スター☆トゥインクルプリキュアを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月7日
プリキュア VS 生徒会選挙!
溢れるイマジネーションを現会長・まどかに見初められたひかるは、ララを隣に選挙に打って出る。
まどかの後追いで”みんな”を見るひかると、一見自分しか見てない姫ノ城さんの対決は、いかな結末に…。
そんな感じの、ひかる日常の中の冒険。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月7日
自分ばかり見てたひかるが、自分を取り巻く社会と他人にちょっと目が行く話であり、学校に馴染んだララの話であり、学校を去る準備をするまどかの話であり、賑やかしだった姫ノ城さんの人間性を掘り下げる話でもある。
これら全部が入る”箱”…学校自体の話か。
今回は学校生活にどっしり腰を落として、宇宙の大冒険ではなくありふれた日常でドラマが展開する。その手ざわりが妙に心地よくて、不思議な新しさがあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月7日
『ああ、この子達はこういう”当たり前”を過ごしているんだな』という感覚が、肌からスッと入ってくる感じ、というか。ありがたい。
学校を舞台にしているんだけども、学校に行かないユニが猫会議に参加してる絵面とか、ひかるの家庭とか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月7日
その外側にある世界もまた、独自のテンポで脈打って生きていることが見えて、なんだか豊かな話だった。色んな”場”があることが、広さと風通しを生み出してくれている。
その上で主眼は学校であり、生徒会長としてのまどかとか、生徒としてのララとか、見たかったけど冒険に忙しくて描かれなかったものが、しっかり見れた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月7日
ララがすっかり学校に馴染んで、ひかるの隣で当たり前に歩いている姿がなんだか眩しくて、少しだけ泣いてしまった…ジジイは涙もろくていけないね
冒頭思いつきで口にしているように、ひかるは何でもウェルカム、積極的に受け入れてアフターフォローもする子だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月7日
そんなこの隣りにいたからこそ、文化も文明も違う地球の学生生活に、ララは馴染めたんだと思う。それに感謝していればこそ、今回何も言わず、ひかるの隣で静かに支えている。
今回のお話は後出しで日常生活の隙間、派手な冒険描写に忙しくて描けなかったものを埋め合わせていく作りだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月7日
でもそこに唐突な嘘はあまり感じなくて、『宇宙で作り上げた関係性を日常に上手く接続して、穏やかで楽しい学校生活を送っていた(送っている)のだろうな』と、想像力が自然に広がった。
そういう良い後出しが出来ると、作品の足元が凄く強くなって良いと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月7日
ララがなんかデカい感情表明をせず、当たり前にひかるのサポートやってる所ほんとに良いんですよね…。(姫ノ城さんが闇に惑う理由、自分を解ってもらえない孤独を掘り込む上でも)
舞台が穏やかな分、話にはいくつかのツイストが仕込まれている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月7日
イマジネーションと多様性、作品のコアを背負う主人公の強みがまどかを引き寄せて、ひかるは選挙に打って出る。
しかし運動を進めていく内に、ひかるは『なぜ、まどかは最高の生徒会長だったか』を調べ、後追いするようになる。
ひかるが興味領域からなかなか出れない、だからこそ強い子供であるとはずっと描かれていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月7日
そんな彼女の世界が、ひょんなことから広がっていくこと、学校と他人に興味を持つこと自体は喜ばしいことだ。
しかしそんな変化はジリジリと迷走を始めて、ひかるはまどかのクローンになろうとしてしまう。
こういう迷走を家族や仲間が途中で気にかけて、本人に釘を差してくれる環境にいるのはひかるの強みである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月7日
『夢中であること』を大事にする祖母とか、勝敗ではなく自分らしくやりきること重点な祖父とかね。
春吉とひかるがいい感じに会話してると、妙に染みる…。こういう小さな変化の描写が好き。
今回の話は色んな人が人格を彫り込まれていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月7日
学校に変化をもたらそうと会長選出制度を変えたまどかもその一人で、彼女はひかるが自分のクローンになることを危ぶんでいる。
しかし”家”においては父の強い影響下で、自身も『自分らしさ』と向き合うのが難しい成りかけクローンである。
だからこそ、同じ道をひかるが歩くのは面白くないし、それでも身に染み付いたものが繰り返される。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月7日
なかなか裏腹な状況だが、冬貴の生真面目さ、公共への奉仕精神を受け継いだからこそ、まどかが『最高の生徒会長』だったのも否めない。
誰かの影響を受け、それを追うことは悪いことばかりではないのだ
一方対立候補である姫ノ城さんは、最初いかにもなコミックリリーフ、負けるために出てくる物語装置のように描かれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月7日
何でもかんでも自分中心、目立ちたいだけの賑やかし。
『それを『正しい』ひかるが負かして終わりなら嫌だなぁ…』と思ってたところを、カルノリくんが上手く曲げていく。
ノリが軽くて、『面白い』に夢中な彼だからこそ、相手の顔を偏見なく見て本質を掴める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月7日
クラスメイトの目線を借りて、ひかるは道化の衣装に隠された思いに近づいていく。”敵”として配置された存在の人間味へ踏み込んでいく。
その歩みが、今回一番大事なものなのだろう。
ひかるは社会性や他者性にアプローチする経験が少ないから、まず経験値が高いまどかの模倣から入った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月7日
それは状況のニーズに迫られての対応であり、同時に彼女の秘めた資質が開花した結果でもある。
新しい局面を乗りこなす時、まずリサーチから入るのはひかるらしいなぁ、と思う。存外科学的。
まどかを踏襲し、自分を抑えた受け身の生徒会長像を提示するひかる。対して姫ノ城さんは、エゴむき出しで進んでいるように見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月7日
しかしその奥には、これまでコミカルに描かれた権力志向の真意、彼女なりに夢中に、大真面目に学校生活を良くしていきたい思いがある。
それはひかるが星に向けるのと同じ、キャラの根幹を支えるとても大事なものだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月7日
ララを隣に手帳を拾うことで、ひかるは(そしてこの作品は)お道化たコミックリリーフの真面目な顔を見ることになる。方向性は違えど、夢中になれる”誰かのなにか”を尊重することを覚えていく。
ひかるが夢中になれるものは、星以外にもう一つある。『人間』である。その定義はヒューマノイドだとか、地球のスタンダードに沿っているとか、ちっちゃいものに縛られない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月7日
銀河規模のヒューマニティを抱えて、体温のあるコミュニケーションを広げていきたい。そういう願いが、ひかるの核だ。
だからひかるは、手帳を拾った時に『らしくない』自分に気づいたのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月7日
他人に興味を持つことではなく、十分に興味を持てなかった自分は、状況を乗りこなすことに汲々としすぎていた自分は、何かを見落としていた。
そう気付けるのと、その隣にララがいてくれているのは、彼女の強みだ。
そんなひかるの視線を受ける姫ノ城さんも、無敵の聖人ではない。こんなに社会のこと、他人のことを思っているのに、社会と他人は自分を解ってくれない。認めてくれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月7日
そんなエゴイズムがめらりと揺れて、ポスターに手をかけさせる。人間、みんな危うさの上で生きているのだ。
今回は日常スケールと、非日常スケールがいい具合に繋がっているエピソードだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月7日
宇宙での冒険で、姿形の違う他者とコミュニケーションした経験が、ひかるに身近な他者、その集合体たる学校を見させるように。
ド派手な侵略者の誘惑は、身近な危うさにスッと忍び寄る。
窓越しに登場する悪役は、何処にでもありふれた少女の迷いを『判る』と言い切る。苛立ちをポスターにぶつけて”敵”を否定するつまらない悪事と、銀河規模の侵略には繋がりがある、と。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月7日
カッパードさんも激重感情をようやく掴み、武器ガチャもアタリ引けたね…。
黒い桜に翻弄されつつ、自分が何を見落として、何を見るべきかを吼えるひかる。”敵”こそ対話し、理解していかなければいけないと、日常のスケールで見つけた思い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月7日
それは非日常の”敵”であるカッパードさん、ノットレイと向き合う道に、お話しを繋げていく一歩でもあるかな、と思う。
カッパードさんがキュアスター好きすぎなのはいつものことだが、今回も激しく問い、試している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月7日
自身が打ち捨てた無垢や正義、幼さを否定しつつ、どこかその輝きを求めてもいる感じが滲んで、『やっぱ俺この河童好きだなぁ…』となる。
カッパードさんは、プリキュアになれなかったユニだな…。
カッパードさんの愚弄(の形を借りた問掛け、救済願望)に『そんなことない!』と答えることで、ひかる(とこの作品)はプリキュアとしての”敵”とも対話しなければいけない未来を、ちゃんと視野に入れられた気がする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月7日
その声は姫ノ城さんに向けてるんだけども、もうちょい広いレンジで”敵”を掴まえた
それをどう生かすかは次回以降として、ひかるは非日常の闘いで掴んだ答えを、日常的な選挙演説にアダプトしていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月7日
自分より夢中になって、学校をより善くしてくれる存在を見つけたから、勝てなくても良い。私が戦うべき場所は、そこじゃない。
ひかるが応援演説してくれたことは、孤独と無理解に苦しんでいた姫ノ城さんにとっても救いだったと思う。だから自分より大きな”銀河”を、称号として許したのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月7日
解ってくれる人がいる。見てくれる人がいる。そのことが、誰かを踏みにじる行いよりも、ポスターの角を治す優しさに人を踏み出させる
姫ノ城さんだって迷うし、ひかるだって間違える。でも色んな人が語りかけてくれれば、それは正していけるのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月7日
凄く小さくありふれた、宇宙の冒険に比べれば地味でつまらない試行錯誤。でもその小ささが、とても身近な意味と価値を浮かび上がらせるエピソードであったと思う。
この一話で学園生活と姫ノ城さん、両方一気に値段を上げたのは凄いなぁ、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月7日
正直な話それらは、宇宙のスペクタクルを重視して、そこにあるんだけども便利に使っていた要素だ。
それが、一気に解像度を上げて迫ってくる。それはそこにあって、独特の体温と尊厳を持っている、と。
主人公に先んじて大事なものを見つけたカルノリくん含め、日常が持ってるパワーの強さ、当たり前の生活が宿す尊さへしっかり接近するエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月7日
こういう話をやってくれると、世界の幅も、テーマの説得力もグンッと上がるからな…良いエピソードだった。
そして次回は怪盗ブルーキャット、最後の事件。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月7日
善を掴むために悪を積み上げる矛盾を、主役に負わせた始末をどうつけるのか。ユニ登場当初から触られてきた問題に、正面からぶつかる時が来たようです。
僕ホントユニ尊敬しているので、きっちり描ききって欲しいお話だ。次回も楽しみですね。