イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

ひろがるスカイ!プリキュア:第27話『ミラーパッドでワクワクレッスン!? 』感想

 夏だ!
 長期休暇だ!
 変則的な生活スケジュールにメイン視聴者層が翻弄されて、見逃しても大丈夫な胡乱回だ!
 という塩梅の、ひろプリ屈指のスーパー胡乱回、第27話である。

 

 鏡時空に吸い込まれるきっかけ、それぞれの苦手が課題になる展開、額に『戦闘ノルマ』と書いてあるボスの出現……。
 なんもかんもウッカリで話が展開し、真顔になると勢いが止まるのでそれに乗っかったまま流されていく主役陣のトボケと、置いてけぼりにされる視聴者のツッコミ。
 虚無から這い出したピンクのブタが『ワタクシ唐突にプルアップいたしましたブタですが、悪役共と関係はございません』とほざく配慮は見せつつ、胡乱特訓を投げつけて放送時間を埋めていくナニコレ感……。
 なかなかに凄い回だった。
 何もかもが唐突な展開を裏打ちする、ヨヨさんの裏機能説明すらもまた唐突という、唐突だけ寄せ集めて作った物語的違法建築みたいな趣だったな。
 その脱力感がまぁまぁ嫌いじゃないんだけど、それにしたって肩の力抜け過ぎであり、しかしひろプリはこういうグダグダした空気に強みもあり……と、飲み干し方がメチャクチャ独特な回だった。

 真顔でボケ続けるソラ・ハレワタール氏とか、タフな状況でこそイマジナリーソラちゃん召喚するましろちゃんとか、結構ダシの出てる描写も多かった気がする。
 スムーズにタルパ観光する虹ヶ丘氏、普段も”やってる”感あって良かったな……辛い時には、一服のハレワタール!
 この胡乱な話からなんか実のある”芯”を抜こうとすると、『苦手なことも大事な人を思い、手本にすることで乗り越えられる』ってことなんだろうし、新たに広がる世界を描く以上、出来ないことの描き方は結構大事でもあろう。
 ”出来ない”を”出来る”に変える時橋渡しをしてくれるのは、”出来る”人との交流が生み出す成功のイメージ……てのは、変化の描き方として結構好きだ。
 隣りにいて楽しい人だから日々を一緒に過ごしているわけだが、得意や好きはそれぞれに異なっていて、だからこそ混じり合って新しい可能性を生んでくれる。
 これは異世界人をメインに据えたひろプリが、ずーっと描き続けている喜ばしい可能性の一つだろう。

 それにしたって、胡乱は胡乱だったがな!
 『鏡時空で話展開させすぎて、ランボーグ出せないっすよ!』『うっかりミスでモンスター出てくることにすればええやろが!』は、あまりに剛腕。
 星の子の宿命を暴かれ、親元離れて世界を知る御免状貰って以来成長が加速しているエルちゃんが、メインのドラッギーな展開とは真逆の児童っぽさでウッカリ大惨事引き起こしたり、それを気に病んだりしてたのは、結構好き。
 でもその地道感が、虚無から事件が錬成され続けるフワッと感と全然噛み合ってなくて、マジで独自の食感だった。
 エルちゃんの成長バルブをどんくらいヒネるかって、一年モノのアニメとしては結構精妙な調整必要な部分だと思うが、今回結構ドバッといっててハラハラしてしまった。
 どんどん言葉の輪郭がハッキリしてきて、感情が複雑に多様化してきて、『育ってんなー……』って感じだ。
 秋辺りに一気に育って、プリキュア化すんのかなぁ……個人的には、児童つらぬいてほしいなぁ……。

 

 というわけで、プリキュアの夏胡乱の夏! という感じの回でした。
 まーこういう回もあるよなッ! と思いつつ、それはそれで独特の味わいで楽しくはあった。
 来週はあげはさんの家族エピらしく、ずーっと頼れる年長者やってる彼女の新たな一面が見れると、ちょっと嬉しい感じですね。
 次回も楽しみ!!