ハイスコアガールを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月7日
ゲームに夢中だった少年にも、人生の転機はやってくる。中学最後の夏休み。少女と穏やかな時間を過ごす中で、少年は真実の己を見出し、それに追いつくべく行動を変えていく。
花は実るか、桜は咲くか。男・矢口ハルオの大勝負回。
というわけで、中学編ラストである。前半のどっしり腰を落とした展開から、ハルオの決意、努力、結末まで一気に走る、密度の濃いエピソードである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月7日
なんの目的もなく大野さんとキャッキャする前半が、静謐なタメになっていて、後半を活かす。構成がとにかくいい。
今回はカーチャンが特に目立っていて、大野さんと同じくらいヒロインだった。(その分、日高さんの霊圧は消えた)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月7日
ゲームや青春時代と同じように、この作品は母子関係にもノスタルジーとファンタジーのフィルターをかけている。あんな母親はいないが、是非いてほしいと思える。その匙加減が巧い。
気さくで気取ってなくて、声が新井里美で面白くて可愛い。120点のママンが、ハルオの青春を見守り、決意を支えてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月7日
そういう、何処にもなかったがどっかにあってほしかった"親子の肖像"も、このアニメは大事に書く。コミカルな描写を巧く使って、気取りすぎないのが良い。
そんなママンに見守られつつ、ハルオの青春はどっしり進む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月7日
Aパートのデート(と自覚していないデート)の悶え力は異常で、見ながら『オアアアアー!』って言いまくってた。スパ2のバイソンくらい。
それが宝石よりも貴重な一瞬だと自覚しないまま蕩尽し、自覚しないからこそ宝石のように…。
どっしり取り回して、ハルオのモノローグとリアクション、大野さんの物言わぬ目線を丁寧に描いたのは、非常に良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月7日
ハルオがどれだけ大野さんの"言葉"をちゃんと受け取って、彼女を理解しているか。そのことを、大野さんがどれだけありがたく思っているか。ちゃんと伝わるシーンだった。
ハルオは学業振るわんけども、人間に大事な部分は見落とさず、怠けずきっちりやりきってくれる男であり、好感と敬意を抱ける主人公である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月7日
大野さんのストレスを代弁し、中学最後の夏休み、ただ一緒にいる。そんな"あたりまえ"をやりきれる人間は、実はかなり少ない。そして、ハルオはそれをする。
駄菓子屋ゲーセンの片隅、揺りかごのように温かい暗がりの中で、二人きり身を寄せ合う。その密着した距離感、伝わる体温。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月7日
ゲームはそこに静かに寄り添って、言葉のない大野さんのコミュニケーション・ツールとなってくれる。
今回"ゲーム"はノスタルジーの対象であると同時に、凄い速度で変化していくエッジな現象としても描かれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月7日
アストロ筐体からソシャゲへ。あるいはPCへ。
メディアは変わりつつも、ゲームは今でも元気に変化を続け、革命は続行されている。あの熱い夏は、今でも継続中なのだ。
ともすれば『昔は良かった』という、カビの生えたノスタルジーに侵食されかねない題材。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月7日
しかし"ゲーム"は常に新陳代謝する生物であったし、"現役"のメディアだからこそ楽しかったとハルオに言わせることで、数十年の時間を飛び越え、"今"のゲームにもアプローチを伸ばしている気がする。
初代ヴァンパイアとVF1は本当に革命で、だからこそそこまで一般層には浸透しなかった。爆発するのはハンターとVF2からである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月7日
初代のややスローな展開、アキラスペシャルがないので独歩(K+G、1フレでG離す)でコマテク見せる。相変わらずゲーム描写最高に"オタク"である。
格ゲーが新たな波に乗り、次世代機が出る。皆がPSとFF7買う中、脳髄にひねくれたセガ信者はサターンにしがみついた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月7日
あの時代の異常な熱量を肌で浴びた世代には、そこで手を触れないと決めたハルオの決意は、ドスンと胸に迫る。愛…まさに愛である。
んだけども、ハルオはそれを男女のものではなく、人間のものとして受け止めている。間違っちゃいないんだが、やっぱズレている…その鈍感ピュアピュアっぷりが好きなんだけどね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月7日
夏が終わり決意を固めるシーン、ゲームの妖精の助けを借りずハルオ個人で道を選ぶのが、"何か"が変わったと見せて好き。
自覚された愛に報いるべく、ハルオは必死に頑張る。周囲も彼を支える。日高さん大丈夫? 周回遅れじゃない?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月7日
宮尾が相変わらず聖人級の良いやつであった。完全に勝てる流れに乗っかって、ラストはヒロインとの運命的合流。買ったなガハハ!
で終わらせない所が、このお話のいいところである。ハルオの努力は玉と砕ける。1942,撃沈である。だからボムは抱えず使えといったのに…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月7日
水彩調の背景に、スーッと飛行機雲が伸びる最高にエモい絵。これ見せて"負け"させるのほんと凄いよな。
©押切蓮介/SQUARE ENIX・ハイスコアガール製作委員会 pic.twitter.com/AhX88WeyGM
Bパートの美術ホント最高で、ノスタルジーとロマンスとファンタジーが高度に融合したこのアニメの強さを、最強に振り回す最高の"絵"だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月7日
たとえ花は咲かなくても、本気で学んだ半年間、誰かのために前に進もうと思ったハルオの気持ちは、宝石よりも大事なのだ。だから、綺麗に描く。正しい演出だ。
そんな美しい世界で、物言わぬ大野さんの気持ちは静かに伝わる。美しい少年と、美しい少女の、美しい青春。日高さんが入り込む隙間、マチュピチュの石垣より無いッ!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月7日
『同じ高校に通う』という結果には繋がらないが、内実的には完全勝利と言える心の繋がり合いであった。ホンマ強いわ大野さん…。
まぁこんだけ強い絆で結ばれて、物理的にも近い環境共有しちゃうと、あっという間に話し終わっちゃうからね…今回の"負け"は、ハイスコアガールが続いていくための必然手、というか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月7日
受験という日の当たる戦いには勝てない所が、最下層ナードのお話っぽくて好きではある。薄暗い場所が好き…。
というわけで、ハルオの決意が新たな未来へたどり着くお話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月7日
今回の敗戦ですべてが終わるわけではなく、ドラマチックではないまま人生は続いていく。
あの時の"負け"に込められたモノが、一体何なのか。それを確認するように、物語は高校という新たなステージへ移っていきます。
叙情性ロマンスで土俵際まで押し込まれた日高さんですが、高校生になってうっちゃりチャンスは残っているのか。大野さんはツメきれるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月7日
恋のサムライスピリッツもなかなか盛り上がりそうな状況、ちょっとずつ大人になってくハルオの成長にも期待大ですが、さてはてどうなるか。
来週が楽しみですね。