トロピカル〜ジュ! プリキュアを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月13日
卒業フェスが迫る中、トロピカる部は演劇をやることに。
脚本執筆は当然みのり! …と思いきや、苦い記憶が筆を塞いでいた。
臆病で頭でっかちな文学少女が、この一年間の日常と戦いで得たものは、一体何なのか。
答えは伝説のパパイヤだけが知っている!?
そんな感じのパパイヤ VS パパイヤ! 知識と経験が渦を巻く南国の普遍論争、トロプリ第40話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月13日
涼しい顔でトンチキ大好き、トピ部の活動をもしかすると一番楽しんでいた少女が、己の今を見据えるエピソードとなった。
トロプリらしいぶっ飛び加減と、落ち着いた湿り気が同居し大変良い。
今回をみのりんラストエピソードに、一度離れていた創作活動に舞い戻るのかなー…などと考えていたけども、実際に劇を板に乗せるのは卒業フェスまでお預けって感じで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月13日
今回はその前段階、知識と体験をどうバランスとって、一之瀬みのりという少女がどんな人物なのかを、パパイヤ通じて確認する話だ。
今回まなつはちょっと無神経に、状況のクリティカルな所に思い切り踏み込むキャラクターである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月13日
実際に彼女の物語が動き出すまで、想像していた”夏海まなつ”的というか…劇場版での立ち回りに近いか。
普段はもうちょい、繊細な立ち回りをする子だと思う。
キャラがブレたとかそういう話ではなく、劇場版と同じく今回ローラに『踏み込む役』をさせるために、後処理ではなく起爆を担当する感じになったんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月13日
第7話、第15話と、実はかなり濃厚なふれあいを積んできたみのりとローラ。
未来の女王の器を描く意味でも、今回良い描かれ方をしていた。
まなつが思いつきで突っ走る後ろで、自信なく震えてるみのりをしっかり見据えて、彼女が本当はどうしたいのか、どんな女の子なのかを示していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月13日
想像力の意味、ものを作る喜び、賢さと知恵。
親友として、一杯の贈り物を貰ってきたローラだからこそ、手渡せるものがある。
実体験抜きの知識だけで”パパイヤ”書いてたと暴かれ、恥ずかしさに逃げ出したみのりに優しく、パパイヤ知識を尋ねる時のローラが、とても好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月13日
『なんてダメなんだ…』と恥じ入るダチが、どんだけ賢くて強いのか。
それを思い出させるように言葉を投げて、反応を待つ。
今回は繊細なクローズアップが活きた回で、書きたいけど書けないみのりの心境とか、転んで傷ついた後眼鏡を手渡されて広がる世界の鮮明さとか、上手く”絵”が語っていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月13日
ここら辺の雄弁さが、みのりの繊細な心に寄り添うローラを、上手く際立たせていた感じもある。
封印していた原稿用紙に向き合い、折れた鉛筆をもう一度削って、トラウマに向き合おうとするみのり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月13日
その仕草が、彼女が当たり前の挫折にとても苦しんで、トピ部の仲間とハッチャけた日々でどれだけ強くなったか、よく語っている。
でも過去に描いたファンタジーは、どうしても書き直せない。
みのりは想像の中にしかいないはずの人魚とリアルに出会い、超常の闘いに身を投じたバトルヒロインである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月13日
特別な物語に血肉を与える経験値は、目の前にこそある。
しかしぼやけた裸眼でそれは確認しづらく、仲間の思いがけぬ発想と優しさが、彼女の世界を補正していく。
トピ部の行動主義は、エゴの押し付けを意味しない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月13日
みのりが乗り気でなければ…あるいは書きたいという気持ちに素直に向き合えないなら、それは『今本当にやるべきこと』ではないと、静かに判断できる賢さも、そこには含まれている。
そういう”場”に足場を置いて、みのりは色んなことをしてきた。
ポンコツ名探偵になったり、スキューバを体験したり、バトルヒロインになって怪物と闘ったり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月13日
キュアパパイヤであり一之瀬みのりでもある少女が、今まで身近に思えなかったもの。
目の前に広がってる不思議な面白さを、己に引き寄せ実感していく足場が、農場見学を通じて広がっていく。
友情あふれる青春の1ページが、非日常のバトルと同じくらい、血の通った大事な幻想として、みのりに受け止められている描写が、とても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月13日
前回のコーラルと同じく、闘う自分に意味を見出しつつ、それを当たり前の日々と切り離しはしない。
両方が自分なのだと、心の底から受け止められる気持ち
過去の挫折も含め、今ここにいる自分の歩み全部が大事なのだと思えたことで、みのりは『今の私達』を刻んだ物語を、新たに描く決意を固める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月13日
その健やかな現状肯定、自己認識の形成がなんとも爽やかで、今までの彼女の歩みとしっかり繋がっていて、とても良かった。
みのりん先輩が沢山本を読んで、色んな知識を持ち想像力を蓄えていること…眼鏡を掛けた彼女を真正面から肯定する話運びが、やっぱ良かったな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月13日
ローラを始め、トピ部の仲間たちもそんなみのりがマジ好きだし、幾度も助けられて来た。
一之瀬みのりが凄い人だなんて、言われなくても当たり前。
仲間はずっと、そう思っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月13日
でもみのり自身は、どうしても自分をそう思えなかった。
素敵なファンタジーはいつでも自分から遠い場所にあって、夢の主役になんてなれない。
そんな重荷を動かす武器を、みのりは愉快な仲間とワイワイやる中で、知らぬうちにもう手に入れていたのだ。
今回のお話はトロピカる部っていう共同体が、その構成員に何を与えたかを確認するエピソードでもあったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月13日
まなつの現状主義に巻き込まれる形で始まった、奇妙な学園のアウトサイダー達。
形に縛られず、心の赴くままに、明るく楽しく何でもやる。
僕は、そんな彼女たちが眩しくて好きだった。
奇っ怪自由なヘンテコ部活が、学園にだんだん地歩を固めていく様子をどっしり見守れたのは、のんびり進むトロプリの良いところだと思っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月13日
その真ん中に立つみのりが、自分たちが一緒に進んできた青春こそが特別なんだと、力強く実感し、肯定し、先に進んでくれた。
それは、やっぱり嬉しい。
そんな部活のクライマックスとして、個別回を進めつつ卒業フェスと演劇の準備を進め、一体どうなるか期待を高めている、最終1クールの話運び。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月13日
みのりの奮起を通じて、トピ部は大したことをやってきたと確認した今回は、彼女最後の個別回であると同時に、終幕に必要な一手をしっかり指した回でもあった
そんな感じであります。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月13日
あんま宿命のバトル要素を入れ込まず、学園生活に足場おいてきたトロプリが、部活動大事に終わろうとするの、自作に嘘ついてない感じでスゲェ好きなんよな…。等身大の手触りがある。
良いホンには取材が大事。
今回学んだみのりが早速、ダチに聴き込む次回。
楽しみです
追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月13日
みのりの物語って、諦め打ち捨ていた夢を完成させた時に終わるわけで、本書き上げて上演して喝采された時初めて、ファンタジックな夢を見ていたかつての自分を救えるんだと思う。
それはもうちょい先の話で、この最後の個別回では描かれきれなかった。
しかしそれを掴むに足りる自己像が、みのり個人では獲得しきれなかった…友達と触れ合う中でこそ、誇れる自分を掴めたと描かれた以上、みのりのフィナーレはトピ部のフィナーレと、シンクロして終わるのがスジだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月13日
なので、ここで一手先に送ったのは妙手だと思う。
小村SDのしっとりとした詩情を贅沢に活かし、心の機微を丁寧に切り取るゆったりとした筆致も、この話数だけで決着させなくていい余裕が生んだものだと思うし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月13日
腰を落として少女の心理に向き合うこのテンポは、いかにも”プリキュア”っぽくて好きだ。
ジュブナイルに必要な拍を、丁寧に取ってる感じ。