生体サンプル捕獲作戦もなんとか成功し、新キャラ盛り沢山の新展開開始ッ!
出向先のロジックに過剰適応しだした沖野くんが、コレまでとは別の意味でウザいブルバスター第5話である。
深夜アニメというより連続ドラマの味付けで進んでいるこのお話、アクの取り方も実写基準で、フワッと柔らかい口当たりを期待しているととんでもないエグミ叩き込まれてむせることになる。
英雄願望に酔っ払って足元見失ったり、ウッカリやらかしで過剰に凹んで一気に辞める決意までしたり、そこら辺乗り越えて一個手応えある”仕事”みんなで成し遂げたら、過剰な帰属意識が学歴コンプレックスと混ざって、新入り排斥に動いたり。
沖野くんの生っぽさは相変わらず……というか、状況が移り変わる度に新しいヤバ切断面が出てきて、大変人間らしいというか、なんというか。
つーか高卒だったのね沖野くん、勘違いしてたわ……高卒三年であの高出力二足歩行ロボを実用化ッ!!?
まぁシオタバイオの猪俣さんに比べりゃ、相当な好青年だがなッ!
効率とノルマで縛って柔軟性がない、すごい勢いで不機嫌垂れ流しながらゼニゲバ仕草をぶっ込んでくるあの人の猛毒加減、なかなかすんごいモノがあった。
猪俣さん個人がヤバいってのもあるが、シオタバイオ自身が研究員を監視&束縛しまくるヤバ素地まみれで、巨獣災害の分析担当やってもらうにはあまりにも……ではある。
島民の生活を平穏に保つべく、巨獣問題を秘匿して小さいスケールで処理していく道を選んでいる(から、中小企業の泥臭い活躍も書ける)話だが、クズに事件の中核担当してもらうの大惨事フラグでしかないので、一回関わる組織と人員調整したほうがいいとは思う。
まーどんだけの大事だろうが日常業務の範囲外、金にもならないただのノイズと受け取っちゃえば、猪俣さんの対応も分からいではない。
すげぇ生っぽい『いそうだなぁ、こういう人……』感が漂うあの会社に、巨獣発生の謎、現状打破の鍵を預けざるを得ない(金が無いのでちゃんと預けられない)波止工業の、なんとも辛い立場も見える回だ。
そこら辺は控えめ研究員・薫ちゃんが、善意に基づいた超勇み足で色々手を尽くしてくれて、突破口が見えてきた感じではある。
猪俣さんがクズ担当してくれるおかげで、シロにドッグフードあげてくれる薫ちゃんのありがたみもググンと上がる構図なので、一概にあの人が悪いとは……いや、最悪だなやっぱ。 新しい環境にビビってケージに体当たりはするけど、DNAと仕草は犬の面影を残すシロを通じて、巨獣災害が何を傷つけているのか、”仕事”の外側に目を向けてくれる薫ちゃんの存在は、話が停滞しない意味でもありがたい。
僕はアルミちゃんが好きなので、寡黙な彼女の心の傷にそっと寄り添ってくれる感じあるのも良かった。
巨獣発生のメカニズムは未だ不明だが、献体に付着したアオコを手がかりに発生源を特定し、実地調査で異常を確かめ、謎の解明に向けて一歩前進した手応えあり。
湖周辺の地形が踏破困難な底なし沼になるくらいの”なにか”が、巨獣発生に絡んでいるのは間違いなさそうだ。
元工事会社が発生している事件に、場当たり的に対応しているだけではどうにも出来ない地域的、生物学的な異変に波止は向き合っていて、もうちょいスケールの大きい対応ネットワークを組み上げないと、島民帰郷は果たせないだろう。
自前で研究やる体力も、札びらで顔叩いて”仕事”させる資力もない中で、どう問題の根本的解決を担う組織や関係性を作っていくか。
沖野くんが会社に馴染んだ……馴染みすぎた今、今後の課題はそこかなーって感じ。
その一角を担いそうなインテリ新入社員だが……EDで描かれている姿からもゴリゴリの合理メガネヤローっぽく。
第一章までのお話を経て、泥まみれの現場代表みたいな顔になった沖野くんとは、バチバチやり合う未来しか見えない。
鉛くんが持ち込んでくる”理”が、”情”で動いている波止にどういう衝突と変化をもたらすかも、ここからのお話の注目ポイントなのだろう。
片岡さんは給料親会社持ちの労働力と皮算用してるけど、素直に丸め込まれるタマにも見えなくて、まーたいい塩梅にグツグツしそうだ。
4話までで、このアニメがいがみ合いグツグツさせる手際、それを通じて描かれるものは受け取れたので、このバチバチした予感には結構強めの期待が交じる。
生っぽい波乱万丈の末に感じる独自の手応え、生っぽい軋轢が生み出す良い味わいを、ココからのお話にも期待したい。
という、いい感じにザワついた新章開幕でした。
社長が旧式の携帯電話を手放せなかったり、いろいろ今後発芽しそうなネタは蒔かれており、どう活かしてくるかが楽しみです。
とりあえずは沖野くんが勝手にライバル意識バチバチイワせてる、鉛くんの出向ライフがどうなるか。
結構難しいバランス取りを要求される作風だと思いますが、上手いこと面白いもの見せて欲しいと思います。
次回も楽しみです!