恋とプロデューサー〜EVOL×LOVE〜：第10話『別れの夜明け』感想ツイートまとめ

恋とプロデューサー〜EVOL×LOVE〜を見る。
”アレス”と離別し、暴走電波を止めるべく恋花タワーへ向かう”わたし”の前に現れたのはキラだった。
何があっても、キミを守る。
遠い日の誓いを守るため、キラは全てを尽くす。たとえそれが、別れを意味するとしても……。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月17日

そんな感じの、チキチキ！　恋花タワー地獄デート ～離別もあるよ！～って感じのお話。
終盤にかけてイケメンとグッバイしまくってる”わたし”ちゃんであるが、今回はキラとステルスミッションして、ハッキングして、夜景見て、隊長さんと異能バトルして、ギアス使って永訣した。盛り沢山過ぎる…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月17日

要所でブッこまれる甘酸っぱい恋ネタに『やっとる場合か～』とツッコむも、それが後々の離別で効いてくるため、なかなか油断がならない構成である。
ファンサービスでヌルい事やってるかと思いきや、”わたし”は忘れた運命の出会いのため、仮面に思いを隠し全てを捧げた結果の、一瞬の笑顔だからなぁ…

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月17日

恋にアクションに運命に、恋プロ要素（仕事以外）全部盛りッ！　って感じだった。
まぁカメラが写ってないところでの分断は、再会するための下準備だからな…死んでねーだろ！
…とは思うが、献身の度合いが（他のイケメンと同じく）半端なく、なかなか切ないエピソードであった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月17日

というわけで、涙こらえて女の子ダッシュで目指すは、恋花悪魔城ことタワー。
赤い光の禍々しさと、ポワポワなライティングがまーったく噛み合ってなくて、相変わらず脳がバグるアニメだ…。
シモンの裏切りと別れが辛かろうが、拳を握り奥歯をかみしめ進む
©恋とプロデューサー/Paper Pictures/MAPPA pic.twitter.com/sbNhloQ8Yn

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月17日

”わたし”ちゃんの勇者気質な所がよく出て、今回のアバンはなかなかいい感じだ。泣きはするんだが、芯が折れずに為すべき方向に全力ダッシュするタフさは、見てて信頼できる。
CEO相手にぶん回していた大物感が、ハードアクションを要求されて元気になってきた感じもあるわな。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月17日

そんなこんなで、独り悪魔タワーに挑もうと思った所で差し出された助け舟…元アイドル現スーパーハッカー、キラ様のご登場である。
どんなときでも明るく笑顔、敵の本拠地でもエスコートは忘れない…てのが、ある意味仮面なのはまぁ判る。
©恋とプロデューサー/Paper Pictures/MAPPA pic.twitter.com/YrhSHHuKgn

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月17日

ツンツンしてたり、軽かったり。
イケメンたちが”わたし”の前では過去を隠して仮面をかぶり、その奥に超重たい決意を秘めているのは、恋プロメンズの特徴である。
”わたし”ちゃんが過去を忘れているので、命余裕で賭けられる程の”本気”が一方通行なんよな。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月17日

その不均衡はイケメンたちが望んでやっていることで、”わたし”ちゃんの責任ではない。
『むしろここまで来たら、洗いざらい言ったほうがよくねぇか？』と思わなくもないが、運命の重荷をこれ以上惚れた女に背負わせないために、四人の騎士は軒並み運命を胸に秘め、一人決意を燃やしている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月17日

まぁ誰かが真実喋ると、そいつがヒロインレース独走しそうな座組でもあるしな…そういう意味では、CEOのアドが太い。
つい茶化しちゃうけど、命と魂を救われた恩を忘れず、献身的に”わたし”を助ける恋プロのイケメンたちは、皆好きだなぁ…重いけど、そこが良い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月17日

キラが明るく振る舞うのも、アイドルとして身につけた職能ってだけでなく、自分を救ってくれた”わたし”ちゃんには、あくまで明るい未来を信じて欲しいからだと思う。
キツい状況でユーモアを忘れず、あえて戯けてみせるヤツは俺大好物なので、今回キラが見せるチャラいムーブはかなり好きだな。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月17日

まぁそんなドキドキ地獄デートをブラック・スワンさんが許すはずもなく、銃弾とエボルで全力追撃してくるわけですが。
『で、出た～異能を無意味にひけらかす奴～www』と草生やしたが、キラの電脳隠身を見抜く伏線だもんな、この異能仕草…細かい所がニクい
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月17日

隊長さんが鮫のように笑う中、二人は一瞬闘争を忘れ、夢のような夜景に見入る。
ここのライティングは、キラといることで”わたし”を包む暗黒が和らぎ、明るい未来へと繋がること…そしてそれが、より深い闇にも覆われていることを上手く暗示して、非常に良かった。相変わらず演出がキマるアニメ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月17日

この異常事態を乗り越え、また笑いあえる”いつか”。
それが遠いことを視聴者とキラは知っているが、白紙の記憶を抱え、能力を制御しきれない”わたし”はまだ覚悟が足らない。
問答無用の輝きに飛び込むためには、”わたし”ちゃん自身が主人公として道を選び、全てを決着する必要がある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月17日

そしてこのタワーは、まだその途中だ。でも全部が暗黒というわけではなく、”わたし”を思ってくれる人もいるし、笑顔になれる瞬間もある。
それが嘘ではないからこそ、奪われる時は辛い。楽しいサービスシーンで腹筋を緩めておいてから、情動のハンマーで殴りつける緩急が、元気なエピソードとも言える

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月17日

そしてエレベーター出たら、異能兵に死ぬほど撃たれました！
『そのグラサンは飾りかい！』とか、『筋肥大のエボルは半分ギャグ！』とか、色々ツッコみたくなるが。
ハッキングと機転と知恵で、窮地を乗り越えるアクションはやっぱりいい感じ。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月17日

僕はTRPGという趣味をもってるんですが、今回のキラの機動型ハッカーっぷり、環境利用闘法は、完璧に”シャドウラン”とか”トーキョーN◎VA”の文法で、非常に興奮しました。
アーバン＆サイバーなアクションを、切れ味鋭く堪能したい欲求にも答えてくれて、非常に贅沢なアニメですね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月17日

そんな感じで手を携えて、襲い来る敵を無力化！　したと思ったら、やってきました隊長さん。
『キラとマッチアップする強敵なんだから、なんかいい名前とか付けてあげなよ…』と思うが、まぁ戦闘用ゲストなんてそんなもんだよな…。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月17日

『イケメンの貼付け一丁上がり…』と、磁力操作能力を駆使して手間のかかる殺しを叩きつけられたところに、思いでボムで起死回生！　スゲーなスーパーハッカー＆アイドル！！
『鉄骨心臓にぶっ刺しておけば、逆転もなかったろうに…』とか言わない。会長さんは”様式”が理解ってる男。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月17日

名前もなき実験体だった暗い過去から、”わたし”という光を見つけ、生きる意味を知る。
キラが曲りなりともアイドルになれた裏には、”わたし”が忘れ去った記憶がある。ほんとこの子、あらゆる場所であらゆる異能者にフラグ建てるな…。
まぁ、”特異点（しゅじんこう）”ってそんなもんよね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月17日

CEOにプリン、先輩にイチョウ、シモンに蝶と折り鶴。
恋プロは思いを印象的ななフェティッシュにまとめるのがうまい作品だけど、キラは”キャンディ”なのね。
ちょっと子供っぽい所が、溌剌とした彼のキャラクター、幼い日の誓いを守るナイトっぷりと噛み合ってて好き。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月17日

そんな騎士様が退場して、涙にくれる”わたし”じゃない！　贈り物のペンを凶器に変えて、”アレス”相手に命がけの取引を持ちかけた女だぞー！
喰らえドローン、電撃ビリビリッ！！
ホント、運命の天秤に自分の命も他人の命も、躊躇いなく乗っけて好き。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月17日

大復活を果たしたキラ（多分《チャイ》使った）の捨て身戦法でチョーカーも奪い、隊長の無力化に成功ッ！
『網で助かるなら、キラもファイト一発しなくて良かったんじゃ…？』とかは、やっぱ言っちゃダメだぞ！！
二人にとっては”未来”の象徴である夜景が、隊長のグラサンには”死”と映るのは好きな演出

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月17日

激闘を終え、”わたし”はその意味も知らぬまま、キャンディを差し出す。まーたこの子はイケメンクリティカル出してからに！
ここのシモンの表情は、彼が抱えているもの、生きる意味を一人噛みしめる感じで、凄く良い。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月17日

まぁイチャコラしてたら、本部に応援呼ばれて大ピンチなんだけどね…そらそーだ。
迫りくる危機にキラは道化の仮面を外し、瞳を黄金に輝かせてエボルを使う。カッキーの声が、いつ”虚空刃奥義・雪風”を撃ってもおかしくない感じに！！
やっぱ、チャラ男が”本気（マジ）”見せるシーン大好き。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月17日

絶望に閉ざされていた実験体の顔。
手渡しで希望をもらった笑顔。
ピンチでもアイドルな明るい表情に、金色の目の異能力者。
そして、闇を閉ざし愛する人を光に向かわせる、真っ直ぐな瞳。
キラには色んな顔があって、全部魅力的だ。それを確認できる良い回だなぁ、今回。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月17日

災厄ともなりうる絶対遵守のエボルを、”わたし”ちゃんの優しさを殺して為すべきことを果たすために使うところも、凄く良かった。
エボルに限らず、過大な力はどう使うかで、それを背負った人間を試す。愛のため、未来のため、自分を犠牲に希望を繋いだキラは、問題なしの合格である。生きてろよ～。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月17日

”アレス”との離別と同じく、哀しみを振り千切り先に進む”わたし”。その背中には、リボンで止められた勝利の鉄パイプがあった。鉄パイプ…ッ！？
泣くには泣くけど気合十分、その手に”暴”を握りしめて前に進むパンクスっぷり…やっぱ好きだぜ。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月17日

キラの思いを背負い、涙を風に飛ばしながら、漆黒の闇を超えていく。
その歩みが、一歩一歩黎明に近づくセッティングはバリバリに決まっていて、非常にドラマチックだ。
やっぱいちいち、”絵”が強いんだよな恋プロアニメ。
かなーり圧縮してると思うが、それで足りない所が結構補完される印象。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月17日

約束された勝利の鉄パイプを振り下ろし、悪の暴走電波発生装置をぶっ壊した”わたし”。
『もう、ゴールしてもいいよね…』とばかりにタワーを落下していくが、空は彼の”領域”だッ！
空飛ぶイケメン、最高のタイミングで再登場である。キャー先ー輩ッ！
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月17日

人心を乱し進化を促進する、ハデスの陰謀はまだ終わらない。
アレスが闇の中見据える夢幻は、数多の人々を牙に捉える。
そして、未来より帰還したCEO。
光り輝け運命…俺が希望だ！　往くぞブラック・スワン…最終決戦だッ！！
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月17日

そんな感じの、テンション爆上がりイケメン博覧会で次回に続くッ！！
光が未来や希望といった、ポジティブな意味を背負って演出され続けてるこのお話。
逆転の秘策となるCEOも当然輝くのだが、あからさまにボリューム間違えてる光っぷりで面白すぎた。極端なんだよなぁ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月17日

というわけで、キラが軽薄な仮面の奥に秘めた戦意と誠実が、思い切り暴れるタワー決戦でした。
名もなき隊長さんが煮えてくれたおかげで、アクション面でも面白いもの見れたのは良かったし、彼がエボルをどう使うか、一つの”答え”が描かれたのは素晴らしい。
彼は悪しき過去を、あの決断で乗り越えた

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月17日

これで犠牲になったらノンキに喜んでる場合じゃないけど、まー生きてんだろ恋プロだし！！（ダイナシ）
いやまーねー、なんだかんだ私ちゃんと楽しい異能イケメン共が僕は好きなので、これから勢いを増す決戦を超えて、皆で楽しくエンディング迎えて欲しいよ…。
さて、どうなるか。次回も楽しみッ！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月17日

ケムリクサ：第9話感想ツイートまとめ

ケムリクサ　第9話を見る。
白き機械知性の犠牲の先に、待っていたのは奇妙な山嶺だった。行方を遮る壁、そこに潜むヌシに立ち向かうべく、一行は一旦休息を取る。
己の無力を嘆きつつ、足を進めた霧の中。死んだはずの過去が蘇り、世界の形を告げていく。
我々は何処から来て、何処へ行くのか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

そんな感じの富士山大決戦！　アンタら死んだはずじゃ！！　な、ケムリクサ第9話である。
亡霊たちの現状とか、世界の真実とか、ウォールフジ突破とか、まぁ色んな事が起きる回だった。
死んでるはずの姉妹と接触すると、デカい世界設定周りがゴロゴロ飛び出してくるなぁ。後わかばがランクアップする

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

何かと命に直結した赤いケムリクサを使おうとする凛ちゃんの必死を、壁の中のヌシとの戦いで見せた上で、彼女がそこに追い詰められている大きな理由たる姉達とは、わかばしか出会えない。
しかしわかばが霧の中から持ち帰ったものが、強がり泣き虫と彼女の”好き”が生きていく、大事な足場にもなる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

霧の中で（わかばだけが）行き来可能な”死”の、奇妙な優しさに触れるエピソードだった気がします。
”かぐや姫”を紐解けば、富士の山は不死をもたらすケムリが燃えているから”ふし”なので、亡霊と出会い直すには良いセッティングよね。
生が現行人類と大きく異なるので、死の扱いもかなり特殊だなぁ…

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

というわけで、ついにやってきました日本最大のランドマーク富士山。
っていうには、僕らの慣れ親しんだ形とは大きく違う。赤い霧と根に侵蝕された異形の山様は、隠された真実の一端を無言で伝えるかのようだ。
©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト pic.twitter.com/7141ce9PaV

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

相変わらず、赤と黒に彩られた旅路は地獄めいて美しいけれども。
網の目状に切り刻まれた大地は、後に好奇心で繋がる二人が推察するように、テラフォーミングされたかのように異形だ。
思い返すと、九州から静岡まで進むにしては短い旅路だもんなぁ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

世界の謎は後で物知りメガネと一緒に考えるとして、同行者となったシロにりなちゃんは警戒を解き、りんちゃんはツンツン対応する。
それは戦士という役割を、姉が去った後背負わなければいけなかった責任がそうさせる、頑なな扉だ。
デレてきたとはいえまだまだ開かないし、開くわけもいかない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

りんちゃんがシロに無警戒になる…身内だと感じる大きな一因は、顔文字で表情を作ったことにある。
シロに備え付けられたディスプレイには書き文字しか表示できないが、彼はヒューマノイドが感情を表出（display）するやり方に寄り添って、文字で顔を作った。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

限定されたコミュニケーション手段、独自の感覚器官を賢く活用して、自分が仲間であること…同じ価値と感覚を共有できる存在だと伝えたわけだ。
ここには異文化…ともまた異なる、根本的な存在規程を超えたコミュニケーションが成立している。
そのきざはしになるのが”笑顔”なのが、僕は好き。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

オリーブの葉を咥えてきた鳩のように、シロの行く先に安全と平和があると、りなちゃんは無防備に信じる。
その無警戒（ある種の愚かさ）は、小さな集団において”子供”として扱われる/振る舞うことと、無関係ではない。
難しいことを考え、警戒を説かずおこりんぼで頭固いままでいるのは”大人”の責務だ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

姉が去ってしまって以来、りんちゃんは集団の頭として行く末を決断すること、集団を守るために賢く強くいることから、逃げられなくなってしまっている。
その一環として自分の”好き”を見ぬふりして、無邪気に”好き”を追い求める子供っぽさを追放し続けている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

しかしこの作品に流れる”好き”原理主義を思えば、それはとても不自然で哀しい在り方だ。
例えばわかばが自分の”好き”を暴走させて、身の危険も顧みず集団から離れていたように。
りんちゃんもまた、姉がいた時は元気だった”子供”っぽさを、何処かに隠している。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

でもそれを駆動させれば、集団は免疫を失って残酷な世界に食われてしまう。赤い霧、赤い虫に染まってしまう。
かつての姉達と同じように。
だからりんちゃんはシロを信頼せず、頑なな”大人”でありつづける。腕組みは外さない。
早く安息の地へ皆がたどり着いて、存分泣いたり笑ったりしねーかなー…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

新たなカナンに行き着くためには、謎と壁を超えていかなければいけないというのは、ここまで描かれた物語のルールだ。
今回も奇っ怪な富士の山頂には青い壁がそびえ立ち、しかもそこにはヌシが巣食う。二次元の壁で身を守り、簡単には未来へ進ませてくれない。
©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト pic.twitter.com/fgqpnZ4ABg

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

ヌシとの初戦で”見る”りんちゃんの能力を描写しておくことで、それが誰から継承されたか微かな疑問の種を蒔いておくの、構成が上手いなぁ、と思ったりもするが。
姉から引き受けた鋭い視覚は、ヌシがどんな存在であるかをしっかり見通し、撤退を果たさせる。
もう、誰も死なせない。お前も含めてだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

そう言ったりんちゃんは、わかばの死も許容せず、勝てる可能性を探すために一旦引くことを選ぶ。
しかし自分自身の命は慮外で、命の籠もった赤いケムリクサを燃やして勝つ自滅戦法を、オプションに入れてしまっている。
”誰も死なせない”に、自分を入れなよりんちゃん…相変わらず優しすぎる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

彼女たちの象徴色が”赤”なのはずっと気になっていて、作品を貫通する色彩演出を素直に受け取れば、赤は危険の色、敵の色だ。
し彼女たちの命はそんな”赤”いケムリクサに繋がっていて、しかし赤だけではない。ミドリちゃんやわかば…”緑”の種族を受け入れることで、生存可能性を上げている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

とすれば、そもそも別の色だったものが赤く染まった結果、今の彼女たちがあるのだろうか？
後半ちょっとずつ明らかになり、しかし謎が残る自分たちの起源。シロムシたちを赤く、凶暴に染める赤い霧。
彼女と、彼女たちを生み出し包む異様な世界は、どこから来てどう変質したのか？

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

そこら辺、終盤で大事になってきそうな感じがしてる。
緑は安全、仲間の色。
そう描かれ続けている物語で、主役の起源が”赤”であることにどういう意味合いがあるのか。
何しろその起源に”irodori”を冠するのだから、色彩とそこに込められた意味は大事なんだろうなぁ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

まぁそれは後で判ることとして、一行は山小屋…の残骸に身を寄せ、いっときの安らぎを得る。ミドリちゃんも根っこを解いてお休みなのがかわいい。
りんちゃんは眠るときも、両腕を組んで警戒を解かない。それは戦士で有り続けるための、強靭な盾だ
©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト pic.twitter.com/Lpc5hVtNGi

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

皆がその警戒を解いて、瑞々しい感受性と脆い優しさ…りんちゃんらしさを発揮できる未来を望んでいる。
しかしそこにたどり着くためには生き続ける必要があり、そのためには腕組みは解けない。ジレンマである。
姉妹が一時の安らぎに眠る中、わかばは霧の中にさまよい出て、亡霊と出会う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

バトルマニアであり、嗅覚で世界を感覚・理解するりょう姉との出会い。
『やるか～』モードの時は、巻きつけた布が赤く光っているのが面白い。倒すべき異物という認識が解けて、わかばが『知ってる人』になると、赤信号は消える。
©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト pic.twitter.com/bYnMYRicpi

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

赤い闘争本能は生物が持つ自然な反応…というより、りょう姉の”好き”と噛み合った彼女”らしさ”なのだろう。りんちゃんは、防衛が好きなのであって闘争が好きなわけじゃないからなぁ…。
戦いを持ちかけるのはりょく姉独特のコミュニケーションであり、匂いを嗅ぐのと同じく、相手を知る手段なのだろう

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

個性に適応した”らしさ”があるということは、そこから生まれるその人だけの”好き”と直結していて、とても大事だ。
例え死んだとしても、”始まりの人”から分割した姉妹の個性は消えず、”好き”も消えない。
赤い死は他の誰でもない”わたし”であることを、終わらせないのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

時にある種の業にもなるだろう、そんなエゴの凸凹をこの終末巡礼は常に肯定する。諦めきれない”好き”は集団内部で”らしさ”として肯定され、生存にも活用される。
この基本ルールから、りんちゃんだけがはじき出されていることが、救済されるべきヒロインとしての強さでもあるな、と思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

そして人は自分が抱えたものを差し出して、相手と通じ合おうとする。見えているものが異質であったとしても、そこには断絶だけがあるわけじゃない。
これは前回のシロムシや、りなちゃんに顔文字で笑顔を作ったシロと似通った描写だ。取り巻く世界はバラバラでも、そこを繋げるメディアは、確かにある

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

”好き”を作品の玉座に据えたこの物語は、個人が兼ね備えたセンスが共有されないことを前提に、バラバラの世界がどうすれば繋がれるか、様々な角度から彫り込んでいっている。
最初はがんじがらめの奴隷だったわかばが、身を挺した働きでだんだん、集団に受け入れられる描写だとか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

姉妹がそれぞれ特化した感覚で世界を見つつ、それを共有・連動して生き延び、思い合っている様子だとか。
あるいは特化した感覚を持たないからこそ、様々な感覚、それを備えた個体とコミュニケーションできるわかばの資質だとか。
異質なる機械知性との、出会いと別れだったりとか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

わかばは好奇心と知恵しかない、脆弱な存在として物語に登場し、ケムリクサへの興味を実践に繋げ、先達（あるいは亡霊）に学んで力を獲得してきた。
戦えない存在が、戦えないようになる。意志と行動が自己を変革させていくことは、そこから見える世界、反射する自己像も変えて行く。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

そういう意味で、わかばがケムリクサで獲得したパワーを肯定的に伝え、出来るようになる、変わることが出来ることを価値と認めていたのは、結構大きな描写だと思う。
戦うための力は、より強く自分を誇る支えにもなり、その実感がもっと新しい場所に踏み出す足場にもなる。変化の理想形を、彼は歩く。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

りょう姉のように積極的には戦わないけど、戦うことと意味、失うことの痛みを身を持って学んだわかばは、赤く突き出される闘争のコミュニケーションが、完全に分からないわけではない。
それがわかばの”好き”でなくとも、りょうの”好き”が、赤い命が鉄パイプに籠もっているのは、理解も共有も出来る。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

つーかサラッと、『後一回本気出したら、アタシ消えっから！』みたいなこと言ってましたけども、止めてくださいよねホント…。
まぁ背景はわからないながらも、描かれ方としては猶予を貰った亡霊そのものなので、現世に関与できるのが期限付きだってのは納得するけども。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

限りある生命をどう使うかについては、この作品の答えはかなり徹底してる。
”好き”に使うのだ。
シロムシ達は創られた目的を果たすため、”船長”の命令を貰い、赤く染められ自分を歪めることを拒否し、散っていった。
りょう姉は満足いく戦いのため、りょくちゃんは好奇を満たすため。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

それぞれ、ただ生きるのではなくより善く生ききるために、自分なりの”好き”へと命を燃やしていく。
それはそれぞれ個別の形をしているが、譲ることも揺るがすことも出来ない尊厳の源として、常に描かれている。
来たるべきクライマックスに、一行もまた、”好き”に命を燃やすのだろうか。はー…活きろ！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

そして3/1の過密状態（りなが1/6の過疎状態なのと、亡霊姉妹の状況は面白い対比だ）を忙しく切り替えながら、ダイダイのケムリクサの主が顔を見せる。
やっぱり赤は殺意の色、プライベート見たやつはコロス！
と吹き上がっても、そこは知らないを放っておけない同士
©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト pic.twitter.com/h6INRed9TP

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

スルスルと接近して、世界の謎を語り合う。
好奇心以外にわかばとりょくを繋げるモノがもう一つあって、それは赤い姉妹が”好き”だということだ。
ヘンテコな声とナードな態度の奥に、亡霊となった今でもりょくちゃんは姉妹への愛情を抱えている。
それが多分、死んでも死ねない彼女の心臓なのだろう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

いやマジ、『関根明良さん、こういう声も出るんだぁ…』とビックリ＆クリティカルだったけども。みやびちゃんとプリンセスのイメージだったからねぇ…。
声オタトークはさておき、日記の著者と会話することで、色々世界の謎が判っていって…全然わからん！！（ジャガー顔）

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

この赤い霧に包まれた”日本”が、地理的にも環境的にも改変されたものだとして、霊長気取りでうろついてたホモサピエンスは何処に行ってしまったのか？
ヒューマノイドたるわかばと赤い姉妹の起源は、改変される前の人類社会にあるのか？
観察と推測を重ねても、答えは黒く塗りつぶされて出ない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

赤いケムリクサさえ残れば、命をつなげる不思議な存在。人に似て明らかに異質で、しかし人間の証明を色濃く、その行いに焼き付ける者たち。
その謎は、まだまだ奥が深そうだ。
自分たちの起源を知ることが、”好き”を追う精神的旅路と強くシンクロしてるので、謎解きとドラマが噛み合うのは巧い作りね

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

六人に分かれる前の”はじめの人”が、どんな存在であったか…ひらがなではなく漢字を読む（あるいは読めるものが、わかばに真実を教える）時が、世界と自分の成り立ちを知って、そこから力強く未来を踏み出す…話が決着する足場になりそうだ。
そのための地ならしを、賢いりょくちゃんはしてくれた、と

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

直近の危機を乗り越えるための知恵も、賢い亡霊は差し出してくれた。
りつ姉の”好き”であるミドリちゃんを折り、その力を叩きつける。
そこにどんな重さがあるか知っているから、りんちゃんは怒り、わかばは戦場に出る決意を見せる。
©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト pic.twitter.com/48cYnP4ekC

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

ミドリちゃんを手折るりつ姉の表情は、りんちゃんだけが見守り僕らには見えない。
”好き”を自ら砕く決意には、とても複雑な感情が宿るだろうし、それを見届ける特権は一番近しい人にこそある。
それでもわかばは、見えないものの意味を考え、自分も背負おうと踏み出した。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

その『解らないものを、解ろうとする』歩みこそ、彼が背負う資質であり、物語に善き変化をもたらす特権なのだと思う。
他人の”好き”は、ほんとうの意味ではけして分からない。りつ姉がミドリちゃんを砕くその表情は、けして見えない。
でも、思いを巡らせることは出来る。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

自分にない感覚を想像し、それが生み出す痛みや喜びに思いを馳せる。そうして生み出された幻影を、尊いものだと信じて踏み出し、手をのばす。
わかばはそういう、柔らかで身勝手な開放性と積極性、越境生を常に持っている。
それがあるから、彼は無力な存在から見習い戦士へと、自分を変えてきた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

そんな変化にプライドがあるから、わかばは己の腕を傷つけてヌシの足を掴み、りんの闘争を助ける。
…お前、何も出来ねぇわけがねぇじゃねぇかよこんなに傷ついてよッ！！
かくして開いた道は、犠牲を出さない。
皆が少しずつ、癒せるほどに傷ついて、未来を掴む。
©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト pic.twitter.com/VydDTsOahO

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

共同体の成員がお互いの断絶を想像力で埋め、リカバー可能な犠牲を継ぎ接ぎにすることで、不可逆なダメージを受けずに可能性を生み出す。
流行りの言葉でいえば、持続可能な社会の一類型が、壁の中のヌシとの戦いには現れていた気がする。
やっぱ特定の成員にダメージが入りすぎる解決は、不公平だな

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

旅の仲間は赤い血縁、あるいはそこに緑を継ぎ足す婚礼主義でもって、運命的に固く結ばれている。
お互いがお互いの”好き”を、狭い感覚の限界を、秘められた過去をよく知り、それを尊重できる緊密な関係が保たれている。
これは超少人数で構成される社会の、明白な強みだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

あるいはこのような、原・人間社会的な理想形を話に盛り込むために、広大過ぎる”社会”が瓦解された後の世界を、作品の舞台に選んだのかもしれない。
家族+αのスケール感を崩さないからこそ、”好き”という人間の原点が抱える強さと難しさ、個人と集団の呼応もスマートに書けてる感じあるな…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

ケムリクサを命の中心に据えたポストヒューマンの巡礼を追うことで、ヒューマニティの真相を照らす。
そういう異化作用は、ミニマルで緊密なサイズ”にまで縮めることで、社会集団の在り方を問い直してもいる。
SF的舞台のチョイスがテーマにしっかり絡みついてるのは、ホント強いよね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

しかしどれだけ”好き”でも、それを残酷に奪っていく冷たさも世界の真実で。
あれだけ肩肘張って、好きだった姉達が守りたかったものを引き受け、好きだったから守ってるりんちゃんは、死人と再会できないのよね…。
それは、姉妹の過去を共有しない異物の特権だ。
©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト pic.twitter.com/6xnuXOLnaj

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

知らないからこそ運命と出会う、愚者の特別。
わかばは主役としてそれに愛されて、死んだはずの姉妹と出会い、ケムリクサの使い方を、世界の真実を学んでいく。
そうして受け取ったものは、亡霊が今尚愛する生者に届けられて、明日へ繋がる道を拓く。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

生と死の媒介者としても、わかばが機能しているのだと…そんな彼が介在しないと、死人が置き去りにしたものはりんちゃんに届かないのだと、判る富士山大決戦でした。
泣き虫りんちゃんはお姉ちゃんと再開したら、もう決壊しちゃうだろうからな…亡霊とは逢わせらんないよね。相当限界だもん。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

深い霧の向こう側、過去の叡智が少し見えたと思ったら、更に謎が増えた旅路。
壁の向こう側にどんな物語と真実が待っているか、まだまだお話は続きます。
”変わるもの”として主人公・わかばが鮮烈に描かれるほどに、”変われない・変わってはいけないもの”としてのヒロイン・りんちゃんの姿もまた鮮烈。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

しかしじわじわと、わかばが発する”毒”はりんちゃんを変え（あるいは無防備な子供に戻し）、姉妹との巡礼はわかばを鍛えています。
遠く隔たれつつ、変わりながら確かに繋がる”人間”の肖像。
このお話が描くものは、クライマックスに近づくにつれより強く輝きを増すでしょう。次回も楽しみです。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

2020年 10月期アニメ放送前短評

猛暑が過ぎ去りつつも、日が出れば残暑に汗ばむ頃合い、いかがお過ごしでしょうか。
そろそろ暦も神無月、新アニメの季節でございます。
今回もコバヤシ注目の番組を短評していきますので、視聴予定のお供に、新たな出会いのキッカケに、よろしく活用いただければ幸いです。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

・アサルトリリィ Bouquethttps://t.co/tkrrc1QveC
アゾン×ブシロ×シャフト！
奇っ怪な座組で描かれる、苛烈にして可憐なる人類生存絵巻。
崩壊世界の透明な退廃感と、寄宿舎モノのたおやかな清廉。美味しそうな素材を、佐伯監督がどう料理するかが見もの。ED曲”Edel lilie”が異常に良い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

・ひぐらしのなく頃に 新アニメhttps://t.co/QTux73AYjB
令和に、再びひぐらしがなくとはな…。
青春ホラー・サスペンスの金字塔が、まさかまさかの新アニメ化。
旧来のファンを懐かしい気持ちにさせるだけでなく、”今”刺さる新解釈・新演出を大胆に盛り込めるか。新たな息吹を期待したい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

・魔女の旅々https://t.co/IDMLCDt1Ou
さすらいの魔女は、旅路に何を見つめるのか。
魔法版”キノの旅”といった第一印象だが、行き過ぎる人と景色をどれだけ印象的に書けるか…”旅”をどう見せるが、最初の注目点になりそう。
噂によると、女と女が”強い”らしいが…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

・ヒプノシスマイク　-Division Rap Battle- Rhyme Anima-https://t.co/HiXHvI1yXf
牙をもがれた男たち、マイク握って立ち上がれ！
乙女ジャンルの核弾頭が、群雄割拠の秋に着弾。
ルックと音楽は最高に良いが、エグみのある設定にどう必然性を宿すか。
お話としての腰の強さを、第一話で確認したい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

・レヱル・ロマネスクhttps://t.co/xZbCL7bR5B
電車少女と楽しい毎日！
ゲームの方で一つの大きな困難を乗り越えた前提で、アニメが出てくるかなり珍しい構成。
大廃線時代を”過去”として書く冒険が、どういう結果を生むか。観光促進アニメになんのかなー。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

・呪術廻戦https://t.co/wHG3Jwp4Kr
ジャンプ連載のダーク異能バトルが、MAPPAの手でアニメ化。
”正しい死”を話の真ん中に据える骨太な食感には、PV段階でかなりの好感触。バトルの組み立て、学園舞台の青春、少年の成長…真っ直ぐな見どころが沢山ありそう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

・ラブライブ！虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会https://t.co/KDA0ghUIs3
今、三度目の神話が始まる。
μ's、Aqoursに続くラブライブ三発目の魔弾。
ブームを超えて文化になった感もあるコンテンツだが、今ここで勝負を仕掛ける意図と熱量、虹ヶ咲だけの独自性で、どう殴りつけてくるか。初手に期待。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

・戦翼のシグルドリーヴァhttps://t.co/FOwd09h5G7
人類の敵と戦う戦乙女が、可憐に激しく空を舞う！
パーツ自体はぶっちゃけ手垢がついているので、この作品だけの独自性をどこに見出し、どう突きつけてくるか。
群雄に埋もれないだけの鋭さを出せるかどうかが、大事になりそう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

・無能なナナhttps://t.co/Ue3GgeGfhJ
孤高の学園で、異能達が挑むのは”人類の敵”？
パッと見ポップな異能力モノに見えるが、サイトに飛び散るカラフルな飛沫が、なんか血なまぐさい香りを放っている。
どんだけの裏切りで殴りつけるか、楽しみに待ち構えたい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

・アイドリッシュセブン Second BEAT！https://t.co/Nh7shbV4Vb
みんなお待たせ、アニナナだよッ！
すんげぇ良い所で止まってたアニナナが、苦節を乗り越え秋に帰還。
出来は証明済みなので、溜まった期待感を上回る仕上がりを震えて待つ。マージで待ち遠しかった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

・魔王城でおやすみhttps://t.co/MHlDyngxTC
サンデー連載の睡眠ファンタジックコメディ、待望のアニメ化。
可愛いらしいデザインを生かして、勇者魔王な座組をどう切り崩し、笑いを作るか。
甘すぎないよう、シニカルなセンスが活きてくれると、僕好みの味わいか。まぁ山崎みつえ監督だしな…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

・池袋ウエストゲートパークhttps://t.co/KpnRc4MXYS
今は平成何年だー！　石田衣良の池袋青春群像、まさかの初アニメ化。
傑作だったドラマ版に負けない、アニメ版独自の強みをまず味わいたい。
そしてあの街の風、あいつらの軽妙で真剣な生き方を、やっぱりもう一度見たいのよね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

・くま クマ 熊 ベアーhttps://t.co/5S0GY8tPuV
キュートなクマ装備で、問答無用の異世界無双ッ！
クマちゃんがマジで可愛いのは超強み。そことミスマッチな転生無双つーネタを、どう化学反応させてくるか。
柔らかな可愛げを生かした、スローライフな描写にも期待。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

・アクダマドライブhttps://t.co/D9W5VFhchX
関西と関東に分断された日本を、悪漢達が駆け巡る！
『”サタスペ”じゃん！』と歓喜した、パルプな質感満載の第一印象は非常にグッド。
アーバンな絵作りのセンスを、疾走感が欲しいドラマにどう活かしてくるか。泥臭さの残し方がポイントか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

・第501統合戦闘航空団 ストライクウィッチーズ
ROAD to BERLINhttps://t.co/4mvDEkm1LZ
501が帰ってきた、今度はベルリンだッ！　まーた宮藤が銃を持つのかッ！！
何しろ二回（以上）、一応の終りを迎えているコンテンツ。再びエンジンふかして空に舞い上がるだけのパワーを、初回に期待したい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

・安達としまむらhttps://t.co/mcOhN5LdEN
見てくださいよ、このテザービジュアル…。女と女が”強い”話だってのは、これ一発で分る。
その期待値を、アニメーションとしてどう駆動させるか。
何気ない日々の描写、そこに宿るかけがえなさを、皮膚で感じられる作品だと良いな。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

ご注文はうさぎですか？ BLOOMhttps://t.co/HUmJu40nJ9
みんな！　こころぴょんぴょんする準備は出来てるかッ！
そんな感じで、ごちうさ三期が大復活。
可愛いのもまったり出来るのも知っているので、ピンポイントでぶっ刺す狂気と毒気の鋭さが、健在なことを期待したい。かなりクレイジーだよな…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

・神様になった日https://t.co/vMSQFF8tyl
麻枝！　夏！　PA！！
すんごいフルスイングで勝負をかけてきた、”ボーイ・ミーツ・ガールの到達点”
そういう強いコピー使う以上は、ナメた”夏”っぷりじゃ許されねぇゾ…。
平成の亡霊を殴り飛ばす、新鮮な切れ味をアイウォンチュー。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

・体操ザムライhttps://t.co/hGPxzGeQOR
十月十日体育の日、MAPPAの体操アニメがやってくる！
『本当ならオリンピック合わせだったんだろうなぁ…』などと世知辛くなりつつ、演技シーンの美麗さは既にビリビリ来る。
いい意味で埃っぽい手触りを活かし、面白いもの見せてくれッ！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

・憂国のモリアーティhttps://t.co/bNdJUJ3ojs
”ジョーカー・ゲーム”のスタッフが挑むのは、犯罪による英国革命。
悪を以て善を為すピカロな筋立てに、美麗なる退廃がどう噛み合うか。
歪みや暗さを魅力的に描ききる、美術の地力がかなり問われそう。良い感じの英国風景見たいなぁ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

・おちこぼれフルーツタルトhttps://t.co/fftaFuPP0v
落第生でも味わい満点！　行くぜアイドル成り上がり坂！
もはやレッドオーシャンとなったアイドルアニメ界に、どういう角度で殴り込みをキメるか。
”ハナヤマタ”で魅せた独特の”湿度”が刺されば、面白いものが見れそうだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

・A3!(エースリー) -AUTUMN ＆ WINTER-https://t.co/CONzC1Gase
季節は行き過ぎ、MANKAIカンパニーに秋が来る。
A3アニメ後半クールも、色々あったがこのタイミングで起動。
主人公の骨がとにっかく太いので、どんなトンチキイケメンが演劇に狂ってくか、安心してバッチコイだぜ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

・禍つヴァールハイト -ZUERST-https://t.co/Xiqnc8Isw6
ソシャゲアニメには龍が潜む…古来よりの言い伝えだ。
Klab原作のダークファンタジーを、どういう味付けでアニメにまとめるのか。
スタイリッシュなだけではない、暗く重たいドラマの質感で、しっかり作品を支えてくれると嬉しいが…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

・D4DJ First Mixhttps://t.co/jm3SCtptT2
ブシロが放つ幾つ目かのビッグ・コンテンツ、今度はDJライブだよ！
三次元領域ではかなりブン回ってるらしいが、アニメの方の情報が皆無すぎてマジでよくわっかんねー！！
混迷を吹き飛ばす、クリアなご挨拶を初回放送には期待したい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

とまぁ、盛りだくさんの秋クールでした。
夏が色々あって削れた分、放送がズレ込んだ結果の群雄割拠…という感じでしょうか。
バリバリの気合を感じるビッグタイトルが目白押しで、まー視聴選別は大変そうです。他にも色んなジャンルが沢山あって、バラエティ豊かな秋になりそうですね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月16日

ヒーリングっど♥プリキュア：第22話『ラテ逃げないで！ 消える体と芽生える気持ち』感想ツイート

ヒーリングっど♥プリキュア　第22話を見る。
人として生きるには、あまりに純粋な祈りの精霊、風鈴アスミ。
強すぎるラテへの愛は重荷となり、拒絶が心を苛み体を砕く。幼子よりもなお脆く儚いその在り方に、只人たちはどんな手を差し伸べられるのか。
さぁ、”好き”を勉強する時間だよ！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

という感じの、アスミちゃん奮戦記第二弾（講師：沢泉ちゆ）である。
テアティーヌ様の地上代行として、ラテへの愛で細胞が満ちてる（NOT 比喩）アスミちゃん。
でも生身の存在と向き合うには、他人にも自分にも思いが純粋すぎる。
そんな不器用を、背の低いお姉ちゃんたちが見守る話だった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

”好き”は人間を活かす最大のエンジンだが、時に苦しく、時に暴力ともなる。
その危うさを見据えた上で、どう誰かを”好き”でい続けるのか。
アスリートとして自分の”好き”と苦闘するちゆ、歪んだ愛の影としてのシンドイーネと、脇役を上手く使った話作りがグッドでした。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

道徳の時間に流すような直球人倫話を、プリキュアでやってくれるのが好きなんですが。
今回はアスミちゃんが自分で答えを見つけられるよう、ヒントを出しくじけぬよう支えつつ道を作るちゆの、姉であり友であり先達であり教師でもあるような在り方が、アスミの歩み以上に善かっです。人間が太い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

というわけで、自分だけの部屋を用意してもらったアスミちゃん。でも大事なのはラテ様で、早速自分の領域に独占しようと引き込む。
アスミちゃん登場以来、ラテ様が結構面白い顔するようになったの、密かに楽しいポイントですね。『何だオメー』って表情だ。
©ABC-A・東映アニメーション pic.twitter.com/7EncM8fbNQ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

ラテ様は子供であり動物なので、聴診器使わないと言語でのコミュニケーションは出来ません。
アスミが”好き”を知っていく今回、その対象であるラテはあくまで、その心の中を言葉にはしない”他者”として存在している。
思いが完全に通じ合うなら、”好き”もすぐさま万能薬になって、何でも解決する。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

でも人間（精霊と動物だけど、この言い回しで良いでしょ）には必ず断絶が付きまとい、お互いのことなんて分からないのが前提だ。
分からないからこそ、自分の気持ち、やりたいことにクッションをかけて、相手が受け止めやすい形で手渡す必要がある。その配慮も”好き”のうちだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

アスミちゃんがガコガコ間違えつつ…も、その誤ち自体がかけがえない正解のような道を進む一方、ビョーゲンズは相変わらず、人間試験を全問失格していた。
愛を言葉にしつつも、価値は共有されず、自分の都合と我欲に留まる。そういう現状を、俯瞰のマグマが上手く切り取る
©ABC-A・東映アニメーション pic.twitter.com/87HzmoOnbE

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

アスミちゃんが追加されて光サイドの戦力強化されたと思ったら、敵さんもメガパーツを開発し、侵略は苛烈さを増していく。
このイタチごっこは、病魔との戦いの現場で毎日起こってることなのかなー、と思ったりした。耐性菌とか、予期せぬ急変とかね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

あまりにも現実的で、絶対に勝てない”病”との戦いをモチーフにする以上、プリキュアの戦いがシビアでハードなのは正しい目線だと思う。生老病死は、どうやっても終わらんのだ。
まぁ、地獄めいた消耗戦に飛び込んでる子供と動物を見てると、楽に勝ってほしくもなるけどさ…ヒープリ、マジ悲壮。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

前回はのどかが付きっきりで担保してくれた社会性を、家に三人きりのアスミは持ち得ない。
餌は山盛り、布団は過剰。溢れる愛はフルボリュームでしか駆動せず、”加減”の二文字など知ったこっちゃない。
ポンコツというか、マジでピュアすぎる…純愛が血管に詰まってる女だ
©ABC-A・東映アニメーション pic.twitter.com/BqklEjOJNA

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

ラテ様がママに言われるままの赤ん坊ではなく、彼女なりの自主性を持った児童であることは、ここまでも描写されてきた。
体が小さかろうと、力が弱かろうと、生命には個別の意思と尊厳があり、お世話されているからと言って全てを受け入れなければいけないわけでもない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

まぁラテ様も何かとベビーなので、アスミちゃんの重すぎる愛を上手く交わす能力は育ちきっていなくて、光り輝くドアの外側に自由を求め、何も言わず出ていってしまう。
ここでラテが何を考えていたかは、戦い終わったあとで分かるが、この段階では上手く通じ合えない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

ラテとの閉じた愛情に囚われていたアスミは扉の内側に置き去りにされて、自分の”好き”が機能不全に陥った原因も、当人からは教えてもらえない。
そこで足を止めるのではなく、フラフラと広い外界に足を運んで、ラテを探そうとするあたり、やっぱアスミちゃん、生来視野の広い子である。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

消えてしまいたいと思うと、本当に消えてしまう。祈りから生まれた精神生命体、マジめんどくさい…心と体が直結。
透明感ハンパないアスミの手を引いて、沢泉先生の人生授業開始だッ！　ひなたは仲間のため道化を演じて偉いね…。
©ABC-A・東映アニメーション pic.twitter.com/iPoGkhphjq

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

すこ饅をたらふく食べるアスミちゃんのもぐもぐ顔に『おお…たくさん食べて大きくおなり…』と、唐突に老いたりもするが。
食事、休息。
生物としての基本的な快を、”好き”と感じて実在を取り戻す機能は、アスミにも宿っている。
よく食べ、よく休む。健全な生き方は、まずそこから。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

それを供給するのが、ホスピタリティを追求する”旅館”の娘なところに、面白いめぐり合わせなども感じるけども。
精霊消滅の危機を美味しいこと、気持ちの良いこと、楽しいことの大量投下で乗り切っても、アスミの憂さは晴れない。
甘いものも、足湯も好き。でも、自分が生きるに足りる一番の”好き”は…

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

あまりにも巨大すぎて、客観視出来ないラテへの愛情。アスミを生み出し、活かしている存在の根っこ。
経験豊富で知性も鋭いちゆは、この段階で問題をほぼ俯瞰している。しかし当人が気づかぬ限り、”好き”という難問は落ち着きどころを見つけられない。
©ABC-A・東映アニメーション pic.twitter.com/QIjGWEeKWT

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

前回アバンで、のどかがアスミとの向き合い方に”覚悟”を決めたように。
賢い子供たちはより幼い存在を導くために、自分の内側で心を固め、より善く、より難しい道へと踏み込んでいく。
アスミちゃんに相談を聞かれないよう、光の漏れる陰りの中で話すのどかが、マジで成熟してる…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

どれだけ大事に思っても、他人はガラスの向こう側、直接触れられない場所にいる。ラテという他者へ伸ばした手を、アスミが怯えて引っ込めてしまうのも、そういう距離故だ。
しかしそれは、人間が人間としてあるための大事な距離でもある。
傷つけるほど近くなく、ふれあえないほど遠くもない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

そういう適正距離を見つけるのは、いつでも難しい…上に、永遠に続く探求でもある。まぁ、やってくしかねぇよな、人間でいたければ…。
複雑怪奇な人の世に、祈りから産み落とされてしまった純粋なる精霊。
アスミが巻き込まれた情報と感情の嵐に、友として先達として、何がしてやれるのか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

ちゆも仲間たちも、皆真摯に考え、しかし生きることの難しさに怯えず、自分が差し出せるものを手渡していく。
ホントねー、アスミちゃんが来てからの中学二年生、生まれたてのベビーにちょっと長く生きてる自分たちが何やれるか、マジ必死に考えて戦ってて偉いよ。言葉の真の意味で”大人”だと思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

先週からの三部作は、三人の中学生が人間・風鈴アスミに向き合う話なんだけども。
のどかは闘病体験からくる寛容と献身、ちゆは持ち前の知性とアスリートとしての経験値と、各々違った武器でベビーと向き合ってるのが、キャラが立って面白い。
アスミは先輩の良さを写す鏡やね。ひなた回も楽しみだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

『言葉で教えるより、ワシの生き様見とけや』と、不立文字の禅僧みたいな実践主義で、自分が”好き”と向き合う様子を見せるちゆ。
既にその想いを共有できてる二人とは、一人分遠いアスミの距離感。ちゆはそこにすっと入り込み、”好き”への距離を縮めていく。
©ABC-A・東映アニメーション pic.twitter.com/hoc1aIaNbn

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

高みを目指し挑み続けるのは、当然苦しい。
それでも飛べるのは、”好き”だから。
胸の奥から湧き上がる感情は、外側に出た瞬間、消えてしまいたいほどの痛みを生み出すことだってある。
でもそれを捨てられないから、生は苦しいけど楽しい。
ちゆにとって、飛ぶことは生きることなのだ。アスリート…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

そんな”好き”の難しさが伝わったのは、アスミの眼がしっかり開いていることと、そこに突き刺さるほど真剣に、ちゆが飛んだからだと思う。
何も知らない白紙のページに、”好き”でいることの輝きと苦しさを、一切覆いなく焼き付ける。
そのための画材として、ちゆはハイジャンプを選んだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

あんだけ頭が良くて、言葉も上手く使える子が、無言の身体表現をコミュニケーション・メディアとして選んだというところに、面白さを感じる。
ちゆはアスミのぶつかった問題に、答えを与えようとしていない。
それが自力で解けるよう解体し、補助線を引く。そのため一番信頼できるのは、跳躍する身体だ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

ちゆは凄く発達した知性を持ちつつ、知行一致する実践として最後に差し出すのは、”飛ぶ私”なのだ。
第8話にも描かれたように苦しい思いもしつつ、それを見てくれさえすれば必ず何かが通じると、全幅の信頼をちゆは”飛ぶ私”に抱いている。
この精神と身体の均整・成熟も、ちゆの強みなのだろう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

アスミは”好き”と出会ってから…それが上手く行かないこともあると学んでから、笑顔ばかりではなくなった。眉をしかめ、苦しんだ表情も見せる。通じ合えないことに、消えてしまいたくもなる。
でもそれが、”風鈴アスミ”という名前をもらった人間に、必ずつきまとう業なのだ
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

そしてその断絶は、必ず乗り越えられるとプリキュアは言う。
綺麗事どんと来い、理想形を書かずして何がお伽噺か。しかしそこに説得力を持たせるためには、色々苦労もある。
消えそうな友達のために、テンパりつつも必死に踊るひなたとニャトラン、マジ偉ぇよ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

今回ラテ様が、あんま良い子じゃないのが僕的に良くて。
情緒が育ちきってない子供が、自分の中にあるわけの判んねぇモノを言葉にして、周囲に全部伝えられるわけないじゃないですか。
今回背中を向けて逃げ出しちゃうのは、子供として人間として凄く”自然”だと思うわけです。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

そしてそういう状況は、周囲の助けでどん詰まりに至らず解決できるという希望を、プリキュアは表現し続けるわけで。
中学生たちがアスミに寄り添ったように、訳わかんなくなっちゃったラテ様にラビリンが寄り添い続けてるのが、ホンマ有り難いんよな…優しい兎ですよあの子は…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

身を削るほどの自責の中で、アスミはビョーゲンズに踏みつけられたみんなの好きを、自分の中にある好きを見る。
ここで”学校”という、家よりも公共的な場所にアスミを連れ出してきたことが生きるのが、とてもいいと思う。
家族以外の人、色んな価値観。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

ちゆが自分の背中と一緒に、そういう社会を見せておいたことで、アスミはビョーゲンズが蔑ろにするもの、世界の広さと自分の小ささを自覚できる。
アスミはそれを自発的に学び、自分にちゆが託してくれたものを思い出せる、風通しの良い子供でもある。愛という名前のエゴに閉じこもってはいない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

無論アスミが色んな事に気づき、自分と世界を変えていけるのは周囲の助けあってのことだ。自分の思いを率直に伝え、ラテと抱擁し直せたのは”好き”だけが理由じゃない。
でも断絶を乗り越えてもう一度抱きしめようと、消えそうになりながら近づいていけたのは、やっぱアスミがラテLOVEだからで。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

そういう公と私、他者と自己の交錯点にある人間と社会に、アスミが入門しプリキュアが見守る話として、今回かなり広範な仕上がりだったと思います。
出会った時はラテが思いを告げ、今回はアスミが寄り添うことでお互いが繋がり、身勝手な愛に立ち向かう力が生まれるのも良い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

『お前の愛は侵略行為』
愛ゆえに他人を蔑ろにするシンドイーネに鋭い視線を向け、踏みつけにされた尊厳に憤る。
闘争の機械でもあるアスミは、難しい”好き”に向き合うことで、自分の戦いが何に繋がっているかも学び取っていく。やっぱ、バトルは日常の答え合わせだな。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

逆に言うとビョーゲンズは、人間存在がどうしても抱え込む断絶を埋めようと、個人的にも社会的にも奮戦してねぇわけよね。
そういうバラバラな状態で生まれる”好き”は、適正距離を見失った暴力になりがちで。同じものを抱えていても、環境と意志で在り方は真逆になってしまう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

だから己の思いに素直に、周囲に目を配り、強く優しく美しく生きる事が大事だと、プリキュアは人倫のど真ん中を物語に練り込んでいく。
アスミちゃんがエゴの奈落に落ちそうな所で、色んな人に手を差し伸べられ、自分を変え世界を変えて大きくなってく姿、やっぱ凄く好きだな…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

ヒープリはマスコット枠が少年兵なので、メインターゲットと同サイズの共感を引き寄せるには成熟しすぎてる作りだと思う。半分くらい、プリキュアと同じ憧れ枠、というか。
ここで新プリを完全バブちゃんにして、人のあり方を一個ずつ学んでいく話にしてるのは、構成として面白い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

何も知らないからこそ、一つづつ学べばいい。
そんな正論を積み重ねていくためには、優しさと賢さと強さ全部が、当人にも周りにも必要で。
アスミちゃんを責めることなく、必死に考えながら誠実に腕を引いている中学生たちの姿を見てると、いつか大人になる子供に、人の理想を見せたい気概も感じられる

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

かくして、アスミは”好き”の難しさを知った。
万事まとまった後で、扉の向こうに逃げ出したラテ様が何考えてたか判るんだけども、『病気になっちゃったから、怒られると思った』はあまりにも…血の通った理由過ぎて…重い。マジこの子犬、賢明で善良過ぎる…。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

親は子を思えばこそ、病苦に心を砕く。責める気持ちなど一つもないのに、子は親の愛を知ればこそ、責務に心が苦しくなる。
”好き”の難しさは一方通行ではなく、ラテも背負い悩んでいた。そこにのどかが、自分の経験から助け船を出すのが”人間”って感じだった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

消えてしまいたいほどの暗がりを超えて、”好き”を知ったアスミ。
手を差し伸べた仲間と一緒に、輝かしい光を、あまりに広い世界を見る。無限に広がる未来に微かな怯えと、溢れんばかりの輝きを宿して、少女は進んでいくのだろう。
マジでええ話や…綺麗な〆だったなー。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

つーわけで、アスミちゃんの人間授業二時間目でした。ちゆが偉い。マージで偉い。
愛の難しさに振り回されつつも、世界に目を開いて自分を変えていくアスミの歩み。
それに寄り添いつつ、アスリートとしての自分を率直に伝え、知性と優しさを証明したちゆ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

”誤答”として出されるシンドイーネさんの”好き”と合わせて、舞台に上がったキャラクター全員の彫りが深まる、非常に良いエピソードでした。マージですこやか市の中学生、人間が太い。
そして次回はひなた先生！　あの子の資質と個性が、アスミとどう噛み合うか、マジ楽しみです！！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

追記　ヒープリは特に発達心理学からの解像度が高いプリキュアなので、そういうの好きな自分としてはアスミちゃん見てるのマジ楽しい。

しかし今週のアスミちゃん、美味しいご飯を食べさせたらキャッキャと笑い、お風呂で暖かくなったらニコニコ笑顔と、”快”の入力と出力がマジ赤ちゃんなんだよな…。
赤ん坊が子供に、そして大人になってく十数年を、撹拌と圧縮して三森すずこの声を与えたような存在だ…LOVE。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月14日

ヒープリ追記
アスミちゃんは歴代ベイビーと異なり、言語によるコミュニケーションと行動改善が可能な成熟度がある。
言葉が通じることで相手が善くなる、ということは伝わる言葉で話す責務を背負うということでもあり、保護者担当の中学生たちには、赤ん坊相手とは違う重さが乗っかる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月15日

一人間が自分の行いでどうとでも変わる。白紙を前にした教導役には、誠実と知恵と覚悟が求められている。
導く立場は相手をほしいままにする特権を意味しないし、してもいけない。経験が多いからといって、ボーッと座ってれば正しく手を引けるわけでもない。
そういう重さを、覚悟する瞬間。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月15日

それがここ2回、しっかり切り取られてるのは堅牢だと思う。
白紙をより良く色づけていく言葉と行いを、自分の中から引き出し手渡す責務。
アスミの存在は、三人の中学生に否応なくそれを要求してくる。それに応えることで、思春期の群像がより際立っていく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月15日

子供と大人の中間にいて、しかしプリキュアとしての戦いも、人間としての在り方も、ただの子供以上のものを求められる。
”正義の変身ヒロイン”という舞台立てが、かなり面白いものを照らし始めたな、と思っている。
ひなたとアスミのエピソード、どう書くか楽しみだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月15日

GREAT PRETENDER：第10話『Singapore Sky 05』感想ツイートまとめ

GREAT PRETENDERを見る。
偽物のヒーローと、焼け焦げたバレリーナと、翼を喪ったパイロット。
憎悪と苦痛に塞がれた、それぞれの記憶が新嘉坡に踊る。
悪漢が泥濘に首まで浸かる上に、広がる輝かしい空。
飛ぶことで救われるもの、堕ちることで生きるもの。
それぞれの輝きは、まるで花火のように…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

そんな感じの、シンガポール編最終回ッ！　である。
うーむ…正直評価が難しい。
今までの停滞を全部エダマメがぶっ飛ばし、善人がスカッと空を飛んで風通しが良くなる話運びも、その裏で狡く鐘を回収する詐欺師達の手際も、暗喩を上手く使った絵作り、独自の演出でよく冴えた。桜美かつしは流石だ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

なん、だけ、ども。
アビーもルイスもクラークもイザベルも、このエピソードで事故を開放するべきキャラクターのカタルシスが全部この話数に突っ込まれていて、ややリアヘビーな構成が過ぎる気がする。
ここで開放するために溜め込んだ結果、話全体が重くなった感じするし。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

今回のお話はアビーを掘り下げるエピソードだったと思うのだが、彼女がとにかく自分を解放しないために、空を飛ぶ話なのに立ち止まってる感じが強くあり、かなりフラストレーションがあった。
それがアビーのキャラ性なのだと、際立たせるための構成だとは思うけど。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

最後に一回だけ実現する真剣勝負を、爽やかに熱く見せるために、前座の嘘っぱちエアレースをタメた、ということでもあると思うけど。
虚実が入り混じり、人情と我欲が錯綜するあやふやさこそがコンゲームの醍醐味…てのも判るが、カタルシス前にチマチマ、アガりどころヌキどころが欲しかった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

ので、そういうのが全部やってくる今回は単品としてみるとすげー面白いけども、連作としてみると難しいな、と思った。
まぁラストカットのアビーの笑顔が”強く”て、アレで全部OKになっちゃう感じもあるけど。アレも散々陰鬱で凶暴な顔を書き続け、タメたからこそのカタルシスだしなぁ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

とまれ、物語はどすぐらい夜に煌めくナイフから始まる。
全てを焼き尽くされたアビーも、地面に叩き落されたルイスも、空っぽという意味では同類だ。
そんな同属が相喰む悲劇を、エダマメは体を張って止める。やっぱ、詐欺師やるには善人過ぎるな…。
©WIT STUDIO/Great Pretenders pic.twitter.com/k9plYLCbTw

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

ここが話のトーンとしてはどん底で、アビーもルイスも瞳はガンギマリ、殺し殺され修羅の顔である。
そんな彼らがちったぁ爽やかな顔をするためには、お人好しでお節介なエダマメの介入が必要になる。
というか、犯罪と怨恨にまみれたこの世界で”いい話”出来ることが、主役の特権と資質なのだろう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

第1連作で自分の物語に一つのケリを付けたエダマメは、大事なものがなにかもう見つけている。
そこから続くこのシンガポールでは、自分の中の宝物を他人に差し出して、擦り切れつつも助けを求めている連中に手を差し伸べていくことになる。
話数をまたいで見える人間的成長は、やっぱ良い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

自分の大事なものを見定め据わった腹は、詐欺師としてのエダマメのパフォーマンスも上げる。
獅子身中の虫として、サムを地獄にハメる誘導役。ローランの計画の要を、エダマメはしっかりやってのける。
弟相手のときもそうだけど、相手ノセるの上手いよな…。
©WIT STUDIO/Great Pretenders pic.twitter.com/qCcx6DoK1m

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

真剣勝負にこもる思い、人一人の人生。
エダマメがプールサイドでサムに問いただしているのは、彼が金より大事だと思っている（から、第5話で金捨てて自首した）ものだ。
サムはその全てを『下らない』と切り捨てる。その情のなさが、最後の最後で弟の反抗、自身の破滅を呼ぶ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

ローランも人間の気持ちがないクソ野郎で、エダマメ自身をハメた爆破座薬を当人に手渡し、詐欺の始末を預けてくる。
しかしそれを、人情家であることを止めれないエダマメが跳ね除ける事は計算に入っていて、抜け目なく保険もかける。
一流の悪党は、人間の甘さも見据えて計画を作る、と。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

ここら辺、悪党としての格の違いが見えて面白かった。
なんとなくだけど、ローランは甘ちゃんで善人なエダマメが、自分が渦中にいる悪徳に引き寄せられてるミスマッチを面白がってるのかな、と思う。
だから詐欺師は止めさせないし、自分のビジネスを潰す決断も、掌の上で転がしてる。…悪魔じゃん！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

流石にヤッパが出てきて限界だと思ったのか、エダマメは今までの足踏みが嘘のようにガツガツ動き出す。今回のエダマメ人情無双、カタルシスのドミノ倒しはマジで気持ちよかったね。
将を射んと欲すれば先ず馬を射よ。まずはお嫁さんの攻略からである。
©WIT STUDIO/Great Pretenders pic.twitter.com/sePPYNmNI7

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

アビーの帽子、ルイスのフード。
イザベラとの対話を塞ぐ藤棚。
クラークがアルコール入りの哺乳分を加え、身を預ける空飛ぶ揺りかご。
何かを覆い隠し、閉じ込めるモチーフが今回は多く、それは全てから解放されて広い空を泳ぐクライマックスへ繋がっている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

本当は、何がしたいのか。
LAでのビズ、監獄での日々でエダマメが向き合ったものを、彼は今回のアクターに問いかけていく。
爆撃はアビーの家族と心だけでなく、ルイスの魂も焼いていたこと。
偽物のヒーローも、空を飛びたいと願い、それがヒールを焼き尽くしたこと。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

今まで覆いの内側に隠され、閉じこもっていたものが一気に飛び出してきて、その感情が何かを表に出させる、大事な足場になる。
…やっぱイベント多すぎな回で、今回やったことを二話に分割してたら、丁度いい濃度になってたんじゃないかな…。（しつこい）

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

しかし解放それ自体は、的確な画作りとメタファーで気持ちよく展開していく。ドラマに必要な映像を、しっかり創れるクオリティの高さは、このアニメの強みだろう。
誰かが用意したシートから降りて、王子は真実と本音を口にする。
©WIT STUDIO/Great Pretenders pic.twitter.com/BqoL9XkqFR

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

用意された台本ではなく、魂が焼け付く真剣勝負を果たしたい。
それはローランのビジネスからはみ出して、関係者全員が自由に飛べるよう走り回るエダマメと、どこか似た衝動だ。
望む善を掴みそこねて詐欺師やってる、挫折加減もよく似てる。クラークはエダマメのシャドウでもあったんやね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

エダマメが煽った怒りを燃料に、偽りの玉座から飛び出すことで、クラークはようやくキャラクターとして自立し、自分の願いを抱えて物語へと進み出ることになる。
こうやってキャラが鎖を引きちぎる瞬間はとても好きで、そういう開放が連鎖してクライマックスが加速していくのも気持ちいい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

感情の連鎖爆裂はアビーにも届いて、バカにしてたカプセルトイで運命を占い、譲れない信念の話をエダマメとすることになる。
帽子を外し、相手の顔を見る。甘っちょろい情熱を生身で受け止めて、心に降り積もった灰に火を入れる。
©WIT STUDIO/Great Pretenders pic.twitter.com/dqe35WHsn4

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

そうしても言いかな、と。
狂える半死人に思わせていいくらいには、エダマメは色々頑張ってきて、それがようやく実るシーンだ。
今まで焼け焦げたメダルだけを握りしめていたアビーが、他人の象徴を自分の手のひらの中に入れるシーンでもある。カプセルトイ、良い使い方してるよな。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

色々文句も言うけど、シンガポールで醸成されたアビーとエダマメの関係は凄く好きだ。
簡単には癒やされない過去の傷に、あえて踏み込み人情を差し出すエダマメと、押しに押されてようやく生きる方向に転がりだすアビー。
それは、腐れ詐欺師にもどうしても宿る、人間味というやつで。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

ローランが悪辣に取り回すクールなビズだけだと、やっぱりドラマを駆動させるにはちと足らなくて。
エダマメのチョロい人情物語があってこそ、この話にはじんわりした熱が宿るのだと思う。
それが仲間に伝わり、もしかしたら変えていく一人目として、シンガポールのアビーがいるってのは、結構好き。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

エダマメくんの人格無双はまだまだ続き、ついにトラウマの当事者が顔を突き合わせ、ナイフではなく言葉を交わす場面を創る。ホント偉いよ～。
明かされる反逆の真相、明け透けなルイスの態度。フードを外した男に対し、帽子をかぶったままの女。
©WIT STUDIO/Great Pretenders pic.twitter.com/UJNWXBNLMg

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

アビーのデレ期は最後の最後なので、この段階ではルイスの露悪と率直に背中を向けたている。
まぁルイスも、焼け焦げた自分を薬で落ち着かせながら、地べたの暮らしをなんとか生き延びてるからな…なかなか、素直にはなれない。
そうい奴らまとめて、自由な空に飛ばすのがエダマメだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

彼は自分を陥れた悪魔の薬を、結局使えない。
インチキ勝負の金目になる偽パイロットの代わりに、後悔が焦げ付いた敗北者を、コックピットに乗せてしまう。
信念があれば、金でも王様でも刺す。
豊臣秀吉志願が、明智光秀になっちまったな…。
©WIT STUDIO/Great Pretenders pic.twitter.com/crL6inEFoF

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

そんなお人好しが用意した玉座に座って、ルイスもようやく枷を外す。地べたで這いずり回ってた心を、空に飛ばす翼を用意してやったことが、アビーの執着も解きほぐしていく。
エダマメの勝手な善良さが、関係者全員爽やかに飛ばしていくのは、やっぱ良い。主役が主役してる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

アップテンポな音楽ではなく、アビーの思い出を込めた静かな舞曲に乗って、子供のように男たちが舞う。あの時付けそこねた決着を、台本破りで自由に飛ばす。
嘘まみれだったシンガポールの空が、ようやくその本来の色を取り戻す中、錯綜する思い。
©WIT STUDIO/Great Pretenders pic.twitter.com/ImXY9tAtxP

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

先週ルイスが空を見上げ、虚しい夢を追いかけてるシーンでもそうだったけど、加害者（パイロット）の傷と被害者（バレリーナ）の痛みを音楽で重ねて、翼を喪った同志として見せる演出は、メロウで詩的で凄く良い。
アビーの過去設定がエアレースという題材と噛み合い、上手く話をまとめてくる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

固くて暗いアビーの殻をこじ開けて、全力で真心を届けてきたエダマメのお節介も、ようやく実を結ぶ。
今まで頑なさの象徴だった帽子がここで、アビーの柔らかな心を写さない優しい防壁として機能してるのも、なかなか好きな演出だ。エダマメの慈愛の表情も、最高に良い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

こんだけ人情のドミノを一気に倒し、みんなをいい方向に導ける資質があるエダマメが、詐欺師をやっている。
善への信念を殺せず、ビジネスひっくり返すとしてもやりたいことやっちまう男が、ハメられて詐欺を続けている。
やっぱ、ラスボスローランなんじゃねぇかな、と思う。師匠超えの構図にもなるし

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

エダマメが今回横紙破りをやったのは、ビジネスを台無しにしても判ってくれるという、コンフィデンスマンへの信頼があったからだと思う。
それに応えるように、悪党は完璧なハメ手で、クズの財布からすべてを奪う。
『ンッザマァァ！！』と、気持ちよく吐き出せるの大事
©WIT STUDIO/Great Pretenders pic.twitter.com/oBWVM0Y0wM

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

ビジネスの成功だけ考えれば、日本でそうしたように裏から手を回し、気付かれないようにエダマメを操作すればよかった。
しかしローランは余計な手数をかけ、危ない橋を渡ってハメ手を作った。この”遊び”に、この詐欺師がエダマメに抱く執着の強さが、滲んでいる感じもある。エダマメ好きすぎこの男…

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

『自分たちで勝手にやったんだから、銃弾のリスクも自分たちで乗り越えろ』とばかりに、訪れる最後のピンチ。
高所恐怖症の男は飛べない女を抱え、落ちることでなにかから解放されていく。それは多分、偽物の王子も同じだ。
そして傷ついたヒールは、飛ぶことで再生する
©WIT STUDIO/Great Pretenders pic.twitter.com/guZlqJ2kIp

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

失って、手に入れる。落ちることで、飛ぶ。
矛盾に思えるものが背中合わせに繋がっている人生の不可思議が、”空”を中心軸に踊るこのエピローグは、とても綺麗で好きだ。エアレースという題材にもあってるし。
空からの爆撃で人生焼かれたアビーも、偽物のパイロットであることを拒絶して話がまとまる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

逆に心底飛びたかったルイスは、爆弾がついてない飛行機に乗り込むことで、愛する女との関係を修復し、未来に向かって踏み出すことが出来る。
真剣勝負を望んだ結果、戦友を壊してしまった偽王子も、兄の用意した台本を破り捨て、ついでにエアレース自体もぶっ壊して、自分の道に進む。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

終わることで、始まるものもある。
それは自ら檻に入ることで、詐欺師として人間として大きく成長したエダマメが、第1章で体現した不思議だ。
アビーもまた、お節介な仲間命がけの真心を受け取って、灰の中から立ち上がっていくのか。
©WIT STUDIO/Great Pretenders pic.twitter.com/KyotWYOHNG

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

第3章でのアビーが楽しみになる、最高の笑顔でした。
エダマメのグズグズ顔も、最高にかっこいいよ…。事前に『コイツ高い所まじダメなんで』と見せてたことが、アビーの未来のためにシンガポールの空に踊った侠気を、上手く強調すんのよな。
7話のオチが”仲良く墜落”だったのを拾う、リフレインも良い

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

あの時は獣のようだったアビーは、シンガポールの鬱屈と解放を経て、少女のように笑う。
それを取り戻すのが、エダマメが本当にやりたいことだから、彼は台本通りの詐欺仕事に背中を向けた。
さて、この次に人情野郎が攻略していくのは誰か…はたまた、別の角度から物語を創るのか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

タメまくりだった第2章の値段は、やっぱ今後のお話の中で決まってくるかな、という気持ちもあります。第1章を経てのエダマメが、今回マジ最高だったようにね。
そこら辺含め、次はどんなお話が来るのか。やっぱり楽しみです。
…やっぱ二章ラストの今回が良かったから、こういう気持ちになるんだろうな

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

追記　ピカレスク・ブロマンスとしての側面が、ローランのネットリした執着で常時テカってるのは、このアニメに”艶”を与えて良い所だと思う。

グレプリ追記
『善を追い求めつつそれを為せない偽悪者と、人間味溢れる面白さに魅了された悪魔』としてエダマメとローランを見ると、かなり古典的な聖人譚なんだな、この話。
悪魔と聖人の恋は実らないのがセオリーだが、さてローランの誘惑はどうなるのかねぇ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日

追記　視聴メディアの違いによる、第2章の受け取り方の違いについての会話。

（鍵アカの友人からのリプライ。公開許可済み）
自分はネットフリックスでエピソードまとめてみてるのでルイス周りを随分後ろに持ってきたなぁ程度の認識ですが。とにかくうまくいかない展開多いので、一週一週見てると確かに重いかもと思いました。
それに対する僕の返答。

週刊連載と単行本で漫画見る時の、感覚の差に近いかんじですかね。
ネトフリで一気観する視聴体験を前提に、エピソードを組んでるのはあるかもですね。
話の作り方が、24×5の二時間映画に近いんですよね…分割すると、ちょっとギクシャクするポイントかも知れません。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月13日