イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

くまみこ:第4話『村の宝物』感想

何かと東北付いてるコンクールアニメの曇り空で湿ってリビドー満載な方、今週はコンペの続き&響ちゃん登場。
実は原作だと間に別エピソードが挟まるんですが、衣装に仕掛けたフェティシズム爆弾が元気なうちにネタを使いきり、新キャラも早いところ出していく再構築がいい感じ。
まちの弱い生き物っぷり、ナツの邪悪な過保護っぷりも更に強調され、今日も熊井村は可愛くネットリしております。

Aパートは豊穣祈願祭をキャンバスにして、くまみこと村の人達をスケッチする内容。
神輿行列が画面に現れた瞬間の『なんだかしらんが厳かなムード』と、それがどんどん下世話に崩れていくギャップは、このアニメらしい笑いだった。
ほんとになー、色彩やレイアウトや仕草やらで『そういう感じ』を出しつつ、どんどんグズグズでダメダメな方向にぶっ壊していくスタイルは、下世話さだけではなく可愛さも含めてアニメくまみこの得意技だと思う。
原作よりオッサン達の下世話さが五割増になってて、なかなか良かったです……ナツが居なけりゃ大変なことになってたかもしれんな……。

そんなナツも、ペドい回想で魂を潤したり、ポンコツ巫女を過保護に育て上げることで欲望を充足したり、天使なんかじゃない邪悪さを暴走させてんですけどね。
まちの弱い生き物っぷりを見てると過保護になるのも判るが、あれは確実に特定の計算に基づいての囲い込みだと思う。
普通のお話だとまちの弱い生き物っぷりと、その反動である内弁慶っぷりは成長の糧として描かれるところなんだけど、この話はダメダメな人たちのダメダメっぷりを愛しつつ、わりかしそのまま進める所に独自性があるな。


そんなか弱く可愛い生き物にハードなアタック決めてきた、ヤンキー小娘・響ちゃん。
可愛いの奥に毒を隠したこの作品に相応しく、ハタから見ると過剰な暴力、でも自分的にはきさくなコミュニケーションでしか人に応対できない、ダメダメで残念な子です。
メガバイオレンス力はここがピークで、今後わりかし柔らかい応対になってくんだけどね。

クマとサイコ野郎は可愛い可愛いまちに甘いので、シビアかつハードに当たってくれる響ちゃんは、話のバリエーションを増やす良いキャラです。
アニメ化にあたって順番を原作から変更して、早めに出すのは巧いなぁと思います。
未知の恐怖への対応マジでダメダメなまちの成長を見せる意味でも、良い相手役だしね……あんまそういう部分大事な話でもねぇけど、ダメダメな中に小さくまっとうな部分を入れることで、全体が締まるのだ。

今回も『被害者/加害者』の入れ替わりで笑いを作る構図は健在で、最初はオラついた響にオサレっぱなしだったまちが、しまむらトランスで主導権を握り、延々しまむらのマーケティングを垂れ流しにする流れには逆転の楽しさがある。
前半のメガバイオレンスっぷりは正直視聴者も『んー、あんまなぁ……』と思うところなので、トンチキトランスという巫女の武器で響の上に立って、関係が比較的平らになる展開は、ストレスがカタルシスに変わる作劇という意味でもグッドなのだ。
こんだけ褒めてもらったんだから、UNIQLOやマルイのように許可下ろせばよかったのに……色々事情があるんだろうなぁ。

まぁ根本的な所で性格が捻れたアニメなので、しまむらデートで心がつながったように見えて、ひびきとのディスいコミニケーションは今後も顔を出すし、まちの弱い生き物っぷりもいきなり解消されるわけではない。
前に進んでいるようで弱さに吸い込まれ、しかしなんとなーく人生が好転しているようないい感じのオーラを出すことは怠けない。
このシニカルな捻じれこそがくまみこ最大の魅力であり、アニメはそれをテンポよく映像に変えてくれているなぁと、感心しきりであります。