手堅いつくりで。抜きの話はいい塩梅に抜いてて、ガチな必殺モノは相変わらずじっとりと錆びてる。「命に群がる蟻」は病人に子供という、感動モノダブル役満（残りは動物と音楽）なネタでありますが、それに振り回されない漫画力の確かさを感じたな、と思います。カットの切り方がテンポよくて、すらすら読めるのはとても良い。
巻末引きエピは、久々の真嶋さんエピソード。真嶋さんはライバル立ち位置なので、丁寧に煮込んで関係を造って欲しいところ。なんですが、丁寧すぎるのが問題だったのか、煮込む前に連載が終わりそうです。ダムドファック。週刊漫画を、好きなまま打ち切られるのは実は初めてで。単行本で、こういうエピソードを読んでいるとかなりカクッときます。んぎぎ。でもいいの。このマンガ好きだから。
