イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

おおきく振りかぶって 21

ひぐちアサ講談社。夏の大会(とその後)に一区切り付いて、新章開幕な21巻目。新人戦は2ページで省略されて、秋大会にグイグイと突入。まぁ、省ける所省かないと、何時まで経っても進みゃしないしね。モモカンの過去とか文化祭とか色々ありつつ、メインはVS武蔵野第一。実は直接対決は初めてなのか。武蔵野第一は力入れて描写されていたので、なんとなく戦っていたような気がしていた。
モモカンが野球部に拘る理由は、死んじゃった戦友との思い出が大きいと今回仄めかされました。あくまでチラッと見せた程度で、本腰入れた描写はなし。そのチラッ、が心臓に悪いんだけどな。なんかフラグめいたことも口走ってたし。しかし、栄口くんの「人って死んじゃうもんだし」発言が重てー重てー。お母さんのことを、ある程度以上しっかり受け止めているのが栄口くんだな、と思いました。
あと文化祭の「危うきに近寄らず」描写は、いい子チャンなのかモチベ高すぎなのか、多分後者を狙っての描写なんだが、やっぱりこの子らは本気だなぁ、と。合宿して、夏負けて、合宿して、という段階を踏んでのこの段階なんで、あのレベルの自制心を高校生が持っていても、なんとなく納得がいくのは21巻積み重ねてきた強みだ。そして、そういう部分が「勝つ」説得力になると。
全員一年のままの西浦に比べると、ガラッとチームが変わった武蔵野第一。一年たちはイキもいいし実力もあるし、榛名は尊敬されていて名実ともにチームの柱だ。となると、やっぱり女房役秋丸の不甲斐なさが目立ってくる、と思ったら、なんとなく良い感じな部分を見せてきて、気持よく裏切られたな、という感想。まぁやっぱりメンタルもパフォーマンスも穴だらけなんだけど、そこを改善させる予感を上手く見せている。見せた上で裏切るのが、この漫画だけど。(そしてそれが気持ちいい)
あわや危険球で榛名との打席を勝ちにいった安倍-三橋コンビの、モモカンに説教された後のやり取りが、ちょっとした成長を感じさせていい。「オレおかしくなる」「オレたちだよ」というのは、依存しすぎず強制しすぎずの、いい距離感だと思う。一方榛名-秋丸の方は、榛名の方の期待感が空回りして、それでもなお、付き合ってた時間の長さでフォローが出来てしまっている状況。榛名の投手としての仕上がり方も相まって、結果としていい試合にされてしまっているけど、さて、ここからどう「バッテリーの間合い」が影響してくんでしょうか。楽しみですね。