アイカツフレンズを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
美しい大自然に見守られ、女と女の関係は更に加速していく。無防備に人を引きつけるあいねの吸引力と、それに取り残されるみおの孤独。複雑な非対称性を、エマお姉さんが見守り支える。
新キャラ・日向エマの年上包容力をしっかり描きつつ、視野の広い描写が冴える回。
というわけで、メインキャラ最後のピース、日向エマChangメイン回である。とは言っても、年上天然お姉さんなエマのキャラを活かし、前に出るというよりは後ろで支える感じの立ち回りに。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
トンチキなようでしっかり周囲を見て、積極的に状況を作る姉力が、非常に頼もしい。
今回の主役は半分くらいみおで、あいね欠乏症の主症状である全身からの湿度の放散、独占欲と重力の増大がギュンギュン加速していた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
あいねを『アイドル』と出会わせ、ストイックに引っ張ってきただけに、あの感情総量は良い。今までの湊みおを放棄してしまうほど、特別な存在。
ワンボックスの薄暗い車内で、燃え上がる黒い炎と向き合っているみおちゃんは、これまでと違う声色、違う表情をしていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
あいねの友達力は、そういう風に人間を変えてしまうパワーに満ちている。友達百万人を目指す『アイドル』としての強みだが、個人と個人の繋がりにおいては、危うさもはらむ。
みおとあいねの関係性は、爽やかな友情…で終わりきらない非対称性がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
誰でもフラットに、前向きに付き合えてしまえる前進力と、適切な距離を常時維持できる視力の良さ。あいねが生来持つ人間力は、『特別な誰か』を作らせない。正確に言うと、全ての人が『特別な誰か』だ。
そういう超平等主義が、知らずみおの心を貫通する。クールでストイックなアイドルサイボーグが出会った、『特別な誰か』。それはあいねたった一人を追い求める、強い視線を生み出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
だがそれは、『特別なみんな』全員と友達になりたいあいねの視線とは、実は釣り合っていない。
激務に加え、この非対称性がみおを追い込んでいく。そもそも、無理して仕事を終わらせたのだって、あいねと特別な時間を過ごすため。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
しかし舞花がいてエマがいて、人数が増えたステージは第1話のような、運命的な独占を許してはくれない。それにフラストレーションをタメている事自体みおも気付かない
愛ゆえにもつれる感情の糸。なんともややこしい状況だが、ここでエマおねーさんの姉力が唸る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
普段はトンチキな言語センスで自由に振る舞っているが、周囲をよく見て、違和感を覚えたら即座に行動。さりげない気遣いで歪みを直し、みんな楽しくアイドル活動!
圧倒的に、デキる女である。
ぶっ飛んだフリーダムさが武器の舞花ちゃんは、前線を荒らすフォワード。メインの二人は特別な感情で中軸を支える以上、最後に必要なポジションは司令塔。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
周辺視野が広く、問題解決能力が高い。エマの性格はメイン四人が物語を制御し駆動させる上で、足りない部分をしっかり埋めている。
しっとり落ち着いて釘を刺す感じでも、ガミガミ委員長系でもなくて、ポップな黄色元気系デザインに地頭の良さを組み合わせたのは、なかなか良いミスマッチだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
とにかく前に出るけど、距離感が判っている。あいねの友達力描写にも通じる、ギャップと納得の描写である。出るけど出過ぎない描写が巧い。
おねーさんらしい気配りと情報能力を発揮し、みおのモヤモヤを解消していくエマ。その頼りがいと強さを強調しつつ、あいね&みおの幼い真っ直ぐさも素直に届いた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
そんな四人のサークルの外側を、優しく見守る大人たちの描写もまた、なかなかに良かったと思う。
アイドルたちが息抜きできるよう、レクを計画・実行してくれる、頼れる大人達。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
千春さんを巧くコミックリリーフに使って、ただただ『オトナ』なだけじゃなく、欠点やミスもある人間味をしっかり出していた。
そういう『人間』が頑張って、誰かを守り癒そうとする。とても尊いことだ。
むっちゃ『~~じゃない!』言いまくりの舞花ちゃんも、エマの気遣いを飲み込んで状況を作る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
大人なようでいて元気に幼く、おバカのようで賢い。キャラが出揃ってきたタイミングで、ちょっと複雑なギャップを賑やかな筋立てに乗せて見せる。良いエピソードだったと思う。
エマおねーさんが司会になって、キャラが『アイドル』に賭ける想いを言語化していたのも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
航海を導く北極星のように、『どんなアイドルになりたい』という理想はキャラクターを、物語全体を導く。ここで一回、ちゃんと言葉にして見せてくれるのはありがたい。
ラブミーティアという具体的な目標がある、ストイックなみお。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
普段は超元気だけど、ダンスの頂点を見据えると視界が定まる舞花。
目標を常に公言し、自分も周りも高みへお仕上げていくエマ。
それぞれ方向性は違うが、真摯に『アイドル』と向き合い、自分らしく戦おうとする姿勢は同じだ。
あいねはまだ、そういう具体的なビジョンがない。冒頭のインタビュー仕事で、まだまだ『アイドル』に不慣れな様子を描いたのは、彼女の『今』に嘘がない描写だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
しかし、あいねのカリスマが『何か』を動かし始めている描写も、随所に仕込まれている。前回のステージは、新しい仕事に繋がった。
そうやって一歩ずつ、あいねだけのアイカツステップで前に進んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
その先に『友達百万人』という夢がある。
現状、あいねが『勝つ』以外の価値を『アイドル』に見出してるのはとても面白い。残り三人のプロ勢は、ある程度以上『勝つ』こと、その先を見据えている感じなんだが。
あいねは勝ち負けの軸をずらして、『友達』に価値を見ている。自分らしく精一杯『アイドル』することで、観客ともカードともライバルとも心をつなげてしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
そういう強さとヴィジョンが、主役にあるのは面白い。本格的なバトルエピソードが来た時、あいねは『勝ち負け』をどう受け取るのだろう?
まぁ勝負しない方向で運ぶ可能性もあるけど、プロ勢が結構メラメラなんで、それを活かす意味でもバチバチぶつかり合う話、やるとは思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
『仲良くしていられるのも今のうち』な、ヒリついたサバイバルレースには並んとは思うが、『勝負』の厳しさも現実の一側面。掘り下げたら、もっとあいねは面白い
凹み調子のみおを鏡にして、あいねのナチュラルな強さと危うさ、舞花とエマの目の良さがしっかり描かれるエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
舞台をアウトドア・レジャーに設定したことで、風通しがよく楽しい雰囲気が出たのが、とても良かったです。そういう楽しい『場』を作ってくれた、大人のありがたみも見えた。
やっぱ高橋晃の『絵』は可愛らしさとキリッとした眼力が同居していて、すごく良い。全体的に可愛らしく仕上げつつ、ダイナミックな構図を時折挟んで甘くなりすぎないよう、緊張感を維持もする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
手際と目配せの効いたドラマを、『絵』が支えるエピソードでした。
あ、エマちゃんのラクロス用アイギアは、安全性とオシャレを兼ね備えたナイスデザインだったと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
顔面スレスレを硬い棒が高速で行き交う競技なんで、なんらか配慮は必要で。しかし可愛い顔を隠しちゃ、アイドルアニメは成り立たない。
いいバランスで嘘をつく、フレンズの姿勢が見えました。
非対称性の友情で繋がる、あいねとみお。強いエンジンと広い周辺視野を兼ね備えた、舞花とエマ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
メイン四人が出揃い、それぞれどんな『強さ』を持っているか確認するお話となりました。
エマに振り分けた尺はそんな多くないんだけど、好感度高いなぁ…効率がすごく良いエピソードであった…。
これでメインは出揃った感じだが、それぞれの夢路はまだまだ遠い。ラブミーティアに『アイドルの天井』を背負わせ、その高さを見せる劇作が効いてる感じだなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
今回描いた初期配置から、今後物語がどう動くか。みおの極大感情はいつ破裂するか。今後が楽しみな、アイカツフレンズでした。