イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

秘身譚 ウィータ・アルカーナ 1

伊藤真美講談社。腕に爆弾を抱える技巧派漢女、真美せんせーの新しい漫画。時代は五賢帝死したセウェルス朝ローマ、場所は属州シリア。一般層へ解らん殺しを炸裂させる舞台設定で展開されるのは、血と退廃と陰謀の物語……。要素並べただけで最高です。このやりたいことやってる感!
西側が破綻しはじめ、膿んだ富がたっぷり集まるオリエント。そこの支配者層ともなれば酒と荒淫と陰謀に明け暮れ、怪しげな美少年(時々ふたなり)暗殺者の一人や二人囲い込んで欲しい、という願いが真美せんせーの筆でコレでもか、コレでもか、と叩きつけられます。饗宴のシーンには麻薬とぶどう酒、コロセウムの殺戮には血と鉄の匂いがそれぞれ立ってくるかのような作画の説得力。快楽です。
キャラも妖しげで隠微な魅力に満ちており、異常な再生力を持つヘカテの化身、野望を隠したへらへら男、無垢ッ面した美ショタ(後のヘリオガバルス)、異教神を信奉する女系の一族etcetc。運命の嵐により主人公が一回死んだ今回のヒキから、この人々と退廃のローマがどう動くのか。真美先生の手腕に超期待です。あ、でも腱鞘炎だけは気をつけて。