イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

金剛番長 3

鈴木央小学館。時代に逆行する、ダイナミック番長漫画の三巻目。題材のみならず、エピソードの組み方とかも非常に懐かしい。ように思えて、可能な限り無駄を省いて、速度重視でサクサクやるのは実は新しい。サソリ番長の話とか三話(回想・設定バラシを抜けば二話)で終わらせてるし。異常に早い。
速い速いといっても、省いているのは無駄であって、中身のほうはよく詰まってます。濃い目のキャラが多いですが、レギュラー連中は共感を呼び込むエピソードを挟んで、上滑りしないように作っているのも巧い。いや全部イロモノといえばこのマンガ全部そうかもしれないけど、イロモノを免罪符にしないで、キャラと四つに相撲組むのはエラいなぁ、と思う。
番長漫画なので他の番長と喧嘩するのが基本の流れですが、一話完結の「ちょっといい話」のクオリティが高いのも、ベテランっぽいつくり。18話はギャグとしてもしっとりした話としても、非常にクオリティが高くて大満足。まったくヒロインッ気がない陽菜子が、ほぼ唯一可愛くてヒロインしてる話だしね。まぁその後また喧嘩話なので、出番ないんですけども。
懐かしい話、というのは一度読んだことがある話なワケで。「こうして欲しいなぁ」という期待を守ることと、それをいい方向に裏切ること両方やらないと、この漫画は厳しいと思うのですよ。まぁこのマンガに限らず、お話とはそういうものかもしれませんが。そこらへんのバランスを巧く取って、勢いを殺さずサクサクとやるベテランの漫画。非常に面白いね、やっぱり。