イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

プレイレポート 24/07/31 TNX『punchline from da ghetto』

 一昨日は夜会でやったシナリオを、プライベートでもRLしました。
 三回目のパンチライン、どんなリリックが飛び出すのかッ!

 

 シナリオタイトル:punchline from da ghetto システム:N◎VA-X RL:コバヤシ

 

 子月しく:”閃光(フラッシュ)”蒼生千束:17歳男性:カブキ=カブキ◎●ミストレス この世の終わりめいたストリートにあってなお、希望の光を忘れない真っ直ぐな青年。瞳を焼いたヒップホップの閃光を追いかけ、心の奥底から湧き上がる思いで世界を変えていける、希望の概念存在でありただの人間そのもの。

 千本松さん:”風炎”ハル:16歳男性:チャクラ◎カゲ●クロマク ストリートの現実に立ち向かうために、拳を固め何かを殴りつける生き方をしている男。荒くれ集団”スターヴィング・クロウ”を率い、情け無用の生き様を送っているが、その奥には暴力を嫌う気質と変化への渇望を秘めている。

 

 こんな二人が、暴力が支配する最悪のストリートを風のごとく駆け抜け、新たな光を灯しました。
 大変良かったです。

 このシナリオRLするのも三回目ですが、毎回異なったヒップホップ性がキャストのスタイル、ロールプレイを通じて表に出てきて、とても楽しませて貰っています。
 やっぱキャストごとの生き様、プレイヤーの資質や嗜好によって同じシナリオでもぜんぜん違うものがでてくるし、違う答えが導き出されていく。
 二つあるハンドアウトを明と暗、理想と現実にパッキリ分けて棲み分けてもらってる感じではあるのですが、それぞれが見ている世界のあり方と、それに立ち向かうための武器の選び方は毎回全然異なっていて、それが化学反応して生まれる物語もまた、別の形を得ていくわけです。

 回数回すことで、そういうTRPG特有の面白さを濃いめに感じるようになってきてて、なかなか面白い体験だと思います。
 PLが真摯にシナリオに向き合って(BIG感謝!)紡いでくれる答え全部が、自分の中からは出てこない発想とパワーに満ちていて、そういうものと幾度も出会える体験装置として、TRPGってのはやっぱスゴいなと思う。
 僕はNOVAやる時はいつでも、”スタイル”という固有のシステム、表現手段を一番真ん中に据えて、それが一番かっこよくロールできるようにシナリオを作るわけですが、今回のシナリオはそういう仕込みが、結構良く生きてんのかなー、と思った。
 ヒップホップっていう、自分が前のめりに興味を持っている領域をテーマにしたことで、いい具合にエンジンかかっている感じもある。

 

 自分の作ったアクトを通じて、見たことのなかった景色、あるいは自分ひとりでは生まれ得ない熱をつかみ取りたい。
 こういう願いは自分一人ではけして叶わず、前のめりにセッションと同卓する人間に真摯に向きあい、アクトを楽しもうとする参加者あってこそ、形になるものだと思います。
 今回参加してくれたプレイヤーも、準備段階からゴリゴリお互いがやりたい物語を相手に投げかけて、飛んできたタマを場外にかっ飛ばし合い、実プレイで生まれるグルーヴに全霊を乗っけて、素晴らしいプレイをしてくれました。
 やっぱゲームを最高に楽しもうとする真摯な熱気ってのは、Discord越しでもしっかり伝わるもんだし、それを感じることでプレイ前感じていたぼんやりした不安を蹴っ飛ばし、がっちりハマった手応えでもってセッションを運営も出来るわけで、ありがたい限りだ。

 はじめましてな子月さんは、じっくりシナリオやロールを噛み砕き飲み干した上で、自分だけが紡げる言葉をしっかり力強く突き出してくれました。
 陰りが一切ない陽性のキャラクターを最大戦速でぶん回すピュアなパワーが、シナリオの舞台となってるニューロエイジのストリートを覆う、絶望の濃い闇と良いコントラストを生んで、大変良かったです。
 この光と真っ向対峙するように、千本松さんはシステム巧者として当意即妙の描写を随所に挟みつつ、世界の影に染まりかけながらも光の可能性を何処かで信じている青年が、自分の中に確かにあった可能性……スタイルに目覚めていく様子を描いてくれました。
 やっぱアクトを通じて、キャストのスタイルが揺れ動いたり燃え盛ったりする様子を見るのがいっとう好きなので、そうなるようにこのシナリオにかじりついてくれた二人には大変感謝であります。

 今回のシナリオはヒップホップがテーマなので、ロールを通じてコール&レスポンスが成立してるかどうかが、いつもより自分的には大事な感じがします。
 シナリオという形で提示した僕の中の熱に、あぶられて何かを感じたのだとキャラを提出して、セッションの中で質問や提案をして、ロールという形で応答してもらって、感じられる瞬間が最高に気持ちいい。
 『自分の中に溢れる何かを、誰かに受け取って返してもらいたいと願って、通常の会話を越えた特別な形式でもってコミュニケーションを取っていく』という意味において、ヒップホップとTRPGは強い共通性があると思うんですよね。
 それをすくい上げ削り出したくて作ったシナリオが、極めてヒップホップ的な相互呼応を通じて最高の体験になっていくのは、やっぱ凄く嬉しいことでした。

 

 というわけで、大変素晴らしいセッションでした。
 同卓していただいた方、ありがとうございました!