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さらざんまい を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
深く、もっと深く。後悔と欲望を重しにして、少年は絶望に潜る。薄暗い淵の奥に、思い出を殺し続ける。
己を無縁にすれば、空疎になれるのか。愛を諦めて、嘘に溺れられるのか。
それでも水の果て、生まれ直して希望を掴む瞬間を夢見てる。
少年よ、光のあるうち光の中を歩め。
そんな感じの最終話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
正直言おう、何が起こったのかサッパリわかんねぇ。お前ら分かった?
第1話の訳のわからなさに押し流され、二話以降だんだんキャラクターや抽象の扱い、秘めたドラマ、喪失のミステリが解ってきたようでいて、この圧倒的な説明のなさ。https://t.co/HdFgrJuxAn
イクニエンジンフル回転のぶっ飛ばし加減で、しかしここまで消火してきた物語が、最初とは違う景色を見せてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
それは妄想なのかもしれないが、たしかに僕らはなんか良いもの見た気がして、KANA-BOONの爽やかOPももはや詐欺には見えない。作品のすべてをギュッと凝縮した神OPだぁ…(狂人の眼)
第1話に殴りつけられた三ヶ月前と、この最終話をがっちり受け止め言葉に出来ない何かを放り出そうとしている今。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
そこを繋ぐものこそが、"さらざんまい"全11話なのではないかと、解ったような解らないことを口走りたくもなる最終話である。まぁイクニアニメ見終わると、早口で妄言垂れ流したくなるのよ
相変わらず…つうか全話の中で最も抽象度が高く、訳の分からねぇモノローグとカオスなファンタジーが入り交じるお話だが、自分なり噛み砕き、感じたことを流出≒共有していきたい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
あなたの見たものがあなたのさらざんまいであるように、これから書くことがぼくのさらざんまいだ。それは豊かなことだ
お話は作品全体がそうであるように、深い場所に沈み込み、光のある方向へ上昇して終わっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
今回の話を見ることで、カッパが何故モチッとしたSDデザインなのか、合点がいった。アレは赤児の特徴であり、思春期に沈んだ少年たちがもう一度生まれ直し、自律呼吸するまでの物語だから…だと思う。
例によって例の如く、作品は確固たる事を言ってはくれないし、必要なことはちょうど真ん中で投げつけまくっているので、自分の勝手な確信をブンブン投げつけてしまっても良い気がしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
それを誰かが受け取り、誰かが引き裂き、誰かが繋ぐだろう。それでいいじゃないかと、作中の少年も言ってた。
仄暗い水の底には記憶と絶望があり、現実を超越した抽象がある。第6話の河童と歯車の国よりもさらに、具象が少なく訳が分からないマインドワールドの奥に、少年たちは潜っていく。深く、もっと深く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
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抵抗できない流れに押し流されて沈み、溺れているのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
自分の意志で潜り、泳いでいるのか。
実はあまり差はないのかもしれないが、悠は死せる兄を伴にして絶望の奥に沈んでいき、一稀と燕太は友を取り返すために潜っていく。
死の川、忘却の水の彼方へ突き進む、三人のオルペウス冥府行である。
沈んだ先の世界には色彩がない。冷たい氷の世界の中で、悠は絶望で思い出を打ち抜き、縁を殺していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
既に死んだ兄の幻影に縛り付けられ、取り戻せないものにしがみついて、世界と他人と自分を傷つける。その歩みは、やっぱりレオに似ている。
破綻に至った先達と、同じ道を行くのか。
兄(に化けた獺の虚像、欲望の反射、思い出)すらも銃弾で撃ち抜いて、悠は無縁になろうとする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
舞い散る札束、溢れる欲望。それがあれば幸福になれるはずだったけど、掴んでみてもなんにもならなかった、虚しいエコー。
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このとき悠は兄への未練を殺し、銭金銃弾をツールにして幸福を追求する生き方を諦めたんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
欲望を絶望することで、悪徳と決別する。それさえあれば、絶対に手放したいものを掴めると思い込んだパワーと離別していく。悠の自傷は、危険な病巣を切断する行為でもある。
ミサンガ(≒約束、思い出)を一稀にあげてしまった悠の足には、なにもない。でもちぎれた思い出を結び直し、縁を再生させることで、願いをかなえることは出きる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
ミサンガは千切れた(契れた)ときにこそ、思いを叶えるアイテムなのだ。
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握りしめ、繋ぎ直す。かつて春河の手を離し、燕太の命を奪われてしまった一稀は、その度奇跡にたどり着いた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
今回も彼は迷いつつ深く潜り、親友が最後の縁を殺す一歩手前で間に合う。三人だからこそ、銃口をそらす役と、盾になる役を分担できる。
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レオが燕太を銃撃した時、あるいは悠がヤクザを撃った時。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
取り返しのつかない破滅は『2』の間で展開し、巴に混じり合う『3』ではない。
それは奇跡を必要とする多大な犠牲を生み出し、一稀は希望を掴め、悠は願いを掴めなかった。だが今回、悠の銃弾は一稀の盾と燕太の横槍に阻まれ、誰も殺さない。
否、自分の中にいる兄…獺という偽物は殺せたか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
その無意識の病理切除を行えなかったからこそ、レオは獺(≒自己の欲望の反射)にマブを寝取られた苦しみに悶え、マブが隠していた真意にたどり着けず、暴走しきって悠に殺されたのか。
暴走しているようで正しく選択できる世代と、間違えきる世代。
その断絶の意味合いは、レオマブの蘇生と帰還をどう受け取るかによって様々に変化するだろうから、今は一旦横に行く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
とまれ、友情を引きちぎっては繋ぎ直した少年たちは、思い出の自死を寸前で止めることが出来た。間に合ったのだ。奇跡は起きたのだ。
ここでお話的には河岸が決まって、キッチリエンディングまでたどり着けるルートが拓けた感じではある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
現実のやるせなさに揉まれ、悪徳に手を染め、『世の中そんなもんさ』と諦めようとしても消えない、胸の中の少年を守ること。
それが悠の生存条件であり、レオが掴みきれなかったものなのだろう。
忘却が全てを塗りつぶす世界の中で、少年たちはアホみたいに叫び、秘めた思いを漏洩し続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
世界にすり潰されたとしても、どうしても消えない魂の叫び。それがこだまし続ける世界で、手をつなげたなら。灰色の世界も、色を取り戻していく
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少年たちは潜りに潜って、不思議な輪っかが乱舞する超抽象空間まで降りてきた。灰色の街の"下"に、全てが真っ白になってしまう氷の世界がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
そこに至る道程として、灰色の浅草、具体的な思い出の世界があるのなら、ケッピが間に合ったことでそこに帰還する行為は"浮上"である。
ケッピとダークネスのバトルは、不可思議な世界を支配する巨大なルールであり、その成否が全ての運命を決める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
のだが、河童の個人的なバトルはあくまで背景で展開し、詳しくは描写されない。浅草で何があったんや……
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ケッピが絶望を身勝手に分離させ、獺に良いように利用されそうになった背景には、少年たちと同じ(かそれ以上)のドラマがあったのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
しかしそれは最後まで伏せ札として抑えられ、具体的な描写はない。
ファンタジーはファンタジーの領域にとどまり、しかし現実に決定的な影響を投げる。
その訳のわかんねぇ言及のなさが、僕は逆に良いな、と思っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
不可思議な力は、僕らの目の届かないところで、僕らの知らないロジックで回転し、凄い悪影響とか、明るい奇跡をとかを叩きつけてくれる。
それは想像するしか出来ないけども、想像することが許されてもいる領域だ。
ケッピはどんな存在だったのか。少年たちに絶望と希望を泳ぐチャンスを与えた不思議な世界は、どんな現実味を帯びていたのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
そこまで解剖してしまうと、魔法の国が死んでしまう印象も受ける。あくまでイマジネーションで噛み砕いて、自分勝手に身の糧にしていく。そういうファンタジー受容。
謎を深掘りしたい人はすればいいし、象徴の意味を掘り下げる人はそうすればいい。ガッハッハと笑って楽しんで忘れていくのも、勿論アリだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
ケッピ王子の語られざる冒険譚には、そういう白紙の豊かさがある…と言い切ってしまうと、まぁイクニ信者がすぎるわな。でもしょうがない、そう感じたんだもん
絶望に向き合うことを決めたケッピと少年たちは、ケッピが回収したレオマブの思い出を蘇らせ、希望を導く流星に変える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
闇の中、輝く星。それが実在しているのか、何かの象徴なのか。レオマブは死んだままか、生き返ったのか。
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それも白紙のファンタジーとして、様々な読みに晒されている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
どの結末でも良いな、と僕は思うが、やっぱり車力になったレオマブはある種の幻影、三年後の浅草に残照するファンタジーかな、とも思う。
例えそれが夢でも。彼らの未達を未来に漕ぎ出していく少年たちが背負い、導きとなったのなら。
それはとても良い夢だし、優しいファンタジーだとも思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
『2』として最後に向き合えた二人を、ケッピが忘れなかったことで三人がミサンガを手渡せたというのなら、それは有益な夢ですらあるだろう。
河童の一稀は、かつての自分と手を繋がない。思いを込めて繋ぎ直した約束を、優しく手渡す。
かつて春河を取り戻したときと同じように、そしてまた違う繋がり方で、一稀は過去の自分と、悠と燕太は一稀と繋がっていた自分を取り戻していく。白黒の世界に、色彩が戻っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
現在、過去と色を取り戻していった少年たちは、灰色の未来もまた、夢見ていく。
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ゴールが決まるかなんて、解らない。たくさんの挫折と衝突と絶望(未来の幻影の中で、春河に押し付けてしまった跛足を一稀が引き受け、故障しているのは意味深い)にもみくちゃにされながら、それでも心を漏洩させていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
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前向きにはけして見えない、どす黒い心情の吐露。それが赤青黄色の色彩を、灰色のサッカーフィールドに呼び込んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
覆い隠して縁が切れていくくらいなら、一か八か感情の銃弾を吐き出したほうが良い。それがどこにぶち当たるか、誰かが止めてくれるかなんて、わかりゃしない。
友情満載の明るい繋がりではなく、ギスギスした衝突と激情が未来に満ちていたのは、このアニメらしいなぁ、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
覆い隠したい真実を漏洩させ、共有させることで、三人は繋がれた。その約束の果てに、過去に何かを手渡しできる瞬間がある。縁を切って、過去を殺す灰色の世界ではない光が。
色々あった(らしい)未来の三人は、パスを繋ぎ、障害を乗り越えてシュートを蹴る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
ゴールポストに当たるかもしれない。キーパーに止められるかもしれない。結末は分からなくても、受け取ったものを光の中に蹴り込んでいく。
その決断を以て、少年たちは現世に帰還する。ファンタジーと別れる。
羊水まみれで、闇の中から光に出る。グチャグチャの思春期に苛まれ、道が見えなくなっていた彼らは欲望と思い出に向き合い、生まれ直す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
再生する赤児としての河童は、少年に戻って帰還する。愛する人たちが見守る場所へ。
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本来の姿を取り戻した河童の姫と王子は、雌雄一対の星となって天へと帰っていく。一体何が起こっているのかサッパリわかんねぇけども、サラちゃんが幸せそうだからまぁ良いか…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
原作の"星の王子さま"は死にオチなわけだが、それと同じく成仏して星二戻ったのか。はたまたファンタジーに帰還したか。
空を逆行する箒星に何を願うかは、百億の視聴者それぞれに委ねられている部分だろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
二人の背後にある『2』が受精後の卵割にも見えるので、身体を取り戻したケッピとサラちゃんがクンダリーニ・シャクティしたとも取れるな。河童的だなぁ…。
さておき、少年たちは失うことなく、絶望に溺れることなく現実に帰還する。そこで待っているのは罪の裁きであり、罰という名のつながりである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
少年院描写が異常にリアルで、冷たく生っぽいのは凄く良いと思う。
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檻の向こうに光を睨みつつ、悠は三年間の贖罪を過ごす。メシは命をつなぐには十分暖かく、しかしどこか他人行儀で冷たい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
悠が収監されたこと。それはバッドエンドのようでいて、社会が司法という繋がり(レオマブが警官衣装で濫用したもの)で暴走した少年を見放していなかった証明とも言える。
社会が用意した刑期に服することで、贖罪のルールに身を委ねることで、悠は兄の喪失、ヤクザ殺しの重さと向き合えたのではないか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
『未来ある青少年を厚生不能な深みに落とさないよう、刑を酌量する』
ときに甘いと批判される少年法の精神が、生きて仲間と再開できる時間を悠に用意してくれる。
EDの時間をしっかり使って、悠の罰を静かに描いてくれたのは、作中のヤクザに妙に心惹かれていた自分としては嬉しかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
死んでいったもの、殺してしまったものと直接繋がりがなくても、絶望の弾丸で殺してしまうのは、やはり違う。そう思っていたから、それを贖う時間を大事にしてくれたのは嬉しい
三年獄に繋がれれば、殺人の罪が雪がれるのか。果たしてどのようにすれば、命を奪った取り返しのつかなさを、取り返せるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
これも答えの出ないファンタジーだと言えるし、そこに答えをだすべく人は司法を社会の基盤においているとも言える。罪人全てを切り離すのではなく、繋げて引き受けるために
ともあれ、カッパのケツの奥に広がったファンタジック無法空間を抜け、非常に現実的な牢獄を抜けて、悠は三年後の世界に出産される。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
光は眩しい。取り残され、切り離された悠は"家"に戻ることも出来ず、光を眩しく見上げている。
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(グチャグチャ文句言ってたおじさんが、それでも蕎麦屋を続けて悠の"家"を守っていてくれていることに、知らず涙が流れてしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
ジジイになると、こういう無縁匿名の人たちの、あんまピカピカじゃない不器用な人情が関節に染みる。美少年じゃなくとも、皆必死に義に生きようとしているのだ)
悠は橋から太陽を背負って飛び出し、水に沈んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
隅田川を泳いだところで、全ての罪が水に流されるわけじゃない。兄貴が冥府の国から戻ってくるわけでも、時間が巻き戻るわけでもない。
でも、過去に約束を手渡すこと、未来にシュートを打つことは出きる。
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あるいは三年待っててくれたマブダチと、水の中から光に向かって漕ぎ出し、満面の笑顔で再開することも。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
それは過去の自分、繋がった約束を絶望で討ち果たさなかったからこそたどり着けた、生存の岸だ。自ら上がり、自分の足で走る自由を、高校二年生の少年たちは手に入れていく。
もう一度繋がり直すという夢は、一度千切れて叶った。それで終わりではなく、歩みは未来へと繋がっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
絶望の淵に沈んだようでも、未だやり直せる。新たに漕ぎ出せる。
未来へ。光の方へ。
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まぁそういう、ちょうど真ん中の青春譚だったのだと思う。超面白かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
いかにもイクニ的なペシミスムはレオマブに背負ってもらって、主役三人は自己犠牲もディスコミュニケーションも乗り越え、まっさらな境地にたどり着かせる。
語り直しであり、新しい話でもあったと思う。
にゃん太の睾丸を去勢しなかったことで、彼がベビーを授かれたのは良い描写だなぁ、と思う。春河が望む嘘を演じるために、にゃん太の生殖能力を身勝手に奪う過ちを、一稀は直前で踏みとどまった。絶望の弾丸を、ギリギリで撃たなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
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力なきものを勝手に断種する傲慢が、一つの可能性を略奪してしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
そこから距離を置いた一稀の選択には、実はカッパの不思議なファンタジーは関わっていない。猫は徹頭徹尾現実の領域にいて、太ったり子供を作ったりしていた。https://t.co/qBAj6utprz
悠の収監と同じように、訳の分からねぇトンチキが全てを律しているように見える世界は、現実の浅草と深く繋がっていて、そっちはそっちで勝手に流れているのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
でもカッパのトンチキファンタジーがなければ、少年たちは上手く現実と繋がることが出来なかった。隣りにいる仲間とも。
あるいは、既に決定的に間違え死んだかつての少年たちが、一瞬の夢(あるいは、永遠の救済)に身を投げることも。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
夢と現実は切り離されつつ、力強く共犯する。ファンタジーだけが救いうるものを、深い水の底から引っ張り上げて、浅草というキャンバスに全力で叩きつける。
そういうアニメが、最初から見据えていた場所に力強くたどり着く最終話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
凄く面白かったです。犠牲を贖える世界に、不確かな未来を見据えて船を出す結末に、幾原邦明がたどり着いたことにファンとしては驚きつつ、凄く嬉しい気持ちです。
終わってみるとマジ訳わかんねぇし、百億の読解と感想がある話なわけですが、芯はぶっとくジュブナイル、青臭い青春を少年たちが走り抜けていく王道ファンタジーだったと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
いややっぱ、さら一番わかり易いってマジ。食いやすいってマジ。(画面を埋め尽くす肛門とクソから目を背けつつ)
失うべきを失い、受けるべき傷を受けつつも、そこには手が届き、犠牲なく未来への船を漕ぎ出すことが出きる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
たどり着けるし、やり直せるし、繋がれる。
『けど』で分断されている『繋がりたい』という気持ちを、『から』でちゃんと終わらせることが出きる。
僕らを取り巻く/僕らの内にある透明な嵐を相変わらず真っ直ぐ見据えつつも、その重たさにグイグイ身を乗り出して、パワフルにポジティブに前に進んでいたのは、とても良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
最終話でバンクが来た時、前半笑いのタネだったトンチキにマジ感動できたのは、作品のネアカさを象徴してると思う。
先週レオマブがカッパの姿に帰還したのは、死を賭して得られる最後の幻影でしかなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
そういう物語を超えて、主役が演じる最後のバンクは、凄く真摯な魂の叫びで、三人が確かに繋がっている確信をロジック蹴っ飛ばして教えてくれる、良いアニメーションだったと思います。
あの二つのバンクの間に、さら以前とさら以降の幾原邦明が刻まれているようで、僕は勝手に色々ジンワリ来ちゃったんですよね。凄く面白かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
ケッピ王子が知らねぇところで彼の闘争に勝ち、絶望と繋がって王子の輝きを取り戻せた所も、ディオスや眞悧の"先"を勝手に感じて良かった。
そういうイクニチルドレンの勝手な遠近法だけでなく、ポップでアバンギャルドな"絵"の洪水、爆裂する思春期と元思春期(現在進行系)、浅草とカッパ領域を行き来する現代ファンタジーの味わい…作品を構成する要素全てが面白く、ワクワクと楽しかったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
ノスタルジーと過去作との照応だけで"今"のアニメ見るのってホント寂しいことだと思うのですが、しかし作品が心臓にぶっ刺さっちゃったゾンビは否応なくそういう見方はしてしまい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
クソガキ共の暴れまわる思春期は、そういうゾンビの横っ面をしっかり張り飛ばして、"今"を見させてくれました。
幾原邦明は常に時代性を作品に取り込み、"今"の話を書いています。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
永遠があるというお城、こどもブロイラー、透明な嵐。
繋がりたい『けど』繋がれない絶望に大勝利を果たせなかった物語が、獺をぶっ倒して船で漕ぎ出し繋がる終わりにたどり着けたのは、彼が見ている時代の風が、背中を押したから。
そんな身勝手な読みを現実に投影しつつ、すげー面白い話だったとべた褒めして終わりたいと思います。俺このアニメ好きだなぁやっぱ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
このハッピーエンドを以て幾原邦明を"老いた"という人もいるかもしれないけども、では作家の、人の"若さ"とはどこにあるのかということを、僕は問うておきます。
望みが絶たれた"絶望"に飲み込まれないためには、身勝手でも"欲望"をしっかり捕まえて、自分だけの繋がりを離さないことしかなくて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
でもそれは凄く危うい銃弾になって、自分や他人を傷つけもする。
『欲望を手放すな』と歌ってたレオマブは、その真意を掴み得ていなかったのでしょう。
深く深く潜るチャンスも与えられないまま、死によって分かたれた彼らと、カッパのケツに潜ってお互いを漏洩させ、傷つけ受け止め繋がり直せた少年たちの間に、どんな差があるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
不思議な流れ星で、その断絶は埋まったのか。
謎はまだまだ、永遠に残るでしょう。
それを味わい、考える余地が残っているということは、僕は無責任ではなく豊穣だとやっぱり思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
色々グチャグチャ考えながら、『こういうことなんじゃねぇなかな?』『俺はこう思ったぜ』と投げかけられるのは、楽しく幸福なことではないか。
そんな風にアニメ感想漏洩させる意味合いと喜びも、作品をガツガツ食べる中で再生させてもらった気持ちがあります。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
もしそれがあなたに届いているのなら。僕の身勝手なエゴで、あなたの楽しさに繋がれたなら。
それをさせてくれた"さらざんまい"は、やっぱ楽しく素晴らしいアニメだと思います。
とっても面白く、楽しいアニメでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月20日
毎週ヒキが強くてワクワクしたし、キャラはクソでありつつ可愛げもあって、好きになれる人間たちでした。作画も演出も音楽も最高で、好きになれるところがたくさんあるアニメでした。
ありがとう、お疲れ様。俺本当に、このアニメが好きだよ。ありがとう。