イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

豚のレバーは加熱しろ:第2話『豚もおだてりゃダンスする』感想

 比喩的な意味でもリアルな意味でも”豚”な転生者が、純真無垢な少女と歩む珍道中。
 豚レバーアニメ、街に繰り出してちょっと世界が広がる第2話である。
 徹底的に豚とジェスちゃんに的を絞った第1話から、どんだけ視野が広がるのかなと思っていたが、蓋を開けてみるとまだまだ謎が残る展開になった。
 店主が黒いリスタを『餞別』と手渡してたり、誰の所有者かコルセットに刻んでおかないと超ろくでもない扱い受けそうだったり、全体的にサツバツオーラ濃厚に漂ってきているが、イェスマとは実際のところ、どういう種族なのか?
 とにかく善良で、人間の世界ではとても生きていけないジェスちゃんへの共感で話を引っ張る形になっているので、その内実は大変気になる。
 蓋をあけると最悪な真実が飛び出してきそうな匂いがプンプンするが、そこら辺掘り下げる前に、一芸見初められた豚の大脱出作戦をやり遂げないといけない感じ。
 僕の偏見だと最近の転生者ってのは、異世界知識へのメタ知識を先んじて手に入れ、その情報アドバンテージでもって無双ぶっこむ印象があるんだけども、豚は生身一つ純情一個でもって、世界の謎を自分の蹄で掘り下げていく覚悟のようだ。
 ここらへんのじっくりした手応えは結構好きなので、世にも珍しい考え踊れる紳士な豚の冒険を楽しみつつ、超ロクでもない真実が飛び出してくるのをまとうと思う。
 ……いやぜってーロクでもないだろ、匂わせ方からしてさぁ!!

 というわけで街へ向かった豚野郎、あまりにも天使なジェスちゃんが世知辛さに便利に使われないよう、賢さ武器に恩に報いようとしていた。
 ”眼鏡ヒョロガリクソ童貞”と自己卑下する割には、少ない情報から社会構造を推察したり、心を読めても意図が読めないジェスを補佐したり、相当頭の回転が良い。
 ジェスが苦境に陥っているのは自分のためだと、正しく推測して恩を返そうとしているところも、異様にまともで紳士的な豚でビックリである。
 これが二足歩行のイケメンだったら整いすぎて嫌味になっていたかもしれないので、ちょっとの変態風味と豚の肉体は、良いハンディなのかもなぁ。
 言うたかて、豚さんボディはポテポテつぶらな瞳で大変可愛らしく、DDR風味に踊る展開も良いハマり方しとるわけだが。
 ネトついたモノローグを切り捨てて考えると、純真すぎる少女が薄汚れた世間の食い物にされないよう、豚の妖精が短い足で必死に助けている話でもあって、妙に童話っぽい味があるね。

 

 というわけで、主役とヒロイン以外に話しの裾野が広がりつつ、まだまだ謎を残す第2話でした。
 全体的にゆったりとしたペース、やや奇妙な味の演出と、結構独特なアニメだなーって印象。
 上手く活かせば強みになってくれる部分だと思うので、今後衝撃のイェスマ真実が顕になったり、健気な変態豚の小さな冒険を描いていく中で、作品独自の魅力にしてってくれると嬉しいかな。
 豚もジェスも他人を思いやれるキャラで、好感度高いのは大変いいので、ここを活かしつつどういう転がし方をしていくのか。
 愛の脱出大作戦が展開されるだろう次回も、とても楽しみです。