ヴィジュアルプリズンを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月12日
故郷より決意を持ち帰ったアンジュに、ギルは最後の真実を伝える。
生まれた時から繋がっていた縁を味わう暇もなく、砕かれていく力。
永き眠りに付いたギルの骸は、O☆Zを微塵に砕く。
届かない歌を囁く天使に、破壊の悪魔が今迫るッ!
そんな感じの原宿V系黙示録、最終決戦を前にガン下げのタメ回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月12日
闇と病みはVの風物詩ってんで、愛に取り残された迷子達が進むべき道を見失い、混沌の軍勢がすごい勢いで面倒を見始めるエピソードとなった。
LOS†EDENさん、マジで理想の漢(ライバル)達…。
アンジュがダンピールになった理由、謎だった血親の素性が判る回なんだが、同時に作品全体のテーマも鮮明になる回だと思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月12日
古い英雄に憧れるだけだった青年が、自分の音楽を見つけ、世界に羽ばたいていく。
凄くベーシックな音楽ジュブナイルが、やっぱこのお話の根っこにある。
歌うことで何を伝えたいのか、どんな気持ちで誰を相手に歌うのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月12日
思い返せばギルは、ずっとアンジュに問うてきた。
ここで血の縁が顕になることで、ギルは音楽の先輩、乗り越えるべき師ってだけでなく、みなし児だったアンジュが甘え超えるべき”父”でもあると見えてくる。
若人の沸き立つ血潮が音楽となり、偉大なる親たちが到達した場所を越え、新しい景色を見せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月12日
退廃の貴族をネタにしてるとは思えない、余りに真っ直ぐで健全なテーマ性がこのアニメにはあって、アンジュはその舳先に立つ青年である。
最後に答えにたどり着くとしても、その過程では散々に迷う。
離別の苦しみ、永遠の停滞、刻まれる罪と罰。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月12日
その退廃もまた”V”の大事なテーマであり、ここでギルを眠らせてO☆Zに投げかけるのは、必要な一手であろう。
アズミノでの旅路で、一回答えを掴んだ上で見失わさせてるのが、なかなか入念な話運びだなー、と思う。
ここにいない誰かのために、思いを歌う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月12日
アンジュが辿り着いた答えはLOS†EDENの破壊と再生とも、ECLIPSEの高貴なる秩序とも異なる、O☆Zのテーマに相応しい強さがある。
しかし延々”ギルティクロス”を歌い続ける後半のアンジュは、自分が見つけた答えを裏切ってしまっている。
そうなるのもしょうがねぇ衝撃の真実が、バカスカ襲いかかってくるわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月12日
血と思いを共有することで、溢れる記憶。
『波紋のデカさのわりにサラッと流したな…』と思っていた、豊との因縁がここで深堀りされるのはありがたい…つーか、アンタが”親”かよ!
女性をパートナーに選び、尋常な手段でアンジュの”親”になった豊と、胎盤を通じて宿命を啜る異様な交接を果たしたギルの対比、結構バロックで好きなのだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月12日
豊の人生を奪った定命の女、その愛の結晶に、血の口づけで己を刻んだ形だもんなー…デカダンスだ。
まぁギルは豊の人間としての幸せも許容できる、話のわかる吸血鬼なんだけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月12日
血族にならなくても、永遠を共に出来なくても、音楽で通じ会えるならそれでいい。
肥大化し腐敗する永生者のエゴを、音楽が救済しているのはこの話らしいなー、と思う。
いかにも吸血鬼らしく振る舞うと、どういう生き方をするのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月12日
それは第4話で既に示されている。
古き吸血鬼が弱者を踏みにじる怪物に墜ちず、人間性を保ち他者を尊重できているのは、音楽を始めとする文化に、己の足場を見出しているからだ。
扱うネタのドス黒さに負けず、風通しよくて話が早いのが、このアニメの好きなところなんだけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月12日
でも異形の怪物が持つ哀しさ、異能の危うさはちゃんと話の真ん中に入れてて、赤い月の罰が炸裂することで、ギルは永い眠りに付く。
やっぱ”V”なら死にネタだよねッ!(最悪のゴシックオタク)
限界が来るタイミング、シチュエーションと伝えたもの。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月12日
全てがドラマティックかつ最悪で、『赤い月さんは相当愉悦部だなぁ…』などとも思うが。
心をガッタガタにされたO☆Zの面々は停滞に沈み、沈鬱な表情で思い出を貪る。
メンバー一人死んだくらいで歌止めてんじゃねー!(ゴシック無茶ブリ)
ここで残された三人に、LOS†EDENの皆さんがすごい勢いでトス上げ始めるの、あんまり力強くて笑っちゃった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月12日
吸血鬼に停滞と哀しみを強いる秩序の檻を、ぶち壊して自由な国を作る。
今を生き抜くためにバンドやってるLOS†EDENにとって、ライバルの腐敗は我慢ならねぇ…
ってだけでなく、スゲーシンプルにいい人だから見てらんないだけでしょ、この人ら。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月12日
『闇の貴種がこんなに、泥臭い人情、生きる辛さが解っちまう下町生命体で良いのか!』って気持ちもあるが、それが良いんだヴィジュアルプリズン。
親しみやすいゴシックロマン入門編として、是非にオススメです。
さておき、何かとヤバいブラコンっぷりを見せてきたロビンに、†黒翼の天使†ジャック兄さんが煽りに来るの最高に良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月12日
自身己を苛む嫉妬から逃げ、行き着いたサガの隣は居心地のいい場所であったわけで、誘惑の半分は嘘ではないと思う。
同時に、弟がそれを跳ね除けることを期待もしてるだろう。
奇妙に捻れた関係であるけども、お互い束縛しつつ別の居場所で音楽をやってる現状は、ジャックにとって(LOS†EDENに劣らず)心地よいものなんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月12日
でもそれは、前に進む意思があればこそ。
O☆Zのメンバーとして本気で闘う未来に血仔を押し出すためには、誘惑から生まれる反発力が必要。
そんな事を考えて『悪い吸血鬼』を演じる兄さんは、なんだか凄く頼もしかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月12日
ベスの話一切聞かず、奇跡のかけらを欲しがるイヴの病みっぷりも凄かったけどな…。
最も古く最も賢い吸血鬼、マージで面倒見よすぎるんだよな。
服屋はカウンセラーじゃねぇんだよ若造共!!
そして美しい棺の隣で、壊れたラジオのように思い出の歌を歌い続けるアンジュ…に、無法の絶唱を叩きつけるサガ様ッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月12日
リーダーがこういう人だから、困った時は助け合いのLOS†EDENなんだろうか…ヴァンパイア人情派!
”ギルティクロス”では奇跡が起きず、サガの新曲が骸を揺さぶるの、印象的よね。
豊を失い静かに消えていこうとしていたギルを、アンジュの歌が揺すぶったのは、それがアンジュ自身の歌だったからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月12日
誰かの代理ではなく、他でもない己自身として、一瞬の今を必死に歌う。
そこに込められた熱こそが、彼を蘇らせた。
今のアンジュは、自分が起こした奇跡の意味を忘れている。
サガ自身もギルに憧れ、悲しき定めに打ち捨てられてなお、自分だけの理想を追い求めて新たなバンドを作った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月12日
離れてなお繋がるものがあるから、ギルは『俺が殺す…ッ!』と熱く告げていた男の元へと赴き、彼の遺児に向き合う。
過去がわかった結果、アンジュとサガの共通点鮮明になるのは、面白い構成
サガってギルに選ばれなかった敗残者なんだけども、その運命に負けず自分らしく生き直したことで、凄く魅力的で強いキャラになってて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月12日
それは選ばれたのに停滞してる今のアンジュと、面白い対比を為している。
負けてもこんなに格好良く生きられるのに、選ばれたものがその体たらくで良いのか?
サガのぶっきらぼうなアプローチは、そんな問いかけを強く投げる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月12日
死んだ歌を歌い続けるアンジュは、自分が動かしたギルの心臓を裏切り、生み出したO☆Zの風に背中を向けている。
己の中にある真実を、哀しみのあまり覆い隠してしまっているのだ。
『そういうもんを動かしてこそ、真の音楽だろッ!』ってんで、赤い破壊者が大暴れですよ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月12日
憎まれ役担当するにはあんまりに人間が良すぎて、なんかホンワカありがたくなっちゃうの、サガとこのアニメの善徳だよなー。
バキバキにキマったビジュアルと、きらら系の空気が同居する新感覚…やっぱ好きだわ
つーわけで、過酷な宿命を前にO☆Zは一体どうなるのか…LOS†EDENの熱い思いは風を吹かすのか! 通ところで、次回に続きます。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月12日
主役バンドがガン凹みしても、話全体は沈まず希望に満ちてるの、LOS†EDENの偉いところだと思う。
俺たちいつだって前向き、世界ぶっ壊し軍団ッ!!
そういう人達が差し出してくれてる真心に、主役はどう歌を返すか、って局面ですが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月12日
避け得ぬ哀しみあってこそ、それを越えていく決意が歌に宿るわけで、そういう人生の明暗を力強く、物語に刻めるか。
音楽青春絵巻のど真ん中を、極音速で突っ走るヴィジュプリ。
次回も、大変楽しみです。