アズールレーン THE ANIMATION：第2話『【激戦】鼓動の波、鋼鉄の翼』感想ツイートまとめ

アズールレーン THE ANIMATIONを見る。
重桜艦隊の奇襲により、二大陣営は敵対状況へと突き進む。基地を離れていたユニオン艦隊を狙い、動き出す五航戦と鉄血。
仲間を、姉妹を守るために誰かの血を流す矛盾を、艦船少女たちはどう受け止めるのか。蒼い海に、混迷が渦を巻く。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月11日

そんな感じの、アズレンアニメ第二話。発火した状況を平らにしつつ、戦闘状態と新キャラ投入は未だ継続！　という塩梅。
バトルシーンの殺陣が凝っていて、非常に興奮しながら見れた。世界設定やキャラの状況も、前回よりさらに咀嚼できた…けど、こっちは供給量が多いなぁ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月11日

冒頭解説された、艦船少女の出自。メンタルキューブなる超技術により生み出された、セイレーンを狩るための戦闘人形。
しかし彼女らは同胞を愛し、闘い以外の道を求める人格を持っている。『意思持つ道具』という矛盾が、今後どう彫り込まれるかは気になる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月11日

アズレン世界の人類定義がどうなってるかはちょっと見えづらく、未だいわゆる”人間”は姿を見せていない。あのヒヨコが、この星で代表的な知的ヒューマノイドなのか…？（多分違う）
そこら辺はあんま踏み込まず、艦船少女をメイン人類と扱って進んでいく感じかな？

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月11日

ただでさえ『アズールレーンVSレッドアクシズ』『人類VSセイレーン』という多層構造なのに、これに加えて『人類と艦船少女』まで上乗せされると、話が過積載になりそうではある。
捌かなきゃいけない人数も多いだろうし…今回の追加で、結構キャパオーバー気味だぜ。（束モノに向き合う体力無いマン）

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月11日

そこら辺は保留として、艦船少女は自分たちを自由意志のある存在として認識し、誰かを守る思いを力に闘っている。
エンタープライズとホーネット、赤城と加賀、瑞鶴と翔鶴…姉妹艦がそれぞれの陣営で、それぞれの絆を見せていたのは面白い。みんな大事な人がいて、でも殺し合うのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月11日

妹を守るエンタープライズの意志を見て、クリーブランドは『人間らしい所あるじゃん』と言葉にする。
一個の兵器のように、己を鑑みず突き進むエンタープライズは、しかし機械ではない。壊れ傷つき、それでも守るために前に進む。
その”人間性”が作品世界でどういう扱いなのか。ちと置所には迷う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月11日

自己紹介を終えて、肌色シーンも増えてきた。
『そういうところ、あんま悩む部分じゃねーから』と言われても、人類に創造されなければ生まれ得ない機械存在が、己をヒトと定義し、姉妹を慈しむバックボーンはやっぱり気になる。
アクションが凄く良いんで、それだけでも楽しめるわけだけども。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月11日

どういう社会構造を背景に敷くにしても、戦闘は開始され、機械知性は思いを積み重ねていく。
加賀さんを溺愛する赤城さんが、メンタルキューブらしきものを抱えているのは気になるなぁ…。
© Manjuu Co.,Ltd., Yongshi Co.,Ltd.& Yostar, Inc.／アニメ「アズールレーン」製作委員会 pic.twitter.com/CdKUMKkNz2

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月11日

それが艦船少女の物質化された魂だとしたら、露骨にヤンだ風味で描かれてるのは、これが原因だろうか？　赤城だし、天城か愛鷹あたりの遺品か？
”敵”たるレッドアクシズも、ヒトの愛と業に苦しんでる様子がひっそり描かれる。顔の見える相手との殺し合い…いい塩梅に息苦しい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月11日

綾波と年少組の交流で描かれたように、艦船少女は同じ景色を見れる。それでも戦うのはレッドアクシズの奇襲が原因…なのだが、ではその源泉はなにか。
ここら辺、セイレーン由来の技術を使う理由とも繋がっていそうで、枢軸側の事情を語っていくのは、今後の軸になりそうだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月11日

枢軸もう一つの雄、赤と黒の鉄血も顔を見せてきた。
プリンツ・オイゲンの艤装は、百足を思わせる生物的なフォルムで非常にかっこいい。お団子も食べるしね。
© Manjuu Co.,Ltd., Yongshi Co.,Ltd.& Yostar, Inc.／アニメ「アズールレーン」製作委員会 pic.twitter.com/lACgANHdSY

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月11日

デザインに陣営の立場と個性が反映されて、キャラのイメージがパッと見で伝わりやすいのは凄く良いと思う。
いかにも悪役然とした鉄血、まつろわぬ者の血を感じさせる重桜。爽やかな印象のユニオンと、紅茶大好きノーブル趣味のロイヤル。それぞれのカラーが鮮明で、別種の魅力がある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月11日

そんな連中がぶつかり合う戦場。アクションシーンは様々な工夫が凝らされていて、非常に見ていて楽しい。
空母だろうが、絵面が盛り上がるならバチバチの近接戦をやる。前回も元気だった、いい意味での無節操が今回も踊り、非常に面白い。弓と刀の鍔迫り合いも、エンタープライズキックも”アリ”だ！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月11日

エンタープライズの鍔迫まりから離れ際の一射、それが航空機になって襲い来る二重、三重の詰め手。
それをなんとか切り返し、勝機を見逃さず刃に航空機の魂を乗せる瑞鶴渾身の一撃。受け止める、通りすがりのメイド。
バチバチのバトルが、作品の温度を上げてくれた。フレッシュな表現多くて楽しい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月11日

通りすがりのメイドはキャスト二番目だったし、エンタープライズと絡む重要キャラなんじゃろか。声もほっさんだしな！
今回その強さと脆さを強調されていたエンタープライズさんが、あの鉄甲メイドと触れ合う中で”人間”になってく話…になんのかな？

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月11日

もう一個軸になりそうなのは、二大陣営に引き裂かれた幼年組の交流で。
ジャベリンを舳先に立てて、戦う意味を探っていくのはこっちの仕事になりそうだ。『ラフィーちゃんのコーラごくごく、原作だと飲酒なんだろうな…』てのは、なんとなく察した。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月11日

大ダメージを追っても自爆したあとのヒイロみたいになるだけで、現状生き死にのハード・コアはそこまで顔を出していない。
それは人類陣営の内ゲバが収まって、セイレーンを向こうに回した時に描くものなのか。それとも、そういう場所は掘り下げないのか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月11日

大量投入されたキャラの活かし方含めて、色々と種を蒔く第二話でした。
作品の選び取ったリアリティ、倫理レベル、方向性がどんな感じになるのか、まだ掴みきれていない感じも正直ある。
けど、それが見えてくるのを楽しく待とうという気持ちになるお話でした。アクション良いのが効いてる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月11日

作品世界の謎とか、存在としての深度とかを何処まで明かすかってのは、原作であるブラウザゲームとか、それを支えるファン層とか、色んな調整が難しい部分だと思う。
アニメはアニメなり、納得行くバランスで描いてくれると、そこから入った視聴者としてはありがたい。描かないなら描かないで良いけど

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月11日

そういう作品の重心点を、今後どう探っていくかも含めて。色々気になる第二話となりました。やっぱレッドアクシズが戦争ふっかけた理由かな、目下の焦点は。
通りすがりのメイドも鮮烈参戦、闘いは更に温度を上げていく。闘いのあとに闘いが続く二拍子を、機械は乗り越えられるか。次回も楽しみ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月11日

シスター・プリンセス RePure キャラクターズ第7話『千影』実況感想ツイートまとめ

よーっこいしょ。シスプリリピュア第7話”千影”でござるよ。

今回のコアスタッフは追崎史敏。”セントールの悩み”総監督、あるいは”ロミオ×ジュリエット”の監督。

出だしからして火力が強い。もう”かかったかな?と思ったら中二病”は放送してたけど、そこまで一般的なネタではなかった気がする。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月11日

まぁオカルトにズッパまりして不安定な自我をロールプレイで補強するタイプは、伊集院いうところの”中二病”とは違うと思うし、そもそもちーちゃんのオカルト趣味はガチ中のガチである。

先週の清涼感から打って変わって、転生系の執着籠もったネットリ空気である。ちーちゃん兄くん好きねぇ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月11日

雛子や亞里亞の時は微笑ましかった”夢”というモチーフが、年経た千影フィルターを通すとドロっと濁ってくる。年齢というより、千影の個性だとは思う。

黄金の林檎。永遠の若さを約束する、愛の果実。アヴァロンに咲き誇る花と思うと、川澄綾子が声やってるのはなんとも宿命的だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月11日

RePureはどんっどん回想シーンをやって、妹を幼くするな…素晴らしいのでドシドシやんなさい。

自分の背丈を追い越したリンゴの木。キャラクターズを繋ぐ緩やかな繋がりは、『時間』なのかなぁと、連続で見ていると思う。コアスタッフの個性が暴れているようで、存外監督が仕事しとるか…？

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月11日

囲いで守られた黄金の林檎を、ためらいなくもぐ。エデンの果実、罪の味わい。近親相姦のメタファーであるのは無印と同じ。

『なぜ兄くんは全裸で睡眠を…？』という疑問に、『これから”契り”が始まるから』とど真ん中にぶっこむ千影。心中嗜好も含めて、倫理が姉妹で一番無い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月11日

”美味しいりんごが出来たよ”
1　りんごが背丈を追い越して、熟す。
2　性交可能年齢に達する。
記憶してたより直球のダブルミーニングだな…あとホント迷いねぇな…。

雛子がおやゆび姫を引用した時はあんなに無邪気だったのに、千影が白雪姫を引っ張ってくる時は…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月11日

兄くんのバースデーカードで、心中（あるいは性交、もしくはその両方）にブレーキを掛ける千影。視線を横にやると、無邪気な兎の兄妹がりんごを抱え、口づけをするバースデイプレゼントが目に入る。

ネットリしたエロティシズムの危うさを、青と白の清潔さでスパッと切るのは良い色彩感覚。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月11日

うさぎのプレゼントを写したあとで、ちび千影の髪留めが”うさぎ”なの判るの上手いよね。

兄妹であった思い出は、罪の果実を口にすれば終わってしまう。現世に別れを告げようとした千影の腕が緩んで、兄くんの一言が決定打を押す。りんごは金色の魔法から、赤い物体へと変貌してしまう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月11日

これ放送する関係上服着てるだけで、実際は全裸なんだろうなぁ…他の子らが踏みとどまるレイヤーを、やすやすぶっ千切ってんじゃないよ！（勝手な想像で激怒マン）

自分を”妹”に押し留めた唇に、そっと人差し指を寄せる。”リンゴの歌”のイメージも入ってるか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月11日

というわけで、エロスとタナトスと魔術が入り交じる、千影らしいお話。BGMを極端に抑えて、ヒリついた切迫感を上手く出していた。

幼年期からの変化、変わらない兄への思慕を描くのは前回と同じだが、空気は180°違う。妹のキャラ性、スタッフの個性が良い化学反応をし、バラエティがある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月11日

ちょっと（ちょっと？）大人びたエロティックに合わせて、ED曲”Magic”もジャジーだ。あ、三股浩史が原画で入ってる。

黄金の果実を巡る葛藤を『人でなしになる覚悟』と取ると、なかなかに面白い表現だった。インセスト、あるいは心中。兄くんが望み、記憶に残る『普通の兄妹』からのコースアウト。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月11日

それをせき止めた青と白の兎は、しかし同時に多情の象徴でもある。りんごも愛の果実だしね。

ちーちゃんの隠微はエロスとタナトスが背中合わせなのもあるが、とにかく待って待って待ちまくる、兄くんのハンドルでコースアウトしたい願望持ちなのも強い気がする。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月11日

ちーちゃんは表情も内面も読みにくい、こう言ってよければ人間味の薄い妹なので、どのくらい覚悟が決まっているかは判りにくい。
年経る内にオカルティックなルーツを思い出して、普通の子供ではなくなっているのか。それとも、まだ人間なのか。あやふやな問掛けの答えは出ない子だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月11日

魔術的なメタファーと同時に、そんな千影の内側を考えるのも面白い回だなぁと、再視聴して思う。
しかし兄くんの存在がスピリチュアル・アンカーになってて、誕生日の記憶で人間性の低下が抑えられるのは、もろにBBTだな…。マジシャン／転生者（あるいは魔界の後継者）あたりか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月11日

BEASTARS：第1話『満月は照らす獣を選んでる』感想ツイートまとめ

BEASTARSを見る。
草食動物と肉食動物が、本能と脆弱を抑え込んで閉じ込められた学園という檻。
そこで発生した食殺事件が、青年たちの運命を変えていく。
冴えない餓狼・レゴシ。
強かなる餌食・ハル。
傲岸なる英才・ルイ。
三人の青春は、夜と肉の質感で滑り出す。

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

という感じの、獣人社会派青春群像劇SFの傑作、遂にアニメ化である。当方原作既読、かなり前のめりなファンであるが…素晴らしかった！
PVの時点でかなりの”勝ち”を期待していたが、画面が動き出すとそれを遥かに超える凄みと面白さが、オレンジのスーパー作画、松見真一のハイセンスな描画で襲う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

艶と重さのある神前暁の劇伴も素晴らしいし、声優陣の演技も良い。モロ動物顔なんだが、演技の方向性はしっとり落ち着いたリアルを匂わせ、そのギャップが浮かない展開にしっかり噛み合っていた。
獣が歩き、肉食が本能と草食を噛み殺す世界の説明は少ないが、分厚い描画が無言で補ってくれる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

3Dアニメーションもかなり円熟してきて、その異質性と特異性自体を取り沙汰される段階は終わったと思う。
同時に表現には固有の強さとクセがあり、オレンジはその全てをしっかり握り込んで、ドラマと作品世界に相応しい表現を選び取れる会社なのだと、この作品で更に証明してきた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

お話は未来を先取りする形で、レゴシとハルの出会いから始まる。
二人の運命を揺るがす、謎の捕食者（プレデター）とテムが演じるのは、命懸けの追いかけっ子。影と光が大胆に踊る、不気味なスタートだ。
©板垣巴留（秋田書店）／BEASTARS製作委員会 pic.twitter.com/SFcrTPf4Qm

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

草食と肉食の、否定し難い力関係。社会が見て見ぬ振りをする血みどろを濾し取ったように、長く伸びる影と赤い血。閉ざされる希望と迫る牙。
この世界が何で構成されているのか、ギュッと圧縮したような出だしであり、全てのスタートになる惨劇の描き方は抜群に上手い。狙った場所に、よく刺さる書き方

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

『廊下は走らない』の張り紙が、生きるか死ぬかの極限では滑稽かつ残酷だが、張り紙やプロジェクタを用いた情報圧縮がこの第一話、死ぬほど上手い。
生徒に社会の理想を教えるはずの光は、餌食を照らすスポットライトとなってテムを捉える。
©板垣巴留（秋田書店）／BEASTARS製作委員会 pic.twitter.com/4WtpAemlyW

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

青くデカく白々しい、政治的に正しいお題目。それはリアルな食殺現場に放り込まれたテムには一切の助けにならず、むしろ彼を暗く狭い場所へ、肉食獣の口の中へと追い込んでいく。
ドロドロの欲望に蓋をして、形を保っている奇形の世界。この作品がそこで踊ることを、この投影は一発で理解らせる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

背景に情報を圧縮する描写は随所に見られ、世界観の解像度を上げていく。
僕らの世界に似ていて、でも全く違う、歩く獣たちの世界。そこに学生らしい夢と抑圧と、隠された暴力が満ちていることを貼り付けられた日常が教えてくれる。
©板垣巴留（秋田書店）／BEASTARS製作委員会 pic.twitter.com/ALwTdKcS6d

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

実際牙を剥かれ、犠牲者が出たのに『牙をむかずに前を向け』
陰湿ないじめの現場で『共存共栄』『トイレで磨こう女子力』
作品が持つシニカルな知性が、壁にテープで止められている感じだ。世界は皮肉と当てこすりに満ちている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

同時にそういう建前で、溢れかえる欲望を押さえつけることで成立している世界でもあると、過剰な情報は教えてくる。
その建前が破綻すると、生々しい食殺が起きる。欲望が起き上がった時、それはいつでも致命的な過ちに繋がってしまう世界。過剰な欲望と過剰な抑圧の世界。

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

”ズートピア”では”人種”のメタファーを強く孕んだ肉食/草食の区分は、お国柄もあってか、この作品では男/女のメタファーとして、主に機能していると思う。
荒々しい性交渉を『喰う』と表する俗語が、洒落にならない世界。見ないふりをして、確かにそこにある脅威と配慮と本音と犠牲。

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

そういう固くて冷たいモノを見据えているのだから、シニカルで知的な目線はとても大事だ。
この作品が凄いのは、そういうテーマ性でどっしり岩盤を固めつつ、擬人化された獣（あるいは擬獣化された人間）をただの道具ではなく、個別の生命として活かし、ドラマを回していることだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

描かれるものは強姦や暴力支配のメタファーとして読んでもいいし、特殊な（しかし僕らの隣りにあるような体温をしっかり持った）世界の群像劇として見ても良い。
陰影と凸凹をしっかり持った、面白いキャラクター。彼らが相互に出会い、影響を及ぼし合う面白さ。残酷な世界との向き合い方。

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

草食と肉食がいて、本能を殺せないままなんとか共存している世界の嘘と真実。綺麗事が押し隠す本音。
そういうものがギシギシと絡み合い、軋む面白さが非常に鋭い所が、やはりこのお話の面白さである。冷たい知性に支えられた、仮想存在への敬意と熱意。それが作品を駆動させていく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

作品の始まりであり、世界全ての矛盾と真実を凝縮した殺人が終わり、カメラは主人公に移る。
冴えないハイイロオオカミ、草食的な肉食獣。レゴシはうっそりと不気味で、学園に満ちた肉食獣への不信感をみっしりとまとう。
獣は敵なのか、友なのか。あやふやなパラノイドを追いかけて、物語は進む。

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

肉食が本能を抑えられないように、草食も疑念を殺しきれない。でも、隣人としてとても大事なものに寄り添ってくれる存在でもある。
相矛盾する関係性は、鏡の中に複雑に反射し、影法師のように輪郭だけを浮かび上がらせる。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

ぬぼーっとしたレゴシに、エルスは弱者の不安を投影して怯える。
彼が普通に友の死を悲しんで、彼が成し遂げられなかったことを届けようとする…死人の尊厳を守るため、二人きりになろうとする青年だという想像力は、そこにはない。
だから彼は、鏡の中の影法師として描かれる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

ちゃんと向き合って、光の中で語り合う草食と肉食は実態だ。しかしその背後には、輪郭しか無いモノクロの影絵がそびえている。
真心と遺志を受け渡しても、レゴシは再び影絵に戻っていく。エルスの物語はここで終わりだが、レゴシの物語はここからだから。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

友の死を悔やみ、その尊厳を守ろうとする。静かで熱い、理想的な肉食。誇るべき隣人。
エルスが見つけた影の中の実像は、しかしレゴシの全てではない。社会が垂れ流す建前を乗り越え、破裂する欲望と本音。それはレゴシの中にあり、社会の影でひっそり息をしている。それが顔を出すと、食殺が起きる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

レゴシ自身が、自分が影法師なのか、顔を持った隣人なのか、まださっぱり分からないのだ。”自分探しの旅”ってやつは、エルスの視界では手紙をもらった時に終わるが、レゴシの中では現在進行系である。
自分が何者なのか。ジュブナイルのコアテーマをしっかり真ん中に据えている所が、鋭く強い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

レゴシを飲み込む曖昧な闇は、社会の闇でもある。
捕食者と餌食。明瞭に分断された種を乗り越えて、自然ではなく社会を形成した獣人たちは、獣であり人でもある。影絵の森は捨て去ったはずのジャングルであり、それは隠されているが、確かに存在する。
でなけりゃ、テムは死んでいないのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

主役であるレゴシも、この世界に生きるあらゆる存在も、みなその陰りから逃げることは出来ない。
それはそこに”ある”。だが、”ない”とされる。
レゴシは顔と理性を持った実像と、ジャングルの闇に適応した影絵を、今後も行ったり来たりする。その中で自分を見つけ、取り逃がす歩みを”青春”と言うのだ

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

序章が終わり、物語が動き出す。
レゴシはルイの殺戮現場にしっかり腰を下ろし、彼が儚くなった現実を見る。共にあった過去を見る。
回想シーンのディストーションが独特で、非常にフレッシュな印象だ。面白い表現一杯あるんだよなぁ…。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

※訂正
×ルイの殺戮現場　○テムの殺戮現場

ルイ先輩殺しちゃだめだよな……。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月11日

そこにスルリと現れる、俺達のルイ先輩。ナチュラルに学園カーストの最上位に位置する、肉食的な草食獣。
狼が這いつくばり、赤鹿が真っ直ぐ立つ逆転現象も、”社会”が生み出した矛盾か。二人の現状が上手く切り取られた、墓前の明暗である。窓から差し込む光の聖性と、それが照らす陰りの対比が良い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

そしてお話はもう一人の草食動物、スーパービッチのハルちゃんに移る。すっくと背筋が伸びたルイとは違い、『餌食の草食』でしかない…が、性を武器にそこを泳ぐ強かさも持っている少女。
食うか食われるかの極限以外にも、半沸の悪意がこの世界にはある
©板垣巴留（秋田書店）／BEASTARS製作委員会 pic.twitter.com/YasGhoRn7w

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

肉食/草食の壁を超えて投げ落とされる、悪意とマットレス。せっかく咲いてた花の可憐さよりも、在り来たりで凶悪な憎悪と嫉心を見る浅はかさ。
今、現在進行系であらゆる学校、あらゆる社会で描かれてるだろう、下らないカルマ。それは、この世界にも当然ある。食殺のスペクタクルだけが悪徳じゃない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

ハルちゃんの阻害は壁に投影され、彼女は端っこに追いやられる。テムを端っこに追いやったプロジェクタと同じものが、彼女を孤独に追いやる。
セックスを武器に開き直っても、孤独は孤独、弱者は弱者。苛立ちが募る。
©板垣巴留（秋田書店）／BEASTARS製作委員会 pic.twitter.com/2FVrxiyKMi

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

ちょっとディズニータッチなのどかさに、エグいいじめの毒を混ぜたこの回想シーンも、やはり鋭い表現だと思う。
草食の特殊性故の阻害と、それとは関係薄く展開する分断。ハルちゃんはこの特別な獣人世界が、当たり前の学園であることを思い出させてくれる。彼女もまた、明暗のなかで自分を探している

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

取り巻きを引き連れた女王蜂（クインビー）であり、憐れな道化師（ハーレクイン）でもあるミズチの姿は、スープ皿にさかしまに写る。
あやふやな投影、はっきりしない虚像。草食から草食にぶちまけられる本音と暴力。夕日はキレイなのに最悪だぜー！
©板垣巴留（秋田書店）／BEASTARS製作委員会 pic.twitter.com/k1hfEdZit9

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

ハルちゃんもレゴシと同じく、曖昧さのただ中にいる。
セックスを武器に餌食の立場を逆用する生き方をしても、それを完全には開き直れない。いじめに普通に傷ついてるけど、泣き寝入りするほど弱くない。
震えて体温のある自分を分かって欲しいけど、セックスはそれを伝えてくれない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

セックスに積極的な存在を揶揄する”肉食系”な生き方を、ひどく苛立ちながら選び取った…生存のためには選ぶしかなかったハルちゃん。
彼がもう一人の迷い人と出会うのは、もう少し先の話である。投影と投影、虚像と虚像が出会う時、物語は動き出すのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

夜闇が迫る中、ルイ先輩は優等生の仮面に隠したエゴを、ジリジリと燃やし始める。
多分あの世界ではギリギリな種族ジョークで、後輩を威圧する瞳の強さ。種族差すら乗り越えそうな、生粋のエリート。
©板垣巴留（秋田書店）／BEASTARS製作委員会 pic.twitter.com/h1Fm5HFFdT

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

スターの輝きに辿り着けない凡人は、あるいは鏡の中に押し込められ、あるいは狭い黒駒に切り取られる。
肉食草食関係なく、ただ”花”のあるものだけが存在を許される場所。残酷な舞台に上がれない苛立ちを、レゴシは体で受け止め、ルイを守る。
暴力の瞬間だけは、レゴシが実体を持つのは面白い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

凶暴な傲慢さで演劇部を支配するルイは、鹿角の冠をかぶった王子だ。賢く、ワルで強い。
身体的な優越を一瞬見せて、やっぱり鏡の中の影法師に戻ろうとするレゴシの尻尾をぐいと掴んで、強い瞳で引き寄せていく。え、エロい…（ダイイング・メッセージ）
©板垣巴留（秋田書店）／BEASTARS製作委員会 pic.twitter.com/0Y0DRQwGRd

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

テムの墓前で見せたように、ここではやはりルイ（肉食的な草食獣）がレゴシ（草食的な肉食獣）に優越している。
掴み、引っ張り込むのはルイの仕事であるが、それはあくまで建前で、肉食が本気の暴力を引っ張り出したらぶち壊しにされてしまうのではないか。
テムの食殺は、そういう疑問を自然と照らす

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

そんな明け透けな逆転劇だけが、”社会”の真実なのか。もっと複雑な表情が、捕食原則に支配された世界には眠っていないか。
そういう疑念は、後々物語が転がり、キャラクターが様々な表情を見せる中しっかり描かれる。その陰影と色彩を、このアニメも切り取ってくれるだろう。やるぜぇ…コイツは…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

負けないビッチを演じつつも、やっぱり相応に傷ついていたハルちゃん。
男は勝手に清純を投影し、体を貪っては淫蕩をなじる。『食っておいてそれかよ』という失望と、食われることしか出来ない惨めさ。蛇口に反射した自己像は、歪んであやふやだ。
©板垣巴留（秋田書店）／BEASTARS製作委員会 pic.twitter.com/sNfPSE4JtS

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

ルイの強引な腕力に引きずり込まれて、見張りを引き受けたレゴシ。理性の危うい光に身を置いていた彼を、獣の本能がくすぐる。
ヤコブソン器官に満ちる、餌食の匂い。全身に満ちる赤い本能。己が闇に適応した獣だと思い知る、劇的な瞬間。
©板垣巴留（秋田書店）／BEASTARS製作委員会 pic.twitter.com/IiRfWjdLmv

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

肉食の激情は、3Dの強みを生かした表現で存分に描画される。匂いに誘われるまま、門番の仕事を放り出して闇に駆け出すレゴシ。
そして草食の臆病も、同時に丁寧に描かれる。危険を聞き分けるうさぎの長い耳。精妙な表現力が、ハルの怯えと鋭さを活写する。
©板垣巴留（秋田書店）／BEASTARS製作委員会 pic.twitter.com/D1KrODral5

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

視界もあやふやな世界で、レゴシは鼻腔を焼いたアドレナリンに、ハルは闇に光る目に追い立てられ、追いつ逃げつを繰り返す。
自分自身が見えない虚像たちは、当然相手の顔もしっかり見えない。欲望と恐怖、イメージと肉体に突き動かされながら、抱擁のように捕食に飛び込んでいく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

瞳の赤と噴水の青、世界を覆う霧が非常に印象的なカットで、待て次週、となる。うーむ…面白いッ！
自分が何者であるかを捉えきれない青春に、主役とヒロインが囚われていること。
その二人が出会うことで、物語が動き出すこと。
その背後には、肉食と草食に分断された社会の嘘と本音が横たわること。

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

今後物語が回転していく”軸”が、非常に鮮明に、詩的に描かれていて、とても良いスタートでした。
世界の作り込み、独特で大胆な表現、繊細な演出意識が作品の情報量を上げて、青年たちの悩みをメインで掘り下げつつも、作品世界がスッと胸に入ってくるのが良い。
雰囲気を飲んでいると、お話が分かる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

思わず飲み込みたくなる危うさと魅力、熱量もしっかりある。舌を火傷しそうなヤバさが、腕を掴んで引きずり込んでもくる。
同時にレゴシの純朴、ハルちゃんの可憐も鮮明に描かれていて、ただ悪趣味なだけでなく、悪逆な世界に生きる青年の清濁両方を見つめようとする視線が感じ取れた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

むき出しの本音を否定することは、誰にも出来ない。でもそれが本当にむき出された時、生まれるのは殺人者と犠牲者だ。
そういう自然を克服するために生まれた社会はしかし、当然不自然を抱え込んでいる。その軋みを無視できるほど幼くはなく、乗りこなせるほど大人でもない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

そんな青年たちが閉じ込められた、学園という名前の檻。そこをはみ出した場所にあるだろう、社会の実相。
そういう”場”の魅力も、しっかり作り込まれた学園の美術から感じ取ることが出来ました。やっぱ巨大学園モノは、”箱”の仕上がりが良くないとガッて来ないねぇからな…素晴らしい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

モノローグの特権を与えられたハルちゃんの思いは、しっかり描かれた。
残酷な世界から弱者を守る、抱擁のようにも見える捕食。”強者”に位置づけられるレゴシは、一体何を考えているのか。次回はそこから開始となるか。
原作の味を最高以上に料理した、素晴らしい第一話でした。来週も楽しみ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) October 10, 2019

シスター・プリンセス RePure キャラクターズ第6話『鈴凛』実況感想ツイートまとめ

シスプリリピュアキャラクターズ実況感想、折返しの第六話は”鈴凛”であります。

コアスタッフは柴田由香。最近だと”君に届け””恋は雨上がりのように”のキャラデザ。アイマス第17話、真回のコンテ演出も素晴らしかった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月10日

いい歌歌うプロ雀士だなっ！（神崎ちろ版”Girl in Love”の感想）

フリルもまつげも抑えめ、スッキリとまとめたスタイリッシュなデザインが、独立心の強い鈴凛によく合う。風の涼しさから入る出だしも良い。

今までの非実在性の美術から、ハイテックなセンス溢れる実在感へ。全体的に独特で強い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月10日

今見るとジジのラボ、スチームパンク味が強くて今っぽい。

ちび鈴凛の急加速な動きが、子供の元気さを強調していい。今はそんな速度で走らない（走れない）成長が、置き去りにしたものも良く見える。

というわけで、”兄”ではなく祖父の話である。やっぱ”家族”が好きなんだなゴッドは…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月10日

全体的にハイクオリティなRePureキャラクターズでも、図抜けた質が記憶にある鈴凛回。動かさないところは動かさない経済感覚が、質をしっかり下支え。

徹底してちび鈴凛のサイズ感を強調する動き、”本物”って感じがする。ぴょんこぴょんこ跳ねて非常に可愛らしい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月10日

卵ロボを差し出す時の、一瞬の悪戯な表情。キャラが活きてるなぁ…。

進む時間。去っていく想い出。幼気な季節を回想する立場になってしまった鈴凛は、幼い永遠にはもう居場所がない。幸福な話運びに、チリチリと死の匂いが漂い出す。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月10日

序盤では奇跡と永遠の象徴だった柔らかな黄砂が、死が臭うと同時に刃の鋭さを宿し始める。音響の仕事もなかなか良い。

動かない卵ロボ。写真の中の過去。成長が取りこぼしてしまうもの、切り離すものを描くことで、間接的に”兄”との距離感が照射されていく。こんだけ独特なのに”シスプリ”である。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月10日

しかし卵ロボは再起動し、ジジの想い出を共有する兄貴はまだ生きている。哀しみを飲み込める程度に大人になった（ならざるを得ない）鈴凛の”今”もまた、間接照明で照らされていく。

ここで現在の鈴凛が、モノローグではなく生身の音で『ジジ』の二文字を呟く所が、切実な身体性を宿して上手い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月10日

ここの模型飛行機のゆったりとした、でも力強い飛行良いよなぁ…過去に思いを馳せつつ、前に進んでくパワーが見事に描かれてる。

悲しさを切り裂いた模型飛行機の行く先から、鈴凛と同じく背の伸びた兄貴がやってくる。喪服の涙に、そっと口づけしてくれた優しい人。イケメンデターーーー！！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月10日

思い出に溜まった涙が元気良く弾けるカット、素晴らしい。鈴凛の決意と、それを引き出す兄貴の優しさ、特別さが瑞々しく光る。

スゲェ…動きの端っこから端っこまで”少女の可憐さ”を繋ぎ合わせて作ったみてぇな動画だ…。

かくして、黄砂はあの時の奇跡を取り戻して、兄妹はジジのいない世界を歩く

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月10日

ED絵も可愛いんだよなー…ベタ甘な感じを上手く逃した、清涼感のある可愛さを徹底してるのが凄い。

すしお、高橋タクロヲ、田中春香、平松禎史、林明美、柴田由香に加えて、本家ジブリの横田匡史まで。どえらい原画陣過ぎてマジでビビってる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月10日

というわけで、幼年組が続いたところに祖父の”死”によって、幼い時間を強制終了された鈴凛のお話。それでも兄貴がいれば、輝く奇跡はいつでも側に。

ハイセンスで爽やかな味わいと、濃厚な”シスプリ”を同居させた語り口が非常にグッド。ベッタリしてないけど、生きる支えになってる感じが突き刺さる

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月10日

そして全体的なクオリティが高い。生き生きとした動きと表情、漂う死と哀しみの匂い。様々な表情のある風の音。
オンナノコの可愛さを120％引き出しつつ、そこに甘えない世界観のブラッシュアップが、アニメの全領域で元気なエピソードである。見終えたあとの清涼感と温もりも、後味が良く素晴らしい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月10日

放課後さいころ倶楽部：第1話＆第2話感想ツイートまとめ

放課後さいころ倶楽部　第1話・第2話を見る。
少女の世界は、出会いで変わる。
引っ込み思案な美姫は東京からの転校生、綾と出会い、楽しいものに出会っていく。堅物委員長・翠の導きで掴んだアナログゲームが、人の輪を繋いでいく。
卓上のテーマパークで踊る、色とりどりの青春。その輝きを描く物語

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月9日

そんな感じの卓ゲー青春一代記である。自分はTRPGメインでカードゲームやボードゲームは嗜み程度であるが、やはり好きなジャンルなので興味深く見ていた。
なのに第1話を”見”で済ませたのは、少しオーソドックスにすぎる気配を勝手に感じていたからだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月9日

引っ込み思案の控えめ少女、元気爆発転校生、知識がすごい堅物委員長。三人娘の組み合わせも、『楽しいもの』に出会っていく話の流れも非常にスタンダードで堅実だ。
そこを半歩はみ出す独自性のために、アナログゲームがダシに使われていないか。話を盛り上げるツールになっていないか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月9日

そこに、微妙に確信が持てなかったのだ。
誰か（というか僕）が大事にしているモチーフに敬意を持って、独特の魅力や問題にしっかり向き合い、作品を進めキャラを繋げていくメディアとして、大事にしてくれるか。
そこにいまいち及び腰になってしまっていたわけだが、第2話で疑念はきれいに抜けた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月9日

第一話が悪かったわけではない。むしろ凄く良い。
お話は美姫の世界が、どんどん新しいものと出会うことで広がっていく。京都を知らない綾を通じて、見慣れた景色が色を変えていく喜び。ヘッドフォンを外して、他人の声を聞く面白さ。
青春が力強く形を変えていくダイナミズムが、作品をしっかり支える

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月9日

『アナログゲームがあってもなくても、人生は楽しい』
選び取ったモチーフを特権化することなく、非常にベーシックな『出会いの物語』を組み上げる第一話前半があればこそ、『でも、ゲームで遊ぶともっと楽しいよ』と継げてくる第一話後半が、しっかり行きてくる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月9日

三人娘にゲーム経験値のグラデーションがあるのがミソで、経験豊富な翠をナビゲーターにして、キャラと視聴者が見知らぬ面白さに、スッと入っていける。
同時に見知らぬ者同士の障壁を楽しさで溶かして、関係を深めてくれるゲームの力も、ガードが硬い翠がよく教えてくれる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月9日

第2話冒頭が、翠が美姫にデレデレするところから始まるのが好きだ。卓を同じくすることには、そういう不思議な力があると僕は思う。
アナログゲームが持ってる、そういう特別でありふれた力を大事に書いてくれるのは、とても良い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月9日

三人がスタンダードながら魅力的で、好きになれるキャラだからこそ。彼女たちの交流を深め、世界に楽しさを生んでくれるアナログゲームの特別さ、素敵さもぐっと身近に迫る。
そういうキャラとドラマとモチーフの共犯、それぞれへの敬意と熱意がお互いを燃やす相互作用が、しっかり噛み合ってきた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月9日

ゲームを遊んでいる時のフィーリングが、上手く切り取られているのも良い。
勝つためのメソッドを掴んだ時の、不思議な納得感。ゲームをやりつつ人を見る、奇妙で愉快な複視。
楽しいからこそ集中して、普段開かないチャンネルが開いていく気持ちよさ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月9日

このお話のゲームが面白そうに見えるのは、そういうナマの感覚をしっかり掴んで、紙面に（そしてアニメに）焼き付けることが出来てるからだろう。
そういう意味では、プレイヤーがちゃんと勝とうとしているところも良い。第2話では綾が気になる田上くんが、彼女を傷つけないように立ち回る。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月9日

『ゲームの勝ち負け』というレイヤーと、『恋の駆け引き』というレイヤーが重なり合いながら動いていて、美姫はその複雑さに気づいている。
（引っ込み思案ながら、そういう多層性に気付ける子であると、これで分かる。翠は分かんない。三人娘には、ゲームの経験値以外のグラデーションがあるのだ）

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月9日

『勝たせてあげれば、恋が近づく』
そういうゲームを田上くんはプレイしているわけだが、同時に目の前の”ごきぶりポーカー”でも勝ちたい。少なくとも、負けたくはない。
そんなジレンマが裏目に出て、彼は綾を負かせてしまう
。その”失敗”は、ゲームに本気だからこそだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月9日

勝ちたい。楽しみたい。
そういう気持ちがあればこそ、ゲームは楽しい。同時に人と遊ぶものだから、単純な数字のやり取り、ルールの交錯以上の”なにか”が必ず生まれる。
それをより良く掴むためにも、ゲームをゲームとして真剣に遊ぶことは、とても大事でいいことだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月9日

僕はそう思いながらアナログゲームを遊ぶので、みんなが『勝とう！』としてくれていることが嬉しかった。
同時に、ただただゲームをやるだけで終わらず、人間関係の熱量をしっかり重ね合わせることで、展開に立体感が出た。のっぺり進まないことで、ゲームの楽しさもより伝わる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月9日

作中やってることが『面白い！』と思えると、変化や成長にも納得がいく。ドラマへの没入度が上がる。
コンポーネントを手にとった瞬間のワクワクが伝わるような、細やかな描画。現実のアレソレそのまんまなリアリティを生かして、青春が加速する触媒としてのゲームを、とても上手く描いている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月9日

キャラや語り口が優しく魅力的で、『彼らの変化や交流を、もっと見たい！』と素直に思えるのも良いところだ。
性格の凸凹、ゲーム経験値の濃淡が上手く噛み合って、座組が面白く回るのがとても良い。
お互い強い部分、足りない部分が明瞭なので、それが今後どう変化するか、噛み合うかも楽しみだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月9日

丁寧に積み重なる京都の風景、四季の色合いも非常に良い。
僕は京都をよく知らないので、綾と同じくそこは身近なファンタジーだ。綺麗で、不思議で、胸が躍る場所として作品世界を書けていることが、ゲームで変わっていく青春の舞台としての説得力に繋がっている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月9日

今後も色んなゲームを色んな人と遊んで、彼女たちは沢山笑うだろう。その笑顔、『楽しい』が変化を生み出していく。
出会って、遊んで、変わっていくお話は風通しが良く、前向きな光に満ちている。美姫のダウナーなキャラが、そういうテイストに陰影を付けているのもナイスだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月9日

というわけで、強い所が沢山あるアニメでした。
好きなだけに身構えてしまう題材だったけども、愛と賢さをたっぷり詰め込んで”活かし”てくれて、とても良かったです。
ゲームが生み出す笑顔と、それを通じて繋がる人と人。色を変えていく世界は、どんな輝きを生むか。次回も楽しみですね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月9日