ひそねとまそたんを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月20日
NHK風味満載のOPと、よりにもよってフランス・ギャルのカバーなEDも正式公開な第二回!
マジレスの言語凶気を悪気なくぶん回す主人公と、マザコンチワワなサブパイの軋轢が唸りを上げ、なんかオカルトな伏線とかも張りつつ相変わらずの独特テンポ。
変なアニメだなぁ!
というわけで素朴な絵柄と最新鋭の撮影と自衛隊へのかっちりした取材と異質知的とのコミュニケーションと結構大胆に切り替わるBGMと爽快感ある飛行シーンと根性ドブゲロ人間の群れとSDに秘められたエロティシズムと声優の好演と凝ったレイアウトとヤクルトが入り交じる、今期のダークホース第2話である
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月20日
各々やりたいことを最大限尖らせた上でてんこ盛りという、まさにBONESオリジナルアニメの真骨頂ともいえるピーキーな仕上がりであるが、なんか不思議な統一感があり、なんで面白いのか首をひねりつつ面白く見れる。凄い技とセンスだと思う、この積載バランス。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月20日
お話の方は、『Dパイ』という自分の居場所(候補)を見つけタガが外れた主人公が、そのドブ色の根性を思う存分振り回して爆走しつつ、そいつに自分の居場所蹴り落とされたちびっこヤンキーが傷ついたり、まそたんと交流したりな展開。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月20日
二話らしいと言えばらしい、トンチキと言えばトンチキ。
第1話アップテンポに『俺たち…こういうアニメだぜ…!?』と殴りつけ、訳解んない内に引き込まれていく作りだったわけだが、二話は落ち着く…ってこともなく、勢い良くて性格悪い人たちがドタバタドタバタ大暴走するパワーは、今回も元気だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月20日
冷静に考えれば性格最悪の新入りが大暴れし、ストレス溜め込んだ先任が職場いじめをぶっこむという、なんとも生臭い展開なんだけども、そのヤダ味を素朴なデザインが巧く毒抜きして、笑える程度のヤバさにギリギリ抑えている。この味付けは、第1話から安定だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月20日
みんな加減なく性格の悪さをぶん回す代わりに、ダメージにも鈍感というか、それなりに洒落にならない状況を笑いで包んで、なんとか洒落にしている塩梅。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月20日
この調整が絶妙だし、何より毒のない『絵』が力強い。岡田麿里式生臭さを味わいとして残しつつ、引っかからん程度に毒抜きしてくれる。
『ありのままの自分でいる』っつー、やっすいJPOPの歌詞にありそうなお題目。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月20日
それは良いことなんだろうけども、ちったぁ飾らないと角も立つ。そういう建前と本音の境界線を、ぶっ壊れマジレス人間ひそねは一切見ずに、全力で駆け抜けていく。
本音を飲み込んで飲み込んで自家中毒して、ようやく見つけた居場所(竜の胃袋)。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月20日
そこで開放されたひそねの本音は、身勝手で図々しく、他人への配慮に欠けて臆病。控えめに言ってゴミクズ人間であり、その波をちびっこヤンキー・貝崎名緒は最前列でおっかぶることになる。まぁ、そら荒れるわ。
しかし名緒も相当いい性格をしていて、ここにゴミクズ女VSゴミクズ女、地獄のデスマッチが幕を開ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月20日
…んだけども、その激突はオニプレートトカゲとチワワの異種格闘技戦のようで、思わず笑っちゃうユーモアとバカバカしさ、気の抜ける間抜けさに程よく満ちている。
この毒と笑いのバランスを、絵と脚本、動きと演技のアンサンブルで心地よく保ちつつ、アップテンポで進んでいく物語が心地よい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月20日
どっかでほころんでしまいそうな危うさがありつつ、しかししっかり形を維持する。凄くイレギュラーなデザインと物語構造ながら、きっちり速くて強い。変なアニメだなぁ。
この独特の『速度』には、BGMの使い方が一役買っていると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月20日
お空を飛ぶときのイカニモな爽快感満載の曲、あるいは名緒が悪巧みするときの”仁義なき戦い”風味。色んなテイストのBGMを高速でカッティングしつつ、切れ目なく繋いで独特のグルーブを生み出す。この『耳で感じる体温』がイイのだ。
OPの曲調と飾り気のないフォント、フランス・ギャルから”夢見るシャンソン人形”でも”涙のシャンソン日記”でもなく”恋の家路”をカバーしてくるEDのセンス。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月20日
ぶっ飛んだ音を使いつつ、戦闘機やハンガーの環境音は非常にきっちり、リアルな仕上がりで聞かせてくる。聴覚方面の起伏も、やっぱ変なのだ。
そんな珍妙かつ的確なリズムで刻まれる物語は、骨格を見てみるとかなり『第二話』っぽい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月20日
自分の口から垂れ流される公害に、ブーツぶん投げられてようやく気づき、Dパイに本気になれない自分を鑑みて、少し改める。その第一歩として空を舞い、仲間を見つける。ちょっとだけ溝が埋まって、前に進む。
かなりベタ足の『職場のファースト・コンタクト』なわけだが、しかしその内実は腐りかけのヨーグルトと捕食とゲロ、あと諏訪部声の変態なわけだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月20日
ほんと諏訪部は、声だけで女を妊娠させる役をやらせると天下一品だな…。乙女ノートの扱い方とか、一発で『あ、こいつも根性ドブゲロだ』と判る良い演出
キャラの面は児童向け教育番組なのに、ピッチリスーツに包まれたケツは妙に肉感的で、エグいアングルがそれを強調もしていて、なかなか変な気分になるシーンも多かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月20日
あらゆる場所にミスマッチを仕込み、それが好き勝手に加速しつつ化学反応を起こす面白さを、積極的に狙っている感じだなぁ。
アクが強く面の皮が厚い主人公に、ブンブン振り回される小物。偉大な母へのコンプレックスと、居場所を追われた痛みに傷つきつつ、泣き寝入りは出来ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月20日
だからこそヤンキーぶってみるけど、超変人にはカエルのツラに何とやら、むしろ感謝されてすれ違う。
名緒はなかなか、胃が痛いポジだ。
トゲトゲした鎧の奥に、ナイーブな自我を隠し持っている毒持ちチワワ。超人めいた鈍感さと、無邪気に振り回される言語凶器を併せ持った主人公とは、なかなか極悪な形で歯車の噛み合うバディかと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月20日
ドタバタと状況が動く中で、二人の凸凹はちょっと噛み合う場所を見つけた気がする。
そういう感じで、今後もゴミクズ人格のゴミ人間がモリモリ出てきて、ワーワー忙しく珍妙な状況が転がり、独特の味を持った筆致で人生の一幕が描かれていくのだろうか?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月20日
だとしたら、俺はこのへんてこなアニメ…結構好きだぜ。ファンタジーなのに生臭く、現実的なのに夢っぽい風味を、維持してほしいね
人間どもがドタバタ走り回る中で、まそたんは超然と異質知性体であり、人間とはちょっと違う、でも触れ合える距離でフヨフヨしてた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月20日
安易な擬人化を避け、『食べる時は食べてくる』存在としてドラゴンを描き続けているのは、凄く好みだ。怪物であるまそたんを尊重しつつ、状況を整えている感じがある
まそたんは圧倒的な力と独自のルールを持った、不思議な存在だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月20日
しかしひそね達の生臭いドタバタから完全に切り離されているわけではなく、煮え切らないDパイにはイライラするし、自分を素直にさらけ出してくれれば、一番無防備な胃袋に取り込んでもくれる。
そこらへんのズレつつ繋がっている感じが、ファンシーな動物として、かっこいい飛行機械として、異形のモンスターとして、ドラゴンを色んな角度から魅力的に書く意欲と混ざりあって、まそたんに独自の存在感を与えている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月20日
なんにもしゃべんないけど、とてもいい役者だと思う。
そんなまそたんを、自衛隊はどう扱っていくか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月20日
パット見読めない文字を一発で読み切り、真名看破キメたひそねは、巫女としての資質が高いのだろう。名緒はそこら辺の適性が低いから、パイロット候補どまりなのかもしれない。
オカルトの匂いがほんのり漂い始め、なかなか今後が気になるね。
そしてDパイの規律維持装置として、いい感じに硬い釘宮超えを量産してくれる柿保班長。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月20日
貧乏くじ引きまくりの名緒を、厳しくも優しい態度で面倒見てくれてるけども、名緒の鬱屈に理解を示すあたり、名緒ママと現役時代に色々あったのかなぁ…。
ここら辺の掘り下げも今後あるかもしれないし、それを見たいなと思わせる誘惑を、忙しい描写の中に巧く織り込んでもいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月20日
アクの強い人物にヴェールをかぶせつつ、毒を魅力としてみせる配慮は、凄く成功しているように思う。それが新しい物語を駆動させる時が、とても楽しみだ。
とりあえず、根性ドブゲロ人間たちはいろいろドタバタして、ほんのちょっと前に進んだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月20日
アッパーテンションで走り回りつつも、こういう人格面の成長と変化を逃さず入れ込んでくるところは、腰が強くて良い。ワーワー騒がしいだけだと、やっぱ見ててしんどいからな…。
逆に言うと、職場での軋轢と人間的成長を(分かりにくいポジションではあるが)真ん中に据えてるこのアニメ、やっぱり『お仕事系』なんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月20日
竜の秘密が明らかになったり、EDで先行顔見世した別の基地のDパイと交流したり。話が転がる余地は随所にある。飛行シーンもアガるし。
やりたいことを目一杯ツッコみつつ、精妙に計算されたバランスで異質なものを結び合わせ、相互作用を生み出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月20日
このアニメの特徴と強みが、キャラが少し前進するドラマ、賑やかで楽しいムードと一緒にたっぷり味わえる、いい第2話でした。来週も楽しみですね。