アイドリッシュセブン Second BEAT! を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
陸をセンターに戻しての”RESTART POiNTER”で、ファンとの絆、帰るべき場所を確かめ直したアイナナ。
その前に立ちふさがる、赤い悪意と外野のノイズ。
街を彷徨く虚無(ゼロ)の亡霊が、突き刺した真紅の呪い。
道半ば、未だ七天は遠い。それでも…。
そんな感じの、三歩進んで二歩下がる、アイドルすごろく地獄道! アニナナ2nd第11話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
Re:valeの不調、”四葉”の複雑も解決してねーのに、漆黒のうろつき童子が墓穴を暴いて、呪いを開封しやがるのでマジ厄介! という状況。
デカくなったからこその重荷は、二期だからこそのネタだと思う。
そんな二期序盤を引っ張ったセンター交代劇を、しっかり〆る”RESTART POiNTER”は、陸と一織だけでなく、色んな事に苦しんだ7人全員の復調を告げる、見事な再出発のステージであった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
あんだけパワーあるステージ表現を真ん中に配置して、下げ調子でエピソード進めるのは大胆…かつ正解よね。
あくまで二期のクライマックスは、ゼロアリーナこけら落とし公演。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
歌えない百、揺れるMEZZO、顔のない悪意とノイズ。
越えなきゃいけない問題はまだまだあって、道は半ば。でもそれを越えられるのは、帰るべき場所、辿り着いた高みを知ればこそ。
あのステージを思い出す度、彼らは自分を取り戻せる。
そういう強い場所を描かないと越えられないくらい、こっから先の荒波が激しい、ってことなんでしょうけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
船出を終え、一つの冒険を越えたからこそ描ける、幾重にも連なる大波、それを越えた先の景色。
主役を航海者に例えた”DiSCOVER THE FUTURE”をOPに据えた理由が、判ってくる話数ともなりました
というわけで、初手『嫌がらせ×ネットの悪意増幅装置』という、最悪の組み合わせからスタートですッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
匿名の魔法に顔を隠し、虚無なる原点の意志を演出する呪術師。一体どこ条のだれ匡なんだ…。
あと『モブの寝言とか、気にしなけりゃいいのに…』とか、お前が言うな!
©BNOI/アイナナ製作委員会 pic.twitter.com/jOJeg9XyOs
しかし雑音に傷つきまくった陸と三月が、顔のない呪いにある程度耐性を見せていると、ここまでの荒波も無駄ではなかったな…と思わされる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
北風がヴァイキングを作るように、人生の厳しさがアイドルを鍛える。放っておいても人生辛いことのほうが多いのなら、せめて経験値に変えて進む。
そういう図太さを、アイナナは学びつつある。まぁこれからも、グラングラン揺れるんだろうけどね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
今回は主題の裏で細かい芝居してる演出が特に冴えてて、今までの文脈と噛み合わせて、色々納得する描写が多かった。
この”端っこ”への意識の高さは、アニナナの強みの一つ。
例えば王族の話が出た時の、ナギの表情の抜き方とかね。なるほどなー、貴種であったか…色々納得。同時に、王子から道化に身をやつした背景が、更に気になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
ここで埋めた伏線を、ED後のヒキで即座に回収してくる辺、抜け目のない構成だなぁ、と思う。
ゼロ神話の裏側、アイドルの光と闇に食われた歴史を、ゼロ・ファンボーイである三月が知って曇る所も良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
いや、曇ったのが良いってわけじゃなくて。
ただただゼロに憧れて”アイドル”目指してた少年は、偶像稼業の呪いを、身を持って知る立場になった、てことだなと思ったわけ。
ゼロすら食われる、光と闇の呪い。どうか、ご用心ご用心。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
その台詞を追いかけるように、明暗行き交う高速道路に舞台を写すのが、言葉と絵の連動で魅せる”アニメ”の強み出てて、かなり好きだ。
彼らは祝福と呪いが渦巻く世界に、裸のまま置いていかれてるわけではない。
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移動する”家”としてのワゴン、その手綱を握る逞しい御者としてのマネージャー。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
シートベルトで安全を保証された、狭く密接した場所。ファンの目が届かない”ここ”があればこそ、彼らは暗い呪いに立ち向かうことも出来る。
大きな嵐を生んだセンター交代も、少し笑えるようになる。
僕はマリみての柏木さん以来、『高速移動物体を運転しながら異常なテンションに一人突入していく』状況がマジで好きなので、『この子たちは私が守護(まも)る!』と鼻息荒い紡ちゃん、最高に良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
四期第11話ね…ほんとあそこの檜山の演技好き…(ジジイの昔語り)
ここでもナギはあくまで冷静に、ワゴンの中の仲間たち、その状況と関係を見据えている。自分がどう動くべきか、動けるのかを考えている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
やっぱこういう賢さがあって、あえての道化ぶりなんだなー、と。
そしてある意味自分が引き金になった、ゼロにまつわる楽曲騒動では、道化の仮面を外す、と。
ファンと絆、二人のセンターにまつわる難しさを最高の形で突破した”RESTART POiNTER”を描いてなお、新たに生まれる雑音。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
そこを越えていく切り札に誰使うのかなー、てのは注目どころだったんだけど、ここでナギの見せ場が来るのは、まさにジョーカーだなぁ、と思う。
強くて便利な鬼札だからこそ、それが人間に戻り、抱えた苦悩を描かれるのは最後になるんだろうけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
他の六人が、ナギが飄々と背負っているものを肩代わりできる程度に、人間の骨格がちゃんとした後じゃないと、ジョーカー役を下ろせないよな…作劇に便利過ぎるもん、今の立ち位置。
人間が生きていく上で必然的に湧き上がる、呪いと祝福。誰かへの祝福が、誰かへの呪いに代わってすらしまう複雑さの中で、それでも真っ直ぐに手を挙げる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
そんな強さを、陸は迷い道の果て手に入れた。
ここで一瞬、大和がマネジの方見る芝居が好き。
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彼は裏方と表舞台を繋ぐ、プレイングマネージャー的な仕事を、アイナナ最年長として泥臭くこなしている。一織の早熟な知性が拾いきれない部分を、上手く補助している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
このチラ見が、そんな彼の立ち位置と人格を、上手く刻んだなー、と思うわけ。
『ああ、大和ならそうするな』みたいな納得がある。
そう思えるのは、そういう一貫性を創作のキャラクターにしっかり設定し、描写し、共有できたからこそ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
仮想人格が状況に対し、どんな反応を返すか。そこに想像が及ぶ状態を『キャラが立った』というのなら、アニナナは非常に上手く『キャラを立てた』わけです。これは凄いこと。
弱さを見せない完璧さ(敬愛する兄のアイドル哲学、あるいは”Perfection Gimmick”)を求める陸に、紡は弱さすら曝け出し共有していくアイドル像を提示する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
ここら辺、神様としての偶像がどんどん下界に降りてきた、リアルのアイドル史と噛み合う部分だよなー、と毎回思う。
アイドルも血が流れ涙を流す人間で、だからこそそのドラマは尊い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
バラエティからリアリティ番組へ、神の高みを切り崩して親和性を生んできた偶像稼業の、ある種の先端にアイナナはいる。
そのライバルが、虚像を演じきろうとするTRIGGERなのは納得。
そして原点たるゼロは、もはや実態がないゆえに完璧な神話となり、触れることすらタブーとなった。虚ろなる中心…バルトの”表徴の帝国”やな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
人間味溢れる”てっぺん”たるRe:valeが、活きたゼロを取り戻そうと奮戦する動きと、死せる伝説として守ろうとする、顔のない動き。
その渦の中にアイナナもいるわけだが、彼らは彼らなりの答えを、ファンの前に”Live”で示そうとする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
それが出来るのは、苦しんで微笑む人間だからこそ。
思いを伝えるMCに、台本はない。生で生まれてくる感情をそのまま、ファンに伝えることを紡ちゃんは肯定する。
特別な”黒”を真ん中に据えた戦時体制は終わり、センターは本来の形に戻る。それが”本来”だと知らないものすら、今のアイナナは取り込んでいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
MC頭のざわついた感じ、一織の不器用と三月の達者。”喋り”という武器に、自信を取り戻した様子。
©BNOI/アイナナ製作委員会 pic.twitter.com/K3jWqSGL2i
兄の優しさに導かれて、嵐の終わりを告げるメッセージを一織は編んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
冷徹な計算マシーンだった…そういう自分しか知らなかった彼が、自分なり湧き上がってくる感慨を言葉に変えて、ファンに、陸に、自分に伝える至誠に、思わずジンと来てしまった。
ロボ人間の活き直し物語、僕好きなの。
今回のライブはとにかく臨場感を重視した演出になってて、ここまで画面の向こうのファンとして色々振り回された苦しみがあってこそ、『17てぇてぇ…』ってなる運びが組まれている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
仮想なんだけども、実在の手触りがある。その矛盾をどう作るか、考えてここまで作ったなー、って感じ。
人間が活きてりゃ、辛いこともある。アイドルやってりゃ、業も呪いも拾い上げる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
そういう当たり前に嘘をつかず、真正面からハードに殴りつけた上で、”それでも”を描く。
どんなカルマが襲いかかっても、輝きを体現して届けてくれる特別な人達。特別なステージ。
そこに夢を見るからこそ、アイドルは尊い。それが呪いに変わるからこそ、アイドルは厳しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
ゼロが飲み込まれた期待の闇は、こんなにも眩しく温かい。それもまた、アイドルの…世界の真実、その一つなのだろう。
それを”説明”するのではなく、仮想現実として”実感”させる熱量、技量。強いわ。
センターの帰還を受けて”赤”一色に染まる客席がぶ、文脈~~~~って感じだけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
ここまで10話、散々に揺らされた思いに応えるように、彼も素直な気持ちを言葉に編み上げていく。両手を広げて、飾るもののない思いをファンに届け、受け止めていく。
©BNOI/アイナナ製作委員会 pic.twitter.com/bcMzuHHa0o
そう出来るのは、ステージの”こちら側”を支えてくれる六人が、たった一人がいてくれたから。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
波乱のセンター交代劇が生み出したものを総まとめするステージに、彼らが託すものが良く見える。
ホント、色々あったなぁ…え、まだ11話? これからも地獄続行?? …ありがたい。
あんだけ”ファン”に傷つけられてた陸が、そこに向き合い肯定出来る…少なくとも、そういう顔を作れるようになったのは、良いことだな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
多分、心無い言葉を匿名の海に投げた”ファン”もここにはいる。それもひっくるめて飲み込んでしまうのが、”アイドル”の怖さであり強さなのだろう。
帰還の挨拶は、一人でやるわけじゃない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
”赤”に染まった客席はそれぞれの夢を照らして虹色に光り、再起を刻むステージが始まる。
この奇跡を経て、いつか思い出すだろう輝き。”ここ”があるから、嵐にも耐えられるような思い出の場所。
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七色の風船の先頭を、”赤”が切るのが好きなんですね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
陸がセンターとして、アイナナという船の舳先に立つ決意が、そこに象徴されてる感じがする。
それは一瞬の光で、でもとても綺麗なもので。
そういう物があるから、舞台で夢を演じるものも、客席で夢を食うものも、苦界を渡っていける。
そういう必須栄養素としての奇跡を生み出せるところまで、アイナナは辿り着いた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
表現者としての強さを描く上でも、”RESTART POiNTER”は記念碑的なステージだと思います。
しかし、それは到達点ではない。ここを足がかりに、まだまだ戦いは続くのだ。凄い構成やね…。
というわけで、山盛りのファンレターと赤い呪いでBパート開始だよッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
八乙女事務所みたいに、太いパイプで言論抑え込むスタイルじゃないことが、仇になってくる展開は非常に面白い。
優しい”家”だからこその、小鳥遊の弱み、と。
©BNOI/アイナナ製作委員会 pic.twitter.com/yHvHN7wfHH
モニターの向こう側の雑音は、墓から這い出した亡霊に先導されて荒れ狂う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
実際にゼロがどう考えてるかは、もはや関係ない。露出がなくなったアイドルは、死んでるも同然。その意志は勝手に推察され、神がかりに荒れ狂うシャーマンも呼ぶ。
九条…魔術師であると同時に、降霊師でもあったか。
崇拝はエゴと切り離せず、狂信は支配の波を生み出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
『神はこう言っている!』と伝える預言者の言葉が、神意とやらに反しているか否かを、群衆は判別できない。
ここら辺の心理学は、九条にとってはお手の物だろうな…光と影を捏造し、虚像を飾り立てる側で”てっぺん”だったんだし。
多分九条自身も、不在なるゼロの真意がどこにあるのか、自分が嘘をついてるのか真実を代弁してるのか、さっぱり解んないと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
…こんだけバコバコ殴っておいて、騒動の裏に九条いなかったらマジ土下座だな…。
いや状況証拠は億パー”ヤツ”なんだが、犯罪も創作も推定無罪なのよ。描かれるまでは謎。
モニター越し、電話越し、あやふやなノイズはひどく歪んで耳障りだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
ステージでの凝った音響が、こっちでも暴れてるのは凄く良い。アイドルものだけあって、”音”の表現力も高いよね。
ワゴン、事務所。顔のない闇から守ってくれる”家”の描画が重なる。
©BNOI/アイナナ製作委員会 pic.twitter.com/lde58stJEa
正体定かならぬ亡霊に、有効打を見いだせない少年たち。そこから少し離れて、ジョーカーは逆転の秘策に悩む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
こういう細かい芝居を抜いて重ねるから、思わぬ展開に納得が生まれ、期待を生み出す強いヒキもやれんだなー、って感じ。
やっぱ識閾下にメッセージを仕込む手腕、大事よね。
そして雑音は外側だけにあるわけじゃないッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
”四葉”の重荷を一人で抱え込んでしまった壮五は、環の姿を見れない。彼が相棒を心配する声は届かず、目線を合わせる優しさにも気付けないまま。
閉じた脳髄の中、想いが腐敗していく。
©BNOI/アイナナ製作委員会 pic.twitter.com/el3zElIJps
壮五がそうであるように、人間過去に縛られつつ、出会いと決意で変わっていけるもので。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
環も手のかかる身勝手なガキから、周囲を見れる青年へと己を変えつつある。
そうなれる大きな手助けを、壮五自身の肯定と知性が果たしてることも、彼は今見れてない。
そんな閉鎖系に自分を追い込んでいるのが、彼自身の優しさと、『良い子』でいる呪いをかけた過去だと、壮五自身より環のほうが理解っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
気づけば、手を引いていた存在に追い抜かれている。
そんな孤独と成長を『面白い』と、思って良いか。
まぁ、ベイビーがベイビーのままじゃないのは良いこと
というわけで、壮五も小咄の体で突破口を見出したい! 失敗! 相手が悪いッ!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
あくまでコミカルに進むけど、陸のリアクションは結構的確で。
自分を…あるいは”四葉”の子供達を護るために、フィクションに仮託して相談してる壮五の腰の弱さが、弱さの根源ではある。
©BNOI/アイナナ製作委員会 pic.twitter.com/cVoTntPFZl
『オメー、なんのために”噺”に食い込んでんだッ!』という、笑顔の刃が深く突き刺さる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
ついでに飛び火して、ロボット人間にいらん疑惑も生み出す。なーんで身内をネタにしたのかな逢坂クンッッ!?
『良い子』のようで、妙にズルくて抜けてる所が僕は好きよ。いい感じに生臭い。
んで、環ボーイは頼れる方のにーちゃんに相談に行くのであった。正しいチョイスだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
ここで大和が椅子から降りず、環と同じ視線に立たないのが好きです。
今彼に必要なのは、高所から全体を見通し、導きをくれる”父”だろうからね。その資格は、血縁でも年齢でもない。
©BNOI/アイナナ製作委員会 pic.twitter.com/8tt1BEqPiC
環はガキの純粋さ、天然で正解を掴む才覚で売れたし、その無知と無垢は簡単に消えない。多分彼は、ずっと憎めない悪ガキのままだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
でも、子供だからってバカじゃない。
自分がやってきたこと、それを受け取る世界と他人、嘘という名前の気遣い。
全部識ってる、解ってる。
それでも、見えてるものと上手く間合いを作れない。当たり前だ、初めてなんだから。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
そうやって戸惑う少年に、少し高い位置から、自分が一応通り過ぎてきた場所を見下ろして、その戸惑いは孤独じゃないのだと、ちゃんと手を差し伸べてやる。
ヤマちゃん…アンタやっぱり…。
人生うまく行かねぇキツさは、”上”に位置する大和だって例外じゃない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
歳をとっても、無敵になれるわけじゃない。もしそうなら、それは他人の痛みを感じ取る優しさが鈍麻しただけだ。
それを飲んでなお、今人生の難しさに戸惑う子供を前に、背筋を伸ばせるのか。
問われているのはそういうことで、大和はしっかりそれを果たしている。逃げていた台本に向き合って、自分の歩みを探している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
そんな存在がいるから、環の視界も広がった。
自分が生み出した不信のツケを、しょうがねぇとため息一つ、行動で取り戻そうと頑張れる。
そうさせてくれたのは、大和だけじゃない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
言いたいこと、言うべきことが見つからず、湯船に吐息を広げるだけの壮五が、辿り着くべき場所。
霧の向こう側の答えは、まだ遠い。
幼いはずの環が立って、手を引くはずの壮五が湯船に沈んでる構図、示唆的だよなぁ…。
はいつーワケで、クズみてぇな雑音を吹き飛ばすべく、道化が仮面を脱ぎ捨てるッ! 六弥ナギ…一世一代大舞台ッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
雌獅子みてぇな鼻息で、世間に一発ブチ込もうとする紡ちゃんの闘志…LOVEよ。女の子だって暴れたいッ!(唐突なプリキュア要素)
©BNOI/アイナナ製作委員会 pic.twitter.com/ZtnPOzECva
過去を隠し、小鳥遊という”家”、アイナナという集団のジョーカーに居場所を見つけたナギ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
彼が表に立つことで、逃げ出した”公”が彼を見つけ直す展開が怖くもありますが、やっぱり道化が仮面を外すシーンは最高に良い。次回の大立ち回り、期待大です。
…まぁ、キメたら即座にキツいの来るんだろうけど
というわけで、最高の祝福と最悪の呪いがラッシュを仕掛けてくる、大変アニナナらしいエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
センター交代劇が生み出した荒波を思えば、それを乗りこなし未来に繋ぐ”RESTART POiNTER”は、クライマックスに十分な”強さ”がある。
だが、そこはあくまで中間点。夢の航海は、厳しく続く。
しかしそこを補給地点にすればこそ、地獄めいた偶像稼業、己と世界を見つけていく旅路も進んでいける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
この後暴れまわるだろう後半の嵐に挫けそうな時、作中のキャラクターだけでなく、彼らを見守る視聴者もまた、このお話を思い出して、息を繋ぐことになるでしょう。
そういう話をしっかり刻めるのは、やっぱ凄いことだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
そういう強い一発だけでなく、キャラが状況に対し見せる反応を細かく切り取って、個性と人格を演出していく細やかさも、よく生きる回でした。
荒々しいパワーと、繊細なテクニックの同居。強いアニメよ。次回も楽しみ。
追記 ”i”を背負う歌達、その表現。
ご推薦ありがとうございます。見てきました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
僕はゲームに触れずにアニメから入り、基本アニメの皿に乗っけてアイナナを食ってる立場です。
だから今回のリスポからゲームのリスポへ、四年の逆行で飛びました#マシュマロを投げ合おうhttps://t.co/0qH19nvdaC pic.twitter.com/ksLq0qHkuZ
当時のファンの前にこのMVが、音楽がどう立ち現れたかを体験することは出来ないわけですが、四年の時を経てアニメートされた”今”のリスポが、この映像を踏まえてのものであることはよく分かります。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
振り付けや見せ方など、おそらく四年分の文脈蓄積を踏まえて、変わった部分。変わらない部分。
その全部を味わい尽くせないことが僕の独自性なのだろうな、などと思いつつ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
おそらく大量に入れ込まれてるだろう、声優さんのリアルライブでの振る舞いとか、全然拾えてないですからね。
ここら辺はアニメ化まで押し上げた、古参の皆さん方がガッチリ味わうえる、ジューシーな恵みだと思います。
さてその上で、ゲーム部分では多かったイマジナリーな映像が減って、ステージ上のアクティングが多くなってるのが一つの差異かと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
ダンス表現をフルで回す大変さとか、色々ありますけども。
やっぱ生身のアクターとしての成長を、分厚く見せたい演出かなと感じました。
フラッとアニメ版の”MONSTER GENERATiON”(第2話)見直したんですけど、ステージも観客も今回とは比べ物にならないほど小さくて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
そこから始まって、前に漕ぎ出して進んでいったリスタート・ポイント。到達して、再出発するために刻む思い出。
自分たちがここまで辿り着いたと、証明する場所。
そこはやっぱ、生身(でありながら虚像でもある)アイドルの動きを、触れ合い広がっていく熱量を、歌とダンスに込めて切り取りたかったのかなー、という感想ですね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
”臨場感”がアニナナ一つのキーワードだと思うんですが、そこにいるかのような分厚い体験を現出させる、というか。
あと観客席が暗いですね。漆黒の闇の中、顔のない声に脅かされた過去を刻みつつ、そこには確かにちゃんと愛を持った個人がいて、愛することで生き延びてもいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
アイナナがこれまで、そしてこれから付き合っていく偶像の不可思議を、上手く客席に焼き付けたと思います。
話ちょっとズレるんですが、アイナナ楽曲は”i”を小文字にするタイトルが多いですね。アイマスにおける”@”を少し感じたりもしますが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月29日
これは肥大化した自我を”i”に縮小し、小さな私達の集合体としてグループを、人間存在を見る視点かな、と思いました。
無論”IDOLiSH7”のiであり、そこに存在しない虚数=アイドルのiであり、”愛”のiであり…その他沢山のものが含まれた”i”だと思うんですが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月30日
九条が肥大化したエゴ…と癒着した愛の持ってきどころを間違えて、色々不幸を撒き散らしている様子を思うと、”I”をどう扱うかってかなり大事にされてると思います
俺が俺がと前に出て、自分の夢で世界を塗りつぶしていく危うさ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月30日
それが”九条”を呪いに天を、理ちゃんを支配しちゃってる”悪しき親”としての鷹匡からは、プンと臭うわけです。
彼もまた業に食われた哀れな犠牲者であり、それを救いうるのも”i”の凄さと、多分今後描かれるんでしょうけど。
自分が夢見た巨大な”I”より、七色の個性…控えめで、いつも震えながら自分らしさを探している”i”の集合体のほうが、別々でしかありえない(からこそ面白い)我々には似合いで、だからアイナナの曲も彼らの名前も、小さな”i”を含むのかな、とちょっと思いました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月30日
そういう意味では、復活の赤を全面に押し出しつつ、七色ある多様性、それが別々のまま一つにまとまる”虹”の美しさを、ステージに刻んだ今回の表現は、凄く”らしい”と思いました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月30日
バラバラだから傷つけあって、別々だから面白い。
そういう、個体にして群体である我々を、よく見た作品だと思います。
んでアイドル…に限らず芸事、幻想を吸い上げる営為は小さな自分を捨てて、巨大な一体感に飲み込まれるからこそ強烈でもあって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月30日
そんな巨大な”I”を生み出しつつ、あくまで個人でしかないから血も流す”アイドル”の宿命も、刻まれた”i”なんだと思います。
夢売り稼業は強くて美しくて、とても怖いですね
みな孤独でしかない自分を思い知り、身を寄せる。そうやって生まれた”家”が、時に一番強烈に子供達を殺す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月30日
何もかもが裏腹で、呪いと祝福が癒着した世界で、それでも歌がある。夢を見る。
そういう業と美しさを、かなり丁寧に追って描いてくれてる所が、僕がアイナナで好きなところです。