BANANA FISH：第18話『海流のなかの島々／Islands in the Stream』感想ツイートまとめ

BANANA FISHを見る。
海流は島々を切り離し、孤独にする。ヘミングウェイめいた。都会化された孤独の中を歩いてきた人達。その基盤たる暴力が、暴力によって切り崩されていく。
見よ、"Blanca"を名乗る人を。そは鉄の杖を持ちて獣を追う、真実の王。最も悪辣にして孤独な、人という名の漁（いざり）。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月10日

そんな感じの、"善悪の魚（BANANA FISH）"を釣り損なうまでの物語、敗北の第18話である。
早い。
見て思うのは、まずこれだろう。これまでギリギリのバランスで長い間保たれていた均衡が、本当にあっけなく、とんでもないスピードで瓦解していく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月10日

そのあっけらかんとした崩壊があまりにもあっけなくて、思わずぽかんと口を開けてもしまう。
破滅とは常にそういうものだとうそぶいても、やっぱり早い、早すぎる。ブランカの登場によって、これまでの物語が白紙にされてしまった衝撃。まさに"Blanca"である（最悪のジョーク）

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月10日

とはいうものの、必要な速さだった気もする。
それは尺巻いて最終話まで話を転がさなきゃいけないとか、今までためた物語を一気に進めるスピード感が欲しいとか、そういう斜めからメタメタ読みの話ではなく。
これまで堅牢だと思えたもののあっけなさを、より強調する速度だ、ということだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月10日

今週もアッシュと英二は一生イチャコラしてて、『水と空気さえあれば、死ぬまでここに住めるぜッ！』と言わんばかりの安定感である。
しかしその前に、凄まじいあっけなさと凶悪さで人が死ぬ。これまでも冗談みたいに人は死んでいたが、今回の殺人はなにか…桁が違う。早くて、鋭く、意味を拒絶する。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月10日

そういう理不尽さこそが死の本質であり、アッシュが唯一扱えるものだ、という事実を、ここまでの分厚いサーガは隠蔽してきた。
アッシュが殺し殺され、カルマの織物を作る中で織り込んできた友情や愛、青い色の希望は、死の虚無主義を…海流の中の島を拒絶できる特権があると思ってきた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月10日

しかし、そうではない。ブランカが子供時代に『まだ早い』と取り上げ、成熟した今置き土産にしたヘミングウェイの小説のように、死は全てから切り離され、なんの意味も持ちえない。
"海流のなかの島"の原作は、ブランカがいうと降り人の孤独についての物語で、全てが死で終わる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月10日

いかにもヘミングウェイ的な（のは、この中の一編が後に"老人と海"という代表作になることを考えても判る）孤独は、死と、死ぬべき人間を常に包んでいる。
そうではない。人は笑顔で、手を繋ぎながら生きるために生まれてきて、銃のない国で死ぬのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月10日

そういう反証は無力な戯言として、あえてじっくりと描かれる。
アボガドサラダと裸のイチャイチャ、『おかーさんかよ！』と突っ込みたくなる食事の睦言、遠い遠い約束。
いつか、どこか、だれか…今の自分と遠い存在が引き受けるべき、綺麗な夢。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月10日

それは確かにそこにある。英二の部屋を描く筆は、恐ろしいほどに真っ青だ。
NYのハーレムから抜け出した時、アッシュとスキッパーが見上げた空と同じ色の夢は、まだそこにある。英二の形をして、元気に生きている。
その必死の反証は、じっくり描かれたからこそ、無力な戯言になる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月10日

（とまぁ、このアニメを始めてみたときに直感したカラーリング理論で映像を呼んでるわけだけども、英二の世界に対比されるべき悪の倉庫…邪龍と悪魔と猟師と山猫が雁首揃える倉庫は、キッチリ青で塗られていたりする。
あそこが"赤"だったら、この論にも説得力が出るのだが）

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月10日

（青い理想を汚す赤い血が、英二から流れたのは納得がいく。必然の流れだ。アッシュが行く末に悩む時、その部屋が紫色なのも。
しかしなぜ、死を詰め込んだ海流の中の島…暴力と略奪と死は、今回青いのか。表現のブレか、自分が読み間違えていたか、何らか別の意味があるか）

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月10日

（考えても答えは出ない。英二が語り倒す夢もまた、死と同じ色をしているという皮肉かとも思ったが、それは流石に穿ち過ぎだ。
後々なんらか、英二的な要素、あるいは今回倉庫に詰め込まれていた要素への反証が"赤"で描かれるのなら、納得の行く演出にもなるが…ふーむ。なんとも言えない）

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月10日

（自信満々ではっつけていた作品解析フィルターも、こうも致命的な読み間違えをしたら捨てたほうが良い…んだが、これまで見てきた読み筋には愛着もプライドもある。
取り敢えず、青は英二の色、希望の色という視座を捨てず読んでいきたい。まぁこういう細かいところ、アンタにゃどうでもいいかね？）

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月10日

これまで英二との生活、アッシュがしがみつく夢は、アッシュが抱える殺しの天才によって守られてきた。
しかしブランカが持つ圧倒的な暴力と、これまでも予言されていた英二の決定的な脆さが、非常にあっけなく全てを壊していく。
暴力は脆い。これは、今まで書かれていたとおりのルールだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月10日

アキレスの踵、シグルドの背の一葉。クークランの誓い（ゲッシュ）
英雄はその無敵ゆえに、敗死するときは非常にあっけなく死ぬ。今まで散々暴威を振り回したそのつけを支払うように、最も鋭い暴力を、最も脆い場所に的確に打ち込まれ、驚く暇もなく死んでいく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月10日

今回アッシュが振るい、振るわれる暴力のあっけなさ（自分を死に追い込み、英二を助けようとする青い暴力も含めて）は、多分これまでの物語の因果/陰画だ。
暴力で未来が切り開ける、アッシュ独自の才能が夢を掴む、そんな意味あるストーリーを、僕らは乾いたニヒリズムの中で信じた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月10日

どれだけ犯されても、殺しても、その先に"異国"の夢があるのだと信じたからこそ、この物語を見続けることができた。（のは、登場人物も同じであることを、露骨なフラグ建築として描かれる『日本の話』を通じて、強く感じることが出来る）

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月10日

しかしリアリズム文学の旗手であるヘミングウェイが"海流のなかの島々"で描いたように、死と死すべき人間はどうやっても孤独で、そこで手に入る唯一の武器たる暴力は、他者や世界ではなく自分自身に向く。
常に、だ。例外はない。
だから、アッシュが銃を自分に向けたのはとても正しい。悲しいくらい

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月10日

アッシュは自分が蔑ろにしていた死の真実に、こてんぱんに殴られる。
冷たく、孤独なブランカの肘鉄は、いつか『優しく全てを奪う』と夢見ていた死神とは、全く違う表情をしている。
ショーターの脳みそを切り裂いたような、かつて自分の肛門を犯したような、なんの意味も救いもない、非文学的暴力。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月10日

まさにその渦中にアッシュはいて、その本質を見失い夢を見たが故に敗北する。手に入れたいと願ったもの全てが、乾いた砂となって指から逃げていく。
その徹底したニヒリズムは、例えばヘミングウェイが身をおいたスペインの塹壕の匂いがする。
誰がために鐘は鳴る。死者か、生者か。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月10日

その答えはまだ、完全には出きっていないし、そのことがギリギリ最後の希望であるが、一時的に答えは出た。
鐘はならない。意味はない。暴力はより強力な暴力によって切り崩され、そんなより強い暴力を手に入れた人も、虚しく滅んでいく。
出口はない。青い空もない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月10日

何しろアッシュのニヒリズムは、ブランカとゴルツィネ、二人の"父"が手ずから教えたものだ。
父と同じ土俵に立っていたら、絶対に父には勝てない。それを知っていたからこそ、アッシュは暴力（性暴力含む）の地平から出ようとした。裸で寝てても犯されない、朝ごはんとシャワーを用意してくれる世界へ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月10日

しかしそこへはたどり着けない。
アッシュが実の父に、銃弾で撃ち殺されたジェニファに、魔薬で狂った兄に、運命的に出会ったマックスに、自分を庇護すべき全ての大人に、もう一人の自分としてのスキッパーに、親友であるショーターに、異国から来た英二に、夢見たもの。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月10日

無条件に自分を愛し、愛に暴力ではなく愛を返してくれる無限の喜びの国は、どこにもなかったのだ。
それを顔面に叩きつけられ、アッシュは死の床に横たわる。絶望し、それでも銃という暴力を手に取り、それしか手に取れないことに絶望しつつ、それでも生きるしかない。ニヒリズムは無限に反射する。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月10日

そういうところに、いかにもヘミングウェイ的な常夏のハバナからやってきた男は、アッシュを叩き込む。
その仕草は手早い。それはブランカが強く、"父"だからだが、同時に彼が必然を背負っている狩人だからだ。アッシュは自分が振り回してきた銃弾の、当然の摂理に負けたのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月10日

とすれば、ブランカもまた無意味の中に身を投げるしかなく、『英二を殺さないでくれ』という、アッシュ最後の人間性、血を滲ませるスワンソングも、蹴り飛ばして進む形になるが…さてはて。
確かに道理だが、そっちで転がすにはウェットかつメロウに進めてきたし、後味最悪ってレベルじゃねぇな…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月10日

世界は、文学は一つのルールだけで動いてきたわけじゃない。
理不尽と無意味が世界にあふれているからこそ、それを切開し結びつけ、意味を与えていく物語的営為を、人間は手放せなかった。
神話は無想に耽溺するためではなく、あまりに残酷な世界で生き延びるためのリアルな武器として、人に必要だった

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月10日

愛にも、友情にも、殺しにすらも何らか意味があり、物語は世界を埋め尽くす。夢と希望は、様々に歪み時に犠牲を伴うとしても、一欠片であっても青い空へ飛び立っていく。
そういう願いがあまりに強いからこそ、人は物語を…"BANANA FISH"のような優れた物語を、ずっと紡いできた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月10日

だからこそこれまでの物語は、長い長い時間を使って意味が折り重なる様子、人と人の出会いが感情を繋ぎ、運命の織物を作る様子を追いかけてきたのだ。
それが引き裂かれる速度が、ニヒリズムの圧倒を宿していたとしても。
それだけが世界の真実ではないし、真実であってはいけない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月10日

要するにバッドエンドマジ勘弁って話なんだが、さて、ブランカの描かれざるキャラクターは、甘っちょろい物語主義（ヒューマニズム）を許容してくれるか、否か。
ドラマの進行と同時に、物語全体の去来も、いきなりやってきた超絶強キャラ糸目野郎に握られた形だ。ガッデムアスホー！！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月10日

口汚い罵倒は横において、もう一つ希望があるとすれば。
アッシュを犯さず殴らず愛してくれるただ一人の"親父"（生者の、ね。死人だと何人かいるんだが、死人だしなぁ…）であるマックスが、アッシュが秘めた物語を、ニヒリズムとヒューマニズムの同居を、凄まじい"速度"で飲み込んだことか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月10日

あれはブランカのニヒリズム的暴力だけでなく、アッシュが信じたい青い人間性もまた、あっけなさ過ぎる速度で共有され、状況を動かす証明になっていた気がする。
マックス親父は理解ってくれた。世界全てが否定しても、愛はそこにあると、銃を向けられながら笑ってくれた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月10日

それは例えば…『世界中のカラスは黒い』という問題を否定する、白いカラスのような存在だ。
『ニヒリズム以外に、世界を動かす力はない』って言ったって、マックス親父とアッシュの間に溢れた善と愛は、何かを動かす力にしかみえないじゃないか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月10日

それが錯覚であるか否かは、次回の運び方でみえてくるだろう。
世界を白とも黒とも、青い希望と赤い絶望どちらにも塗らないまま、ずーっと苦しい物語を誠実に積み重ねてきた物語は、大きな潮目を迎えつつある。
それをどう描き、どう魅せるか、とても楽しみである。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月10日

しかしあれだな、"ブランカ"とマックス・"ロボ"なんだな、アッシュの二人の親父は。
人間社会を喰らい尽くす狼の名前を、それぞれ与えられているのに。ふたりとも別の意味で獣っぽくないというか、人間であることに拘っているというか。
ブランカの場合は、あってほしい希望で歪んだ見方だけどさ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月10日

それが錯覚なのかどうかは、来週判るだろう。
死を望みつつ、それを即座に突きつけられると激高する月龍の姿を見ていると、死と生、現実と夢両方を描ききる難行に、本気で挑む作品なんだってのは判る。そこにずっと挑んできたんだ、このアニメは。
だからブランカも…って思っちまうのは弱い考えかね？

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月10日

どっちにしたって物語はクライマックス、終わりを前にして、本性を隠していられるキャラクターなんていない。

"この預言の言葉を朗読する者と、これを聞いて、その中に書かれていることを守る者たちとは、さいわいである。時が近づいているからである”
黙　1-3

審判の日は近いのだ。そんな感じ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月10日

色づく世界の明日から：第6話『金色のサカナ』感想ツイートまとめ

色づく世界の明日から　を見る。
触れ合い、すれ違い、勘違い。
心に魔法をかけて、世界に色を取り戻して。雨の長崎を、青春が踊る。静かに描画される微細な呼吸、湿り気の中で息づく体温と重力。
静かに、静かに、水の底の魚のように。重たくうねるキャラクターの質量を、モニタに焼き付けるお話。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

というわけで、まーったく話は先に進まない第六話である。第体1クールのアニメだと停滞感というか、まったり慣れてきた塩梅が漂う頃合いなわけだが、このアニメも当然そこにハマる。
のだが、その牛歩が心地よく、また作品が描くべきものにもビッシリハマっていた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

お話として描かれているモノは極端に少ない。暗示が上手いアニメなので、急に飛び出してくるものが少ないのもあって、なにか新しい風が吹いた感覚はほぼ無い。
唯翔くんから矢印伸びてる先輩が、顔見せたくらいか…彼女も後々膨らませるというより、一瞬の展開のための起爆剤だしなぁ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

しかしそのどっしりした運びが、逆に数少ない”動き”を強く描いてきて、非常に独特の筆致となっている。
筋立てを追うのに汲々とせず、自分が選び取った題材を満足行くまで塗り重ねる。その贅沢な筆運びが、とてもこのアニメらしいし、見ていて心地よい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

事件としては
1　将くんが瞳美ちゃんとあさぎちゃんの間をフラフラする
2　瞳美ちゃんが絵の中に迷い込む
3　世界が色づいたことを瞳美、琥珀、唯翔が認識する
の3つが起きるエピソードだ。少ない上に、すでに起きていることの繰り返しでもある。停滞感が凄いが、展開を落ち着けるアンカーにもなる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

しっとりと落ち着いた描画、ため息の丸みを感じられるような色気が独特な回でもあって、そういう絵の匂いが、エピソードのテンポと空気にしっかり噛み合っていたとも思う。
おそらく狙ったスタッフワークではないんだが、こういう偶然が作品に魔法をかけるから、マスなアニメは面白い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

将くんの恋心はイマイチ不鮮明で、彼が優しいやつなのかぼんやりしているのかは、ここまでの描写では見えない。
瞳美を送り、返す刀であさぎちゃんを送っていく今回の序盤は、そういう彼の彫りを深くしていくエピソードだ。
間違いなく好青年。だからこそ残酷。そういう顔がよく判る。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

静かに跳ねるように、感情の機微を切り取るカメラワーク。足と指先、細やかな目線と美しい背景を飛び回りつつ、将くんの心がどこを飛び回っているのか、彼の優しさと恋がどこにあるかが、すっと迫ってくる。
それはフラフラとちょうちょのように、行き先を定めないまま踊る。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

瞳美ちゃんにアプローチしておいて、あさぎちゃんも見捨てられない半端さが、将くんの現状だ。それを視聴者に見せるべく、前半のシーケンスは存在している。
瞳美ちゃんと接近する時の、重たく凝った情欲。あさぎちゃんを相手にする時の、爽やかな妹扱い。将くんの感情は非常に微細に、表現に乗る。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

その淫靡で繊細な表現力はとてもこのアニメらしいし、このあと掘り進む主題への補助線ともなっている。
繊細に掘り進み、描く。それは唯翔くんが思い悩み、瞳美ちゃんが迷い込んでしまう”美術”の迷宮、それ自体でもあるわけだ。
現実と表現、二つのフィールドに同じものが描かれている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

金色の魚を追いかけ、絵の中に迷い込むシーンはほんとこのアニメの真骨頂であり、このアニメにしか描けないスペクタクルだった。
非常に幻想的な光景が広がるのに、『凄いことが起こりますよ！』みたいな予兆、タメが一切なくすっと入るのが、凄く良い。
構えず、あくまでナチュラルに超常へ翔ぶ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

魔法が日常の中にありふれている作品世界と、唯翔くんが秘めている幻想へのアプローチが完全にシンクロしているのが、最高に気持ちよかった。
作品を表現するために選び取られた演出方針と、作品世界の支配律、そしてキャラクターの抱える物語。全てがシンクロし、あまりに美しい世界へ入り込む。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

作品を際立たせる意図だけでなく、それ単品として絵の中の世界が美麗なのが、何より良い。
人を動かす”美”というのはそういうふうに、独立した圧力を持っているはずだし、持っているべきだ。そういう必然を作品がすくい取れているのは、やっぱり最高にいい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

これまで長崎の現実的美麗を切り取ってきた筆は、（当然そっち方面でも今回元気なんだが）絵画という異界に迷い込んでしまった違和感、それを塗りつぶす美しさを、凄まじい説得力で切り取る。
ほんっと、このアニメでしか見れない絵が多くてありがたい。
© 色づく世界の明日から製作委員会 pic.twitter.com/Jsp9UfEgx8

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

油絵のタッチを幻想に載せた壺中天と、幻想と見紛うばかりに美しい現実。それを同じアニメで描ける豊かさ、落差をたっぷり味わえるのが、贅沢極まりないな、と思う。
やっぱ魔法を台座にに選ぶ以上、このくらい現実を振り回して欲しいし、美しいものをたくさん見たいと思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

そしてこの酩酊は、実は新しいものではない。
絵画が現実に溢れ出す体験自体は、瞳美が唯翔の絵と出会った第1話から描かれ、繰り返されてきたモチーフだ。
絵画→現実から現実→絵画へと、アプローチの順逆が入れ替わることは決定的な差異ではある。受け取る側から、踏み込む側への変化。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

それは瞳美が自分の傷から、男の心へと関心を移しつつある証明なのだろう。恋の予感はより深化し、深く深く心の中へ、作品の内側へと踏み込んでいく。
”眺める”段階から”読む”段階へ、瞳美の鑑賞深度は変化している。表面には描かれていない闇、色が生まれる源泉を、読み解いて踏み込んでいく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

それは唯翔の心に踏み込む旅路であり、同時に瞳美自身を見つめる読解でもある。
現実と幻想、絵画と魔法、あなたとわたし。境界線はあやふやに揺らぎ、相互に侵犯していく。スラッとした描写は、そのあやふやさを強調もする。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

隔たっているはずのものが、気づけば混ざり合い、別の顔を見せる。運命によって出会い、恋によって混ざり合う、バラバラの心。
その不可思議と美しさ。
唐突に始まった空想の世界は、作品が最も大事にするコアをするりと、視聴者の心に滑り込ませていく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

それがとんでもないことだったのだ、と後出しで気づくのが、幻想が終わり、少女と少年がそれぞれ自分の世界を少し歩いたあとの、再接触のシーンだ。
油絵の具の色彩は剥ぎ取られ、現実を切り取るツルッとした冷たさが、また戻ってきている。ここは当然ながら、夢ではない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

瞳美は唯翔が”別の女”と出会い、親しげに話しているのを見る。
踵を返し、雨の中に駆け出す。なぜ走るのか、その理由を置き去りにするほどの速度。
風が吹き、傘が跳ね飛ばされる。瞳美は足を止めず、ただただ駆け抜けていく。その残滓を唯翔は拾う。追う。
© 色づく世界の明日から製作委員会 pic.twitter.com/uE6WHjUOln

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

この一連のシーケンスが、悪魔のように良い。
モッタリと重たく進行してきたこれまでの物語が、全てこの瞬間を際だたせるための前奏だったかのように、このシーンは一切が止まらない。
心を説明するセリフもなく、動きを止める停滞もない。亜音速で見て、翻って、走って、追う。全てが早い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

それは心を、動き出してしまった恋の速度だ。モタモタと溜め込んだ感情を起爆剤に、重たさを速さに変えて、圧倒的に物語を駆動させる特別な疾走。
これを書くためにこの作品があったのだし、この決定的な瞬間を分水嶺に、物語は異質なものへと変化していく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

そういう決定的な化学変化を、いつもどおりの停滞の中に埋め込む。全てが変質してしまうような炸裂を、『ああ、いつものようにダルいなぁ…』と視聴者を油断させるエピソードの中にねじ込んでくる。
こういう計画的犯行に出会うために、物語を食べている感じすらある。非常に面白い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

唯翔くんは駆け出した瞳美を追いかけ、傘を差し出す。
色を奪い、自分を阻害する世界。そこから身を守ってくれる、優しいシェルターを取り戻してくれる。
差し出された恋を受け取った瞬間、瞳美の世界に色が戻っていく。自分を取り戻していく。
© 色づく世界の明日から製作委員会 pic.twitter.com/GWccw987Cr

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

客観で進行するロマンスと、瞳美の内面に色が戻るファンタジーが、一切の隔たりも説明もなく共存していることには注目したい。
それは油絵の世界へと瞳美を導き、この混乱を指導した魔法と同じさりげなさで、幻想と現実の境界を破っていく。
© 色づく世界の明日から製作委員会 pic.twitter.com/8ZPLCXvFCA

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

色を求めて無明の暗闇に堕ちた沼は、実はあらゆる色、あらゆる喜びを生み出す源泉でもあった。
残酷さと喜びは同じ場所にあって、それを繋ぐ黄金の魚には、”唯翔”と署名がしてある。恋の匂いがする。
そういう決定的な真実に、瞳美は出会う。出会ってしまう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

自分が取り戻すべき色が、唯翔の中にあること。決定的な答えに出会うことで、瞳美は唯翔と離れた客観的な現実でも、色を取り戻す。
それは油絵のファンタジーではなく、あくまで冷たい雨の降る現実だ。だが、そこには色がある。
© 色づく世界の明日から製作委員会 pic.twitter.com/qJfMIGxFrf

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

この、電車が一歩進むたびに灰色の長崎が色づいていくシーンの美しさは、本当にとんでもない。
ただ色合いが良い、美しいというだけではない、その中心にいる少女の心、出会ってしまった恋の脈動が画面に焼き付いて、それで美しくなっているということが、最高にいい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

ここまでの静かな物語は、ここに至るためにあったし、今回物語をはこんだ沈黙の歩みも、この瞬間を際だたせるためにある。
重苦しい停滞の中、一瞬鮮やかにフォルテが聞こえるような物語の筆致が、凄まじく的確に自分が奏でるべき色を見据えていることを、無言で証明した瞬間だった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

こうして取り戻した色は、一瞬の幻だ。あせていく色彩を追いかけて、逃げていく恋を探して、今後瞳美と物語は走ることになる。
それは流されるまま未来に漂流し、主体性なく恋に落ち、色のない世界を彷徨っていたこれまでの物語とは、決定的に変質しているだろう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

そして同時に、これまで使ってきた筆とテンポを改めることなく、美しい背景、微細な心理描写、心温まる関係性、魔法に満ちた美しい世界…このアニメが抱えるたくさんの武器は、一切衰えることなく維持されるとも、同じく確信できる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

このアニメが真実すごいものであることを、つくづく叩きつけられるエピソードであった。
こんだけ凄いものを叩きつけられると、脳の中でイマージュが膨れ上がり、いろんな予想と妄想が爆裂する。このアニメがどうなっていくのか、色々考えが浮かぶ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

そのすべてが間違っているのだろうし、同時に叶えられるだろう。そういう混沌とした可能性を、それを引き受ける資質を、””色づく世界の明日から”はこのエピソードで証明したのだ。
大げさな上に支離滅裂な感想となったが、心底そう思う。はっきり言ってナメてたが、凄いアニメだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

この感情の爆裂が、作品に対する妥当な評価なのか、個人的なレセプターが誤作動しただけの妄想なのか、全く区別はつかない。
自分が感じた律動を微塵でも言葉に出来たか、一切自身はないけども、とにかく凄いエピソードであり、凄いアニメである。来週が楽しみだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風：第6話『ムーディー・ブルースの逆襲』感想ツイートまとめ

ジョジョの奇妙な冒険　黄金の風を見る。
ポルポの遺産を狙い、ブチャラティチームは大海へと漕ぎ出した。そこに襲い来る謎の怪現象。一人、また一人と倒れていく仲間。未だ構築されざる信頼関係。
事件解決のため己の身を投げたジョルノの侠気に、アバッキオの魂が発火する。ムーディー・ブルースッ！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

そんな感じの、VSズッケェロ後編である。
主人公がとっとと退場して、アバッキオとブチャラティとよく喋るハエオンステージとなった今回、原作からの再構築が冴え、非常に面白い仕上がりとなった。
やっぱジョジョアニメはアニメ独自のひねりを加えて、原作の魅力を引き出してくれるなぁ…ありがたい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

冒頭語られるアバッキオのオリジンは、原作だともっと先で語られる挿話だ。運命がもっと逼迫し、全ての取り返しがつかなくなった瞬間判明する、あるギャングの起源。
それをアニメは前倒しして、物語が始まるタイミングに順接してきた。このほうがわかりやすいし、キャラへの愛着も深まる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

何しろ今のアバッキオ、強制飲尿パワハラおじさんでしかないので、視聴者に人間味を感じさせる必要がある。
ジョルノが仲間の信頼のために己を捨てた行動に、本気で魂を燃え上がらせる男なのだということを、しっかり理解って貰う必要があるわけだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

過去を語り、なぜアバッキオが今のアバッキオになってしまったかを解説することは、その足場となる。
警官とギャング、立場は違えど”理想”を追いかけ”現実”にへし折れて、クソみたいなドブ野郎に堕ちていた境遇がブチャと被るのは、なかなかに運命的である。そこに火をつけるのがジョルノなのも。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

ブチャラティはギャングの理想をジョルノに叩きつけられることで、薄汚れた自分を捨て去り、理想に向き直った。そういう相手だから、ジョルノを信頼している。
アバッキオにとって、生きる理由を与え直してくれた相手はまずブチャラティなのだ。酩酊に誘う酒を捨て、現実に向き直すチャンスをくれた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

それと同じ体験…二度目の覚醒を、ジョルノの捨身はアバッキオに叩きつける。
自分を信じ、未来を守るために身を投げる行為が、あの時死んでしまった先輩警官とシンクロしているのも、アバッキオの心を動かす大きな理由なのだろう。ここら辺の因果が、編集で飲みやすくなってるね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

かくしてアバッキオの腐った心に炎が入り、事件解決の主人公として気合を入れる。また諏訪部が理想を諦め運命の奴隷となり、再び立ち上がる擦れっ枯らしウォリアーの役やってるぴゅる～（流れ始める”EMIYA”）
ここら辺の関係構築をしっかり作り直してくれたことで、ギャングモノとしての楽しさも倍増だ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

探り、追い詰め、制裁する。警官としてのオリジンを色濃く残したムーディー・ブルースは、アニメで音と動きが付き、よりカッコよく、より分かりやすくなった。
情報系のスタンドなので、旧式モデムっぽいピーガガガ音がバッチリハマって、イメージが豊かになってる。ジョジョアニメは音響仕事するなぁ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

過去に囚われ、後悔に縛られたアバッキオのスタンドは、過去を再生し検証する能力を持つ。
共に明るい未来を作ろうと誘うブチャラティを前に、アバッキオは酒を置く。しかし、通りを渡って同じ未来に体を預けることは出来ない
© LUCKY LAND COMMUNICATIONS/ 集英社・ジョジョの奇妙な冒険GW製作委員会 pic.twitter.com/igVrxiWKRN

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

アニメオリジナルで追加された対峙のシーンが、二人の心境と間合いを的確に表現していて素晴らしかった。
ジョルノと出会ったことで、結果ではなく過程に満足する生き方を取り戻したブチャラティ。ジョルノと、ブチャラティと出会ってなお、心をどこか過去に置き去りにしたままのアバッキオ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

チームの運命は複雑に絡みながら転がっていき、いつか来る決定的な瞬間に繋がっているわけだが、それは未来のお話。
とにもかくにも、現在の困窮を突破し未来を掴み取るために、アバッキオはムーディー・ブルースを発動させる。アニメになってみると、早送りナランチャが面白すぎる…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

警官時代の嗅覚を取り戻し、謎を解いたアバッキオ。しかしそれを突破することは叶わないまま、手に入れたヒントをブチャラティに託すことになる。
その姿はジョルノそっくりで、悪態をつきつつも二人の心が重なったことがよく判る。信頼を言葉にはしない…アバのツンデレはマジ本物やで～。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

アバッキオもジョルノも、生き延びるために身を投げたわけではない。信頼を手に入れるために、身を捨てたわけではない。
大事なのはそういう結果に至る”過程”であって、眼の前の状況を突破するべく最善を尽くした行為が、チームを、物語を前に進めていくわけだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

そういう黄金の魂が、ブチャラティを中心にチームに広がり、共有されていること。
受け継がれる犠牲のリングは、どういう引力で集団がまとまっているかも鮮明にしてくれる。まぁ最終的にブチャがどーにかしてくれっからね。ハエと語らったり。船は”二隻”あったり。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

5部辺りからスタンドバトルは抽象性がどんどん高まっていって、パッと見よくわかんねぇ現象が説明無しでドンドコ進んでいくことが多くなる。
ソフト・マシーンはその端緒とも言うべきスタンドだけども、アニメ表現に落とし込むことで分かりやすくなっていたと思う。いや、やっぱ判りにくいけど。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

何が起こってるかさっぱり把握できねぇ当惑は、なんかすげぇ事が起こってる実感と裏腹だ。
だから分かりやすくしすぎても、原作の醍醐味を損なうことになる。結構難しいバランスだと思うが、トンチキなケレンと分かりやさ、いいバランスで両立させたと思います。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

それにしたってハエが異常なテンションと演技力で喋りまくってて、あほみたいに面白かった。キミ、ナランチャの靴だよね…？
秒で『あ、狂人』と判る熱量のおかげで、ブチャラティがギャングらしく凄むシーンも超かっこよくなっていて、大変良かった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

5部は犯罪者の話なんで、ぞろっぺぇ粗野な喋りをするシーンが多くて、その荒々しさがパワーにもなっている。
野獣の唸りのようなスラングをバリバリ垂れ流し、暴力行使に一切ためらいがないゴロツキ共を見てると、魂の奥のほうが興奮して健康に良い。第五部健康法ッ！！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

健康法はさておき、激戦を経て絆は深まり、敵の首根っこも押さえた。決着ゥゥゥ！　であるが、もうちょい続きがある。楽しい楽しい拷問タイムだ！
そこで、ジョルノがペラペラになってる間に見せた信頼を、アバッキオは別に語ったりはしないだろうけども。そこが良いね、やっぱり。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

というわけで、アバッキオ警部と探偵ブチャラティが”二隻の船”の謎を解く、ミステリー巨編（生のバイオレンス配合）でした。
アバッキオのキャラクターだけでなく、彼を導き抱擁するブチャラティの人格、そこを中心に形成されるチームの空気がよく見えて、いい仕上がりだったと思います。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

エピソードの再構築、スタンド能力の描写、怪現象のビジュアル化と、アニメ独自の強みも最大限に生かされ、原作の味わいがより濃く、より分かりやすく堪能できました。
こういう料理してくれるから”信頼”なんだよなぁ…次回も楽しみですねホント。…ブチャアバキテたなぁ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

追記　まぁ五部はエロい、ってことっすよ。

ジョジョ追記。
スティッキー・フィンガーで作ったジッパーが、どっか女陰（ヴァジャイナ）っぽいのは良いな、と思う。
暴力が横行する五部っぽいアダルトだし、セクシーを計画的に使い倒す賢さを強く感じる。
© LUCKY LAND COMMUNICATIONS/ 集英社・ジョジョの奇妙な冒険GW製作委員会 pic.twitter.com/FGNCVcxKr1

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

ただでさえセクシーなジョジョの中で、五部が特にセクシーなのはやはり、シリーズの中でも”死”の色が濃いからだろう。
ギャングという職業、ストーリーとバトルの中に転がる死体の数。陰惨な滅びの気配とバランスをとるように、男たちは色めいて咲き、淫奔に誘う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

この生と死のダンスは第6部で少し落ち着いて、SBRでジョニーに結実する。
週刊少年ジャンプという健全なフレームをはみ出すほどに、黄金の精神では描ききれない漆黒の気配を求めていく荒木飛呂彦の軌道は、やはり五部で決定的に明瞭になっている気がする。それを確認するのも、アニメの楽しみか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

うちのメイドがウザすぎる！：第6話『うちのメイドの昔のオンナ？』感想ツイートまとめ

うちのメイドがウザすぎる　を見る。
学校と家、アンバランスな生活の中で薄暮のような人間性を獲得しつつあるミーシャの生活に、新たなモレスターがジャック・イン！
表情筋が強張った、強まり系ツインテゴスロリメイド・鵜飼みどりが唐突に登場し、唐突に一生自分語りし続けるエピソード。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

というわけで、新キャラ登場うざメイドである。
つばめがあまりにもアンバランスなキャラなので、どう取り回すか気になっていたわけだが、作品が出してきた答えは『もっとアンバランスなキャラを、アンバランスな作画とアンバランスな劇作で唐突に投げつける』であった。このアニメらしい解答だ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

元々トンチキなバランスで成立しているアニメで、ミーシャが人間性を確保していく学園パートからはつばめはほぼ完全に排除され、笑いと狂気と抑圧をバラまく不変のペドモンスターとして、作中のイベントが人格に変化を及ぼさないよう、話が進んできた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

その完全無敵っぷりが崩れていくか、それとも無敵のペド怪人のまま進めていくか。ミーシャは無敵のペドフィリアに食い物にされる”餌”であり続けるのか。
そこら辺が気にかかっていたところで、想定外…というか想定の範囲内というか、ともかくバロックな解決法がぶっ飛んできた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

みどりをつばめ以上のモンスターにすれば、ど底辺と最悪の底辺の争いが発生し、つばめは”マトモ”にならないまま”比較的マトモ”へと変化できる。
他者への想像力と、自分を切り崩していく柔らかさを持たないモンスターのままでも、結果として物語的変化が生まれたかのような錯覚を発生させられる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

そういう仕事を期待されたキャラとして、みどりはスッと作品に入ってきた…んだと思う。
何しろお話自体はぜーんぜん進まず、キツい外見とキツい性格したキツいキャラが、一生自分語りし続けるだけだかんな。MAOさんにたっぷりお給金払ってあげて！！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

時間軸的にはほぼ過去、キャラクターとの交流も、人間としての根っこの情報もほぼ出ないまま、24分が過ぎ去るという異例の事態。
あまりに動かない盤面に『つまんね…』となってもしょうがないエピソードなのだが、その実楽しかった。そう、こんだけアンバランスなのに、だからこそ楽しい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

まずスタッフワークがアンバランスである。
みよこの原画。EDも担当する”ヤマノススメ”山本監督から、小松勇輝としての活動を休止しペド系同人誌で大暴れなたいぷはてな先生が原画復帰、秀英・濱口明にいルかに知覚過敏までいる…。
©中村カンコ／双葉社・うちのメイドがウザすぎる！製作委員会 pic.twitter.com/u3isJvQ8e3

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

アニメーターのスーサイド・スクワッドみたいな座組から生み出される、歪んだパース、乱れる魚眼、ぬるっとした体重移動と奇っ怪なレイアウト。
やや江畑諒真テイストを感じるバロックさとクオリティで、妙に強張った原画が踊る。ハイライトは間違いなく、カレーうどんすするシーン。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

こののっぺりとしたエピソードには似つかわしくない、カロリー入り過ぎな作画。
そのアンバランスが、しかし奇妙に食わせる。『なんか変だなぁ、おかしいなぁ』と首をひねっているうちに、強引に絵のパワーでねじ込まれてしまう。
…ねじ込むために、この圧力ある絵を作った、か。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

作画の異常なパワーを主菜として、普段も猛威を奮っているミーシャの物分りの良さ、ツッコミ力がアペリティフとして機能する。
とにかくツッコミがキレる。ダラダラ起伏なくドMのクソ変態が自意識を垂れ流すモノローグに、幼女の一言が添えられることで一気に”際”が立ってくる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

これでミーシャのツッコミがなかったら、内容、テンポともに平板すぎ、濃い口過ぎて食べれたもんじゃないけども、幼女がマトモなことを良いタイミングでぶっこんでくれるおかげで、ドMの瘴気ヴァニラ・アイスに飲まれることなく、お話をなんとか消化できる。出来てしまう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

結果として、すげー唐突に出てきたキッツいキャラは作品に馴染み、なんか話の主軸に絡んで転がしてもおかしくないくらいの存在感を、結果として手に入れてしまう。
まったくもって無茶苦茶で、極めてバロックな運び方なんだけども、みどりを投入した目的はおそらく果たされている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

その真価は来週、つばめの代わりにみどりを使（おうとして、おそらく手ひどく大失敗し、つばめのかけがえのなさを確認す）う話を転がして発揮されるんだろうけども。
あくまでつばめのキツさを軽減…代返…窃盗…するキャラなんで、つばめと絡まないと真実仕事はしないのよね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

今回はその前情報というか、枝葉の部分だけで24分使い切ったというか。兎にも角にもトンチキなアニメの、トンチキな部分をギッチギチに煮詰めたエピソードだった。
異常も異常なんだけども、妙なところで抑圧が効いているので、異常性に気づかないままスルッと食えてしまう。異常だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

この異常さを次回、どう引き受け展開させるのか。まーた異常さに異常さを過積載させ結果としてプレーンな味わいを引き出すか、はたまた逆を打ってマトモに進めるか。
今回のやり口は、ドラマ、ヴィジュアル両面でコストかかると思う。素直にやったほうが、作者も読者も色々楽なのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

しかしもう一度くらいは、今回のような異常さを味わってみたくもある。何もかもを”絵”の恣意性でねじ伏せる豪腕は、アニメ独特の体験だなぁ、とも思うし。
全てが絵空事だからこそ、ペドを虐待しても、キツいキャラが平板な語りをしても、何かがうねっているような錯覚をねじ込める自由さ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

大手を振って世間様にお出しできるような快楽ではないが、しかし確かに妄想メディア、アニメーションに存在している奇っ怪な喜び。
そういうモンがみっしりと詰まった、十年に一度の怪作だったと思う。この不健全なアニメだからこそ生まれた、奇跡の、あるいは悪魔のエピソード。何を継ぐか楽しみ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

からくりサーカス：第5話『サーカス〜出発』感想ツイートまとめ

からくりサーカスを見る。
さらば好漢、さらば戦いの日々！
激戦の果てに日常を取り戻した勝としろがね。しかし苛烈な経験体に刻み込まれ、彼らを浮かび上がらせる。
それでも、継承したものが無駄ではないと証明するために、少年は笑う。少女はサーカスと出会う。物語はここからだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

そんな感じの、サーカス編導入編である。
いろいろかっ飛ばされたけども、もうそこを気にかけてるとまともに見れないアニメであるので、あんま気にしないことにする。
再構築された物語の流れが、それ自体として機能しているか、どうか。大事なのはそこであろう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

さてお話としては鳴海兄ちゃんがいなくなり、勝としろがねが日常に帰還するお話である。
少年バトル漫画の主役として覚醒してしまった勝は露骨に浮き、しかし当たり前の日常に溶け込めるよう、鳴海から継承したものを大事に、傷すらも愛おしく生きていくことにする。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

勝が自分から見せる傷は、非日常が彼の魂に刻み込まれている証明であり、どうやってものんきな学園ジュブナイルの主役にはなれない聖痕でもある。
どう繕っても表に出てきてしまう傷を、勝はなんとか方向づけして、日常を生き延びていく。それもまた、一つの戦いなわけだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

イジメや暴力と直接戦うよりも、自分の中の非日常性をどう方向づけ、日常になじませていくかが、今の勝の物語になる。
まーたバトルが追いついて分かりやすい戦いが始まるわけだが、『一見戦いに見えない戦いこそが、真実大事な戦いである』というのは、このお話がずっと大事にするテーマでもある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

しろがねもメイド服を着たり制服を着込んだり、白タイツ一本でウロウロしてた時代よりは、日常に馴染もうと努力する。
しかし彼女の制服はみんなが着ているものとは違うし、サーカス仕込の身体能力は勝手に暴れまわり、ポンコツな性格は自分の非日常性をアジャストしてくれない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

それでも学園のマドンナとして、あっという間に人気者になれてしまうのが”華”というものだろう。
非日常性との向き合い方、それが生み出す結果が勝としろがねで正反対なのは、なかなかに面白い。
つーかしろがね、女にモテすぎ。百合ブームに迎合かぁ～？（違います）

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

それぞれのスタイルで、日常から浮かび上がりつつ、日常を踊ろうと頑張る二人。
そんな二人の前に、サーカスがやってくる。非日常性それ自体で、観客を楽しませる技芸。アクロバット、ナイフ投げ、猛獣使い。異質性こそが魅力に変わる、非日常のステージ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

日常の中で非日常性をコントロールする戦いと同じように、自分の中にある非日常性をそのまま顕にする舞台も、大切なものだ。
サーカスで生まれ、サーカスで育まれたしろがねの”華”は、仲町サーカスと出会うことで本来の強さを発揮し、物語に組み込まれていく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

では、勝の物語もサーカスにあるのか。彼に刻まれた傷、秘めたる非日常性が発露する舞台は、スポットライトの下なのか。
そこら辺を、しろがね含めた仲町サーカスのみんなを巻き込んで展開していくのが、今後のサーカス編となっていく。新しく手に入れた日常も、非日常と運命に飲み込まれていく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

その時、しろがねと勝はどういう装いをするのか。
日常の中で浮かび上がる異物としての非日常性を、異質なバトルの中でどう使って、日常を守るのか。
今回は日常とコンタクトするまでの物語だったので、話はそこまでいかない。しかし今回書かれた日常と非日常のマッチングは、今後にこそ生きてくる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

そういう愉快な日常と、苛烈な非日常がどう描かれるか。なかなか楽しみになる新章開幕であった。
『それより鳴海兄ちゃんはどうなったんだよ！』という声にお答えするべく、結構早足だったけどな…バトルサイボーグに改造されてるシーンまで見せるためには、この速度でやらんといけんわけね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

序章では日常と非日常のバランスを上手く取って、勝としろがねに人のあり方を教えてくれた鳴海。
勝が日常に帰還したのとは鏡写しに、彼の日常は剥奪され、非日常こそが常態となっていく。過剰をアジャストするのではなく、喪失に耐え続ける物語が、鳴海を待っている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

コミカルに転がした勝としろがねの日常は、鳴海を襲う苛烈な非日常をどう照らすのか。二つに別れた運命をどう対照し、物語のうねりを魅せてくるか。
来週がなかなか楽しみになる、良い滑り出しだったと思います。なんだかんだ、日常コメディシーンは好き。
ちょっと古臭いけどな正直！そこが良い！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日