イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

ノラガミ-ARAGOTO-:第1話『諱、握りて』感想

ジャージの汗臭いデリバリーゴッドと、思春期真っ只中のガラスの幽霊が帰ってきた!!
スタイリッシュな外見にのったりした日常ギャグと、相当碌でもない因業を詰め込んだ現代伝奇アニメの二期でございます。
前作は安定した面白さの中にヘヴィな痛みと、時々凄い攻める演出を織り込んだ快作でありました。

二期第一話ということで、出だしは『コイツラ誰で、どういうお話するか』をサラッとおさらい。
赤ん坊すら呪いを生み出すという、ノラガミ世界の碌でもなさを煮込んだような悪霊に感動を覚える。
イカニモなデザインに騙されがちだけど、この話非常にネットリしているというか、地縁血縁がなかなか剥がれない因業なお話よね。
そういう湿り気を反映して、クリーチャーデザインが凄く気持ち悪いのがとっても良いと思うわけです。

三枚目貧乏ゴッド、脱魂体質の可愛いヒロイン、ツンツン武器幽霊梶ボーイ。
いつもの面々はいつもの様子ですが、前作で思う存分思春期ブレードを振り回しまくった雪音は、少し周りに気を使うことが出来るようになってた。
まぁあんだけ大暴れしておいて反省の色なしじゃ困っちゃうが、トゲトゲボーイが素直にひよりの指導を受けているところは、凄くホッコリした。

このお話、夜トがダメな父親、ひよりが母親兼姉、雪音が息子という役割を演じる擬似家族モノでもあります。
なので、小福ん所でダラダラキャイキャイしている姿が幸せそうなのは、結構大事だなぁと思った。
一期で色々あった結果、掴みとった小さな幸せというか。
あそこにいる人達が結構好きな自分としては、結構な満足感を得られる絵面だったなぁ。


一方一期では鳴り物入りで登場したワリに活躍の機会がなかった毘沙門様は、お優しい慈悲の心で厄介事を抱え込んでいた。
Kといい、沢城先輩声の金髪が肌を見せる展開が続くな……。
一期で散々障りの怖さを見せつけられた後だと、あれだけの数神器を持っているのは正気の沙汰ではないと判る。
星野声の薬師も『オッス!! 二期からの新キャラっす!! これから超ろくでもないことをしまくって、毘沙門様をドン曇りの奥底までブッちめようと思います!!』とばかりに、怪しい動きしてたしなぁ。
現場に分かりやすく残されていた仮面といい、不穏な兆候が見えやすいのは受け身が取りやすくて良い。

毘沙門サイドはヤトサイドとは関わりが薄いんだけど、雪音が積極的に拾っていって話のラインを引いているのは、今後スムーズに進みそうで良い。
『兆麻さんには前のセッションで世話になってコネがあるんで、合いたいんですけど』と言い出すだけでもナイストスだが、毘沙門様の神器とうっかり友達になってる所とか、シナリオに積極的に噛み付いてくれるPL過ぎて、この段階でレコシーにチェック入ってるまである。
あの神器さんがまた良い人そうでなぁ……そして初めて友達ができた雪音くんが幸せそうでなぁ……。
どう考えてもマジ酷いことになるのは確定であり、今から受け身の準備しておきますって感じだ。


手際よく現状の説明と一期の結果を見せつつ、今後の展開の種をまく回でした。
日常シーンの暖かな手触り、その裏側にある冷たい憎悪、妖しく醜い闇の世界。
手際の良いストーリー進行も相まって、ノラガミの良いところが前面に出たエピソードになったと思います。

かつて好きだった作品が、好きな所そのままで新しい良さを見せてくれるってのは、みんな願う所。
しかしそれは、叶うことはなかなか無い一種の奇跡です。
なので、稀有なる再会を喜びつつ、来週を待ちたいと思います。