イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

ライザのアトリエ 〜常闇の女王と秘密の隠れ家〜:第2話『まずは一歩の始まり』感想

 千里の道も一歩から、アルケミーマイスターも錬金初心者から!!
 因習島のアウトサイダー達が肩並べて冒険に挑むアニメ、第2話はこのお話で一番典型的なミッションを、頭から尻尾まで追いかける感じのエピソードだった。
 僕はアニメという異質なメディアに、ゲーム的な体験の手触りが混じってくる質感が結構好きなので、『あ、ゲームっぽい……』って思える展開は好みだ。
 身近なところから危険な外部まで、進んで戻ってを繰り返しながら何かを作り上げるまでの手応えが丁寧に積み上げられてて、ニ話目としてなかなか良かったと思う。
 ライザたちがとてもワクワクしながら、延々同じことを繰り返してる日々とは違う色の冒険に挑んでいる感じが、率直な色合いでグッドだ。

 

 話としちゃぁお師匠にミッションもらって悪戦苦闘、遠出しての素材採集にエネミーとの遭遇を経て、初めての錬金成功までを手堅く追いかける感じ。
 不貞腐れてサボってたライザが家業を手伝うようになってたり、タオくんの書庫が導きを得て整理され読み解かれていったり、レントくんには安易に戦闘技術を教えず地勢を見るところから始まったり、それぞれの修行開始に独特の手応えがあった。
 閉鎖的な島民からは奇異の目で見られつつ、アンペル師匠の導きは子ども達にいい影響をしっかり与えている感じで、既に小さいながら前向きなサークルが生まれてきている感じは良い。
 こういう、見ず知らず通しが知り合いになって、なんかいい感じの連帯を作っていく手応えがあってくれると、ただただゲーム的なレベルアップ儀礼をお出しされるより個人的には食べやすい。
 そういう関係構築の象徴として、手作りクッキーがいい仕事しているのもグッド。

 ライザの家族は跳ねっ返り娘を優しく見守ってくれてるけど、レントくんのオヤジは飲んだくれのロクデナシっぽくて、親の責任を子に負わせるド田舎仕草もあわせて、なかなか湿気が強い。
 彼自身はてらしー声の爽やかガイなので、色んな暗さに負けずクズどもをギャフンと言わせる大活躍を、健全に冒険の加に目指しているところが、なかなか健気だ。
 可愛い顔して超やばそうな大イタチを前に、無理くり戦うのではなくて撤退を選べるクレバーさも良かったし、ライザ以外の成長を見るのも楽しいってのは、なかなかいいと思う。

 

 んで主役の方は地道に草花集めて、取り敢えずやってみて間違え、諦めずに情報を集めて足を伸ばし、手に入れた可能性を釜で煮込んで形にしていた。
 一回間違える過程をちゃんと書いてるのが、いい意味で成長物語のベーシックを踏まえている感じでとても良い。
 そうやって自分の力と師匠の導きで、何かができる自分を見つけて信じることで、道が拓けていく話なのだろう。
 出来上がった傷薬がソッコー、覗き屋小僧の傷を癒やし偏見を取り除く仕事しているところとかも、錬金術を巡る冒険がどういう結果を生むのか、見えやすくて大変良い。

 第1話で挨拶を終え、かなり地道なスタートとなったけども、それはこっから一個ずつ積み上げていく手応えが沢山あるってことで、僕的には評価できるポイントだ。
 第1話でのぼんくら描写が良く効いてたってことなのか、課題をもらった子ども達が自分たちなり懸命に挑んで、昨日よりちょっと力をつけている描写は素直に胸に入ってきた。
 そんな挑戦と成長をみんなで共有して、励まし合い協力しながら前に進んでいく感じも、パーティで危険な場所に足を運び戦いに勝つ(的確に逃げること含む)様子から、ちゃんと感じられる。
 ここら辺の手応えが、緩むことないファンタジー世界の美術でしっかり支えられていて、幻想的な面白さと現実的な手応えが同居しているのは、やっぱ良い。
 成長の積み上げ方にしても、世界観の構築にしてもいい塩梅に”匂い”がある。
 まぁそこに見応えを感じていると、しばしば挟まるムチムチアピールがノイズにもなんだけどね……。
 錬金バンクは……唐突にプリキュアみたいで面白かったからヨシ!

 

 というわけでタイトルどおり、因習島の三人が最初の一歩を踏み出す話でした。
 小さなことから地道にコツコツ、ワクワク頑張りを積み上げている子ども等も良かったし、思いの外的確に熱心に、彼らを導いている師匠達もグッドでした。
 この手触りで残りの話数、どういうお話を作り上げてくれるものか。
 より色んなことが出来るようになっていくだろう、ライザの物語の今後が楽しみです。