イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

K RETURN OF KINGS:第10話『Keystone』感想

人類革新の決戦前夜たるK第10話は、各陣営の現状確認って感じのお話でした。
青の王が無職の王になったり、結果青クランがすごい勢いで動揺したり、シロが積極的に死亡フラグを立てたり、ぼーっと一期一話の回想してたら緑クランが石版開放にチェックを掛けたり、色々あった。
色々あったんだがそのうち何割必要なシーンだったのか考えると頭が痛くなる、そんなKイズム積み重なるお話。

今回一番時間使ってたのは宗像さんだと思うんですが、公務員首になるわクランの面倒は見ないわ、無職になった途端周防の真似して無頼気取ってみるわ、まぁやりたい放題でした。
あまりにも濃厚に周防とホモり過ぎた結果他のキャラへの横の繋がりがなく、ここに来て長尺の回想シーンで死人とイチャイチャする辺り、色んな意味で失敗しているとしか思えないキャラだなやっぱ。
せめて今生きて話ができる奴に自分を預ける話を積んでおけば、過去にズブズブ沈んでいく後ろ向きなシーンで時間を使わんでも良いものを……まぁ宗像さんは話がわかるようでいて、その実周防との楽しかった時間に縛り付けられてる生きてる死人っぷりが面白いキャラではあるか。
そういう宗像さんにも積極的に話しかけるアンナと、王様の意向を尊重しつつちゃんと守ってる草薙さんは、やっぱ好感度高いな。
アンナはシロの現状や状況を精神的引きこもり・宗像に伝える仕事もやってて、二期で一番動いてるキャラの一人だな、やっぱ。

宗像さんが間抜けこいたおかげで緑と首相が調子に乗り、室長首になって同盟が破棄されたわけだが、各々のクランの根本に戻るという意味では場がフラットになったとも言える。
アンナは周防よりも先が見える指導者なので、破壊という根本に立ち返りつつもみんなが幸せになる道を探して力を使うわけで、全部が全部リセットってわけじゃないけどね。
組織の軛からフリーダムになった宗像さんが対立姿勢を明示し、叙情死に向かって爆走を始めたおかげで、安定して動きに乏しかった二期の赤・青・白銀に動きが出たのは事実だ。
しかし『秩序のためとか言ってるが、お前の組織の秩序どうなってんだ』と突っ込まれて苦笑いで逃げる辺り、やっぱ二期の宗像さんは素晴らしく頼りない。
ココらへんを整理しないとせっかく『クランの根本』という分かりやすくて良いキーワードも説得力を失うので、宗像さんも亡霊とキャフフしていないで生きてるクランズマンと話しあおうね……と言いたいところなのだが、どーせ淡島さんがオカン力を発揮して強引にまとめる予感がするなぁ。


白銀チームは特に問題もなく石版破壊方程式を完成させ、約束のアイテム交換をしてクランネームを手に入れ、いつ死んでもおかしくない量のフラグを積み上げた。
シロも多分に叙情死したがりの悪い病気にかかっているキャラなので、今回の動きには死の匂いがしてイカン。
石版破壊がうまくいくと具体的にどうなるのか、作中で説明されていないので実は僕わかっていないのだが、Kを維持している異能力の根源がぶっ壊れるんだから、みんなフツー人になるんかね、アンナの説明によれば。
流の思惑通り人類総異能力者になるにしても、シロ&アンナの狙い通り石版が破壊されるにしても、宗像・ザ・無職キングが宣言したように制御下に置くにしても、結構面倒なことになりそうだ。

『ぼーっと立ち話して回想シーン入れたら緑の計画がほぼ完成しちゃって、最悪の形で敵の居場所が判る』流れはギャグでしか無いが、各王様が自分の生きざまを張り、生きるか死ぬかの状況に乗り出してきたのは緊張感があって良い。
Kの戦闘は基本的にじゃれ合いであり、戦った結果何かが変わるってことはあんまなかったわけだけど、石版を巡る最終決戦は少しはバチバチしそうだ。
そういう状況になったのは宗像さんが安定した室長職からキックアウトされた結果であり、やっぱりお話を動かすものは危機であり不安定なのだなぁ、などと今更思う。
そして宗像さん失職の原因は首相が調子に乗ったことであり、その裏には緑クランの地道な活動がある。
やっぱり敵役を的確に動かしていればこそ、二期はお話しの軸がしっかりして見やすいね。

そんなわけで、『最終決戦前だから、客員一回ずつ自分のやりたいシーン運営していいよ?』という回でした。
自分のクランズマンと交流したシロ、お話とモチベーションをまとめにいったアンナ、鎖を切り離して死ぬ準備を整え、すかした捨て台詞をゲップが出るほど吐いた宗像さん。
キャラが持ってる特徴がよく出る回だったなぁ……ホント宗像さん自由過ぎる……。

来週は緑の革命の結果と、それを阻止するべく動き出す各クランってところでしょうか。
いい感じにバチバチしてきて面白いと思うので、王様各員が何を大切に思い、何に体を張るのかというベーシックなお話しの強さに重点して見せてくれると、個人的には非常にありがたい。
最終決戦、さてはてどうなることやらですね。