月とライカと吸血姫を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月8日
墜落現場の惨状を目の当たりにしたイリナは、悪夢に苛まれ衰弱していく。
打つ手なしと思われたその時、レフの脳裏をよぎる天啓。
差し出された腕から吸い上げる血は、吸血姫の命と魂を潤していく。
実験本番に向けて突き進む二人の前に、襲いくる新たな障害とは!?
そんな感じの待ってました! な吸血回、青春ロケット群像劇で描ける最大限のSEX! である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月8日
爽やかで優しくて、大変良かった。
イリナちゃんが吸血を語った時から、『こうなるんだろうな~』と期待し予測してた場面であったが、いい感じに形になって大満足である。
一般的な吸血鬼イメージを上手くひっくり返して、コーカサスの罪なき少数民族、いわれなき被差別民として描いてきたこのお話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月8日
人の命を啜るエロティックな吸血も、処女×童貞のぎこちない初体験イメージを軽やかにコスりつつ、母から子への授乳にも似た、優しい繋がりとして描かれた。
僕はレフくんが、成功にガッツいたマッチョじゃないのが好きなんだけども、男性である彼がイリナちゃんに手を差し出し、魂の糧で夢を繋ぐやり取りには、心地よい転倒があった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月8日
見守り、愛し、育む。
何かと”女の仕事”にされそうなことを、誠実に真摯にやってきた彼の、ある意味精髄だと思う。
自分の血肉を差し出す、献身と愛。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月8日
それだけがイリナの悪夢を晴らすわけだが、焼け焦げた犬の悪夢は非常にいい感じにシュールレありスティックで、このアニメらしい表現だった。
吸血の瞬間に広がる宇宙といい、どっかぶっ飛んで詩的な表現を、ノーモーションで叩きつける。
この『受け身の取れなさ』が僕的には心地よくて、へんてこながら愛しいアニメだな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月8日
キャラの脳髄に広がる思念や理想と、現実との境界が極端に薄くなる瞬間があるというか…非常に古典主義的な意味で、Romanticな作風である。
受け付けない人もいるだろうけど、俺は好き。
ヘロッヘロになってるイリナちゃんをどうにかしようと、右往左往するレフくんとアーニャが善良で良かったけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月8日
そこら辺の事情を一切鑑みず、国威発揚の要たる発射計画は遂行されていく。
同志第一書記が、ツィオルコフスキー引用した瞬間爆笑しちゃった…インテリだねー。
チーフの胃も限界であるし、現場としては可能な限り”実験動物”を爆殺はしたくない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月8日
しかし急ごしらえの技術、苛烈なスケジュール、残酷な支配体制がそれを許してくれるかは、泣けるほどに不鮮明である。
粛清主義の前政権で、相当国威も弱っとるだろうしなぁ…同志第一書記も、後ろには引けんわ。
かくして敢行されるハードな特訓だが、レフくんとの絆とときめきを確認した吸血姫に、もはや怖いものなし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月8日
家族を虐殺されたイリナちゃんにとって、レフくんが血を授けてくれたことは失われた母…自分がここにいるための楔を、再獲得することでもあったのだろう。
そこら辺あんま深く考えず、ナチュラルにボケーッと最善手打てるのが、レフくんの良いところだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月8日
人殺しを伴う花火大会に、宇宙へのロマン、個人の尊厳を求めてしまうような、無邪気な善性。
それが残酷な世界に対し、何を為しうるか。
それは実験飛行が終わった後、後半六話の眼目かな。
さておき順調に思われた準備は、突然の故障で大荒れとなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月8日
偏見と悪意を人型に煮詰めたサガレノヴィッチ博士の造形、なかなかスゲーなー、と思うけど。
このタイミングでの故障って、まー偶然じゃねぇよな…。
オイそこな目隠れ若造、顔伏せてないでこっち見ろ。
サボタージュキメてるとして、その背景がどんなかって話だが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月8日
計画を遅延させたい王国のスパイか、国内政治の縺れか、あるいは個人的な感情か。
現状サッパリわかんないので、種明かしを素直に待つ。
個人的には巻き返しを狙う前政権残党が、足引っ張り村から村民出してると好みだネ。
レフくんの人権意識と個人的愛情が、博士の偏見と差別意識に衝突し、発火した結果の投獄。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月8日
頼れるお世話係、自分に命を分け与えてくれた存在がいないまま、イリナは果して飛べるのか。
彼女を夢まで押し上げるブースターが、いつ爆発してもおかしくねぇポンコツだってのは、たっぷり強調したぜ!
イリナちゃんが飛んだ後、レフくんから”候補”が外れて、人間初の宇宙飛行士になる物語がこの後来るのだろうけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月8日
今は厳しい訓練とクソみてーな差別に耐え、遂に夢の発射台に立つ少女の無事を祈りたいと思います。
人を宇宙に送るには、あまりに稚拙な技術、組織、社会。何が起こってもおかしくない。
そういうハラハラ感が発射当日にあるのは、なかなかいい感じだなーと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月8日
これで無事戻ってくると、今度はイリナちゃんが自分の経験を”候補”に分け与える展開になって、与える者と受け取る者の関係が、心地よく逆転する感じかなー。
さてはて一天地六、運命の日は近い。
次回も楽しみです。
しかし今回の描かれ方を見ると、相当な犬萌えアニメだなー、という思いを強くする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月8日
イリナちゃんは人間のエゴ、大国の政治に燃やされていった数多の犬達、その無念を優しいファンタジー美少女に転生させた存在なんだろうなぁ。
聖クドリャフカの名のもとに、人に愛を、地に平和を、犬に救いを。
追記 そう考えると、レフくんがいりなちゃんに差し出した血は贖いの聖血、祝福されたワインでもあろう。そらー恋にも酔うわな。
ライカ追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月8日
吸血を授乳のメタファーで読むのは僕の性癖であるけども、作中既に”乳=血”は明言されてるわけで、ならば”血=乳”でもあろうよ、とは思う。
語源的にも生物学的にも、チチはチであるしね。
与え育み愛する立場が、乳房を持つ生得的性別に縛られるる必要は、おそらく無い。
そこら辺を反転操作して、あるべき形ってのを操作しうるのが人間の強みで、ごん太ロケットぶっ飛ばして宇宙に手を届かせるのは、そういう”道具持つ動物”の極限でもあろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月8日
我々は変わりうる。
そんな希望が焼き付いてるから、あの血を吸う宇宙、転倒した聖母子像が好きなのかも知れない。