うちのメイドがウザすぎる! を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月22日
ホコリまみれの部屋、薄曇りの灰色。母なきミーシャの世界に光をもたらすべく、ウザいメイドが頑張ります!
話を〆るのに相応しい重たさで展開する、つばめのオリジン、ミーシャの成長。二人をつなぐみどりんの奮闘もあるよ!
というわけで、最後にシリアス&いい話、うざメイド最終回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月22日
最後にタイトル回収して終わるところも含め、ややオールドスクールな構成と言えるが、それが監督他スタッフの資質と噛み合い、なかなか充実感のある終わりだったと思う。
想定されてるベタ足でも、しっかり終わるのは大事だね、やっぱ
色々出てきて賑やかだった前回に対し、今回はミーシャとつばめとみどり、三人に絞って話が展開する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月22日
ヤスヒロが優しさの片鱗だけ見せて、ソッコー状況解決の舞台から退場させられるのは笑った。ひとしきり爆笑した後に寂しい気持ちにもなった。
保護者がマトモだと、ペドコメディ出来んからな!
わしわし&前川も手早く誤って、ヒビの入った友情は致命傷になる前にクリア。逆に言えば、致命傷になるまで切開して、話のコアを見せる相手ではない、ということでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月22日
キツく重い展開は、大事なキャラだからこそ背負える。そういう意味で、異常な存在感で話を支えたつばめしか今回の主役はいない
※訂正
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月22日
✗誤って→◯謝って
つばめは怪物であることが存在意義の、自分の起源や人間味を見せられないキャラだ。造作としてはフレディやジェイソンと同じで、コミュニケーションできてしまったり、その存在が理解できてしまえば、話は終わってしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月22日
ホラーは殺して、ロマンスは愛して物語が終わる。想いが届くのも納得。
ミーシャは母を、つばめは父を失い、重ねた年の数だけつばめは先に行って、『あの人はここにはいない』という結論を手に入れた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月22日
その正しさを、途中経過無しでいきなり叩きつけちゃうドア前のシーンは、常に”正しく”はあったつばめらしい場面だなと思った。そう、正しくはあるのだ、結果は。
人間厄介なもので、結果が正しくても途中経過が適切でなければ、それを飲めない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月22日
必要なだけ悩んだり、相手を慮った差し出し方をしたり。つばめ自身も苦しんだはずのそういう配慮が、他人相手だとぶっ飛ぶ。そこに矛盾を感じない怪物だからこそ、お話は不気味に楽しく躍動する。
そういうエンジンの仕事を終えることが出来るタイミングだからこそ、怪物の起源、感情の機微が描けた、とも言える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月22日
この物分りの良さ、間違えて学ぶマトモさが最初から出てると、『つばめが押し付け、ミーシャが拒絶』というギャグの基本形が揺らぎ、話がブレるからな…。
キャラクターを怪物にしないと話の構造が成立しないのに、キャラクターを人間にしないと共感してもらえない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月22日
そのジレンマと走ったアニメは、最後につばめを『人間』にすることを選んだ。合間合間に笑える怪物っぷりはあるものの、正直最終話のつばめはキャラが違う。終わるためにあえて違えている。
不変の怪物のまま終わると、ミーシャに過剰な負担を強いる不公平な構造が是正されないまま終わるので、伏せ札開けて感情負担を構成化した展開は、とても良かったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月22日
とっととオメーも、傷つき血を流す人間だってところを見せんだよ!
そしてそういう共感は画面の外だけでなく、中でも大事だった。
ミーシャもつばめが自分を曝け出し、同じく親を失った子供、傷ついた少女だったと教えてくれたおかげで、自分の心の重しを預ける気になった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月22日
本当は外に出たいけど、外に出たらママへの愛情を裏切る。進んでいってしまう時間を楽しく生きることが、どこか悲しく後ろめたい。
そんな愛と悲しみはとても綺麗で、このアニメっぽいな、と思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月22日
ミーシャ周辺の成長や学習、死人のために生きる停滞と生きようとする感情の摩擦は、かなり上手く描けてたのよね、このアニメ。
その溌剌とした光が、つばめ周辺の澱んだ重力で歪むのが、独特の味にもなんだけど。
このお話は”庭”(外界との接点であり、”家”の敷地内でもあるマージナル)に気負わず飛び出して、笑顔で楽しむミーシャの姿から始まっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月22日
ママンがいた時は、楽しく接続できていた世界。それは母の死から灰色に塗られてた。https://t.co/fDCdt1gWD7
それを隠す…というか、忘却するというか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月22日
生きている以上、死人の停滞した世界に寄り添うことは出来ないし、死に続けることも難しい(そう出来てしまうなら、心が体を何時か殺す)わけだけども、喪を続けることがミーシャにとっての愛の象徴だった。
それを、ウザいメイドがぶっ壊す。
正確に言えば、ぶっ壊れていることを不器用に突きつけ、認めさせる、か。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月22日
それはミーシャ自身の真実でもあったから、つばめの『正しさ』は(これまでと同じように)届く。彼女は外に出たかったし、友だちと遊びたかったし、美味しいご飯も食べたかったし、笑いたかった。
生きていたかったのだ。同時に死んでしまったママと同じように、死んでもいたかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月22日
その矛盾をミーシャが肯定し、つばめのいる側に体重をかけるまでの物語が、第1話から最終話までのドタバタコメディといえるだろう。
こういう『生き直し』の話でまとめたのは、そういうの好きな僕には嬉しい。
死の重たさを宿して、今回のお話は彩度がとにかく低い。葬式めいたモノトーンでずっと進んで、天の岩戸が空いてミーシャが出てくると、色彩が戻る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月22日
ここら辺のカラーコントロールは、ベタ足だが印象的でよかった。
©中村カンコ/双葉社・うちのメイドがウザすぎる!製作委員会 pic.twitter.com/cHG7vDlmVt
飢えた子供に食事を与える圧倒的な『正しさ』を体現するみどりんは、生と死の岸を行き来し、二人の気持ちを媒介する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月22日
あまりの怪物性にヤバさを加速させていたつばめの壁となり、話をいい方向に是正した名脇役の、面目躍如と言ったところだ。本当に人間力が高い…変態だけど。
みどりの『正しさ』はつばめのような優秀さや、結論の『正しさ』ではない。能力的には圧倒的に有能というわけではないし、負けるところは負ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月22日
しかしそれを届ける過程、変態なりに人と空気を見て立ち回る『正しさ』が、巧いこと作品に欠けているものを補っていた。
話が収まる今回、ミーシャの幼い献身とつばめの過剰な正しさ、両方をしっかり見て橋を架けるみどりの仕事なしでは、綺麗に収まらなかっただろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月22日
キャラの特性と仕事をよく見て、大事なところを任せる展開で、とても良かったと思う。なんだかんだみどりん好きなんで、最後で目立ってよかった。
どうしようもなく変化していってしまう世界を、つばめは片目と職を犠牲に先に受け入れ、ミーシャも部屋から出て肯定する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月22日
幼女限定の性欲でもって停滞を大肯定してたつばめが、『初潮を迎えても、お嬢様を愛する!』と宣言したのも、そういう生の肯定の一環か。平たく言って最低だな…。
パワーと経験で勝る大人が上にのしかかり、性欲と『正しさ』でマウント取ってくるヤダ味は作品の根本なので消えない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月22日
そのエグさを認めた上で、同じくエグいギャグや台無し感で笑いを創って、なんとか食える形にまとめる調理技術は、凄く良かったと思う。
ミーシャは今後も物分りの良い子供として、色んなモノを先回りして学び取り、クソペド腹筋モンスターが好き勝手やるお話を飲み込んでいくだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月22日
そんな彼女にだって、譲れないワガママがある。ママンの死と腰を落として向き合い、感情を存分暴れさせたラストは、誠実でよかった。
途中つばめのヤダ味が極限化し、ぶっちゃけ視聴を諦めかけたけども、ギリギリのタイミングでみどりんが間に合った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月22日
話の通じない怪物を『人間』にすることなく、怪物語を翻訳してくれるみどりの存在は、話全体をすくい上げる妙手だったと思う。そういうキャラホント大事。
つばめが撒き散らすクレイジーな笑いは、たしかに不謹慎でエグいけども文句なく面白く、こっちの罪悪感を踏み倒して見させる腕力があった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月22日
まぁ笑いというのは殺菌しすぎると味がなくなるので、超強引にでもバランスを取れたエグミ、作品の独自性をブン回したのは正しい選択だった…のだろう。
母を失ったミーシャが、それでも学校とかうざメイドとの生活とかに癒やされ、生き直していく話としても、なかなかスジが良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月22日
ヤスヒロの蚊帳の外っぷりは…まぁしょうがねぇ。第10話もあるしな。
わしわしと前川が良い友人、良い少女たちで、何かとワリを食わされるミーシャに優しくしてくれた。
終わっていない原作のコアを、エグみも含めてしっかり掴み取り、人情風味と台無し感で美味しく仕上げた、いいアニメだったと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月22日
つばめの怪物性をどう切り崩さないまま進めていくかが勝負だったけども、最後の最後でそれを壊すところ含め、いい運び方でした。
兎にも角にも主人公ミーシャが、外見も内面も非常にいいキャラだった。彼女の人格が太いことが、やっぱりこのさく品最大の魅力だったと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月22日
毎週ゲラゲラ笑って、ヒデーな! とツッコんで、少しホッコリして。いろんな気持ちになれる、贅沢なアニメでした。
面白かったです、ありがとう。