プロセカイベスト”背景、あの頃のわたしへ”を読む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月14日
遂にワンマンライブ当日…みのりの心には、”アイドル”に憧れたあの日の思い出が去来していた。
まぶしすぎる夢を追い、今や誰かの夢になった少女が運命の舞台を超えて見つめるものは…というお話。
モモジャン第二章、堂々の完結であろう。
モモジャンの”末っ子”として、何も出来ないド素人であり、何も知らないが故の純粋さで”アイドル”に疲れ果てた燃え殻を再度立ち上がらせる起爆剤として、自分の物語を始めたみのり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月14日
彼女が既に、かつて憧れた”アイドル”そのものになっていること、その心にまだ、眩しく憧れが燃えていること。
それを回想と現在の二層構造で、しっかり描くエピソードとなった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月14日
ドルオタとしてのみのりを通して、ファンが”アイドル”に求めるものがどんな手触りかしっかり分かったし、それを心に刻めばこそ、現状に満足することなく前に進み続けるみのりの在り方も際立った。
今回のイベスト、本筋のアイドル青春譚とは一見無関係な”みんなでエンジョイ! スポジョイパーク”が凄く効いてる話だと思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月14日
あそこでユニットからちょっと離れた場所から、今のみのりがどんだけタフで視野が広く、色んな人に心を配れる”アイドル”なのか、奏の面倒を通して客観視したことで…
なにかと自己評価が低いみのりの現在地がどんなものか、良くわかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月14日
そのことが、今回大きく飛躍する物語に説得力を与え、『今のみのりなら、そのくらいの奇跡は起こす…』という納得があった。
仲間みんなが一度は諦めた、ファンだけが見据えるアイドルという夢。
それを商業主義の塵に汚れることなく信じ続け、自分を夢に近づけていった女の子が、夢それ自体になる瞬間。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月14日
モモジャンファンの反応を細かく記述することで、ここまでみのりが歩いてきた物語の価値と意味を丁寧に思い返し、噛みしめる形になっていたのも良かった。
何しろ一度はアイドルの天井触った連中、残りの三人はパフォーマンス自体はある程度以上仕上がっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月14日
それだけでは物語の推進力に欠けるので、何も知らない、何も出来ないみのりが必死に頑張り、ファンを増やし、ゼロから”アイドル”を応援していく実感を読者に与える構造が、モモジャンにはある。
そんな”末っ子”の旅路、一つのゴールとして、みのりがどんな気持ちで”アイドル”に出会い、自分を高めていったか太く描く今回のイベスト、大変良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月14日
みのりのオリジンを通じて、ファンが”アイドル”に求めるもの、憧れと自惚れだけで終わらない本気の熱が、しっかり具体化されていく。
そこまで踏み込むなら”家”をちゃんと書いたほうが納得であり、不確定な未来を心配しつつも、決意に宿した娘の瞳に強くうなずき、背中を支えてくれる花里家の人々…コレも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月14日
現実的な負担を、夢見がちなみのりがちゃんと理解した上で、”それでも”と願いを預けるのが、信頼感じて良い。
今回はモモジャン総決算であり、今までのイベストで縁が生まれたNPC全員集合! という感じである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月14日
真衣さんやななみんは”アイドル”でいられなかった元アイドルとして、斉藤さんや長谷川さんはスタッフとして、唯奈ちゃんはファン一号として、色んな視線から”アイドル”みのり誕生の瞬間を見届ける。
”アイドル”が社会と他人に関わる画角は複雑で、それ故の難しさと、感動を呼び覚まし人生を変える強さがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月14日
事務所主導の”アイドル”が失ってしまっているものを、自主制作であるがゆえに削らず輝かせている、モモジャンのピュアな強さ。
それを最も体現する、元アイドルオタク。
そんな彼女がステージから放ち、客席から受け取るオーラがどんな風に、人の心に波風立てるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月14日
よく描かれたエピソードだった。
隣で共に闘う仲間にも、人が化ける瞬間の波動を分け与えて、パフォーマンスがメキメキ向上していく描写にも、熱が宿っていた。
みのりを羽化させたのは遥との出会い、モモジャンでの体験、穢れなき”アイドル”信仰、それに支えられた不屈…と、様々な要因があるが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月14日
今までの全てがあったからこそ、アイドルに憧れるだけの少女はアイドルを目指し、自身文句なしの”アイドル”になったのだと、思える語り口だった。
この総決算感はセカイの仲間たちをちゃんと秘密の関係者席に呼んで、晴れの舞台を見せる義理堅さに支えられている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月14日
やっぱさぁ…沢山世話になったんだから、ミクちゃん達には見届けてほしいし、見届けさせるのが人の道なワケよ!
見届けた時のミクリンの反応が、超純情で痺れたね…。
みのりはオーディション100連敗の実績もあって、とにかく自己評価が低い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月14日
それでもたゆまず努力を続け、永遠の推しであり親友であり憧れであり恋人でもある遥に追いつけるよう、自分を前に押し出し続ける。
その”もっと”は凄くモモジャン的で、”アイドル”らしい。
自己評価の低さは油断のなさ、鍛え続けるストイシズムの裏打ちであり、人間・桐谷遥と肩を並べる中で学び取り、自分の血肉に変えた部分でもあろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月14日
憧れの人があれだけの節制を重ねて、ようやく立ってる舞台に這い上がるには、自分なんぞは甘えちゃだめだ。
毎日、そう思い知らされる日々だったと思う
そうして丁寧に己を鍛え、一つのフレーズ、一つのステップを『出来ない』から『出来る』に変えて、今回のワンマンがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月14日
愛莉コーチとの特訓の日々が、晴れの舞台で開花する様子も描かれてて、二人の師弟関係が好きな自分としてはジンと染みた。
過去の自分が見上げていた舞台にたどり着き、誰かの視線を受け止める”アイドル”になっても、みのりの”もっと”は止まらない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月14日
ファンの愛に答える自分たちであるためには、モモジャンはもっと大きく、もっと善くなっていかなければいけない。
この成功で足を止めない、新たな場所への歩み。
それがエピローグに強く刻まれていたのも、なかなか面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月14日
どす汚れた既存構造に弾き出され、夢を傷つけられた少女たちの、学生ベンチャー奮戦記って側面もあるからな、モモジャン。
自分たちで自分たちを”運営”するスタイルだからこそ、追える理想と生まれる実績。
白紙のド素人が確かな何者かに…”アイドル”に成りえた今回を一つの区切りとして、そういうビジネスな側面にもより強く、踏み込んでいくんじゃないかと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月14日
ニーゴ以外のユニット全部が、夢の爽やかな手触りを残したまま社会と経済にそれぞれ関わるようになってきてて、この生な感じは大事なんだな。
同時に狭い”私達”にあえてセカイを絞り、個人の内面とそれが触れ合う関係性にディープに切り込んでいく特権を、ニーゴが与えられているのも良く分かる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月14日
この内向主義も思春期の…そこに突き刺さる音楽としてのボカロ文化の特徴だと思うので、1ユニット使って深く描く形…なんだろう。
ともあれ、”アイドル”にただ憧れてきた幼い自分に、強い輝きを背負って手を伸ばす所まで、花里みのりは届いた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月14日
そしてその歩みは、まだまだ止まらない。
何かを成し遂げ、誰かの心に届く自分になれたから、新たに広がる世界がある。
それをみのりと、彼女の物語は強く自覚している。
次回も楽しみだ