その着せ替え人形は恋をする を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月28日
小顔美肌の超絶ギャルと、クラスの端にうずくまる陰キャ。
周囲の視線を気にする五条くんの手を、海夢ちゃんはグイグイと引っ張る。
目指すは池袋、手芸店にウィッグショップに下着屋さん!
二人の”好き”を形にするべく、行くぞ材料調達だ!
そんな感じの、んもぉおおおデートじゃんコレッ!!!! な回である。ああ、眩しい…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月28日
性にも恋にも純粋無垢、無自覚にグイグイ来まくる海夢ちゃんに引っ張られる形で、五条くんの青春がフルスロットル加速していくエピソードとなった。
繊細で美麗な作画力が、瑞々しい季節をしっかり下支えする。
一対一の至近距離で溢れかえる、海夢ちゃんの”カワイイ”は致死量に達し、五条くんのキュンキュンにも屹立にも深く共感というか、アレはしょうがねぇ…強すぎるッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月28日
高く掲げた自分の”好き”を、他人に預けず押し付けず…行くぞ我が道どこまでも!
そんなギャル魂の輝きが、表情作画によく踊る。
海夢ちゃんは『オタクがこうあってほしいギャル』に直田姫奈の声帯を載せた”無敵”であるが、とにかく人格がいい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月28日
他人を偏見で判断せず、情熱に向かってい直線、感情表現が素直でまっすぐ。
ここらへんの気質が、いつも付き合うダチと共通なのが今回、序盤で見えもする。
ギャル友達がサバサバと型にはまらず、五条くんにも気さくに対応してるのが、いい人たちだなぁ…としみじみ染みる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月28日
不釣り合いだとか別世界の住人だとか、気にしてるのはあくまで外野なんだよね。
当人は初対面ながら気安く、いい距離感でコンタクトしてくれる。
しかしギャル魂に欠ける五条くんは思わず周囲の声を聞いてしまって、影に身を縮め余計なことを考える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月28日
自分には、この狭い場所がお似合い。
そんな彼の手を引いて、眩しい場所に連れ出すのが、長いネイルのビスクドールである。
(画像は”その着せかえ人形は恋をする”第3話から引用) pic.twitter.com/I22CzEScAk
互いに欠けているものを補い合いながら、より良く楽しく未来に進んでいくジュブナイルな爽やかさが、この明暗の表現にしっかり生きているのが良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月28日
海夢ちゃんとの出会いが五条くんにとって運命なのは、彼を包囲し、ずっと突破したいと願いつつ出口が見えない陰りから、連れ出してくれる存在だからだ
ハチャメチャに元気でとにかく前向きで、からかい混じりに強く手を引いてくれる存在。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月28日
人形師志願の陰気な少年に足りないものが、危険な至近距離からグイグイ来る喜び…と、かすかな当惑。
ぶっちぎり魅力的な異性との接触に上がる体温と、心の奥底で待ちわびていた青春の足音に弾む心臓。
池袋デートは、そんな二人の”今”をとても瑞々しく切り取ってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月28日
同時に周囲の声を聞きすぎる細やかな注意力、現実をよく見た計画性が、五条くんの強みであることも分かる。
情熱に突っ走るあまり、足元が疎かになる海夢ちゃんに足りないものを、五条くんもまた補いうる関係なのだ。
二次元のキャラ設定を現実に落とし込み、クオリティが高い”コスプレ”をするための理解力があって、生地の質感にもウィッグの色合いにも拘れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月28日
海夢ちゃんの”好き”がより高い精度で結晶化するために、何が大事でどこにこだわるのか。
翻弄されつつも、そんな職人気質が見え隠れする。
海夢ちゃんは服も作れないし、”好き”が迸りしすぎて細部が疎かになるしで、現状書かれているほど強くも完璧でもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月28日
ここら辺、『え、たった二週間でコスプレ衣装を!?』なヒキに、既に片鱗が見えてるけど。
ここら辺、パッション重点なんとかなるっしょなギャルイズムの”穴”だな…。
常に陰キャの手を引き、新しい世界に突っ走っていく光の少女が、時に置き去りにしてしまうもの。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月28日
五条くんは参謀として職人として、海夢ちゃんの強さをしっかり補い、より良い”好き”を形にしてくれるパートナーでもある。
こういう相補的な対等さがしっかりあるのが、このお話のいいところだと思うね。
五条くんにとって”綺麗”は特別な言葉だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月28日
周囲からキモいと影に遠ざけられつつ、捨てることが出来ない”好き”との出会い。
初めて人形を見た日の思い出は眩い光として表現され、現実の池袋と重なっていく。
(画像は”その着せかえ人形は恋をする”第3話から引用) pic.twitter.com/zqNOyTilDu
グイグイ先を行ってるように思えた海夢ちゃんが立ち止まり、五条くんが彼女を追い抜く瞬間。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月28日
暗闇に光るヘッドライトが、青春が動き出す決定機を見事に演出する瞬間。
自分に欠けているものを、”好き”を受け止めてよりよく形にしてくれる青年への感謝を、言葉にする瞬間。
影にとらわれていた少年は彼自身の光に出会い直し、手を引っ張られるだけの距離感から、前へ進み直す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月28日
”好き”という気持ちを、眩く輝く海夢ちゃんの良さを、世界で唯一形にできるパートナー。
その可能性が、陸橋のドラマティックに見事に切り取られるシーンだ。
美麗なエロティシズムとか、甘酸っぱいドキドキの精度とかが目立つけども、このアニメすごくベーシックな明暗の表現、レイアウトの切れ味が良く、ベタ足の情感演出が大変強い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月28日
今風ポップに軽みを押し出すところと、スタンダードで強い表現を押し込むところを、ちゃんと見切って使い分けている印象だ
『もう友達じゃん!』と言われた時、前髪を揺らす風、踏み出す足と待ち受ける光。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月28日
あるいは関係性の変化を予感させつつ、五条くんにとって海夢ちゃんがどんな存在になるのか、しっかり見せるこの場面。
こういう骨の太い演出が、キャラクターが何に心を動かしているか、誤解なく伝えてくる。
青い性の対象として、新しい世界を連れてくる敬意の相手として、あるいは自分を振り回す小悪魔として。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月28日
この池袋で既に海夢ちゃんは色んな顔を見せているが、そこより深い場所で既に動き出している運命の表情も、エモーショナルな演出を生かしてよく書けていた。
五条くん達は友達以上恋人未満のドギマギとも、無自覚なエロスに翻弄される面白さとも、ちょっと違う部分で繋がりうる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月28日
この出会いがお互いの足りない部分を補い、もっと眩しく風通しのいい場所へと青年たちを連れて行く、爽やかな成長の予感。
それが色濃く出ていて、大変いい。
その道程は、無敵ギャルが一生グイグイ引っ張るわけではなく、山あり谷あり助け合いな、お互い様の道のりである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月28日
五条くん一人称気味に進んできた物語は、ここで少しジャンクションを変えて、夢に浮かれて現実見れない海夢ちゃんの人間味に、クローズアップし始める。
まずは地獄めいたスケジュールを無邪気に叩きつけ、生真面目ボーイを窮地に追い込む所から開始だっ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月28日
海夢ちゃんがそういう事するキャラだって、この池袋デートで見せたガサツさから納得できるの、巧い話運びだなー、と思う。
キャラがドラマをどう転がしていくか、納得行く足場を丁寧に作る印象だ。
そういう欠落がありつつ、五条くんにとって海夢ちゃんが光であり、かつて出会いいつかたどり着きたい場所に導いてくれる存在なのは変わらない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月28日
そんな運命に似合う二人になるためにも、コスプレに賭けた青春は波乱万丈、たくさんの試練と笑顔に満ちている。
次回、衣装実作戦争編。楽しみですね!