イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 15/01/08

艦隊これくしょん:第1話『初めまして! 司令官!』
という訳で始まりました、色んな意味で始まる前から話題沸騰なナウいブラゲのアニメ。
自分は一年間くらい遊ばせてもらっている木っ端提督ですが、そういう立場からの意見を一言でまとめると『沢山詰め込んで大変そうだけど、なんとかまとめてて凄い』です。
いやホント、色んな人が色んなモノを求める中、こう言う風に仕上げて頂いて有り難い限り。

話の軸はクッソ田舎の泥芋娘っ面でやって来た吹雪LV1が、超かっこよくて強い赤城パイセンに憧れ、泣いたり笑ったり出来なくなるまで扱き上げられるための序章、という感じでした。
睦月と夕立が思いの外状況説明&ストーリー進行役として有能であり、頼れるPC2という印象を受けた。
キャラが沢山出てくるので、お話の足場になってくれそうなキャラは大歓迎だ。
そういう意味では、『キラキラしたあこがれのお姉さま』を完璧に演じていた赤城さんには、経験点二倍くらいあげていい。


既存のファンがたっくさんいるコンテンツのアニメ化であり、そっち方面の目配せも本筋に影響がないよう気を配りつつ、頑張ってくれてました。
推しが画面に出るだけで興奮度が上がるのは、正しくアイドル映画っぽいなと思ったり。
いや、自分も出るとは思ってなかった球磨ちゃんがイイ砲撃してたりして温度上がりましたがね。
……佐倉さんを酷使しすぎだと思うな、第一話……。
戦闘に関してはもうちっとビックカノンでドーンドーンするのかと思ってましたが、キャラ絵のスケールに忠実な戦闘であり、結果として航空部隊の頼もしさが分厚くなり、『赤城さんマジでウォー・ガッデス』という気分になった。

個人的に一番ウケたのは『常に不在という形で存在を描写される司令官』であり、バルトの『表徴の帝国』を連想させる演出だった。
なかなか扱いの難しいファクターだということは分かるので、思い切って観客の想像に全て任せたのは英断だと思う。
作戦指揮自体は長門がやってたしね……また佐倉さんか!
それにしたって提督執務室は空疎なる中心すぎるので、そのうちルパン一味が提督を盗みに来て、「提督……? そんな奴はいない、最初から提督なんていないんだ」という台詞とともに爆発するオチが待っていると思う。(混線気味に押井版艦これ妄想を垂れ流し)

ど田舎イモ娘が憧れを知る話としてはオーソドックスかつ素直な出だしをしたと思うので、この方向性を骨組みに、あんま死人を出さずに進めてくれると有り難いなぁと思います。
赤城さんがすんごい量のシヌ・オーラ出してましたけどね……。
『重要な作戦前に大破し、吹雪に後を託す』くらいで何とかならんかね!!
……いやね、思いの外『頼れる憧れの先輩・赤城』描写が良くってさぁ……死んで欲しくないのね。

 

アイカツ!:第115話『ほっこり☆和正月』
『大好きな娘が可愛くて素直な彼女を連れてきたので、ついつい土の話にも力が入るでござる』の巻。
そんな感じの、あか珠璃の絆が深まりまくる回であり、あかりちゃんの家族をしっかり描写する回でもある、欲張りな回。
柔らかく徹底的にプロテクトを張り巡らせるアイカツらしく、家族話もすごく気を使った、いい展開だった……。

今回は異邦人たる珠璃ちゃんを壁役に、大空ファミリーがどんな感じにほっこりしているのかを見せる構成。
珠璃ちゃんは非常に素直かつ褒め上手なので、彼女をカメラ役にすることであらゆる物事がポジティブになるのは、とても良い。
『ちょっとあかりちゃん好きすぎね? ニコニコしすぎじゃね?』と思わなくもないが、クッソ寂しい年末を寮で送るかと思いきや、面白家族とほっこりロングステイをプレゼントしてくれた相手なわけで、あんだけニコニコしてるのも道理か。
あえて登場人物を減らして、深く深く掘り下げる構成が巧く働いて、ネタ方面やダーク方面だけではない、素直な珠璃ちゃんの魅力が描写されていたと思います。
寝るとき同衾は前提な所とかな……『床で寝る』って選択肢はあの家じゃ無いとは思うけどさ……あと何その真っ赤なバスローブ、中学生が着る服なの……。


壁役がいいだけではなく、大空ファミリーの三角形が非常にバランスが良く、家族の肖像画として非常に仕上がりが良かった。
ちょっと熱意が暴走しがちだけど愛情満載なパパンと、そんな旦那を泳がせつつ〆るところキッチリ〆て主張できる自己をちゃんと持っているママン。
そんな二人の長所を受け継ぎつつ、友人を寮に一人で置いていけない心持ちのあかりちゃん。
娘が珠璃ちゃん連れてきた時は、両親喜んだんじゃないかなぁ。
『うちの子は仁義に篤い、出来た子だぞ』って。
あっという間にウェルカム体勢全開になる所も含めて、出来た家族よな大空家。

『お父さんのことは大好きだけど、そろそろ気恥ずかしい』という等身大の中学1年生リアクションを貫いたのも、今回の話に生っぽさを添えておりグッド。
今回見せた、身の丈にあった素直な反応というのは、いちごちゃんだとなかなか演出しにくい、あかりちゃんの強みなんだろうなぁ。
格言引っ括めて『好きだけど恥ずかしい、恥ずかしいけど好き』みたいな、思春期娘から父親への柔らかい距離感が描写できていて、今回の筆致は凄く良かったです。
家族にしか見せないちょっと崩れた表情や態度も見れたし、あかりちゃんの魅力を掘り下げる回としても、しっかりした作りだったと思います。

ただ彼女らの日常を活き活きと描写するだけでなく、ステージとその後の感想でアイドルとしての珠璃ちゃんをも視野に入れたのは、アイカツらしいファインプレー。
今回見せた普段の彼女、素直で可愛らしい紅林珠璃がいるからこそ、アツいアイドル紅林珠璃も他人を感動させることが出来る。
日常と非日常は常に地続きで、お互いの背中を支えあっている。
そういう世界の捉え方が見えてくるのは豊かなことだし、この視点はあかりちゃんや他の子達にも共通する、アイカツ!世界のルールそのものだと思います。
最後、大空ファミリーが感想を総括することで作品世界全体をフィルムに捕らえた終わり方になっていたのは、余韻のある素晴らしい終わり方だったなぁと。


今回のエピソードは一見ほっこりするだけの日常回のように見えて、珠璃ちゃんも大空ファミリーも、登場人物全てに親近感が強く抱ける、非常に優秀なキャラ回だったと思います。
こういう叙情性・キャラクター性をぶん回した時満塁ホームラン打てるのは、ホントアイカツ!の一番強い所だと思います。
やっぱやりおるわーナツコ……。