イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

プリンス・オブ・ストライド オルタナティブ:第2話『BELIEVE いつでも俺はここにいる』感想


疾走に賭けた青春、ストライド日和ー!! つうわけで、パルクールとリレーを組み合わせた全く新しいスポーツアニメ、第2話。
ストライド入門編』という感じで取り敢えず走るところまで一気にレールに載せた一話を引き継ぎ、キャラも競技も一歩踏み込んだ描写が多い回となりました。
それぞれの問題点を巧く解決していく一年チーム、部活動なのにスポンサー探しに奔走しなきゃいけない特殊性、リレーションが持っている意味。
第1話では見えなかったポイントにカメラが回りこんで、世界が広がったのが良かったな。

今回のお話しの軸は一年チームの問題克服で、手際よく八神・藤原・桜井の噛み合わない情熱を見せ、藤原のガチっぷりに引っ張られる形で歯車が噛み合うまでを一話でまとめていました。
やっぱ『俺ァ本物のストライドキチだぜ!!』っていう情熱が、このアニメのキャラクターを好きになれる最大の足場だと思うわけで、空気も顔色も見ずに常時トップスピードで走り続けるガチ勢藤原の妥協のなさは、俺は好きだ。
周りを置いてけぼりに本気になるのではなく、バトンを渡す藤原、リレーションをする桜井のスペックを信じ、追いつける速さで先に行っている感じが、ガチで部活やってる感じがして爽やかだ。
ぶっきらぼうなだけで話は通じるし、根は他人を自分の中に入れていく余裕のある子だしね。

そんなガチ勢の情熱に引っ張られる形で、兄貴コンプレックスの藤原やら、『本気出していいか判んない』というアンドレアス・リーガン状態だった桜井やらも、どんどんスペックが上がっていくのが良い相乗効果。
藤原の勝負根性を先輩がちゃんと認めていて、ウジウジと足踏みしてる桜井に『見る練習』をさせる所とか、先輩に先輩らしいポイント稼ぎをちゃんとさせてて良いシーンだったなぁ。
諏訪部声のポエマーにも背中を押されてたけど、そこら辺の因縁は今後拾ってくところかねぇ。

平面でのランメインで進めることで、作画カロリーを抑えると同時に、リレーションという桜井の専門分野にクローズアップされたのも面白いところ。
桜井は女の子だし走んないので、ヘタすると『汗をかかない卑怯者』ってなりかねないキャラなんだけど、今回リレーションを丁寧にやったことで、彼女の存在意義と部活に対する貢献が目に見えるようになったのは、非常にグッドだ。
アクションとしては飛んだり跳ねたり交わしたりってのが面白いとは思うんだが、毎回グネグネ疾走させれるカロリーの余裕はない感じかなぁ。
スタイリッシュな絵面で巧く間を繋いだり、アクション以外にも存在する架空競技の面白さを見せてたり、工夫が感じられて好きですけどね。


架空競技の面白さという意味では、部活動なのにスポンサー探しに奔走しなきゃいけないのが新鮮かつ魅力的でした。
『看板背負って走る』という学生らしからぬアドバタイズ主義と、ストライドのスケールのデカさが巧く咬み合って、次の試合に勝たなきゃいけない理由にまで伸びている三枚取りとか、欲張りで好きだな。
公道競技と経済理論を学生スポーツに持ち込むのは、ちょっと『ストライドチーム経営シュミレーション』とかやってみたくなる切り口で興味を惹かれます。
アニメはメディアの特性として、どうしても身体性が削れていくので、こうして実競技以外のところにもフレッシュな切り口を用意してくれると、楽しみが増えます。

競技してない部活日常パートは全体的にワイワイガチャガチャしていて、個人的にはやや滑り気味というか、分解酵素がない方が女の子がキャイキャイしてるアニメみると、こういう感じで『んー……なんか食えねぇ』って感じになるんかな。
撮影やら部室やらでキャイキャイ元気なことがあんま競技(≒テーマ)と関係していない、装飾部分に感じられてきてしまうのは、正直弱いところだと思います。
特定の文脈と分解酵素を抑えた人向けのファンサービスというか……でもあそこでキャイキャイすることで、ガチりつつも正面衝突しないスト部の空気が生まれてんのかなぁ。

露骨な芸能人ライバルチームとか、諏訪部声のポエマーとか、因縁ありげな藤原兄とか、今後広げていくだろう新キャラも顔を見せていました。
藤原の兄貴コンプレックスはなかなか面白いネタだと思うので、兄貴が登場するなら面白そう……って、公式サイトにいんじゃん兄貴、露骨なラスボスっ面で。
学校の数が結構多いので、いろんなライバルとバチバチぶつかり合い、己を高めていくっていう王道ストーリーにすんのかね。
そう言うの大好物なので、ガンガンバチバチしてください。

というわけで、イントロダクションが終わり、お話しの奥行きを作っていく第二話でした。
今回見せた世界の広がりの中で、少年たちがどういう疾走をしてくれるか、今後が楽しみです。
全然関係ないけど、このアニメのパキッとした色彩と風景の存在感どっかで見たことあるなぁ……とずっと思ってたんですが、アレだ、わたせせいぞうのカラーイラストだ。(唐突な気付きでフィニッシュ)