宇崎ちゃんは遊びたい! を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月24日
今日も今日とて、距離感間違えつつ仲良く暮らす桜井先輩と宇崎ちゃん。看病したり催眠かかったり、ドタバタしつつ適正距離を探してる。
それを安全圏から視姦する、ヤバい女がリングイン!
他者をコンテンツ化し濫用する、SNS世代の日常模様はさらなる加速を見せる!
そんな感じ…なのかはいまいち判らねぇが、ともあれ二人はなかよし思春期ど真ん中アニメの第三話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月24日
いや…結構グロテスクな話なんだなー、と思った。
ここでいう”グロテスク”は建築様式でも『異様で生理的嫌悪を催す(いわゆる”グロい”)』でもなくて、嫌悪感と共感が共存してる、つう意味合い
新キャラ亜実さんは非常に生々しいヤダ味が(個人的に)ある人で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月24日
モニターの向こう側ならまだしも、手の届く範囲を虚構化して、自分の都合の良い要素だけピックして消費する態度には相当な”ヤバ”を感じる。生々しくヤバい。
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まぁそれは『ヲイヲイやりすぎでしょ~~』と半笑いで突っ込むための、戯画化されたフィクションではあるのだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月24日
彼女はマスターとつるんで安全圏に引っ込み、宇崎ちゃんと先輩の不器用距離感を『美味しいコンテンツ』として(対象に気取られないまま)消費する。ヤバい。
しかしその距離感は、フィクションとして先輩と宇崎ちゃんの凸凹をニヤニヤ見守り、尊いと両手を合わせる僕の鏡でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月24日
二次元と三次元に隔たれた僕は、どうやってもモニタの向こうに手が届かない、という差異はあるにせよ、人間と人間の生き様を”視姦”してるヤバさは、こちら側にも結構共通だ。
『見守る』という穏当な言葉では収まらないエゴイズムと卑怯さが随所に匂う、亜細親子の立ち回り。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月24日
そこに反射する醜い自分の姿に怯えつつも、そのヤダ味をそのままに観察を続けるのか、はたまた作中現実に干渉可能な登場人物として、アドバイスなりよりダイレクトな行動なりするのか。
それは宇崎ちゃんと先輩のまどろっこしい距離感を、永遠に静止した出し物として続けていくのか、それとも時計の針を先に進めて、彼らを”子供”ではなくしていくのかという、物語の舵とも関わってくると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月24日
正解も不正解もなく、どっちも選びうる方向性だとは思うが、個人的な好みをいうと後者が好き
亜細親子が眼鏡の奥に瞳を隠し、匿名化され特権化された透明なレンズに後退する向こう側では、結構普通に人間の営みが描かれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月24日
空気が読めねー距離感判らねー宇崎ちゃんも、洒落にならない病を前に、適切な行動を取る。
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この話(大抵のラブコメディ、ヒューマンドラマがそうであるように)”距離感”の話だと思うのだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月24日
病人を前にガキっぽくはしゃぐほど、宇崎ちゃんも間合いが読めないわけではない。ごくごく普通に食事を作り、足労をいとわず薬を買いに行ける。
そこにはありきたりで大事な、思いやりがある。
…のだけども、先輩がいつもの調子に戻ってくると、まーた踏み込みすぎた前のめりが表に立つ。お粥をあ~んさせちゃうし、服引っ剥がして体も吹く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月24日
それが、愛おしさの使い方がわからなくてつい、赤ん坊に構いすぎてしまう五歳児みたいで、僕は結構可愛いと思う。まぁ先輩はたまったもんじゃねぇケド
看病の時に見せたような、自分を適切に抑えつつ、相手に踏み込んで支える距離感。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月24日
これを常時続けられるのなら…そう出来るほど世界認識と人格が成熟しているのなら、宇崎ちゃんはあっという間に欲しいものを手にできる。
しかし、自分の望みも明確にできてない彼女には、それは難しい。
先輩の方は宇崎ちゃんを『まとわりついてくるうぜー後輩』と固定せず、自分に対し施してくれた行いをしっかり見て、お礼をいう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月24日
そういう領域まで宇崎ちゃんが追いつけば、このお話は多分終わりだ。まどろっこい恋は成就し、凸凹な二人はバランスを手に入れて、永遠に幸せに暮らしました。
観測しつつ放置する亜細親子のスタンスは、そういう結末を先送りしつつ、作品の何が面白いかを可視化・共有する作劇技法だ、とも言えるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月24日
どちらにしても、ズレた距離感が噛み合ったりぶつかったりする過程こそが面白い、というのは事実だ。そこには固定化されない、個別の表情がある。
そんな二人の魂の火花を、砂かぶりで楽しみつつ窃盗する焼肉屋。やっぱ他者を”おかず”に遠ざけたまま人間関係作るの、ヤベー…つうかコエーんじゃねぇかなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月24日
おかずにされてる当人たちは、全く気づいてない(そして気付かせないよう立ち回っている)けど
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病み上がりの胃を考えずお肉ガン盛りしちゃうのも、なんで不機嫌になるのか自分でも判らず”名前呼び”に悶えるのも、宇崎ちゃんの下手っぴ距離感の現れだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月24日
それは時に他人の領域に衝突し、もしかしたら致命的な断絶を生み出すかもしれない幼い危ういもので、多分アドバイスが必要だ。
宇崎ちゃんの距離感は先輩が優しく余裕があるから、ギリギリ成立しているわけで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月24日
先輩とだけ触れあえば良いわけじゃない大学生としては、誰かに『もうちょい行き方考えろよ』と言ってもらったほうが良い…んだけど、作品の構造としては『先輩とだけ触れあえば良い』んだよな。成熟への外圧が薄い。
あるいは、先輩以外には結構適切な距離を保って、上手く泳いでいるのかもしれない。こっちのほうが有力かな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月24日
とすれば、宇崎ちゃんは失われていく幼い時代、拙い距離感でぶつかって許してもらえる”甘え”を、先輩にだけ特別預けている。
…途端に生っぽくなってきたぞ…。
ここらへんの内実は、いつもの凸凹距離感で進まないエピソードが回ってきて、二人の過去とか現在とかが見えないとなんとも言えないけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月24日
そういうシリアスな内側に、このアニメが踏み込んでいくかも判んねーしな。これ描くと、キャラが書割から人間になるので作品の味がガラッと変わるだろうし。
さて、二人の戯れは大学でも続き、名前で呼ばれたい華ちゃんは子供っぽく、催眠術をブン回す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月24日
催眠にかかったふりを受け入れ、名前で呼ぶくらいは良いかなと妥協し、身勝手なエゴが交じり始めるとチョップで止めて、戯れの奥にある真意にはちゃんと向き合う
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先輩はいい感じの距離感をここでもしっかり見据え、少し照れつつも適切に行動している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月24日
誰かを不快にしてたと判ったら、ちゃんと謝る。
当たり前といえば当たり前だが、なかなか出来ない”正解”をしっかりこなす姿は、やっぱり良い。いい意味でフツーの大学生だな…。
宇崎ちゃんの間合い見えないウザ絡みが、曲りなりともコミュニケーションとして成立してるのは、やっぱ先輩が度量広く受け止めてくれてるからこそで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月24日
そこである意味”遊んで”くれている事実に、魂の身の丈が小さい宇崎ちゃんは気づけない。気づけないことが、永遠の遊戯を成立させている。
後に判るように、宇崎ちゃんは先輩を信頼している。絶対に傷つけないし、特権的に”上”をとっても跳ね除けない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月24日
そういう無自覚の甘えが生み出しそうな軋みは、作品世界…あるいはジャンルのフィクショナルなマージンに吸収されて、表には出てこない。『そういう話じゃない』のだ。
しかし勝手に見てる僕としては、ハラハラもするし危うくも思う。『もっと善くなったら良いのにな』とも思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月24日
間合いを適切に見計らう成熟。相手の気持にシンクロして、己の行いを改める誠実。
そういうものの兆しは、このお話結構色んな所にある。それが発芽するかは、よく分からない。
よく分からないのは作品の見方もそうで、毎回『硬い視線で切り裂きすぎて、作品本来の味を殺してんじゃねーかな』という疑念はつきまとう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月24日
こういう見方しか出来ない自分とも長く付き合っているので、しょうがないとは思うものの。もっと気楽で感覚的な見方も出来ると、横幅広がるんだがなぁ…
それはさておき、亜細親子を観客席において、宇崎ちゃんの下手っぴな間合いを先輩が許容することで成立する距離感が見えてくるエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月24日
まー亜細親子は、せっかく手に入れた近い間合いを適切に使って、良いタイミングで良いアドバイスとかしてやってね…人間なんだからさ…。
はたから見てたら歪で危うい関係も、”好き”なら許容できてしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月24日
そういう不思議さを、健気な二人を追いかける中確認する話でもあんのかなー、と思いました。
凸凹な現状からどこまで話を進め、キャラを”人間”にしていくか。その煮込み加減も含め、次回も楽しみです。