イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

プレイレポート 24/03/23 ストリテラ『Bestiaire -群獣寓意譚-』

 今日はナラティブTRPGオンリーオンラインコンベンション”ジャムコン2nd”

sites.google.com

にて、ストリテラのオリジナルシナリオを遊ばせていただきました。

 

 シナリオタイトル:Bestiaire -群獣寓意譚- システム:ストリテラ

 キズミさん:”三年坂の蝮”葛羽恭路:33才男性:妄執の狂犬 とある二次団体を率いる若き獣。親分亡き後、その夢を引き継いでテッペンを目指してきたが、病魔に侵された身体に残された時間は少ない。命を燃やし尽くし、譲れない道をひた走るか、それとも……。遺品である時計は非常に時を刻み、答えてはくれない。

 フレッド緑野さん:”暴虐の龍”井出遊馬:38才男性:不遜なる獅子 昇り龍の入れ墨を背負った、冷徹にして傲慢な生粋のヤクザ。頭が切れ利に聡く、それ故情の引力で街をまとめるには足らないが、今更爪を収める手立ても知らない野獣。いつかどこかでねじ曲がった道が、定めだと譲らぬ一本気を背負う、孤独な侠客。

 コバヤシ:”色無し伽藍”桑原伽藍:42才男性:還りし龍 かつて悲劇に襲われ、稼業から遠く距離を取って花屋をやっている巨漢。オヤジの死を契機に因縁が荒れ狂う街に、かつて逃げ出した道を辿って首を突っ込んできたハンパ者。色を入れる前に散った背中の花を、赤く染まるのは決意か、犠牲か。

 

 こんな感じの感情と因縁こんがらさせたドヤクザ共が、沸騰する街にそれぞれの生き様をぶつけ合うお話をやってまいりました。
 大変面白かったです。
 お二人共ストリテラ初体験ということで、経験者としては良い出会い方になってくれればな~~と願いながらのセッションとなりました。

 ですが、積極的に『俺はこういうお話をしたくて、こういう奴なんだ』というメッセージを出し、それを受け取って『俺達のお話はこうなると面白いんじゃないか?』という提案をしていただいて、ノーデータ・ノーGMの特異なシステムが最高速を出すために必要な、ロールプレイの燃料をガンガンに投げ込んでいただいて、最高に煮えたセッションとなりました。
 コンベンションでの初顔合わせ、初システムということで緊張もされていたとは思うのですが、積極的にコミュニケーションを取り、楽しい時間を一緒に過ごそうと前のめりにバンバン熱い一撃を入れてくれたおかげで、こちらも引っ張られて良いロールを沢山返すことが出来て、大変面白い時間を過ごすことが出来ました。

 

 お話の方は過去の事件で人生ねじ曲がったヤクザ二匹と元ヤクザ一匹が、抗争に加熱していく街の中で譲れない生き様を探り、激しいぶつかり合いの末に進むべき未来を見つけていく展開に。
 とにかくずーっと雨が降り続いている、湿り気の多い話になったわけですが、キャラクターは出口の見えない業と因縁に溺れつつも、プレイヤーはしっかり皆でどこに行くべきか話し合い、ロールプレイでつっつき空い、理想的なバランスで一緒に走ることが出来ました。
 『俺はこうだ!』という芯を安易に譲らずしっかり構えて、その上で『俺はこうして欲しい!』という願いにちゃんと耳を傾けて、自分含めて同卓している相手全員を尊重した上で、今共有している物語を大事に、皆で納得行く展開を探っていく。
 ストリテラの、ナラティブ・システムの一番大事で一番強い所が、しっかり噛み合って強い出力を絞り出す展開となって、二時間のスピーディーなセッションながらやるべきこと、やれることを全部振り絞った、大満足の物語体験となりました。

 キャラクター提出時、あるいはロールプレイを始める前の相談ではなかなか思い至れないところに、実際のプレイを通じてグイと乗り上げていく手応えも随所にあって、リアルタイムで話を作り上げていくからこその面白さを、たっぷりと味わいました。
 終わってみると想定していないところに全キャラクターが流れ着き、しかしこれしかありえないという納得と満足を持って一つの結末にたどり着くことが出来て、手捻りで先の見えない話を編んでいく醍醐味を、堪能できるセッションでした。
 カタギがヤクザに、ヤクザがカタギに、オセロのように動かないはずの生き様が動いて未来が拓けていくのは、血みどろでどうしようもない人間の業を描きつつも、どこか前向きな希望がある感じで凄く良かったです。
 雨に濡れつづけていた街に日が差し込み、『固い絆』を花言葉とする朝顔が花開いて終わるエンディングも、詩情があって良かったな……。

 

 というわけで、大変楽しい時間を過ごさせていただきました。
 同卓していただいたお二人、コンベンションの運営スタッフ、ストリテラという最高システムを作ってくれたフユ先生、みんなありがとう!