スター☆トゥインクルプリキュアを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月7日
鵲の橋を渡って、父帰る。
UMA研究のために世界中を飛び回るひかるの父、陽一が帰ってきた。キラやばな生き方を貫く息子に、ひかるの祖父、春吉は心を開かない。
それぞれの寂しさと強がりを交えつつ、日は落ちる。七夕生まれの宇宙人は、どんな願いを叶えるか
そんな感じの星奈家家庭事情であり、ララのお誕生日エピである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月7日
父の背中を押したひかるの人格、離れていても生まれる繋がり、自由ゆえのわだかまりと祖父の責任感。今までブラックボックスだった星奈家にしっかり切り込みつつ、春吉にララが寄り添うことで存在感が出てくる、技ありの展開だった。
今回の話しも良いポイントがたくさんあるんだけども、まず父の不在をポップに楽しく、しかし真剣にスタプリらしく掘り下げていったのが良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月7日
『親の犠牲になる子供』はこれまで幾度か描かれたけども、『このために己を封じ込める親』『それを開放してあげる子供』に踏み込んだのはプリ初かな?
年齢と責務、『こうあるべき』という縛りを=で結ばず、色んな角度から色んな書き方をするのはスタプリの特徴だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月7日
ララも『ティーンでの成人』という故郷の慣習を背負い、それに過剰に縛られつつ、同時にそれを己の支えにしつつと、陰影が複雑な描かれ方をしてきた。
春吉は『大人はこうでなければいけない』『家族はこうでなければいけない』というイマジネーションの固定に縛られている人物だが、悪人ではけしてない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月7日
つーか自分の息子が『父さん、UMAで食っていこうと思うんだ…』とかほざき出したら、そらキレるしわだかまりも生まれるわな。
黒いイマジネーションに支配されたときも、義理の娘や孫が苦労していることを一番に気に病んでいたし、『正しいものは正しいから正しい』とイマジネーションを停止してしまう人では、けしてないのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月7日
ただ、そのイマジネーションを上手く使いこなせず、息子や自分自身と和解できずにいる。
今回家族の関係は一気に解決しない。だが確かに、かすかに前進する。第18話における『漫画・仕事』と同じ書き方だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月7日
それは春吉の心情に、『大人かくあるべし』という意識を共有し、しかし『家族かくあるべし』という意識がないララが年齢を飛び越えて、対等に寄り添ったからだと思う。
ララは多分、家族を基本単位で成立する地球社会を不思議に観察している。全然違くて、だからこそ面白いと思える。隠すことなく興味を見せて、ズバッと本音をぶっ刺してくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月7日
宇宙人少女と老人の交流は、差し出されたドーナツを媒介に成立していく。メシはいつでも大事だ。
ひかるも春吉も、BBQを前に腹の虫を鳴らす。それは血の繋がりを表す重ね合わせで、同時に不在の父(子)に対する愛の飢餓を、無言で訴えているようにも感じた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月7日
本当は、やっぱり会いたい。本当は、やっぱり素直に向き合いたい。
言えない気持ちを隠しながら、星奈家は離れつつ繋がっている。
ララが春吉を興味深く見る視線は、同じ宇宙人であるユニが地球を見つめる視線と重なっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月7日
ユニは何故、仲良しサークルから距離を取るのか。気まぐれな猫の視界で、いったい何を見ているのか。ココらへんは次回以降掘り下げられるポイントだろう。
ララはもう、自分が身を置く社会システムが唯一の正解だとは思わない。宇宙には色んな繋がり方があって、春吉-陽一-ひかるの血縁が離れ、近づく恒星系を興味深く観察している。その内側に入り、孤独な老人の心に寄り添う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月7日
ユニもまた、人間社会をそういうし座から見ているのだろうか?
ひかる相手には厳格な老人のペルソナをかぶる春吉が、同い年の友人である遼じいとは少年のようにあだ名で呼び合う描写も、チャーミングで風通しが良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月7日
ジジイになっても、マブダチはマブダチ。歳経て生まれるものもあれば、変わらず残るものもある。色んな顔を老人が持っていたって良いのだ。
それは『大人かくあるべし』で自分を縛っていた陽一が、ひかる(『子供かくあるべし』という規範から自由で、同時に縛られてもいる少女)に背中を押され、少年のように世界を飛び回っている姿と響き合う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月7日
『キラやば!』と口にしても、しなくても。彼らは家族で、何かが繋がってい、同時に離れている
まるで星座のように呼応し合う、家族というシステム。そこから離れたララを定点観測地として置くことで、その不思議な在り方がぬくもりを持って、しっかり描かれていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月7日
『大人の開放』ってのが、スタプリの(数ある)テーマ(の一つ)なのかな、などと感じもする。
離れていても、愛が消えるわけじゃない。星を見上げるように、思いは届く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月7日
ひかるが陽一をヒロイックに送り出した想いは、いつか来るかもしれないララとの離別を、静かに照らしてもいる。別れても別れなくても、二人の出会いと思いは強い光を放つだろう。その時が楽しみである。
しかし出だしからララの肩引き寄せーの頬寄せーので濃厚に”ひかララ”だったのは、『初手から奥義にて仕る』って感じだったな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月7日
ユニに相当物語リソースが寄ったので、思い切って画面に出さず、春吉に繋げてララの存在感を濃くしたり、星奈家を掘ることでひかるの輪郭を鮮明にしたり。巧い運びだった。
同じ家族繋がりで、UMAに興味が強いまどかの描写も可愛かったしね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月7日
テンジョウさんが春吉心の闇を掘り下げてくれたおかげで、同じBBQを祖父・父・孫三代で食べて、飢えを満たすことも出来たし。
その時埋まっていたのは、ただ物質的な飢えだけではないのだろう。
星奈家はどっしり腰を落として関係を変化させていくようで、その本気の取り組み方が凄く良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月7日
今回ララと関係を作ったことで、春吉が変化していく物語も土台ができたし。まずはジジイを誑し込み、外堀から埋める…ララの星奈姓獲得計画は遠大だなぁ…。
ひかるがなんで、今の星奈ひかるになったのか。親が『大好き』を諦めないことが、どれだけ子供の瞳に星を宿すのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月7日
コミカルな描写にもそういう芯の太い描写がしっかりあって、主人公の陰影が濃くなるお話でもありました。家族関係の描写を怠けないと、やっぱ存在感がダンチだなぁ…。
祖父も父も、『かくあるべし』という形に囚われつつ、そこから抜け出そうともがいている。その自由は無条件に正しいわけではなく、軋轢や寂しさを生む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月7日
それでも、私達は繋がっているし、自由でいていい。
主人公より年かさの家族にフォーカスすることで、非常に広いヴィジョンが描かれていました。
今回描いたものがどんな発達を見せて、どんな光を放つかも楽しみです。ここら辺ロングスパンで書けるのは、一年アニメの強みよね…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月7日
そして次回は可愛い可愛いフワちゃんが大増殖。カオスの予感がするぜ…。
こういう話でユニを深く彫り込んだりするから、キラプリ油断できねぇんだ…来週も楽しみです
あ、ひかるにフォーカスを固定すると見落としてしまいがちな『祖父-父という親子関係』を『父-子という親子関係』と並列して書くことで、『いつまで経っても親は親』という普遍性を立体視させていたのは、非常に精妙な運びだったと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月7日
子供を背負うオヤジだって、必ず誰かの子供なのよね…。
追記 夢見る頃を過ぎても
しかしアレか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月8日
羽衣ララ離別ルートでスタプリが進んだ場合、天の川に引き裂かれたつがいの祭りのたびに、星奈ひかるは一年間だけ出会えた運命の女の誕生日を思い出して、空を見上げることになるんだな…。
”羽衣”という名字、12話、すべてが離別を指し示しているが、どう進むか。
別れていくなら別れていくでいい話だと思うし、ロケットで道理を蹴っ飛ばしてもう一度会いに行ってもいいし、共にあり続ける道も勿論良いと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月8日
ただララは故郷というアイデンティティを暴力で削がれて今があるので、それが快復する展開は必ず入れなきゃいけない。その上で、かなぁ…。
星を見る度、自分が英雄だった季節と、そこを一緒に駆け抜けた戦友を思い出すけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月8日
星奈ひかるが星を見上げるのを止めるのは、まぁ多分出来ないことであり。
放課後のワクワク、一瞬の煌き。スタプリは児童文学としてとてもよく出来ているからこそ、その季節が過ぎ去った後の長い凪を想起させる。