イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

ラーメン赤猫:第9話『消えたコンフィ事件/虎の威学べず/ヒミツでもないけど』感想ツイートまとめ

 ラーメン赤猫 第9話を見る。

 今日も今日とて赤猫は、ケンカも相談もイジりも盛り沢山!
 ぶつかり合っても後引かない、ジメジメしてない赤猫の良さが分厚く感じられる、チャーミングな連作である。
 サブとハナちゃんがバチバチやる話の後に、経営責任者の可愛い本名をイジって朗らかに笑える話を持ってくるの、小さな波風すらも楽しい時間に変えていける、赤猫の良さと強さがよく見える構成だった。
 佐々木CEOの偉ぶらない性格がこの風通しの良さを生んでいるわけだが、「本物の殺意を込めないと、威嚇は威嚇として機能しないし、暴力的衝突も回避できない」と実地で知ってる、ストリート上がりだからこその器のデカさ、か。

 

 そろそろ全話数の2/3を終え、幕引きが見えてきた赤猫アニメであるが、緩やかなお話を貫通する一つの軸として、社さんが新たな職場になじみ、製麺から事務まで何でもこなすユーティリティプレイヤーとして才能を発揮していく物語が、確かにあると思う。
 お店の雰囲気をピリつかせる冷戦状態に、上手くメスを入れて患部を切開していく上で、社さんのブラッシングが事情を聞き出せる中立地帯として機能してたり、何でも押し付けられていた前職での経験が、赤猫では頼れる”人の手”としていい方向に働いていたり。
 店に必要とされ、スキルや性格を活かして結果を出せる環境が、どんどん整っていってる。

 ハナちゃんのブリブリな接客が、怒りを表に出さないための分厚い仮面だってのもすぐ解るようになっているし、従業員がバチバチやり合ってても慌てず、どっしり構えて推移を見守れる。
 非常にまったりしたペースで、時に変化なく穏やかな時間が積み重なっているように思える物語に、確かなコクと歯ごたえがあるのはやっぱり、ここら辺の蓄積を丁寧に丁寧に、感じ取らせているからだよなぁと改めて思った。
 「猫だらけの店に人一人」って状況が、羨ましい特別感と同時に、社さんを窓にして作品世界に入っていける親近感を両立させて、その小さな変化を身近に感じる助けになってんだろうなぁ…。

 

 変わっていくのは従業員だけではなく、すっかり常連となった滝くんと、赤猫の距離感も変化している。
 人間様がなんとなく想像している”野生”の本質を、ガチ獣に言葉で教えてもらう話の流れが妙に哲学的で好きだが、「威嚇は怯えから、闘争は庇護から生まれる」ってリアルな感覚を、路上生まれな佐々木さんだけでなく、ハナちゃんも当然のものとして受け取っているのが面白かった。
 次回ついに彼女の過去に切り込む話が来るが、そこで描かれる彼女なりの苦労を思うと、あそこで滝くんに語ったのは”実感”なんだろうなぁ…と思う。
 こういうエピソード感の緩い連鎖も、作品の魅力の一つといえるか。

 僕はあのエピソードが凄く好きなので、来週アニメがどう描いてくれるかとても楽しみなんだけども。
 今回の三連作でサラリと描かれた、「花ちゃんってこういう猫です」というスケッチが、色んなことがあるけどイヤな風は吹かない、赤猫の楽しい日常を噛みしめる中でしっかり、視聴者に刺さっているからこそ、特定キャラにフォーカス当たった話が来ると嬉しいわけで。
 それぞれ個性や得意は違えど、気持ちの良い連中が集っている赤猫という場、そこで活き活きと輝くキャラの造形が、やはり面白いアニメだと思います。

 

 そんな風に積み重なっていく日々を、また来週も見れる。
 とても嬉しく、楽しみなことです。