イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

わんだふるぷりきゅあ!:第22話『わんだふるご~!』感想ツイートまとめ

 二人の心をオンリーワンの色で繋いで、レッツアジリティチャレンジ!
 このアニメらしいほのぼの感全開、犬飼こむぎ成分120%摂取可能な、わんぷり第22話である。
 前回二足歩行で制服着込んだこむぎを、今回四足歩行でハーネス付けたこむぎを、二脩連続で接種できて大変にありがたい。
 いつも元気で全力疾走、大好き全く止まらないこむぎの可愛さ、良さ、素晴らしさが色濃く出てくるエピソードを見ると、心がとても豊かになってくれるので、今後もこういう話をたくさんください。

 

 今回はある種のプリキュア社会見学というか、ドッグトレーナーという職業、アジリティというスポーツを、こむぎたちと一緒に学ぶような味わいがあった。
 もともとこういう教導的な味付けはプリキュアで良く見るものだが、悟くんの毎回の動物生態解説といい、わんぷりは朗らかな作風の中に結構固めでクレバーな味わいを、巧妙に織り交ぜている感じがある。
 新しいことを知って世界が広がっていく喜びも、わんぷりが届けたいワンダフルの一つだろうし、それを押し付けがましく無理くり描くのではなく、あくまで自発的で楽しい挑戦としてるのが、このお話らしくて良い。
 あとしっかりトレーニングされたウィットくんが、吠えない様子も徹底されてたな……。

 未知に常にワクワク出来るポジティブな犬飼姉妹に対し、人見知りなまゆちゃんと興味の方向性が狭いユキは、アジリティに挑みはしない。
 この消極性……とも取られてしまうものを、猫屋敷姉妹独自のあり方なのだと、ちゃんと描いていたのも良かった。
 バトル要素や敵の掘り下げを意図して切り捨てることで、こういう細やかなフォローアップが可能になってるのはわんぷりの強みと感じていて、犬/猫をトーテムとして色んな人がいるから面白い、世界のあるべき形を描き続けているのは好きだ。
 杓子定規に全てに当てはまる答えがあるわけではなく、時に衝突しながらお互いに相応しい距離感と繋がり方を探していく営為に、時間を使って向き合えてるのはわんぷりの良いところだなー、と思う。

 

 犬束さんは競技の点数としてみればダメダメな、こむぎのアジリティ初挑戦を叱りも笑いもしない。
 言葉の通じぬ通常犬を隣においても、噛み癖抜けないダメダメドッグの個性に向き合い、探り探りのコミュニケーションを通じてお互いの最適を探してきた体験は、まず目の前の相手の良い所を探す余裕を、彼女に与えている。
 この鷹揚な姿勢が、こむぎが最初に感じた『アジリティ楽しいわん!』を殺すことなく、新しい喜びとしてスポーツに向き合う前向きさを導きもするのだが、いろはちゃんに『自分だけの言葉で、パートナーとコミュニケーションしても良い』と伝える所も良かった。
 スポーツとして成立するために必要な大枠はありつつ、そこには異なった命といっしょに走り楽しむ精神がまずあって、形はその後に付いてくるものだ。
 アジリティ初心者にそういう、競技とコミュニケーションのいちばん大事な所をまず伝えて、いろはちゃんとこむぎが楽しい時間を過ごせるよう手を尽くしてくれる姿勢が良かった。

 そうして自由を手渡されて、犬飼いろはが選んだ言葉が『大好き』と『仲良し』なの、”いい子”という枠を飛び出してむしろ積極果敢な攻撃性すら感じる、いろはちゃんらしさがあった。
 『世界を『大好き』と『仲良し』で埋め尽くすぞ! それは宇宙で一番ワンダフルな言葉だぞ!』という確信があってこそ、こむぎとのコミュニケーションを最適化出来る言葉としてこれらは選ばれていて、その選択は面白くもねぇ不幸や鬱屈を、聞き届け一緒に跳ね飛ばすフレンディの戦いに、強い力を与えている。
 言葉を聞き届け、発して届け返す行為は常に外部に対して拓けた行為であり、自分から動いて世界を変えていく果敢な精神性が、やはり犬飼いろはの根っこにはあると思う。
 下手すると他者への攻撃性もはらんでしまうこの積極性から、彼女が変じるフレンディを『聞くプリキュア』とすることでトゲを抜いたのは、スゴいキャラ造形だなと改めて感じた。

 

 という感じの、六人になったわんぷりチームの幸せな一日を描くエピソードでした。
 第11話もそうだけど、わんぷりはこういう何でも無い特別な一日をスケッチする手つきが凄く良くて、今の彼女たちがどういう繋がり方で、どういう個性をお互いに尊重しながら隣り合っているのか、感じられて凄く良かったです。
  ゆったりしたムードが漂う中、リリアンといっしょにいることでニャミーが他人を見守れるようになってる様子とか、変わらぬフルスロットルでグイグイくるこむぎと良い距離感作れてる感じとか、たくさん見れて嬉しかった。
 こむユキは、仲良し重点なわんぷりではかなり異質な温度感で描かれてんだけども、だからこそじっくりと関係が煮込まれていく手触りが特別に際立って、今後を見守りたくなるんだよなぁ……。
 『別に……』でスカし続けてきた幼子の温もりが、ふとかき消えてしまうような理不尽に直面した時、猫屋敷ユキがどんな風に己を変えるのかが、僕は結構楽しみです。

 そして次回は七夕、プリキュア浴衣回ッ!
 女の子たちのワチャワチャ楽しいお祭感もいいですが、予告の段階で悟くんの純情が花のごとく匂い、気ぶりジジイは早くも限界ッ!
 パッション重点人間が大暴れする物語に、安定性をもたらしている功労者をどう輝かせてくるのか。
 次回も大変楽しみです。