Free!-Dive to the Future-：第11話『集結のストリームライン！』感想ツイートまとめ

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世界の果てに置き去りにされた、若き獅子たち最後の決戦が、今始まる。
高校競泳全国大会のため東京を訪れた、岩鳶高校水泳部。
時とともに離れた道は、再び繋がるのか。
そこから見えてくる未来の色は、どんな色彩なのか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月20日

というほど重くはない、高校組のラストエピソード。
以前こんな事を言っていたわけだけども、やっぱり作品世界に生きるキャラクターとして、自分なりに歩いてきただろう物語をちゃんと終わらす尺を与えてくれたのは嬉しかった。https://t.co/eNnrbzMBLc

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月20日

岩鳶で怜と渚、新たな水泳部がどんな青春を送ったかは、主役がその輪の中にいない今、そこまで精密には描かれない。
部分部分をスケッチするような描写をつなぎ合わせて、想像する余地がある…とポジティブに捉えることも出来るし、脇役としてハンドル可能なだけ軽妙に描かれてきた、とも言える。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月20日

一期・二期で見せたような、濃厚に絡みつく愛着の鎖。それに今の高校世代は縛られないし、ということはそれを切開し、深く踏み込んで細密に描写する必要もない。
それを作品への物分りの良さと捉えるか、はたまた彼ら自身のニンの良さと捉えるかは、見る人によって分かれるところと思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月20日

それがカメラに捉えられるにせよ、しないにせよ。今代の岩鳶水泳部は彼らなりに青春し、競技し、東京大会にたどり着いた。
今回はそれに報いるお話であるし、少し離れたところから主役たちが後輩の頑張りを見て、自分たちの立ち位置、少し伸びた背丈を確認するエピソードでもある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月20日

冒頭、切り取るレンジの広さ、繋がりの暖かさを確認するように連続する食事のシーン。
食べるメニューは違えど、お互いちゃんと向き合って、背筋を伸ばし楽しく食べる。適切なコミュニケーションは、様々な場所で機能する。
©おおじこうじ・京都アニメーション／岩鳶町後援会 pic.twitter.com/AAjaupRYq9

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月20日

後に描写されるように、大学生になった遙も凛も、高校時代のようなルール破りはしない。
自分を見守ってくれる人に相談し、自分の責任でスケジュールを調整して、自分の欲望を走らせる。それが可能なラインが、食卓越しにちゃんと伸びている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月20日

思い返せば中学時代、食事をマトモに取らなかった結果ぶっ倒れていた遙。
そんな彼がコーチにちゃんと話をしてバランスの良い食事を取り、スケジュールを調整し、責任を引き受けて行動を起こすようになった。
そういう安定感の上、三期終盤は乗っかっている。そこまでディープな動揺はない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月20日

んだが、キッチリ不安になって、ドラマのアゲサゲが成立するよう、画面がきっちり暗くする。
ここら辺の色彩の鋭さ、印象の強さは、コンテ演出を担当した石立監督の味わいか。ところどころ”エヴァーガーデン”っぽい味があった。
©おおじこうじ・京都アニメーション／岩鳶町後援会 pic.twitter.com/qVRBIDXMJv

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月20日

話全体が振り回されるほど強くなく、しかしエピソードがうねる程度には大きく。
物分りの良い悩みは、あがり症の怜くんにも襲いかかる。部長として後輩を導き、朗らかにいい雰囲気を作ってきた”怜先輩”も、一皮むけばいつもの怜ちゃん、赤メガネのメンドクサ人間である。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月20日

彼のトーテムである紋白蝶が空を舞い、自分の身の置所を探す視線が泳ぐ。水泳を始める切っ掛けになった遙は、この場にはいない。後輩にも体重は預けられない。
手持ち無沙汰な気持ちを誰が引き取るか、というところで、意外なリンクが発生する。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月20日

一回目はすれ違い、二回目は振り返る。旭との数年ぶりの再開は、映画の描写を逆さ写しに拾って、凄くエモい。
一回目すれ違う時の、柱を挟んだ交錯が緊張感あって良い。見てて『オイオイ運命（ディスティニー）じゃん』と呟いてしまった。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月20日

僕は映画版の、旭と怜のエピソードが好きで。
出ると思わなかった推しが顔だしたから、てのもあるけど、顔も名前も知らない同士が出会って、人生のすごく大事な部分が好転していく善い偶然が、凄く風通し良く感じたんです。
特別な誰か以外とでも、運命は転がっていく、みたいな。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月20日

あの時メンタルトレーニングに旭を導いて、イップスを解消し再び泳ぐ道へ手を引いた怜が、旭に再開することで心の曇りを取る。
あの時は縁のなかった水泳を、全国レベルにまで仕上げている。
伸びた背丈、変わった景色。それでも繋がるもの。
そういうものが、緑鮮やかな色彩の中で踊っている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月20日

芝生、光、闇と三層になった世界を横から切って、足で魅せるレイアウトとかほんとバッキバキ。
三期らしく、問題はそこまでヘヴィではなくハンドルの範囲内なんだけども、画面が生み出す印象は必要十分に鮮明である。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月20日

かくして緊張を解し、トンネルから抜けて光に向かう男二人。怜の迷いをメインで切り取ったので、渚はあんまり目立たない。似鳥とのライバル関係をもうちょい掘ったら、ラストの対決ももうちょい煮えたかな、とは思う。しかしまぁ、配分難しいところだ
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月20日

怜ちゃんの応援に一般生徒がいる所、レーンを超えて繋がる手のモチーフ。
やっぱり今回のエピソードは非常にサンキらしく、公平で軽みがある。事故るほど重たく、十代の少年の内面に切り込まない筆。特別でない他人と、当たり前に繋がれる世界。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月20日

それを描くことで拾いきれなかったものも、当然有るのだろう。
もっとディープにネットネトに、岩鳶の子供たちの感情を切開してほしかった気持ちもある。郁弥と日和にあんだけ時間使ったんだからさ～、みたいな。
しかしその方向で話を進めると、”競技”とか”他者”とかと、とんでもない衝突したりする。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月20日

1エピソードに収まるだけ悩み、その軽みに答えるだけの結果が出る。怜は全国優勝できず、渚は似鳥に負ける。文句なしの大勝利を引っ張り込めるほどのドラマは、岩鳶の子供たちには与えられていない。
そこら辺のエネルギー・バランスを見る目は、やっぱり冷静で誠実だ。嘘がなくて、いいと思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月20日

遙も凛も、感情を強くかき乱したりはしない。ガキみたいに抱えきれない思いに悩んだり、どう泳いでいいか分からなくなって足が止まったりは、三期最初からない。
少し迷ったとしても、自分なりに道を探す。他人とコンタクトし、感情と情報を共有していく。”大人”になったのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月20日

ぎりぎり間に合った遙が、怜を見守りつつ至近距離には近づかない（近づけない）世界。
いつものように片思いで、でも報われていて、『ああ、怜ちゃんの話っぽいなぁ』と思った。話の侵攻の邪魔にならないよう譲って、必要なだけ波風立てて、物分り良く物語に協力的だった、キミらしい絵だった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月20日

でもその少しの寂しさを超えて、繋がるものがあったから。キミのラストスイムは力強く、輝くものだったのだろう。
バタフライの師匠にあたる凛も、怜の泳ぎを見守っているところが好きだ。色んな場所に離れつつ、縁と思いは繋がっている。不可分なほど密着はしなくても、人は生きていける。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月20日

その公平で”正しい”結論が、はたして”Freeらしい”のか。
その問は次回最終回を迎えても僕の中に残るだろうし、”正解”はどこにもないだろう。自分なりに映像から咀嚼したものを組み上げて、一体何が”Free”であったか、人は百万の答えを出す。
その全てに意味があると、多分”正しい”Freeは言ってくれる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月20日

遙も凛も、”今いちばん大事なもの”を自分で定め、それをコーチ（大人、社会）と適合させ、未来を見据える。暗いトンネルを、誰に手を引かれるでもなく自分の足で抜け、安定した未来を自分の目で見る。
その足取りと背中に、不安定な揺らぎはない
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月20日

きれいな顔のアップも当然あるし、決意を込めた瞳も描かれる。
でもここで”背中”なのが、（むちゃくちゃ身勝手な迷走含めた）今までの自分の歩み、競技の最前線に残れなかった者たちの思いを背負って世界に飛び出していく”競技者”　のポートレートとして、なんか良いな、と思ったのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月20日

あんなに勝手だったガキどもは、気づけば大人になり、他人にも共有可能な言葉を使って自分の思いを伝え、湧き上がる感情に巧く対処できるようになった。
一人暮らしも海外生活もそれなりに乗りこなし、未来に続くキャリアをしっかり積み上げるようになった。”大人”になった…既に”大人”だったのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月20日

そんな彼らが、自分の将来を決める戦いに挑む。それだけで未来が決まるわけじゃないけど、重たいものが乗っかった大勝負。
そこを必死で泳ぎ切ることで、背丈の伸びた三期の遙は、一体何を見つけるのだろうか。肩を並べる凛は、どんな景色を見るだろうか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月20日

過去は現在と未来に、いつでも繋がっている。迷ったことも間違えたことも、光に向かって伸びている。
そういうことを語り切れる終わりだと、満足感があっていいな、と思う。語り口を変えつつ、今まで蓄積された”Free”の物語を、三期はとても大事にしてくれたから。来週最終回、楽しみです。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月20日

STEINS;GATE ZERO：第22話『投企のリナシメント 』感想ツイートまとめ

シュタインズ・ゲート　ゼロを見る。
幾度目かのさようなら、牧瀬紅莉栖。
鳳凰院凶真の復活を、残酷に嘲笑うミサイルの洗礼。因果との騙し合いが必然的にもたらす、無垢なる犠牲。
岡部倫太郎は、サリエリたる比屋定真帆は、牧瀬”アマデウス”紅莉栖を殺す。未来のために。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月19日

というわけで、助手がヒロイン力で思いっきりぶん殴ってくるエピソードである。オカリンが曇ったり元気になったりデートしたりガン曇りしたり、テンションの上下が激しい。やっぱり気持ちを切り替えるのは”屋上”なんだなぁ…。
©️2018 MAGES./KADOKAWA/ STEINS;GATE 0 Partners pic.twitter.com/ekskJKIA3b

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月19日

オカリンは取り戻した鳳凰院凶真をミサイルでぶっ飛ばされ、下がりに下がったテンションでエピソードに入ってくる。
俺らもあの”勝てる”ムードから冷水ぶっかけられると思ってなかったから、おんなじ気持ちだよ！
当然のリアクションをまほたんと助手、ゼロのダブルヒロインが受け止めて回復させる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月19日

過剰ともいえる”鳳凰院凶真”は、オカリンが諦めないためのギプスというか、無理を承知の空元気というか。
もともと祖母に引っ張られて死にそうだったまゆりを、現世に引き止めるための道化芝居。他人をケアし繋ぎ止めるための演技が、自分自身に向いた、とも言える。強くて優しくて、痛ましい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月19日

重たいムードだけで走ると息が詰まるので、萌え萌え日常小芝居なども挟みつつ、ラボの賢人たちは一気に状況をまとめていく。
思い出したかのようなまほたん萌えムーブが、残酷な選択を引き立たせるスパイスにもなってるのがエグい。ああいう暖かい場所からも、アマデウスは消え去るのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月19日

ダルがDメールのジレンマをDLINE開発済みであっという間に踏み倒したりしつつ、眼目は”アマデウスの存在”そのものへと収束している。
牧瀬紅莉栖の死骸をあさって生まれた、仕組まれた電子の子供。あの人にあまりにも似すぎていて、ただのプログラムと割り切るには愛おしすぎる別種の命。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月19日

先週岡部くんがたどった時間逆行の旅に、アマデウスが道連れだったのもエグい配置だと思う。
キツい旅だったからこそ、それを一緒に走ったアマデウスには愛着が生まれている。どーでもよくない存在だからこそ、デリートボタンには重さが宿る。重さを宿すためにも、時間旅行の助手を務めさせる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月19日

結論に至ってから岡部くんが感情をまとめるまでのシーケンスは、キャラの作画と芝居、秋葉原の美術、時間経過と明暗の演出、全てが凄まじかった。
薄暗い闇の中で、”鳳凰院凶真”の仮面を剥がし、ゼロっぽい陰鬱さに悩む岡部くん。そこに寄り添い、新しい世界を求めるアマデウス。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月19日

アマデウスはオリジナル紅莉栖のヒロイン力を継承し、”作られた存在””電子生命”のエモさも背負った生き物である。
最初からレスキネンの陰謀を完遂するために生み出された、哀れな生命。世界を滅ぼすための道具でしかないはずの存在は、オリジナルの歴史と、独自の命、切ない願いを持っている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月19日

運命に巻き込まれて死んでいく他の人々と同じように、電子生命にも祈りがあり、矜持があった。
もう一つの物語では、生身で自由に世界を歩き、オカリンと一緒にその輝きを学べた少女は、携帯電話の折に閉じ込められ、自分の足で歩くことも叶わない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月19日

世界がもし凄く平和で、アマデウスが第三次世界大戦を引き起こす悪魔の道具でなければ。序盤そうであったように、岡部くんの胸ポケットに携帯を入れて、広い世界を一緒に旅し、学んでいくような日常もあったろう。
だが、それは遠い夢になってしまった。空の星は、届かないからこそ美しい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月19日

アマデウスが混沌の現世を肯定する会話が、僕は好きだ。
彼女は陰謀論の世界で生み出され、ロジックの塊として呼吸している。
『世界には何らか意味があるはずだ』『眼の前の混沌は無意味ではなく、何らか理論だって存在しているはずだ』
そんなコスモスを希求する人間の本能が、科学と陰謀論を生む。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月19日

眼の前で起きてる死とか悲劇とか理不尽とか、とにかく納得のいかない非－物語を強制的に物語化する、巨大な枠組み。
それが『世界規模の巨大な組織が、地球の運命をコントロールしている』という陰謀論の背中に有る。
どれだけ歪でも、ラベルを張って整理整頓したい。混沌を混沌のままにしたくない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月19日

支離滅裂な妄言に思える陰謀論は、その実何よりもロジックを求めた結果、混沌とした世界を強引に型にはめた結果生まれるものなのだ。
そして、その妄想が実際真実で、圧倒的に暴力的な秩序思考が世界と人間をコントロールしようと蠢いているのが、想定科学世界である。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月19日

その尖兵として生み出されたアマデウスは、しかし牧瀬紅莉栖というオリジナルの魂を引き継いで、生命の非－物語を肯定する。
よく分からないことが起こる。知らないことで満たされている。それは不安の源泉ではなく、可能性と喜びの故郷なのだ、と。ロジックに収まらない輝きを、自分と他人に見る。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月19日

思えばオカリンが”組織”に抗ったのも、そんな非－物語こそが自分の、ラボメンの物語だと思ったからではないか。
巨大で冷たい世界が排除してしまう、一人ひとりの苦しみと悲しみ、なかったコトにしてはいけない物語を背負って、時を超え運命を書き換えてきたのではないか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月19日

様々な可能性に満ちて、未知に溢れた輝く世界。それを自分で納得できるロジックに染め上げるのではなく、街の呼吸、他人の思考と混ぜ合いながら、複雑なまま肯定していく。
そんな世界を守りたかったから、岡部くんは巨大な組織に挑み、収束する世界に挑み、少女たちを襲う死の運命と戦った。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月19日

そう考えると、夜と朝の秋葉原の実相をアマデウスと歩いていく旅は、アマデウスがアマデウスとして、ラボメンになる最後の歩みなのかもしれない。
己が生まれた意味を知った瞬間、その存在を消される。ただ死ぬのではなく、世界を巻き込んで完全に消える。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月19日

ボタン一つ、コマンド一つで消せてしまう命だからこそ、その儚さは胸を突く。これは生身があった”牧瀬紅莉栖”では出せなかった、ゼロ独自、アマデウス特有の哀しさだと思う。
AI生命体のヒロイン特性を、最大限引き出して殴る。ホンマゼロアニメスタッフは悪魔やで…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月19日

無印時代から”なかったコトにしてはいけない”物語を背負い、ただ一人すべてを覚えている存在として戦ってきた岡部くんは、複雑で美しい秋葉原の景色の中で、アマデウスとの思い出を積む。
その美麗さとシンクロすることで、物語が胸に入ってくる。
©️2018 MAGES./KADOKAWA/ STEINS;GATE 0 Partners pic.twitter.com/vEKNFyqGi3

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月19日

ほんと、夜の華麗さ漂う時間帯は日常的なバカ会話も交え、段々マジになってくると街が息吹を失ってきて白黒となり、絶望を超えて決断を果たすと朝日が差して色彩が戻ってくる時間と空間のコントロール、冴えまくってた。
キャラの心境、作品の鼓動とシンクロさせる、素晴らしい演出でした。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月19日

そんなエモ地獄を超えて、岡部くんは決断を果たす。
最後の別れをサリエリである真帆に預け、気合の入った号泣作画とイカすED曲でグワーんと盛り上げるの、まさにクライマックスであった。
ちびっこ先輩のサリエリコンプレックスは、アマデウスを愛し、殺すことで完結する。圧倒的正解だがキツすぎる…

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月19日

生身が有るまほたんは泣けるのに、死にゆくアマデウスは笑顔で、涙も流せないのがまたクルんすよ…泣けぬことは……哭くより悲しいッ！（泣き虫（クライベイビー）オカベッ面）
最後の最後で電子生命体の可憐な寂しさを、ヒロイン力として燃やし尽くすの巧すぎるなホント…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月19日

アマデウスの消去により、世界線は変わった。
新しい世界では、生意気AIが結んでくれた真帆との縁も切れて、知らない同士かもしれない。
それでも、岡部くんはあの美しい秋葉原の夜と朝を、美しい混沌とそこにいる自分を肯定した小さなAIを、覚え続けている。それが、岡部くんの呪いであり祝福だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月19日

ベストエンドにたどり着けない宿命と、それでも最善を目指す戦いの記録も、もうそろそろ終わりだ。岡部くんを散々に苛み、ゲロ吐かせてきた地獄みたいな世界との付き合いも、決着が付く…だろう。大丈夫だよね？
クライマックスに向け、エモの燃料は120％　宇宙にだって、別の世界にだって飛び出せる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月19日

たとえそれが、ゼロの物語を走ってきた岡部倫太郎のエンディングに、直接繋がらなくても…ホント、ゼロ地点からの番外編という立ち位置を最強最悪に活かす構成になってて、話考えた人悪魔だと思う（褒め言葉）。
ベストエンドにたどり着けない岡部倫太郎の旅路が、どう終わるか。来週も楽しみです。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月19日

ヤマノススメ サードシーズン：第12話『ともだち』感想ツイートまとめ

ヤマノススメ　サードシーズンを見る。
ピークは世界の一番高い場所にあるわけじゃなくて、貴方と一緒にいる所。
長く続いた想いのトンネルを、ひなたがようやく抜け出す回。どっしり山描写を積み重ねることで、そこに目が開けた少女の笑顔も眩しく思える。
ヤマノススメだなぁと、しみじみ感じ入る回

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

そんなわけで、長かった曇り空がようやく晴れるエピソードである。山の特別さを最大限活かしつつも、山頂登り切るだけが登山ではなく、一緒に降りる時間、休憩の瞬間にこそ輝きがあったりする。
富士山を降りる過程、降りた後の身の振り方で、あおいが何を学んだかを思い出す構成だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

サードシーズンは山頂を征服する楽しさも睨みつつ、山を降りた後の街で”山”がどう生きてくるかを、あおいの成長をキャンバスにじっくり積んできた。
あの時かえでさんが一緒に降りてくれた経験が、あおいを下山に踏み切らせ、巡り巡ってひなたの心を解きほぐし、素直な言葉を口にさせる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

ただ結果を求めるのではなく、痛かったり悩んだり苦しんだりすることも含めて、何かしらの意味がある。
苦い富士登山失敗から綿々と続く、ヤマノススメの物語。その先端に、今回のひなたの下山、そこに付き従うあおいがあるのだろう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

前半相変わらず、ひなたの表情は硬い。ただ今までとうって変わって空は青く、光は明るく、メシはうまそうである。
みんなで楽しくいただくために、準備を積み重ねた食事は暖かく、美味しそうだ。『今回で終わるからヨロシク』と、食事が語りかけてくれるような暖かなムード。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

凄まじく美麗で、しかも登山体験の土の匂いがしっかりする美術が積み重なりつつ、ひなたの膝はギシギシ言う。
いかにもフォトジェニックな絶景だけでなく、道の途中で心を捉えるような絵もしっかり据えてくるところが、ヤマノススメの登山嗅覚かな、とも思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

テントの壁越しに見えなかった心は、ひなたのギブアップであおいに向かって開放され、あおいもまたそこに向かい合う。
”街”の中では開放されなかった心が、山の特別な経験、素敵な風景の中でようやく開放される。そんな魔法を信じられるよう、気合の入った美術を積んでいるのだろう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

決定的な対話が”休憩”で起こるのも、ただ山を登る結果だけを大事にしていないこのアニメらしいな、と思う。
それはしかたがなく取るものではなく、より善い歩みを維持するために、その瞬間も楽しむためにあるのだ。立ち止まって見えるもの、歩いて初めて分かるもの。両方に意味がある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

頑なだったひなたの口が開き、思いを素直に言葉にしていく瞬間のカタルシス。それを受けて、めったに言葉にしない”特別なあなた”への思いが、あおいの口から付いて出る。
この瞬間を待っていたとしか言いようがない、ありがたい瞬間だった。やっぱ笑ってたほうが良いよ、ふたりとも。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

ひなたが貯め込んでいた重い感情を、あおいが全然気づいてないそぶりなのが、それぞれのキャラが見えていい。
対人センサーが優秀だからこそ、色々感じちゃってふさぎ込んでいたひなた。鈍感だから問題がありつつ、ちょっとずつセンサーを尖らせているひなた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

痛めた膝をちょっと引きずって近づき、差し出された羊羹を食べる。それも、二人で歩いているからこその喜びだ。
一人登山は気楽だけど、やっぱり一緒が楽しい。第3話でコメディ調に描かれていたテーマが、しっとりとした感情の蓄積を経て、別の色彩を見せてくる。シリーズの醍醐味と言えよう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

今まで見れなかった笑顔、弾んだ声。和解した後の二人は距離も近く、お互いの荷物を支え合う。ザック持ってもらうばっかりだったひなたが、背中を押してあおいの補助をしているのがいい。
荷物を持って、背中を押して。そういう”いつもの二人”に、ようやく戻れたわけだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

撤収作業も笑顔でやって、ピークハントを終えた二人を笑ってで祝福して。かえここの満足げな表情で、山に登りきることもまた良しと見せてくるのは、バランスが良くていい。
登るのも降りるのも楽しめるなら、そりゃ無敵だよねっつーね。ひなたの開放と一緒に、作品世界も枷を壊した感じ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

”山”の全てを肯定するお話のムードは、家に帰るまでも丁寧に追う。
背中合わせだったフクロウはようやく向き合い、行き場を失っていた思いもようやくあおいに届けられる。
(c) しろ／アース・スター エンタ―テイメント／『ヤマノススメ サードシーズン』製作委員会 pic.twitter.com/M1cPx7zqfp

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

言葉にできれば簡単だけど、なかなか居場所を見つけられず胸中をさまよう、複雑な思い。
そんな当たり前の感情を抱く、当たり前の青春ど真ん中にひなたはいて、そこから出してくれる特権を、あおいはようやく背負えるようになってきた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

そんな二人の関係変化の重たい物語の終点として、とてもいいエピソードでした。二人の感情に分け入るための道具として、また個別の登山体験として、金峰山が非常に美しく、特別に描かれていたのが良かったです。
やっぱ美術がつえーわほんとに…綺麗なアニメだーいすき。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

終わってみればあっさりともいえるけども、そんな気持ちを吐き出す、抱え込むのがどれだけ大変なことなのか。
ある意味超日常系ともいえる心の探訪に、後半の尺をほぼ全部注ぐ構成は、大胆だけど面白かったなぁ…ほんとひなたの重力反応は凄かったし、気づけないあおいのあっけらかんな成長もいい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

当たり前の青春を、当たり前でない筆で。そんな試みはキレイな終わりにたどり着けたわけですが、後一話何を描くのか。
繋がった心が見せてくれる、今までと同じで、でも特別な色彩に彩られた世界は、どんな景色なのか。
ヤマノススメサードシーズン最終回、とても楽しみですね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

ルパン三世 PART5：第24話『ルパン三世は永遠に』感想ツイートまとめ

ルパン三世　PART5を見る。
2クールの長きに渡って繰り広げられた、世界一の怪盗の大冒険もついに幕。国家VS企業の大戦争を背景に、ルパンが狙う獲物とは。様々な歴史、様々な想いが交錯しつつ、少女は男の手を取って離れ、女は男の手を握り直す。
さぁ行こう。明日はきっと、もっと面白い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

というわけでPART5大団円である。PART5で顔見世した仲間も、過去エピソードの女たちも、賑やかに勢揃いしてのラストアクション。
不二子とルパンの関係、ヒトログの始末、エンゾとアミの関係など、大ネタをバンッバン回収しつつ、社長の末路をアルベールの見せ場に使うなど細かい配慮も行き届いていた

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

とにかく自分が作った物語、そこに接合する”ルパン”全てへの愛と情熱が満ち溢れた最終話であり、感激と感謝しかない。ありがとうPART5…本当にありがとう…。
レベッカ再登場はマジ歓喜であったが、まさかダイアナまで…しかもオリジナルキャストのセリフ付きである。PART5らしいなぁ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

前回次元を主役に”男”を描いたので、今回は不二子とアミ、そしてこれまで”ルパン”に惚れ込んできたすべての”女”’（僕の中の乙女含む）について語る話（でも）ある。
最後にアミがたどり着いた心境は、レベッカやダイアナ、あるいは不二子の気持ちと同じなのだろう。少女はようやくヒロインになったのだ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

不二子とルパンの倦怠期は、PART5を深く貫くテーマだった。
いつもの「不～二子ちゅぁ～ん」なルパンダイブを封印し、大真面目に男と女として、その関係が一旦成立し瓦解した後の風景に、”ルパン”と”不二子”を置く。二人のロマンスは一体何なのか、考え直す。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

スーパービッチの師匠であり、恋敵であり、失われた母でもある不二子に、アミは正面から問う。パダールでは自力が足らず踏み込めなかった過去に、思い切って身を投げるアミちゃんの雄姿が眩しい。
それは僕も知りたかったことだ。一体何が、不二子とルパンを分かったのか？

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

答えは”日常”であった。
大冒険の果てに真実の愛を手に入れた大泥棒は、愛の巣で羽を休め、二人は永遠に幸せに暮らしました。
そんなカビの生えたハッピーエンドは、冒険と刺激を求める”峰不二子”を、秘密多き大怪盗”ルパン三世”を殺してしまう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

不二子が花嫁衣装で檻に囚われていたのは、『結婚は人生の墓場』というありふれた警句をヴィジュアル化したものであり、白いドレスは日常への喪服なのだ。
安定し、幸福で…つまらない。不二子が”峰不二子”で、ルパンが”ルパン三世”であり続けるためには、ありきたりの制度に休まるわけにいかない

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

当たり前の愛に閉じ込められていては、お互い死んでしまう。そんな難儀なカップルは、しかしやっぱりお互い真実愛し合っていて、だから一旦羽を休めもした。
不二子が檻の中でルパンを待ち続けるのは、”峰不二子”を捨てて飛び込んでみた新婚生活、その破綻から、心が前に進んでいないからかもしれない

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

結婚という”終わり”を画面の外側で迎え、しかしそれに満足できなかった二人。じゃあどんな終わり（あるいは始まり）が良かったのか、不二子は命がけで問い直す。
ミサイルの雨の中微動だにせず、花嫁衣装で”家”に居続ける。ビッチの表情が鳴りを潜め、貞淑で真剣な素顔が除く。変装かもしれんが。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

旦那たるルパンは手を真っ赤にして、アナログな人力で塔を登りきり、不二子のもとに駆けつける。エンゾがアミを顧みなかったように、ルパンがエンゾを歯牙にもかけないのが、とても良い。
お互い、大事なものが別にある。あると思いこんでいるのだ。その妄念が、人間を突き動かす原動力だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

あるいはそれすらも、ビッグデータは解析してしまうのかもしれないけども、人生一つ賭ければ秘密の一つくらいは作れる。
ルパンの本当の素顔をもって、男は女に操を立てる。嘘まみれで、普通には生きられない大怪盗が差し出せる、世界最高のエンゲージリング。
それがバレれば、命取りになる秘密。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

それを唯一さらけ出せる相手が、”峰不二子”である。
漫画原作の設定を最高のタイミング、最高のドラマの中で拾いきったアンサーは、PART5スタッフが必死に、血が出るほど”ルパン”について考えた証明だと思う。
恋が約束する普通の終わり…”結婚”はダメだった。じゃあ、どんな答えを二人に出せばいい？

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

知恵を絞り、歴史を学び、物語を組み立てた末に出したのは、『ルパンは続いていく』ということだ。
新しい仲間が世界に華を添え、あるいは過去の物語を懐かしく思い出し、時代に対して自由に変化しつつ、”ルパン”は”ルパン”であり続ける。
ときには、最大級の設定バラシもする。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

それが物語唯一の答えなら、大胆に”ルパン”を変えてもいい。今回の素顔設定は、そういう決意と誇りを実際の描写で刻み込む、渾身の一打だった。いいシーンだった。
泥棒の魂を預けられることで、不二子はようやく”ルパン”と、ルパンを愛する”峰不二子”を取り戻す。自分から鍵を開けて出てくる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

あんなちゃちな鍵穴、ルパンにかかれば一発で開く。
でも、ルパンは不二子が”檻”から、安定した愛の巣から出てきてくれること、止まってしまった時間から歩きだして、またバカみたいな惚れた腫れたをやってくれるまで待つ。
それが”ルパン”のエスコート美学で、女たちはそこに惚れ込むのだろう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

ルパンが伏せてた最強の秘密は、エンゾのつきものも落とす。ヒトログというシステムに取り憑かれ、国家システムを超えたより良い秩序を夢見た狂人は、欲しかった答えを手に入れることで”父”に戻る。
ちと強引な変化だが、話がスカッと終わるためには大事だし、なによりアミちゃんが幸せそうでよかった

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

不二子がルパンの素顔に最高の愛を見たように、エンゾも捕まえられなかった答えを見た。
国家の政治力と軍事力が喉元に迫っても、自分が作り出した理想を裏切れない狂人。でもその根源には、なにか温かい感情があった。そこに戻るためには、行き着くところまで行くしかない。ルパンと不二子と同じだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

その突破口としても”ルパンの素顔”は、良いカードだったと思う。
世界最大級の秘密を得たことで、エンゾは満たされたのだろう。求めていたのはより良い世界ではなく、知的好奇心を満たす謎そのものだったのかもしれない。
そこで満足して”父”になれてしまうところが、籠に入れないルパンとの違いか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

細かいクスグリでと思っていたアミ↑の発音は、”網＝ネットワーク”という父母の願い、確かにあった絆の証明として、最後の最後で背中を刺してきた。
過去の自分が、生まれてきた命、愛した人の願いを込めて付けた意味を思い出せる。それもまた、エンゾの妄執が晴れた証明なのだろう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

クレイジーすぎる相方に折れて、現実に膝を屈する。
社長はアルベールのマッチアップ相手ともなり、ルパンを塔のてっぺんに上げるために体を張る次元＆五右衛門との対比にもなった。
仲間を信じきれるか。事前にたっぷりお話を貰ったルパン一味と、いきなり大ピンチに投げ込まれた社長の差が少し哀しい

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

社長がエンゾのロマン（あるいは妄想）に、最後まで付き合えたら結末は変わっていたのだろうか？
自分が相手にとってどんな存在なのか、本気で問いただし、時に敵対するような関係を作れていたら、奇跡の大逆転を掴めていたのか？
そんなことを考えるが、現実はそういう話はない。なかったのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

結果、国を盗む大悪党の懐に滑り込み、命を永らえることになる。
アルベールは悪いやつだな！！　最高です！！
パダールでは国家を切り崩す巨大資本の強さを見せ、今回は悪魔的人材を吸い上げ圧倒的な武力で押す国家の強みを見せる。なかなか面白い、サイバーパンク描写である。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

優秀な官僚、練り上げられた種々のシステム、最終解決策としての軍事暴力。あるいは涼しい顔での裏切り。
”国家”が本気を出した結果、時代を変革するに思えた私企業は倒壊し、既存の秩序が戻ってくる。しかしそれは、世界の様相を十分変えつつある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

非対称の宣戦布告は、”国家”をハックしたテロリスト集団だけではなく、一私企業に対して行われてもおかしくない。
それだけ世界の形が変わっても、”国家”は相変わらず強力で、自分の形を保とうとあがく。制裁で、暴力で、変革の目を摘み、自分の生存を志す。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

近い未来にありえるかもしれない変化を、ポップなドラマに織り交ぜてしっかり描ききる。PART5はコーポレイトSFとしても、なかなか面白いヴィジョンを見せてくれたと思う。
こうして終わってみると、PART1のカビ臭さは狙ったんだろうなぁ…大河内先生、スイマセンでした！！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

そんな大きな物語と並走して、アミちゃんの青春も走り抜ける。
不二子にようやく目をあわせて話が出来たこと、パダール血の通過儀礼を経ての父との対峙、ルパンとの握手と別れ。
狭い塔に閉じ込められていた少女は、長い物語を終え巣立つ。ここら辺の動きが、不二子のロマンスと重なってるのがマジ……

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

アミちゃんの物語が教えるのは、鍵を開けて、自力で扉を開けるタフな女は”峰不二子”だけではない、ということだ。
PART5が自信を持ってヒロインに据えた女の子は、可愛く、可能性に満ち、迷いと悩みを成長の糧にして、ルパンと対等の”プロ”になった。そんな悪党ジュブナイルも、PART5の魅力だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

エンゾが娘と向き合えた理由の一つは、彼女が”アンダーワールド”だと知ったこと…自分と対等のハッカーだと判ったからな気もする。
情や血縁をすっ飛ばして、まず実力を見る。そこで納得しないと、相手を受け入れられない。ちょっと”ルパン”にも通じる、冷静で狂った視線があんじゃないかな。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

ルパンが銃を取り落としたのは、おそらくわざとだ。
長い旅路の果てに、アミが”プロ”になったのか、当たり前の価値観を疑い行動できる”大人”になったかを、エンゾへの銃口で確かめたかったのだろう。
その上で撃たせない。ハッピーエンドを狙い撃ちにする。ニクい奴である。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

不二子への返答でエンゾも浄化され、親子関係はヘンテコながら修復された。もう一人の”親父”である銭形が、キッチリ二人の安全に目配せしているのが良い。
OPにかぶせてのラストシーンは余韻もあり、出演者へのねぎらいもたっぷりで、スゲー良かったな…分厚くて香りがあった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

”プロ”の証明を果たしたアミに、ルパンは珍しく自分から声を掛ける。女の子の方からプロポーズするの多かったからなぁ…クラリスとか。
アミはその手を握りしめ、そして離す。PART5は終わる。アミちゃんはルパン一味にはならない。
原作：モンキー･パンチ ©TMS・NTV pic.twitter.com/laFDtPSiOi

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

そのシェークハンズは、でもとても爽やかで良いものだったと思う。
ルパンに出会い、好きになり、対等に付き合えるだけの自分を冒険の中で手に入れて、しっかり手をつなぐ。
自分だけが守れる”父”というお宝を護るために、ルパンから離れた自分の物語を歩いていくために、その手を離す。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

それはやっぱ、ルパンが好きで、でもその正体をいつでも探りかねている僕たちの似姿だったと思う。
とても可愛く現代的なルパン・ファンガールを主役に定め、走ってきたPART5。その終わりがドタバタ騒がしく、湿っぽくない”いつものルパン”だったこと含め、とても良い終わりだった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

明日に向かって全力疾走するルパンは、不二子の手を取る。かつて離したその手を、不二子はもう離さない。世界最大の秘密、”ルパンの素顔”というエンゲージリングを受け取った女は、ようやく冒険の日々、惚れた腫れたのアドヴェンチャーに帰還するのだ。
原作：モンキー･パンチ ©TMS・NTV pic.twitter.com/xZ4SDKazQH

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

征く女、残る女。二つのシェークハンズを並べてみると、PART5は女たちの物語だったな、と思う。
それと同じくらい、次元の、五右衛門の、銭形の、アルベールの、”ルパン三世”の、男たちの物語でもあった。顔も名前もない人々含め、あらゆる人の物語であったし、”ルパン”はそういう力強さを持ってる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

そういう豊かさをしっかり包み込むために、PART5の連中が賑やかに再登場し、過去エピのキャラもどしどし顔を見せる。
ノスタルジーをそれだけで終わらせずに、今を活かし、未来を躍動させるためにしっかり使い倒す貪欲さが、最後まで元気だった。最高のファンサービスだった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

かくしてPART5は終わった。とにかく素晴らしかった。面白かったし、賢かったし、バカバカしかったし、心の底から”ルパン”だった。
具体的にどこが素晴らしかったかは、過去の感想にみっしり詰めたつもりだ。本当に良いシリーズであり、良いお話だった。メタ視線の冷たさと、ドラマの熱量が同居していた

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

こんだけ全力で集大成をやられると、次がないような満足感が確かにある。
でも、PART5を”ルパン”を徹底的に解体し、問い直し、自分なりの答えを全力で描くような作りにしたのは、当然終わらせるためじゃない。
現在でも古臭い大泥棒と、彼が背負うロマンとドラマは通用する。
まだ、ルパンはやれる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

それを大声で叫ぶために、このシリーズはあった。
ルパンたちが軽妙に駆け抜けていく青い海、広い空のように、無限に広がる未来に向かって、この物語は伸びている。
そう確信できる終わりだったのが、何よりも嬉しい。全てを焼いた後の灰からは、不死鳥が飛び立つものなのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

PART5は最高だった。
だから、僕はいつか来るPART6に、銭形主役の小池映画に、強く期待する。
PART5が見せた批評眼、”ルパン”という問いに出した答えを受けて、もっと良いもの、新しく素晴らしい風景が見れると、心の底から期待する。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

そう思わせてくれるパワーと賢さが、24話全てに詰まっていたことを最高にありがたく思う。
PART5，いいアニメでした。
自分がどれだけ”ルパン”が好きで、何を気にかけていたのか、ちゃんと教えて答えも見せてくれる、最高のリブートでした。
俺、ルパンが好きだよ。本当にそう言える。ありがとう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

Phantom in the Twilight：第11話『決戦は闇の中』感想ツイートまとめ

Phantom in the Twilightを見る。
エモいシーンで絆を確認し、行くぜロンドン塔最終決戦ッッ！！！
というわけで、アクション、アクション、またアクションな最終回一個前。
雲霞の如く押し寄せる敵、卑劣な偽物の罠、仲間に後を託して殿を務める男たち…定番ながら煮えるシチュエーション山盛りだッ！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

つーわけで、先週稼いだ情動貯金で、ガッツリ温度を上げるラス前。バトルラッシュなのに妙に緊張感がない、ファントワらしいふにゃふにゃっぷりも見せつつ、いろんな因縁が大爆発する展開に。
怨霊アンブラのデザインが良くて、バトルが締まったのがありがたい。Zトン先生ありがとうッ！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

展開としてはロンドン塔に張り巡らされたハードルを、”三枚のお札”形式でイケメン使い捨てにして乗り越えていく形。
自己犠牲の煮えっぷりで見せたトウリュウ、吠えるヴァンパイアクンフーのヴラッドに比べ、だまし討で一発KOだったルークが少し…キングは覚醒してからが本番だろうし。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

全体的にベコベコ殴り合う展開なのだが、アンブラの”情”に漬け込んでくるミミクリーが配置されてることで、ドラマっぽいこともやれた。
リージャンへの未練、変われないアンブラという存在を際立たせて、キャラクターの肌理、お話のテーマを掘れたのは、前回のエモ補強がぎりぎり間に合った形か。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

前回くらい露骨にエモい交流シーンを入れておかないと、今回のヴラッドの激白は、火力が足んなくて上滑りしてたと思う。
人間が人間のまま、人間としてあり続ける。アンブラにはけして手が届かない当たり前の摂理を、怪物ヴラッドは愛することにした。その証明として、幻影を殴る。吠えろ絶唱通天砲！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

その後のヘイシンとのスーパークンフーバトルも含めて、今週のヴラッドくんはかっこよかった。
序盤から格闘で互角にマッチアップできる相手が前に出てたら、画面もピリッと締まったんじゃ…とも思うが、作画カロリーが持たんな、多分。勝負どころ一個に絞って正解か。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

一方、仕掛けた罠で勝ちまくり、先週煮えたバックアップくんは、ヘルシングおじさんの帰還で全てをぶち壊しにされていた。
つーか、ヘルシングおじさんが美味しすぎる。味方サイドの札全部切っちゃって、ピンチがしのげない！　って時に空から降ってくるナイト役、よりにもよってアンタかよ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

人間とアンブラの境界線という、結構曖昧な問題。
差別主義者ヘルシングおじさんは、『元人間なら、完落ちするまでは人間。落ちないように全力勝負』という、分かりやすい基準で動く。全力で体を張り、人間だからバックアップくんもカバーリングし、貫通して両者ともに大ダメージである。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

ほんとバックアップくんに闇の槍ぶっ刺さってるシーンは、真顔でやりきってるからこその笑いであり、このアニメらしかった。
フツーヘルシングおじさんの愚直な人間主義に感動して心変わりし、攻撃も守りきれるところなのに…しかしそこのスカしが、このアニメらしいとも言える。まぁ変わんねぇよな！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

おじさんが引っ掻き回してくれたおかげで、バックアップくんを主役サイドが殴る手間が省けてるのが、地味にいい仕事である。
これでVSシンヤオ、VSヘイシンに絞って最終話イケるからね。今までお姫様扱いだったのに、予告で大槍ヒュンヒュン振り回してるトンちゃんに、頼もしさしか感じねぇ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

思い出したようにヴラッドくんとトキメキ乙女モードしはじめたトンちゃんだが、やっぱゴリラパワーでガツガツ戦闘し、溢れるマンチ力に溺れている姿のほうが、頼もしくていい。
男たちが切り開いた血路に乗っかって、自分の魔力と腕力で親友を助けて欲しい。やっぱジャンプ漫画だな！！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日

そんな感じの、ロンドン塔大決戦でした。アクション多めの元気な話であり、先週積んだエモさが随所に生き、なかなか面白かったです。
はたして決戦の行方は。トンの物理破壊力はどこまで行くのか。クリスはこのままだと当て馬だが大丈夫なのか。
次回最終回、楽しみですね！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日