ハイスコアガールⅡを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月30日
原付免許手に入れても、突破できない青春の壁。煩悶に向き合い、ようやくたどり着いた愛の入り口。
ハルオが未来を見定める中、大野さんは想いに決着をつけるべく、同じ場所を目指す。
大阪、梅田。ゲーマーとして出会ってしまったなら、決着はいつでも…。
そんな感じの、ガイルさんよく喋る回である。母子家庭であるハルオにとって、ガイルさんはゲーム世界の妖精であり、イマジナリーフレンドであり、正しき決断を導く超自我であり、不在なる父の代わりなのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月30日
ここは強烈なネグレクトを食らってる、大野さんにとってのザンギエフも同じか。
ゲームと出会い、ゲームで出会うしかなかった二人の視界は、ずっと重なっていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月30日
自分の中に深く突き刺さった”大野晶”を、ハルオは原付で流離ううちに見つけていく。
この街のあらゆる景色に、君がいる。
ああ…日高さん絶対勝てない…。
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今回はかなりどっしりと、ハルオ青春の煩悶を追うお話である。ガイルさんを壁役に、行き場のない自問自答を街に流し、既に出ていた答えを見つける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月30日
俺、大野が好きだ。
『いや知ってたから…』というなかれ、ピコピコ少年にとって、恋を、異性を恋愛対象として見る自分を見つけるのは大変なのだ。
流石に下村陽子の劇伴は重厚で、ありふれた青春の悩みこそが最もドラマチックだってことを、しっかり理解らせてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月30日
一歩進む事、君を思い出す。その事実をもう否定できないと、自分で認めた時。
少年は、親友の元へと進む。
宮尾はマジで規格外のナイスガイなので、自分の成長を最初に預ける相手として彼を選んでくれたのは、とても嬉しかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月30日
甘酸っぱい青春、ゲームに燃える情念の外にいるけど、時にバカバカしく、時に熱く”友達”でいてくれた男の優しさ。
そこにイの一報いようと、本音を預けるハルオの成長。
『”そこ”も大事なんだよなぁ…』と、情感たっぷりに語る夕景 After くにおくんであった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月30日
話も終盤に差し掛かり、今までも冴えていたエモ満載のキメ力が、更に増している感じがする。『お前ら全員、エモで殺す』という殺気を、ビリビリ感じるぜ…
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自分の中の大事なセカンド・セルフたるガイルさんに、思いを反射することでハルオは一歩を踏み出した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月30日
ゲームキャラクターに、人生を学ぶ。大人は『下らねぇ』と吐き捨てるだろう僕らのファンタジーは、しかし劣等感まみれの少年を支えてくれた。大事なものと出会わせてくれた。
そういう、世界と自分との繋げ方もひっくるめて、大野さんとハルオはそっくりである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月30日
私の中に、あまりにも強く貴方がいる。
大野さん目線で語り直される、断絶と思慕の記憶。ハルオ、キラッキラである。
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お互い同じものを見ているのに、同じ場所にはいられない。ラストで公開される重たい宿命を前に、大野さんはハルオより少し、哀しい決意を固める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月30日
風が吹き、為すべきことを為す。日高商店で何が語られたかは、また明かされる時が来るだろう。
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この『何かが起きる時、風が吹く』というのも、ハルオと大野さんの間に運命的に共通しているモチーフで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月30日
新横浜駅で、最終決戦に向けて”あなた”を待つ時も。
二人を運命に届ける新幹線がやってきた時も、
いつでも風は動き、何かが揺らぐ。
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それだけ同じ世界、同じ感情が重なり合っているのに、見ている風景は男と女、それぞれ別の色である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月30日
大野さんだけが知っている、約束された別離。子供の力では跳ね返せない”家”の重さを前に、せめて”子供の王国(ゲーム)”で未練を焼き尽くしたい。
だって私達は、ゲームで出会い、繋がったから。
そんなゲーマーの意地すらも、二人は共有している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月30日
LOVELOVE秘密会議 IN ハルオハウスでは、ねっとり重たい青春の情念を逃がすかのように戯けていた真が、引き裂かれる二人の運命、そこに妹を追い込んだ自分の不甲斐なさに号泣する様子は、なかなか刺さる。
ここで姉貴へのわだかまりを、視聴者サイドに真実流しつつ解消するのマジうめーな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月30日
真が自分で言ってるように、彼女の放埒の煽りを受けて大野さんは家に縛り付けられてる…側面もあるわけで、そこに目を向けず終わっちゃうと、ちょっとしこりが残るんだよね。
そこを身も世もない大号泣でワッと洗い流して、『あ、姉ちゃんもキツいんだな…』と共感させて、運命の大阪決戦、その先にある運命への道を整えていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月30日
大野さんにまとわりつくアンニュイの理由も判って、非常にクレバーかつ熱量のあるシーンだ。こういう再構築も巧いよなぁ、ハイスコアニメ。
今回ゲームキャラが結構多く登場し、色んなことを問いかけ、応援するのが楽しかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月30日
同時にそうやって、ファンタジーと語り合える時代最後の光なのかなとも思うと、少し寂しくもなる。
いつまでも、ゲームばっかやってらんない。
そんな諦めの前に、せめてワンコイン、最後の決着を。
幼年期の終りがジリジリと見えてきて、子供らも愛に向き合い背丈が伸びて、『ああ、クライマックスなんだな…』って感じだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月30日
そこに飛び立つ前の交通整理を、どっしり腰を落とし、情感たっぷりに描くエピソードでした。非常に良かったです。
カウント整える回が強いアニメは、やっぱ強いわ。
ハルオを、大野さんを思う人達の群像も優しく切り取られ、しかし大阪ではたった二人、あるいはたった一人すれ違いながら対峙するしかない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月30日
ゲームで出会い、ゲームで分かり合ってきた二人の決着が、どう燃え盛るのか。大阪梅田、並の熱量じゃねぇぜ…。
来週も楽しみですね。