イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

ぶっちぎり?!:第4話『ストップ戦争(ウォー)!~時には食せよゴーヤチャンプルー~』感想

 全面戦争回避までの猶予は24時間!
 間違った方向へ雪崩落ちていく皆を止めるべく、真宝が街を駆けずり回る隣で、荒仁は今日も煮えきらない。
 C調ハーフボイルド青春物語と勢いが良い不良抗争が噛み合わないまま同居する、ぶっち第4話である。

 今週も荒仁くんの”芯”は見えないまま、つうか全霊で惚れてるはずの女の子が旧友に取られそうになったらソッコー失神カマして、『テーメーそこですら本気になれねぇのかよ!』とブチギレそうになったが、まぁそういう事らしい。
 いつになったらマジになってくれるのか、荒れ狂う抗争台風の目に偶然に助けられて遭遇して、同じ本気人憑きにボッコにされたら、ちったぁ剥けてくれるのか。
 スゲー荒いこと言うと、荒仁くん生き様がフニャフニャの魂ブサイクボーイだから、可愛い仕草されてもムカつくばっかで萌えられないんだよなぁ……。

 曲りなりとも草鞋預けているチームがぶっ壊れるかの瀬戸際で、闘いにも恋にも目を向けずバクステ擦りまくりの弱虫クン見ているのは、いい加減ストレスにはなってきた。
 『ママが可愛いからって許されるのも、限度があるぞテメー!』って感じ。(ママは本当に可愛いので、もっともっとあざとく前のめりに活かして欲しい)
 千夜とのシンクロ率上昇特訓の成果は、本気人パンチが二発打てるようになってたり出てはいるけど、所詮は借り物の強さだからなぁ……。
 一回暴力の本質にもう一回思いっきり、逃げ場無いほどにフルボッコにされて、泥の中から立ち上がる強さが欲しくなる。
 そういう意味では、ベルトを活用した卑怯闘法で情け容赦なく暴れてる、エンペラーの冷たい暴力は結構好みで、二大ヘッドが潰せなかった主役の幸運を、思いっきり殴りつけて話全体を、良いところにハメて欲しい。
 ……この主役にノレてない感じ、そもそもこのお話が自分に合ってない説出てきたな……。

 

 荒仁くんが自己実現の度に足踏み……つうか後戻りする中、真宝くんは相当真っ当に仁義の男してて、しかしその生き方が兄から背負わされた重荷であることも描写されてて、体重を預けやすかった。
 見るからに優しすぎる真宝くんが無理して不良をやってる様、たった一人『戦争とかイカれすぎだろ!』と叫ぶ様子が痛ましいほど、ダチが助けを求めてるのに背中を向ける荒仁くんの情けなさが、モリモリ際立っても来る。
 ここら辺のフラストレーションを破壊力に変えて、主役が一気に男を立てるタイミングがどこになるかが、話全体を見届ける上で結構大事かなぁと思っている。
 喧嘩上等暴力万歳で皆が突っ走る中、摩利人くんにナシ通したのは彼一人だし、その約束守ろうと走り回ってるのも彼一人だし、孤軍奮闘過ぎてかわいそうよね……。
 まほろちゃんと着実にフラグを立てているところといい、何が合っても主人公を信じ続けているところといい、現状物語の中心軸は真宝くんにある印象。
 荒仁くんがどんだけアプローチしても出てこない、大好きなお兄ちゃんとちゃんとお話したいましろちゃんの本音を、ボソッと呟くのは真宝くんの前だもんなぁ……。
 まー荒仁くん魂おブスなんで、ちゃんと付き合うより利用する方向に頭が行くのも、納得行っちゃうんだけどさ。

 つーか雑魚呼ばわりした相手にボッコにされて、恥ずかしくてホントのこと言えないまんま全面戦争の火種蒔いたシャバ僧が、本音吐露するのも真宝くんだしね……。
 ”真の男”標榜する割に相手の事情は聞かないわ、プライドが邪魔して自体が最悪になっていくわ、湿り気強めの女々しさ全開なヤンキー描写は、実はそんなに嫌いじゃない。
 強さと面子で結びついたボーイズクラブの内側が、風通し最悪のジメジメ空間だってのはよくある話だし、一見カラッと爽やか強くて前向きを標榜しつつ、真逆なはずの拗れた感情が真ん中に居座ってる捻れ方は、好みの構造だ。
 この作品の舞台になってる不良の楽園、真面目にやってるスタンダードな人たちの視線がない≒社会からはみ出すアウトサイダーとしての不良の立場で描かれてないので、ワルくなって徒党に飲まれた方が多分楽。
 そういう反発力を必要としないまま”不良”に飲まれる群れの中では、真実貫きたい何かがある本気人候補は、思いの外少ないのかもしれない。
 そういう連中がジメジメした(くせに、”男”って書いてある)衣を脱ぎ捨てて裸一貫、嘘のない生き方をしてくれる瞬間のスカっと感を、どっかで求めてんだろうな俺は。
 あるいは”男らしい”を看板にする不良稼業の中に、隠然と大きく影響してる”女々しさ”の共犯関係を、そのねじれに強いフェティシズムがある(ように思える)作り手の筆でもって、新たに削り出してほしいのか。

 

 そこら辺は今後見ていく中で探るとして、状況的には二大チームが良いように踊らされ、真宝くんがどうにかしようと追いかけつつも間に合わないエンペラーに、主役が偶然対峙している状況。
 このまま諸悪の根源をボコして、また荒仁くんが”本物の男”と祭り上げられちゃうとなかなか困った方向に話が進んでいくが、さてはてどうなることやら。
 幸運に恵まれて挫折を味合わなくてすんでるのが、逆に荒仁くんから”本気”を遠ざけ、『テメェ本当の所、何がしてーんだ……』と聞きたくなるキャラ性を生んでる気がする。
 まぁ思春期の話として、本当にやりたいものを見つけてしまえば話は終わったも同然で、そこに至るまでを迷ったり間違えたりするってのも解る……つもりだけどね。
 ぶっちゃけもうちょいこー、主役を好きにならせて欲しい。

 主役が特別になれるパワーソースたる、千夜の思惑も願いもまだ見えてないわけで、ここを青の本気人・一夜と邂逅したことで暴いてくれると、薄っぺらな勘違いと利害関係で繋がっている間柄を、新たにするチャンスなのかなと思ったりもする。
 現状暴力沙汰に吹き上がって、荒仁くんを器代わりになんか企んでるっぽい、デフォルメ済みピンクのチンポだもんな千夜……。
 『本気人パワーでワンパンキメて、荒仁くんが芯がないまま不良にワッショイされる』つう今までのパターンから、ちょっと外れた偶然の邂逅。
 どう活かしどう転がしていくかで、話の方向も大きく変わっていきそうですが、さてどうなるか。
 次回も楽しみです。