イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

Lv1魔王とワンルーム勇者:第6話『国境線の攻防』感想

 かつて世界を救った人類の規格外は、もはや人の世には余る脅威となった。
 穏やかなだけじゃない共和国の実情と、かつての英雄の現状を描くまおゆうコメディ第6話である。

 期待してた超人バトル要素がたっぷり堪能できて、しかもマックスと陛下のイチャイチャも山盛りと、大満足の仕上がりだった。
 何度も言ってるけど、第1話で想定してたラインよりはるかに同居ラブコメ要素が強くて、ニヤニヤ出来るお話なのは大変ありがたい。
 ブツクサ文句たれつつ、甲斐甲斐しく世話を焼く魔王様にどんどんほだされていって、満更でもなくなってるマックスを見ているのがとても楽しい。
 魔王様は初手から好感度MAXなので、変化があるのはマックス側なんだよな~。
 JKの側被ってる時は既にアリアリな気配漂わせているので、あとはちんちくりんモードでもアリっ! てなるほど、ズブズブ関係深めていけるかどうか、か。

 同居人で友達で嗜癖の異なる恋人候補で、因縁の仇敵でもある関係の複雑さはとても美味しいと思うから、斜に構えて世の中やり過ごしてるマックスがここに真っ直ぐ向き合った時、いい具合に温度上がっていくんじゃなかろうか。
 レオという強敵に対峙することで、シリアスな距離感の片鱗が見えたのは共和国漫遊編、とても良かったです。
 魔王様がとにかく溢れる愛を延々注いでいるので、マックスがつれない態度のまんまだと不公平感出ちゃって楽しく見れないんだけど、どんどんズブズブになってて俺も大満足。
 『邪悪死すべし!』なレオの反応は過剰に見えるけど、たった10年で皆殺し戦争やってたメンタルが腐れ落ちて、なぁなぁで同居できてるマックスのほうが異常……という見方もできるか。
 かつての戦友が10年間、それぞれの生き辛さの中で魂を変質させていった様子、それが衝突する様は見てて楽しいので、魔王様を触媒にしてここらへんも煮込んでくれると、今後が楽しみになるね。

 

 もう一個楽しみなのはレオとマックスのガチンコ超人バトルだが、その前段階としてそれぞれの強さを、国境線の攻防を通じてちゃんと見せてきてくれて、大変良かった。
 防御壁→魔導スナイパー→レオ=マックスという、笑って流せるわけじゃないけど殺し合いまではいってない両国関係を描きつつ、強さの階段をしっかり見てる側に教えてくれた。
 こういう強さレベルの視覚化を怠けると、いざ本気でぶつかった時のワクワク感も、野放図な強さへの納得も薄くなってしまうので、しっかり手間かけて魔王討伐隊のインチキ加減見せてくれたのは良かった。
 こういうお話の基本的な見せ方が端正なので、下ネタやらダイナシやらで笑いを取ってもどこかタガが外れきれず、安心して見れるのかもしれない。
 やっぱちゃんとしたアニメだなー……好きだ。

 共和国設立の経緯がまだ見えないので、国境紛争の細かいところは分かんないまんまだが、ノンキな温泉郷運営できてる共和国側は、防衛&’非殺を旨として立ち回っている感じ。

 マックスが指摘してたとおり、人間兵器レオの独力に頼り切った歪な体制ではあるけど、組織としても個人としても人間味はまだまだ残している印象だ。
 それなのに王国側は結構本気でボコスカ打ち込んできているので、レオという人類の規格外が国家にとってはあまりに脅威なのか、なんか良くないイベントがあったのか。
 ここら辺の具体的なところを、そろそろ知りたくなってきた。
 魔導庁長官にまで上り詰めたフレッド、抑圧に抵抗して国を建てたレオ、市井に下って腐ったマックスと、既存秩序への態度がそれぞれLAW/CHAOS/NEUTRALって感じに分かれていて、それぞれ相容れないまま十年時が流れちゃった感じ……なのかな?
 いうたかてレオも生粋のアナキストってわけではなく、共和国っていう自分なりの秩序を立ち上げて、社会の平和と安寧を大事に過ごしているわけだけど。
 人が集って肩寄せ合い生きていく尊さは、魔王を前に立ち上がった三人共通の価値だったわけで、対話の緒はまだまだ残ってる感じではある。
 今回レオがマックスを認識したことで、こじれた情勢がどう転がってくるかも楽しみだ。

 

 というわけで、イチャコラご褒美な温泉旅行に重ねて、救国の英雄たちの現状と実力が描かれる回でした。
 レオは半裸の蛮人だけども、真っ直ぐな気質は失わないまま周囲にも好かれてて、悪いやつじゃなさそうだ。
 しかし現実として、国境線に要塞作ってドンパチだからなぁ……魔王様が眠っていた間に生まれた、10年の空白を勇者とイチャイチャしつつ紐解いていく、一種のミステリ的側面もあんだな、このお話。
 こういう硬めの芯を大事にしつつ、程よく低劣な笑いや色気も頑張っていただくと、大変俺好みの味付けで嬉しい限り。
 次回も楽しみですね!