ゾンビランドサガ：第6話『だってセンチメンタル SAGA』感想ツイートまとめ

ゾンビランドサガを見る。
生と死、観客と演者、否定しようがない時代の流れ。
様々なギャップが心と体を引き裂く、ゾンビアイドルのサガ。ドラ鳥にガタリンピック、着実なキャリアアップを果たし知名度が上がってきた今こそ、フランシュシュを苛む裂け目。
それは出生の痛みか、死者のカルマか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

そんな佐賀アイドルゾンビ伝説、シリアスムードの第六回である。
ハイテンションコメディの裏側で営々と描いてきたものが、グッと表に立ってきた感じがある。
メンバーのジェネレーションギャップ、アイドル観の違い、シリアスな生き死に、未だ固まりきっていない関係性。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

あえてディプに踏み込まないことで、明るく楽しい青春群像劇を維持していた部分に、あえて踏み込む。
笑いと成功体験で作品への、キャラクターへの信頼感が出来た今だからこそ、絶対に描かなきゃいけない嵐へと飛び込む。
そういうことをするタイミングである。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

今回軸になるのは平成と昭和、二人の伝説のアイドルである。
フツーのアイドルアニメだとあんま突っ込まない、ここ20年のアイドル観の変遷を、ゾンビゆえのタイムトラベル設定で拾い上げ、深く彫り込んできた。
ゾンビであること、佐賀であることと同じように、アイドルであることにも真面目なアニメだ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

これは今急に出てきたネタではなく、第3話ですでに片鱗を見せていたテーマだ。
ぶっつけ本番のゲリラライブを、純子ちゃんは怪訝そうな表情で遠巻きにし、ステージには最初加わらなかった。それは”アイドル”ではない、己のアイデンティティにはそぐわない、と。https://t.co/174qvXYxes

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

愛ちゃんも距離を取るのは同じだが、ぶっつけ本番のリアルタイム性には文句を言わない。愛ちゃんが生きた10年前、”アイドル”とはそういうものだったからだ。
そんな時代の波を泳いで、愛ちゃんはアイドルのてっぺんを取った。https://t.co/nFsyOzv4yI

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

時代は違うが、共に”アイドル”のてっぺんを取った二人は、飛行機事故と落雷、重ね合わせたように天の怒りに触れた死因を持っている。
”雲の上の人”だった純子ちゃんが、そこから滑り落ちて死人になってしまうブラックジョークは、死んでもなお続く彼女のストイックさを見てしまうと笑えない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

愛ちゃんもステージ上、これから”アイドル”を続けていく夢のさなかに、サンダーブレークぶっ放して死ぬ。サキちゃんは”マジで伝説じゃん”とつぶやくけども、本人は当然嬉しくはない。
生きて、輝いて、アイドルにしがみつき続けて、伝説になりたかったはずだ。あの日ペっきりとへし折られた、夢への橋

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

フランシュシュはそういう、世界最強の負け犬（何しろ死人である）達のワンス・アゲインを可能にする…はずなんだが、それを引き受けるにはなかなか手間がかかる。
なまじっか身近だからこそ、受け入れるのには時間がかかる。幕末に時代が吹っ飛んでるゆうぎりが、逆に現在を受け入れられるように。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

純愛コンビにとって”アイドル”はとても身近で、重たく、だからこそ差異が目立つ問題だ。
良かれ悪しかれ、アイドルが特別な存在ではなくなった2018。アイドル戦国時代の狂熱も少し落ち着き、街に一つアイドルグループがあっても、当たり前になってしまった世界。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

純子ちゃんがしがみつく”アイドル”もまた過去のもので、まさに”時代遅れはお互い様”な状況。
それでも、自分を支えてくれたもの、青春を捧げたものを譲る訳にはいかない。少女たちのアイデンティティは、失った夢の中にあるのだ。
ではフランシュシュのアイデンティティは、どこにあるのか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

※訂正
純子ちゃんがしがみつく　→　愛ちゃんがしがみつく

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

過去がどうあれ、時代と切り離された少女たちはゾンビとなり、アイドルグループとなった。世界でたった七人、特別な身体を手に入れてしまったミュータント。
それが生きていく手段は”アイドル”しかないと、巽Pに押し付けられ、ブーブー言いながら芸事して、だんだん馴染んできている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

誰か一人がアイデンティティに拘って、”アイドル”として機能不全に陥る時、その母体であるフランシュシュもまた、機能しなくなる。
集団としてのアイデンティティが個人としてのアイデンティティと不可分である以上。
そして”フランシュシュ”以外の社会、記憶、身体からゾンビが切り離されている以上

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

純子ちゃんが、愛ちゃんがこだわる”アイドル”の在り方は、アイドルグループたるフランシュシュ、そのメンバー全員の問題でもあるのだ。
というか、記憶が戻ること、死因と生前を思い出すことで、巽に与えるままだったアイデンティティを丸呑みできなくなり、もがき苦しんでいる最中、という形か。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

どちらにしろ、運命共同体であるグループの問題として、リーダーとセンターはフォローに走り回る。
純子ちゃんと愛ちゃんをしっかり掘り下げることで、その周囲にいる仲間がクリアに見えてくるのは良い運びだ。さくらとサキだけでなく、ゆうぎりやリリィ、たえちゃんの立ち位置、キャラも見えてくる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

純子ちゃんは昭和の幻影の中、アイドルが”雲の上の人”でいられた時代を回顧する。今の自分、今のアイドルは”違う”と、アイデンティティを否定する。
アイドルがマイクを置く時、”普通の女の子になります”と宣言できた時代。ステージに立ち、ブラウン管の奥にいる時は”普通の女の子”ではなかった時代。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

それが遠い過去であることは、純子ちゃんには判っている。それでも、実感がない。
ゾンビであり醜い怪物である自分に、萌え絵のフィルターをかけて自己防衛するのと同じように。見慣れない20年後のミライに震えつつ、純子ちゃんは今を開き直れない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

寄せては返す波、曖昧な境界線、アイドルとステージが相互侵犯する現代を前にして、純子ちゃんは凄まじく昭和な世界に身を寄せる。
波間のカップル、アンニュイな空気。どこにもないけど、どっかにあったような気がする、昭和アイドルユートピア。
©ゾンビランドサガ製作委員会 pic.twitter.com/1fqM7egN8q

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

砂に書いたアイドルの定義は危うく崩れ去り、風は純子ちゃんを守る帽子を、残酷に攫っていってしまう。
何者でもないむき出しの顔が顕になる瞬間、さくらが来る。彼女がゾンビ仲間を見捨てておけない、とても面倒見のいい子であることもまた、過去エピソードの中で幾度も語られてきた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

さくらは純子ちゃんの代わりに、水に飛び込む。ゾンビ・アイデンティティを覆い隠すメイクが剥がれることも厭わず、純子ちゃんの大事なものを守って、自分の身に引き寄せる。
それは帽子であり、昭和のアイドル観であり、ゾンビではいたくない純子ちゃんの心だ。
©ゾンビランドサガ製作委員会 pic.twitter.com/mKpcutSRVp

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

さくら自身は、ゾンビであること、2018のアイドルであることを、ある程度許容できている。第1話冒頭、アイアンフリルのDVDを見てアイドルを夢見た少女の自己像は、腐り果ててもそこまで傷ついてはいない。
GreenFaceを昭和の帽子で隠しつつ、さくらは傷ついた仲間の言葉を聞き、寄り添う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

その静かな歩み寄りは、第4話で描かれたものの延長線上にあり、それよりももっと深い。
自分が何を考えているのか。何を自分として受け入れられず、何に傷ついているのか。シリアスでディープな話運びだからこそ、共有されるものがある。https://t.co/CLFdH5vfcH

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

純子ちゃんは今回、ゾンビであること、フランシュシュであること、2018のアイドルであることを、己のアイデンティティとして引き受けられない。
作ったタメをその話数で解決せず、次に引くのもこのアニメでは初めてか。色んなものが変わりつつあり、その変化が面白くもある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

しかし変化の中にこそ普遍があり、シリーズを通して大事にされるものが輝く。
ゾンビでありゾンビでしかない現在を、それでも生き抜くこと。己を肯定し、枯れても叫ぶことを命と呼ぶこと。
”アイドル”とは生き様で、ラップしようがデスやろうが泥まみれになろうが鳥になろうが、”アイドル”であること。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

時間も思いも個性もバラバラだけど、共に生きている仲間と心を通わせる事で、生き抜くことが出来ること。
”急なシリアス”にも思える今回、描かれているものは前の話と同じだ。
だから今までと同じように、さくらの優しさが実を結んで、なにかいい結果が出るだろう。そう、信じたい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

もう一人の”アイドル”も、アイデンティティに思い悩む。
雷鳴が呼び覚ました記憶、夢が焼き殺された瞬間。苦痛に満ちた過去に押し出されるように、”外”に飛び出した愛。
その運動自体は第2話と似通っているけども、あの時とは違うものがある。フランシュシュにはリーダーが居る。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

今週のサキちゃんはホント頼りがいがあり優しくて、まさに”リーダー”だった。
ツンツン尖って『ぶっ殺すぞ』って言うだけじゃなく、仲間と気合だけを信じて、だからこそ仲間を放っておけない強さと優しさが最大限迸り、ほんとありがたかった。今までバリバリしてたチンチクを擁護するシーン、マジ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

化粧が落ちると、ゾンビは銃で打たれる。あるいは、他人を恐慌させる。
第1話から繰り返してきたパターンだが、今回愛ちゃんは公園のシェルターに逃げ込むこと、隣にサキちゃんがいることで、”世間”から守られ、排斥されることはない。そのおぞましい外見で、他人を傷つけることもない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

逃げ込んだ場所は薄暗いけど、確かな明かりがあり、雨と雷鳴から守ってくれる人がいる。
完璧を作ることを己のアイデンティティにしている純子ちゃんがメイクを維持し、素顔を見せることも”アイドル”と受け入れている愛ちゃんが仮面を剥がしている対比は、なかなか面白い
©ゾンビランドサガ製作委員会 pic.twitter.com/psVket7zdJ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

外気にさらされた海岸線と、遊具に守られた公園。昼間と夜闇、現実と夢。
お互いの状況は異なっているけども、そこには確かに仲間がいて、同じアイデンティティに悩んでいる。隔たれた少女と少女、時代と時代を、確かに仲間たちが繋いでくれている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

『どちらが正しいというわけでもなく、どちらも正しい』想いがぶつかり、生まれる雷鳴。
（幕末期、佐幕と尊王に分かれて人が殺し合った渦中に身を寄せていたゆうぎり姐さんがこの言葉をサラッと言うところが、このアニメの賢さだと思う。その果てにおそらく姐さんは、首を引き裂かれたのだ）

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

それはフランケンシュタインの怪物を目覚めさせた一撃のように、フランシュシュを再起動させるだろう。
自分たちは何者か。アイドルってなんなのか。
それを問うことはボケっと流されるまま、可愛いメイクを施されるまま”アイドル”してた少女たちが、己になるための通過儀礼なのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

その問を表面化させるのが”アイドル”を極めた二人であることも、その舵取りをし傷ついた人達に寄り添うのがリーダーとセンターであることも、必然の結果だと思う。
大きな問題が表面化することで、フランシュシュの役割分担、集団の中でのアイデンティティも鮮明になってきた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

リリィちゃんが”末っ子”として、生意気言ったり傷ついたり、空気を読んであえて空気読まない発言したり、バランサーとして機能している様子も、ちゃんと描かれていた。
ほんまみんないい子で…それぞれ個性と想いがあって…自分らしく必死に生きてるんで…幸せになってほしいと思いますマジ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

時代が一番ぶっ飛んでるゆうぎり姐さんが、逆にギャップに悩まない描写があることで、純愛コンビのままならなさも巧く描かれていた。
姐さんの人間の太さが、混迷するフランシュシュに導きを与えて、オン案お子たちがちゃんと悩める土台を作ってくれてる感じもあって、マジありがたい…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

たえちゃんはまぁたえちゃんなんだけども、彼女なりにフランシュシュを思い、皆が仲良くやれるよう頑張ってくれているのは、先週以前を思い返しても鮮明なところだ。
みんながスルーする幸太郎に、醤油だの差し入れてくれるシーンはほっこり面白く、好きな場面だった。たえちゃんは優しいね…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

ゾンビだろうと生きていて、それぞれバラバラの歴史と体と思いがある以上、ぶつかる合うのは当然だ。
そしてその先に、グループとしてより強い絆、アイドルとしてのパフォーマンス、ゾンビとして個人としてのアイデンティティが待っていることも、当然のロジックである。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

浮かれポンチで楽しいムードを大事にしつつも、ゾンビとアイドルを扱ってしまった以上、少女と青春を題材にとった以上、踏み込まなければ嘘になる大事な要素。
そこにキャラクターらしさ、作品らしさをたっぷりブチ込んで、本気で踏み込んできたアイドル・アイデンティティ前編でありました。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

この舵取りが『急なシリアス』にならないところが、このアニメの真面目さ、真摯さの証明だなぁ、と思う。
バカなネタで楽しませつつ、地金から滲む本気をちゃんと見せてきたからこそ、キャラの行動にも納得がいく。いきなりトンチキなことを始め、描写がブレたようには感じない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

純子ちゃんは”今会いに行くアイドル”にずっと悩んできたし、愛ちゃんはゾンビであることに居心地の悪さを感じ続けてきた。
それは表に出して、フランシュシュの仲間、見守る視聴者と一緒に、ちゃんと答えを出さなきゃいけない問題なのだ。その先にこそ、ゾンビとして、アイドルとしての未来がある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

笑いも涙も震えも喜びも、全て巻き込んだ巨大な渦。そういう混沌なる真理に視聴者を巻き込む豪腕が、思い切り唸る第六話でした。いやー面白い。
対立する二つのアイドル正義に、どういう答えをだすかも含めて、来週非常に楽しみです。皆仲良く、幸せになってほしいと思いますホンマ！！！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

追記　ジャンルに大事な要素をしっかり見切って、圧縮率を上げつつ欲張りに盛り込むバランス感覚も含めて、やっぱ真面目なアニメ。

追記
サキちゃんの”たまごっち”にしてもそうだけど、小道具を活用してジェネレーションギャップを見せるスマートさはほんとに凄くて、タイムスリップものとしての仕上がりも良いアニメだ。
こういう細かいサブジャンルの切れ味が良いからこそ、貪欲にたくさん盛ってもバランスが崩れないんだろう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

追記　巽幸太郎という”運営”の描写から、アイドル史の変遷が見えても来る。

ゾンビランドサガ追記。
幸太郎はネットへのアクセス、ネットでの露出をホームページに限定し、ツリー構造での情報管理をもくろんでいる。
それは10年前の情報発信で、今は各アイドルが運営の統制を離れつつ、勝手にネタを芽吹かせるリゾーム構造の情報発信が強い。
記者が言ってたのはこのギャップ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

幸太郎は館を壁で覆って、あるいはメイクで顔を守って、ゾンビと社会の接触をコントロールしている。”運営”と聞いて思い浮かべる統制を敷くことで、少女が傷つかないように（世界を傷つけないように）制御を行っている。
のだが、アイドルが自発的にやろうとすると、結構遠巻きに好きにやらせてもいる

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

幸太郎（に擬人化された”運営”）に統御され、”やらされているアイドル活動”と、それを通じてゾンビである自分を肯定し、生まれてくる迸りを外海に向かって放つ”やりたいアイドル活動”
その鬩ぎ合いもまた、フランシュシュという”アイドル”を巡るギャップであり、今後うねるところなのだろう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

今後”昭和と平成のアイドル”が止揚され、フランシュシュが自分のアイデンティティをより強化した時。言いたいこと、やりたいことがより強くなった時。
巽は少女の自発性を制御しつつ自由を与えるスタイルと、中央制御型のオールドスクール、どちらを選んでいくのか。
結構注目どころだと思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

まぁ”ホームページ”という10年前の遺物をひっくり返すことで、死人の古臭さを強調する道具立てでもあろうが。
巽Pのアイドル像がアイドル戦国時代前夜のまま止まってると、フランシュシュの未来も危ういわけだが、地域密着粘り腰で地歩を作ってる様子は、ちゃんとアップトゥデートなのよね。面白い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月9日

アイカツフレンズ！：第31話『伝説の101番勝負！』感想ツイートまとめ

アイカツフレンズを見る。
同じ呼吸、同じリズム。
別れることで自分を、相手を、世界とアイドルを見つめ直したピュアパレット。しかし未だ心に残る、最後の壁を突き崩せずにいた。
これまで出会った人々の間をめぐり、アドバイスの果てにたどり着いたのは…当然！　「百番勝負」だッ！！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

そんな感じの、アイカツマインドが毛穴から溢れまくってるピュアパレット再結成回。
これまでの全てを振り絞るような総決算展開に、画面の向こうのオタクは大満足。致死量を遥かに超えて盛られる”愛という名の毒”に、確実に嬉しい悲鳴。
押さえられる文脈、冴える作画、唸る演出。素晴らしい回でした。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

というわけで、第24話辺りからずっと続いてきたラブミーティアの修行時代が、一段落するエピソードである。
これまで迷ってきた全て、たどり着いた答え、作り上げてきた関係を総動員し、過去演出の引用、踏み込まなかったポイントへのあえての踏み込みなど、使える武器を総動員して勝ちに来た。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

汽笛→鐘→鳩のエモ演出三連コンボとか、名前呼びの破壊力とか、観客席と勝敗をあえて置き去りにしての決着とか、最の高ポイントが多数あるのだが、それは一旦横において。
今回のお話、実は対決はBパートだけしかなく、Aパートは悩みをゴロゴロ転がすのに時間を使っている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

後半怒涛のエモ力で脳髄が真っ白になったので忘れがちだが、色んな人の間を渡り歩いて、アドバイスを色々貰う描写が、存外濃い回である。
そこが良いな、と思った。
そこで時間を使っても、濃厚な対決を飲み込ませる自信があってこその展開だし、ピュアパレットはみおとあいね、二人だけではないのだ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

二人が出会い、結ばれ、また別れるまでの30話。その中で出会った様々な人、様々な経験があってこそ、二人は真実お互いに向き合える。
フレンズの強みである視野の広さ、一話に色んなモノを盛り込む欲張りな腕の冴えを忘れず、この勝負回でしっかり振り回してきたのは、すごく良いと思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

事務所の大人組から始まって、ハニーキャット、ココちゃん、リフレクトムーン、家族、そしてラブミーティアと、あいねたちの悩みは転がり続ける。
ピュアパレットらしくあることを信じてくれる人達の助けがあって、初めて答えにたどり着ける。合間合間に超トンチキも入る…何だその心理テスト。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

最後のシメが、自分たちを離別に追い込んだラブミーティアであるところ、本人ではなく”素敵な嘘”も込みの”伝説”であるところも、フレンズらしいなぁ、と思った。
種を蒔けるだけ蒔いて、発芽は高みの見物ってのが強キャラ感あっていいよね、今回のラブミーティア。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

無論人々の間をゴロゴロ転がる間にも、あいねとみおは自分を見つめ直し、相手のことを思い、自分たちの未来を考え続ける。
結論に至るまで体験した全てのことが、二人の中で生きている。この段階で既に心がシンクロしまくってて、同じ行動、同じ考えでまとまってるところが、未来を予感させていい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

『オメーらもう再結成でいいだろ』って感じだが、当人が101版勝負したいんだから、まぁしょうがない。
いい作画で大暴れしまくる、可愛い二人。ほんと気合の入った作画と演出が、気合の入ったエピソードをしっかり下支えする回だった。あらゆる瞬間が可愛い…ヤバい…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

再結成は二人の個人的な問題なんだけども、”アイドル”である彼女たちはそれを外界に繋ぎ、エンターテインメントに変えていく。
推しが101回キャッキャウフフする姿を見せられたあの世界のオタク、大量に河に浮いてるんだろうな…相当ハラハラしてたところにアレは、確実に致死量。法規制が必要。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

そうやって思い切りライバル心を燃やし、全てを忘れるくらい体を動かしていく。
女と女がアイカツアイカツいいつつマラソンし、崖登りと良い感じの風景たどり着く展開は、無印第178話”最高のプレゼント”を思い出させ、確実に”文脈”だった。女女マラソンが持つ、問答無用な説得力ね…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

体と心を追い込むことで、無念無想の領域まで入る。これはみおが先行して飛び込んでいた”ゾーン”をあいねにも共有させる儀式であり、このためにトンチキ101番勝負で汗を流す必要があったのかもしれない。
あいねとみおの間に、確かにある距離。鬩ぎ合いの中で、それは埋まるのではなく明瞭に開けていく

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

しかしそれでいいと、ピュアパレットは納得していく。
みおが先に行き、あいねが追う。その基本形を無理くりかえる必要もなく、あいねは無敵のブースト力で追いついてくる。手を引っ張る必要も、足を止めて待つ必要もなく、ベストフレンズは必ず、同じ場所まで並び立てる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

ライバル心100％の診断が出た時点で、既に二人の関係は収まるところに収まっていたのかもしれない。
しかし争うだけでなく、重なり合い、高め合う距離感こそがフレンズ。それを納得するべく、しっかり体を動かして、自分たちの間合いを確認する必要が、今の二人にはあったのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

最後の勝負は、やっぱりステージ。かつて二人の不和が浮き彫りになった場所、向こう側の観客と勝敗のジャッジばかりが気になった場所で、10話ぶりの”アイカツフレンズ!”が舞台に上がる。
始まりの曲であり、節目の曲でもある。この場面に一番ふさわしい曲だと言えよう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

ぶつかりあい、別れたからこそ、その歌詞は別の意味を持ってくる。
”♪笑って（怒って）楽しんで（泣いて）　たくさんディスカッションしちゃえ”
第1話で流れたときは夢物語の未来でしかなかった歌が、今は実感を持って響く。泣いたり別れたりすることすら、お互いを知るためのディスカッション。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

その先に”♪可能性は　無限大だ”と思える景色があることを、ハートマーク出しまくりのステージの中で、ピュアパレットは共有していく。
相手がいるだけで嬉しい。負ける悔しさも、届かない無力も、ステージの向こう側の評価も、全てが遠くに思えるほどの、強い感情。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

それを真実実感できるのが、”ステージ”だけだというところが、良い”アイドルアニメ”だなぁと思う。
観客のジャッジはあえて置き去りにして、二人は自分たちの呼吸を信じる。たっぷり汗をかいて、しっかり迷って、ようやく重なったハートの高鳴りを。純愛である。汽笛が鳴り、鐘が響き、鳩が飛ぶ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

ここであいねとみおの不均衡に、しっかり踏み込んできたのは最高だった。
トモリョク溢れるあいねにとって、みおは百万分の一。その残酷な構図は踏み込むには危うく、しかしキャラが色濃く描写されるほどに、どうしても目立った。
ロマンチックの後押しを受け、みおは今回、タブーに踏み込む。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

それに対し、あいねは『100万人友達がいても、みおちゃんを選ぶよ』と、ど真ん中の答えを返す。
友達とは確実に違う、フレンズの輝き。お互いがオンリーワンのライバルで、恋人で、運命である、特別な関係。
”アイカツフレンズ”が真ん中に据えた”フレンズ”とは、どういう存在なのか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

作品の最初から問われてきたセントラルクエスチョンに、競争心むき出しでぶつかりまくる二人、ステージを経てお互いを見つける二人が、しっかり答えを出す回だった。
揺れる瞳、震える感情。恋の文法を的確にトレースしつつも、むき出しの闘争心と、ステージをキャンバスにした表現力が乗る。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

”フレンズ”とはそう言う存在で、これまでも、これからも、ピュアパレットはそこを目指して走っていくのだということが、よく判るエピソードだった。
ほんと女が女を求める瞬間の熱量と湿り気が、一瞬一瞬の”絵”に宿りまくっていて、完璧を越えた完璧だった。ぐうの音も出ねぇぜ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

第28話で交換した、青と赤のダブルハート。あまりに重すぎるみおの感情を込めたハンドメイドのアクセサリも、キッチリ仕事をしきってくれた。
あそこで関係性の変化、名前呼びの魔法を求めるのが”みお”からってのが、マジ神級のゴッドなんすよ…そこにセンシティブなのは、やっぱ”みお”なんすよ…

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

というわけで、タメた分をきっちり使い切る、素晴らしい勝負エピソードでした。
ピュアパレット離別編を回収しきっただけでなく、結成からのイチャイチャパワー、それ以前の出会いの運命、もっと言えば”アイカツ”という分厚い文脈それ自体を、最大限活かしきったと思います。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

このエピソードをジャンプボードにして、ピュアパレットはさらなる高みに登るのでしょう。
あのステージが水色とピンク、どちらに染まったか。それは二人が好きな僕らが、自由に想像できるパレットです。ピュアパレットの今後を占う”その瞬間”を、あえて書かないことで豊かさを増す。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

自分たちの命運をファンに委ねるアイドルとしての潔さを踏まえた上で、それを蹴っ飛ばすほどの胸の高鳴り、隣の少女を求めて求めて強く求める吐息の熱さ。
色んなものがしっかり書かれたエピソードで、とても面白かったです。次回、カレン島もむっちゃ楽しみですね。チュパチュパチュルボメガ再来か…

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月8日

INGRESS THE ANIMATION：第4話『Separate - Together - Pursue』感想ツイートまとめ

INGRESS　THE　ANIMATIONを見る。
Jack Get your gun!
超悪い企業の超胡散臭いオッサンにヒロインが攫われ、物語の土台が瓦解しかねない大ピンチ！
そこに颯爽と躍り出た、スーツ姿の皆殺し兵器、スーパーエージェント・ジャックおじさん！
超絶バトルからあざとい日常描写まで、全部盛りで行くぜッ！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月7日

そんな感じの、ジャックおじさん増量120％回。
全世界二千万人のジャックおじさんファン大満足、魅力のすべてが詰まった大暴れ回であり、大満足であった。
そのための犠牲としてサラちゃんがさらわれたけども、まぁしょうがねぇ。ヒロインが身近にいすぎると、”鮮度”が落ちるからな…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月7日

お話としてはジャックおじさんとコッポラちゃんがヒロイン役を交代して、誠くんとおじさんの絆が深まる、っつーだけの話。
いい加減説明することも少なくなってきたので、新ヒロインであるジャックおじさんの魅力、物語当事者としての誠くんの描写をギッチギチに詰めた展開である。素晴らしい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月7日

とにかくアクションが良く、バトルサイボーグとしてのジャックおじさんの魅力は120％フルスロットルだった。
開幕スモークの中から恐怖の象徴としてヌッと現れたおじさんに、木っ端のようにぶっ殺される特殊部隊の仕事っぷりに爆笑＆感動。そうだよなー、やっぱ煙の中から出てきて、恐慌乱射しないとな

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月7日

『先週ダメージ受けた描写はなんだったの？』と言わんばかりに、鬼無双を乱発してタフガイ欲求（人間の三代欲求の一つ）をたっぷり満たしてくれるサービスシーンに、オレの心はビンビンだ！
ここまでカラテメインで来て、満を持しての銃撃戦も嬉しい。ステージが一つ変わった感じがする。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月7日

コッポラちゃんが攫われる隙を作るためだけに、足に銃弾かすって即治るのとかも面白かった。FPSルールだこれ。
ヒロインと切り離されることで誠くんの主人公力がグンっと上がった感じもあるし、やや不自然でも切り離すのは正しいと思う。サラちゃん事情に詳しいんで、一緒にいると謎出過ぎちゃうし。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月7日

変わりのヒロインとして、金髪スーツ長身の無敵サイボーグが仲間になるわけだが。
お姫様抱っこしたり、二輪の後部座席に座ったり、漫画喫茶で時間を過ごしたり、ヒロインイベントも満載だ！
おじさん、ここまで無敵ボーグとしての描写ばっかりだったんで、こういう可愛げ大事だと思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月7日

バイクは二人が運命共同体であり、同じ場所を同じ速度で突破するしか無い状況を見せる、良い小道具だった。おじさんの”フラッシュフォワード”が宿った瞬間、バイクにも青い眼光が鋭く光る演出がマージかっこいい。
そこから『降りろ』と突きつけて、誠の覚悟を試すシーンも。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月7日

あそこ降りたならそのままスイーッと駆け出しちゃえばいいのに、わざわざ別れの挨拶してから帰ろうとするところがマジジャックおじさんだし、その余計な一瞬があることで、誠が食い下がるチャンスも生まれる。
『お前はなぜ、この物語に食い込んでいる』『この物語で何ができる』
大事な問いかけである

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月7日

俺がGMなら即座にグリッターを投げてるところ（重篤なDLH脳）だが、流されるばかりだった誠が状況を自分のものとして認識し、自分の力で前に進んでいく変化は、とても大事なことだ。
コッポラちゃんとは違う、タフガイヒロインを隣に置いたことで、そういうシビアな問が出てきたのはとても良い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月7日

その覚悟に後押しされて、『俺、元々ハッカーだったんだ。裏社会にも繋がりがある』と誠の”出来ること”が増えたのは、笑いつつモニタの前で頷いた。大事ヨ～、そういうパワーの実感。
ぜってぇ『おじさん裏社会系のコネないの？　んじゃ俺経験点使って生やすわ』ってなったわ…（重篤なNOVA脳）

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月7日

他にも携帯電話を活用して情報収集頑張ったり、京都ののんきな風景をタフガイと主人公がニケツで駆け抜ける絵面がホッコリしたり、唐突なロケットランチャーに爆笑したり、見所沢山ある良い回だった。
ジャックおじさんが仲間に本格参戦する流れで、彼の強さと可愛げがはっきり見えるのは良い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月7日

ゴルゴみてーな男が”ゴルゴ13”を読み倒す、謎の日常系ほっこりシーンも挟みつつ、舞台はスイスへ。ほんとこういうところのセンスが独特で、面白いアニメだな…ゴルゴがゴルゴ…。
ステージが目まぐるしく移り変わるのも、全世界規模の陣取りゲームである原作の空気を反映し、なかなか面白いね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月7日

コッポラちゃんは悪い鳥海にスタンガンダンス踊らされて一回休みだけども、目指すべきアンカーポイントとしての仕事は十全以上にしていますね。ここら辺は、先週稼いだヒロインポイントのおかげか。
鳥海もセンシティブっぽいけど、”視える”のは他人の感情かな？

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月7日

話を引っ張る謎として”クリストファー・ブラント”の存在感も強くなってきたし、座組を変え、舞台を変えて新章、どういう展開にするか。楽しみですね。
自分としちゃ、取り敢えずジャックおじさんのスーパーアクションが毛穴から吹き出してくれれば、基本満足です。毎回KUFUしてて良いね、アクション。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月7日

風が強く吹いている：第6話『裸の王様』感想ツイートまとめ

風が強く吹いている　を見る。
逆風の中を走る時、何が支えになるのだろう。
思い通りにならない苛立ち、やりたくもないことをやらされるため息。それを吹き飛ばしてくれるものはなんだろう。
駅伝選手は、現実の中を走る。金が必要で、心がイライラして、真っ直ぐになんて成れない逆風の中を。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

その答えを、答えを見つけるための問を探していく、キング後編である。
キングの世知辛い現実と、九人ののんきで陽気な夢…というシンプルな対比ではなく、それぞれ色の違う現実があって、それでもそれは重なり合っていて、同じユニフォームを着て走ることの意味、現実の中の駅伝を探るお話となった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

お話の主軸はハッキリしていて、キングがチームに加わるまで、10人で走る駅伝が駅伝の形になるまでのエピソードだ。
罰ゲームなTシャツを着ないキングが、対峙から融和へとチームとの立ち位置を変え、問題を当然含みつつも形ができあがるまでのお話だ。
©三浦しをん・新潮社／寛政大学陸上競技部後援会 pic.twitter.com/y6QHXDc12X

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

ここら辺の距離感、隔意と融和が”絵”で明瞭なのが、このアニメの強みだと思う。
皆が文句を言いつつも着込む、スポンサー募集のTシャツ。それは銭がかかる現実をなんとか走り抜いて、夢を見続けるため、現実を忘れるためのユニフォーム（uni-form、単一の形）だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

就活に目を塞いだキングは、それを着ない。輪の中に入ろうともしないし、自分を守る鎧を脱ごうともしない。毒のある言葉で仲間を遠ざけて、一つの塊から自分を引き剥がしていく。
そこに神童が分け入って、ユニフォームを着せ輪の中に入れるまで。二本の線が崩れて、一つの輪になるまでの話だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

冒頭、キングと神童のシーンが良い。
キングがなぜ輪に入れないのか、その条件をスマートに描写し、解説はしていない。
他人の好意を素直に受け取れない捻くれ方。自分の事情を預けられない防衛本能の強さ。心を素直に表す語彙のなさ。自分が何に苛立ってるかを見据えられない眼の悪さ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

一言で言えば、人間が悪い。そう切り捨てても良いキャラなんだが、だからこそキングは人間臭く、なんか”僕ら”っぽい。
マンガみてぇな強引さで、マンガみてぇにキャラが立った連中の中に放り込まれて、マンガみてぇな夢を目指す。
キラキラで、透明で、素直な優等生たちの駅伝サークル。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

キングは顔もキャラ性も背負っている物語も、そこからはみ出した異物だ。
だが（僕を含めた）多くの人が、キング側の人間だと思う。心に厄介なものを抱え込み、特別な才能もなく、なぜやるか理由もわからないまま愚痴だけが達者になって、他人の心に踏み込むことも、体重を預けることも出来ない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

素直さ、ガムシャラさという美徳さえも持てず、現実を訳知り顔でいて、そのくせ現実の顔をちゃんと見れていない。
半端で無様でかっこ悪くて、でもみんなそんなもん。そういう”現実的”なキングがチーム最後の加入者であり、一番物語を飲み込むのが遅いというのは、なかなかに面白い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

キングを切り崩す過程はつまり、視聴者を物語に乗せていく過程でもある。
『こんなんありえねぇだろ』『バッカじゃねぇの』とニヒルに構え、夢物語の熱量を遠ざけ、あるいはそこに自分を乗っけることに怯えている視聴者と同じ感情、同じロジックを、キングは積んでいる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

彼が切り崩される過程はつまり、そういう視聴者の反感を切り崩して、11人目のチームメンバーとして一緒に駅伝を走らせるための仕掛けでもある。
（無論、キングにとっては物語を離れた彼なりのリアルであるし、そう思えるようにしっかり書けていることが、仕掛けを果たす前提にもなる）

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

答えが帰ってこないクイズ、不適切な打牌。
キングのコミュニケーションは常に空回りし、適切な言葉を見つけられない。（これはカケルと同じ課題であり、作品全体を貫くクエストでもあろう）
そこに神童が寄り添って、自分なりの言葉を届けれるようになるまでが、今回の物語だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

何しろあだ名が”神童”だから、彼は色んな物を持っている。キングが持っていないものだ。
ひたむきさ、素直さ、勇気、優しさ、クイズ番組が映るTV。キングはその輝きを遠目に見て、『どうせ俺にはねぇし』とスネつつも、その光に惹かれている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

一度は誘い出されて練習に参加したキングだけども、玄関前での対峙を経て、また暗い部屋にこもってしまう。
繋がっていたはずの関係は閉ざされ、キングは自分の薄暗い部分だけを目に入れて、外の風を感じなくなってしまう。
©三浦しをん・新潮社／寛政大学陸上競技部後援会 pic.twitter.com/rJ3yU97Sdp

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

ここで神童は、扉を開けるのに言葉を使う。
『なぜ走るのか』
言葉は実は、キングのほうが先に使っている。状況を支配するハイジに対して、物語を根源的に問うている。
しかしハイジは、あまりに真っ直ぐ過ぎる答えを返してしまい、キングを適切に動かすことは出来なかった。河を見ない暴牌である。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

ハイジの言葉がキングに届かなかったのは、それがあまりに正しかったからだと思う。
『俺もそうだった』とキングの苛立ちにブリッジをかけようとしているのだけども、ハイジの言葉は客観的に過ぎ、強すぎる。
そこら辺を年長組が補い、場を繕いもする。
©三浦しをん・新潮社／寛政大学陸上競技部後援会 pic.twitter.com/EESQRVnvNB

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

今回は眼の細かいクローズアップ、そこに宿る細かい心情の描写が素晴らしかった。
寮というシェルターを出て、自分の足で現実の逆風を走る。大学後の世界に既に適応し、あるいはもがいている最中の年長組たちには、ある種の同士愛がある。なんだかんだ、腐れ縁で長くやってきた絆。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

のんきな優等生組がスルスル状況を飲み込むのに対し、オッサン達はダラダラ愚痴をたれつつ、しかし若造が見えない部分に目を向けて、チーム全体が機能するよう言葉を使う。
そこら辺の精神年齢のギャップ、社会との距離感、それがチームとなっている面白さは、このアニメの大きな魅力だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

キングを悩める主役として掘り下げることで、同じ立場にあり、それぞれ違う答えを出しつつある年長組との繋がりも、また深く彫り込まれたと思う。
こうして群像の肖像をしっかり彫り込んでいくことで、人数が多い面白さ、駅伝をテーマにする意味もより強く、面白くなっていくわけだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

ハイジの強すぎる”眼”は、石の裏に住んでいる芋虫みたいなキングには強すぎる光だ。
そこから逃げ出したキングは、彼のアイデンティティであるクイズも忘れてしまう。麻雀に逃げ、空っぽの携帯を見上げる。
©三浦しをん・新潮社／寛政大学陸上競技部後援会 pic.twitter.com/WAFA4hZsFo

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

自分が何が好きで、何をしたいのか。それを受け入れてもらうためにはどんなルールに従えば良くて、何をしたらダメなのか。
手配も河も見えていない、役にも全然遠い配牌から、キングは危険牌を切る。北でいいだろどう考えても…。
その暴牌はつまり、彼の現状、彼の就職活動そのものだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

やりたいわけでもねぇ、何で走ってるかも理解らねぇ。
自分を見つけられず、世界との距離感もわからないまま突き進む就職活動。（このテーマは三浦しをんのデビュー作”格闘する者に○”にも通じる）
そこに本気で体重を預けてみたら、見える景色もあるかもしれない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

先に”駅伝”に飛び込み、全力の本気でやってみた神童は、そうキングを誘う。先が見えなかった同志として、そこを先に抜けた先輩として、同じ目線、同じ気持ちで心を届けていく。
それは拒絶されるほどには強すぎず、また刺さらないほど弱くもない言葉だ
©三浦しをん・新潮社／寛政大学陸上競技部後援会 pic.twitter.com/4fXFG3wokH

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

そういうちょうどいい言葉を神童が選び取ることで、扉は開き、光は届き、キングは敷居を越えて神童の側に近づいてくる。
ハイジがなせなかった柔らかい対応、ひねくれた凡人にでも届く熱意の魅せ方を、神童が果たしてくれる。
そんな補い合いも、チームであるがゆえの強さだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

キングを主役にすることで、この物語は生臭さを手に入れた。
ド素人の貧乏集団が、箱根に行く。夢物語のキラキラ感が先行し、グイグイ引っ張ってきた物語だが、そこに慣れてくると反発も起こる。
現実を見てないんじゃないか。キレイなものばっかほざきやがって。
当然の反応だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

そこを埋めることで、作品と視聴者との摩擦は減り、スムーズな作品受容が可能にもなる。
前回ハイジが押し付けてきた、アルバイト禁止の統制型トレーニング。銭金の生臭さを（これまた）神童が引き受けて、スポンサー募集のTシャツを来て走ることとなる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

それは金銭の問題と同時に、承認の問題をも解決していく。
女子高生に珍獣扱いされ、地元商店街には受け入れられ。アオタケという存在は社会に受け入れられ、認められていく。
ただ金を稼ぐのではなく、そこに何らかのアイデンティティを見つけるための疾走に、アオタケは身を投げていく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

それはどこか、キングの就職活動にも似ている。
キングは誰かに受け入れて欲しかった。言葉を聞いて、自分の方を向いて、一人ではないと確認したかった。
会社に社員として肯定されれば、それが手に入る。彼が逆風の中それでも走っていたのは、そういう側面があると思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

それは駅伝でも手に入るし、お金と夢は別にキレていない。走っていくうちに、バラバラに思えたものは一つになり、形から始まったものが真実自分の心に届く瞬間が来る。
神童はキングの私室に個人的に、またTシャツを使って社会と経済にアプローチすることで、色んな場所に橋をかけていく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

その橋を手繰り寄せて、キングはユニフォームを着る。現実逃避でしかないと嘲っていた駅伝に、タイムというアイデンティティを乗っけて、本気で走ることになる。
それはチームにとって良いことだ。9人じゃ駅伝は走れない。
でもなにより、キングにとって良いことだと思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

職を得るのは、人間であり続けるため。『どうせ自分なんて…』と下を向くためではなく、社会と繋がり、顔を上げて生きていくため。
キングが吐き捨てたように、それは綺麗事だ。でもそういう綺麗事を大真面目にいうために（も）フィクションがあって、このアニメはちゃんとそれが言えている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

綺麗事を否定しつつ、それをどこかで求めている視聴者の心を拾い上げるように、キングは生々しく悩み、集団の温もり距離を取り、また近づいていく。
優等生に成れない自分に飽き果てつつ、『少し騙されるのもいいかな』と、自分に言葉の魔法をかけて、物語に本格参戦していく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

その過程を二話使ってしっかり掘り下げたのは、あまりにピカピカしたこの作品に生臭さと陰影を与え、キャラクターへの共感とドラマへの納得を深める、良い手筋だったと思う。
神童の善性、人間力の強さも強く印象付けられ、彼らが好きになれるエピソードだった。ほんまいいやつやなキミ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

このようにメインシャフトが太い話であったが、あくまでこの物語の主人公はカケルとハイジであり、男二人の魂の交流が軸となる。
抜け目なく、カケルとハイジの関係性をジリジリ推し進めていくシーンも多く、巨大感情がぞろりと蠢く気配に大興奮である。マジ”感情”だからこのアニメ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

カケルはキングでピリピリする空気も読まず、ニコチャンにハイジの事情を聴き込む。
男の心の中に男がズッポリ入り込んじまってる様子が見える大暴走で、マジ素晴らしいと思う。カケルくんさぁ…少しは場の空気みたいなもん感じ取れない？　今何が問題か良く見よっか？

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

そういう器用なことができる男は、くもりガラスの向こう側に男の心を探し、愚直に真っ直ぐ尋ねたりはしないのである。
ハイジにとって良く見えないもの、それでも知りたいと思わされてしまうものを問いかけるシーンとして、なかなか強いヴィジュアルだ
©三浦しをん・新潮社／寛政大学陸上競技部後援会 pic.twitter.com/uhrvaw6pTJ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

ニコチャンだって全てを知っているわけじゃないが、付き合いが長い分見えるものもある。
神童がキングに、自分が今走っている光景を伝えたように、ニコチャンも彼から見たハイジをカケルに教える。ココらへんも、年長組の靭やかな繋がりを感じ取れて、とても好きなシーンだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

しかしカケルの曇りガラスはその言葉では解けず、炊事場で直接向き合うことになる。先週ラスト、食事の支度を持ちかけられてインタラプトがかかった展開を、巧く引き継いでいて好きな運びだ。
前できなかったことが、今できるようになる。変化が起こっている。それを自然に見せる技法。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

走ることは現実的で、実力の差は歴然だ。王子が一分縮めたって、箱根への参加資格は遥かに遠い。
選ばれたものだけが、走る資格を持つわけじゃない。でも”箱根”には、厳密な資格審査がある。ハイジの夢と、それを叶えるために選んだ方法は、どこかズレていないか？

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

カケルはリーダーに問いかける。榊と向き合ったときよりも落ち着いていて、自分が言いたいことを適切な言葉で言えている。これもまた、優れた変化の描写であろう。
どうしても溢れ出してきてしまう興味。問いかけを止められない、魂の引力。
©三浦しをん・新潮社／寛政大学陸上競技部後援会 pic.twitter.com/P0MlXNmf0A

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

隠された感情のほとばしりを、食器の湿り気で見せる演出には体温があって、とても好きだ。問いかけを交わし、答えを返しつつも、どうも距離がある二人を隔てているのが、”炊飯器”ってのも良い。
キラキラピカピカした輝きを大事にしつつ、生活感のある描写を忘れないのは、すごく強い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

カケルはまだ、納得する答えを手に入れられない。キングが踏み出した闇、神童が引っ張り出した光の境界線は、今回では越えられない、ということだ。
懐に引っ張り込む自然さ、優しさに、ハイジがどうしても欠けている、ということかもしれない。
前に進むものと、停滞するもの。その鬩ぎ合い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

予選会に挑むことで、ここを越えて物語が先に進むのか。現実の中を走ることで、新たな壁が見えてくるのか。キングを仲間に加え、物語はまた新しい局面へと進んでいく。
風が強く吹く中で、青年たちは何にたどり着くのか。走っていれば、それは判るのか。
次回も楽しみですね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

追記　アニメーションにメディアが変化する段階で、どうあがいたって変わることは避けれないし、その必然をどう乗りこなして、原作よりも更に強く作品のコアを書くか、最適の編集をして見せるかってのが、やっぱ大事なところだと思う。

追記
キングのめんどくせー内面は原作通りなのだが、それが表面化するのは後半、実際に駅伝を走ってからだったりする。
というか、カケルとハイジ以外がめんどくせー内面を見せるシーンはほとんど、物語が進んで駅伝を走ってからなのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

群像一人ひとりが個性とテーマを持ち、それぞれの問題を克服していくこと、それぞれの問題に関わっていくことで、物語が進展する。
キングを攻略していくエピソードの中で、このアニメのエンジンははっきりと見えた。そしてそれは、原作のテイストを残したまま大胆に編集する腕前あってのことだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

キング（に引っ張られる形で、様々なキャラクター）が内面を早めに見せることで、彼がただの数合わせではなく、駅伝は10人それぞれ、それを見守る人々全ての想いをつなぎ合わせて走ることが、クリアに見えてくる。
それはスポ根としての結果以上に、作品のコアにある大事なもののはずだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

そういうモノを早めに出して、週刊アニメーションというメディア形態にふさわし物語を組み直す努力が、このアニメには色濃く見える。
原作と結構違うんだけども、しっかり原作していて面白い。そういう”アニメ化”がベストだと思っている視聴者としては、とてもありがたいことだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月6日

あかねさす少女：第6話『ひとりのアイランド』感想ツイートまとめ

あかねさす少女を見る。
冬の気配が肌を焼く木の葉の季節、あかねさす少女は！　水着回！！
桂先生デザインのケツ力を最大限活かしつつ、孤独なウォーターワールドでAI制御のバカンスだっ！　と、ぬる～い展開にホッコリしつつ、”ゼイリブ”バリのサブリミナル洗脳が顔を出してさーてどうなる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月5日

そんな感じの、2018冬クール最凶のトンチキアニメ、クロエちゃんのターン開始である。
『そろそろ導入もパターン化してきただろ？』とばかりに、ザックリスジを省略して異世界にぶっ飛ばすドライブ感。エロ優が便利キャラすぎるので、レギュラーにしてザクザク使っていくワリキリ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月5日

フラグメント世界の素材取り敢えず放り込み感と合わせて、いかにもあかねさしていて嬉しい。
いや、雑だとけなすところなんだろうけども、もう脳髄がすっかりあかねさす粒子にヤラれちまっててよ…西部劇世界にコロッセオ、AI監視社会とビーチリゾート。雑な組み合わせが美味い、美味すぎる！！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月5日

水着回ノルマを果たすために、『温水プールに行く』とかヌルいこと言ってないで、即座にディストピア異世界に良いように連れ込まれるところが、このアニメらしいフリーダムさと言える。
”異能力夏色キセキ””時をかけるリドル”など異名がある（俺の周辺だけ）が、”可愛いカブトボーグ”と呼んでも良しか

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月5日

しかしながら、クソディストピアがアンカーとなる少女の内面を反映し、悩みを世界レベルにまで肥大化させているという基本は、今回もしっかり抑えられている。
個人主義を基調とするクロエと、孤独なアイランド。洗脳と監視。孤独だからこそ、ソーシャルの波に流されず保てる自分。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月5日

お手紙のやり取りするから”白ヤギさん（ホワイトゴート）”で、しかし個人と個人がソーシャル（運営の監理）を介さず交流することだけは許さない。
情報化社会の利便は、常に監理と背中合わせであること、欲望の加速が、支配の足場であること。直線的すぎるほど直線的に、テーマは見やすい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月5日

まぁ素材を丸のまま、取り合わせも考えずゴロッと投げ込み調整しない味付けが独特の味わいと勢いに繋がっている感じもあるので、そこら辺は粗雑でも良いと思う。
一応、ネタのセレクト自体は間違いないのだ、今の所。ここまで訪れた異世界全て、楽しいディストピアなところとかね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月5日

アンカーの深層心理を反映した世界は、ただ不利益をもたらすだけでなく、表面上は楽しい。
恋を夢見た少女は16で結婚し、ヒーローを望んだ少女の前には荒野が現れる。孤独を願った少女の前には、一人一つの島、個人主義の海で隔たれたサンクチュアリが与えられる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月5日

与えられるままに欲望を充足していくと、人間は凄い勢いでダメになっていく。
エロ優に導かれるまま、アンカーの選定から行き先まで任せてしまっている一行は、”ホワイトゴート”に与えられるままソーシャルに溺れ、欲望を加速させていく。大衆はブタだ！！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月5日

”ゼイリブ”もメディアと広告と階級の話であったが、あの頃から時は進み、サブリミナルなんていうお優しい手法を、管理者は使ってくれない。
そういう意味では、この古臭いアニメが古臭い手法を使うのは、解決の糸口を見えやすくするためなのかもしれない。ノリと勢いだけかもしれない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月5日

個人主義者のクロエは、ソーシャルの波からは遠ざけられ、過去の自分の資料と対話しつつ世界の真実に気づく。
まぁ色々誘導してくるエロ優もいないしな…淫蕩で誘惑相手（あすか）のことが好きすぎて、色々誘導し試してくる。エロ優の役どころは、聖人物語の悪魔なんだろうなぁ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月5日

あすかはアホバカだが、ソーシャルな画面ではなく人間を見ている。だからディスプレイに仕込まれた洗脳にはかからない。
そういう意味では、あすかも個人主義者なのだ。個人として相手を見て、個人として繋がる。既に用意されたソーシャルに流されるのではなく、個人の集積として”みんな”をみる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月5日

そこに主人公の資質があるとするなら、敵が”均質者（イコライザー）”と名付けられているのも、少し判る気がする。
全てが均質化した黄昏の世界。クソダサバイザー付けて、ソシャゲ的高速バトルを頑張らないと塗りつぶされてしまう、息苦しい統一世界。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月5日

バカなくせにイイカラダしてる主人公は、いろんな世界をめぐりつつ（文字通り）自分自身と対話し、友人の心を知っていく。
バラバラだからこそ、異質だからこそ、いろいろ面白い世界。陳腐だがベーシックな世界の実相を学ぶのが、シリーズ全体を通してのあすかの旅路…なのかな？

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月5日

しかしあの主人公激烈バカすぎて、そういう真面目なことは残りの尺があと五秒くらいにならないと、自分の口から言ってくれなさそうな感じもある。
まずはVRメガネをかぶって世界の真実に気づいたクロエちゃんが、自分の孤立主義と向き合うところからか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月5日

孤立した（isolated）状況を掘り下げるために、島（アイランド）しかない世界を作り出すところとか、”みんな”を繋げるソーシャルが孤立を加速している所とか、結構クレバーで好きな描写です。
そういう微細な描写を、ざっくりしたアクションシーンで台無しにするのがこのアニメなんだがな！！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月5日

もう一人のアスカが顔を見せたということは、”敵”が迫っているということ。エロ優の過去とかも気になるし、さて次回、少女の孤独な聖域にどんな変化が訪れるか。楽しみですね。
…取り敢えず、クロエが物理的にどう海を攻略するかだな。すげートンチキか身も蓋もないザックリな予感…！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月5日