ストライクウィッチーズ ROAD to BERLIN：第8話『ザ・フォッグ』感想ツイートまとめ

ストライクウィッチーズ ROAD to BERLINを見る。
ベルリン奪還作戦の要、キール軍港は霧に包まれていた。
無差別爆撃による制圧作戦が迫る中、サーニャは独自の作戦を立案する。
レーダー探知による、霧のネウロイ発見殲滅。
しかし作戦は、不可知の未来を知る彼女の戦友、エイラの独走で破綻する…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日

そんな感じの女女のちオッパイのち女女ッ！　エピソードの落差で頭痛がしてくるRtB第8話である。
”六話”をエーゲルに譲った形となったエイラーニャであるが、これまでの甘酸っぱさを残しつつ、兵士としての激しさ、戦火の残り香を漂わせた、独特の味わいとなった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日

電波の瞳で闇夜を見通すサーニャと、未来を見抜くエイラ。
色合いも白系統、お姫様と純情少年のカップリングはまさに王道…なんだけども、そこを”揺らす”のがRtBである。
常人とは異なる二人の視界は重ならず、霧は深くなっていく。そしてだからこそ、見えた後の景色は眩しい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日

今までたおやかな部分を強調されてきたサーニャが、故国を焼かれた同志としてカールスラント勢に見せる激しさも良かったし、冬至の祭りを要にそれぞれの思いやりがすれ違い、しっかり届く展開には詩情があった。
ヒンメリに思いを凝縮する展開は、異国情緒と純情が綺麗に混ざり合い、見通しが良かった

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日

というわけで、伯林への道を着実に進んでいる501。
戦略上の要衝となるキール軍港奪還の前に、再び巨大な壁が立ちふさがる。
エーゲルの邪魔をした前進翼ネウロイが”動”の極北とすると、今回の敵は”静”の極み。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日

見通せない霧に浮かぶ、怪しい影…戦術級の欺瞞能力を持った強敵である。
白一色に黒いシルエット、モノトーンの戦場がなかなか幻想的で、二人の雰囲気にあった敵といえる。
固有魔法がそれぞれ”眼”に繋がる二人、それを覆う”霧”を相手取る構図も、ズバッとハマる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日

お互い激戦をくぐり抜け、戦士としての自負もそれなり以上にある。魔女として見えている世界で救ってきた命も、一つや二つではない。
そんな凛々しさを、霧を睨みつけるサーニャからは感じる…し、だからこそ頑なに思い込む展開にも、結構な納得がある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日

サーニャがカールスラント勢のために気合を入れるのも、故国を奪われた立場、取り戻せぬ歯がゆさに共感すればこそである。
サーニャは儚い百合の花であると同時に、激戦をくぐり抜けた戦士、強い志を持つ奪還者でもあると、今回の話は静かに伝えてくる。そこが良い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日

そんな戦士にも憩いはあり、皆は思い思いに休息を過ごしている。サトゥルヌス祭に絡めてニパの名前出てくるの、BW大好き勢としてはありがたい…。
祈りを込めて折るヒンメリは、少女たちの心を反射して清い。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日

あんまギラギラしたオーナメントではなく、麦わらで素朴に、しかし幾何学的な美しさを持って編まれるヒンメリを今回のフェティッシュに選んだのは、凄くいい目だと思う。
飾りのない清潔な美しさが、むっちゃエイラーニャっぽいよね。良いチョイス。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日

そんな平穏はすぐさま打ち破られ、キール軍港を覆う霧、それに伴う無差別爆撃と奪還作戦遅延が知らされる。
その報せにゴリラ激怒！　
でも本気出したら、サウナのレンガ壁破壊するからな…まだ抑えてる方か。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日

ベルリン奪還に掛ける思い、迫る”あがり”に焦る気持ちは、ミーナも同じである。
しかし彼女は隊長で、その責務を忘れかけてもっさんがトチ狂った経験は、苦く刻まれている。
兵士であり、部隊の統率者でもある。
心を持った人間であり、軍務を遂行する兵器でもある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日

ジレンマに揺れる心を鋭く睨みつけつつ、二人の思いは霧に消えていく。
それを見落とさない女、サーニャ・V・リトヴャク。
ここで火がついたサーニャの侠気は、普段控えめな彼女が内に秘めたるものをドドンと伝えてきて、RtBっぽい見せ方だと感じた。やられてみると『ああ、なるほど』てのが多い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日

見送るしかない居残り組を、寄せて集めて霧を晴らす。
地図を睨んでの戦術立案。無視界戦闘訓練を引っ張る経験値。鏃陣形の先頭を買って出る気迫。
サーニャが戦士としての顔を見せる裏で、凸凹扶桑師弟はファンサービスを担当。なんでそうなる…。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日

同志に故国を取り戻させるため、引退前の花束を渡すため。
言葉にはしないからこそ、サーニャの思い入れは瞳に宿り、作戦を主導していく。
この視線の強さにエイラがなかなか気づかない所が、この二人の面白さとも言える。”守るべきお姫様”でいて欲しい心理、少しあるよなぁ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日

というわけで、地図を塗りつぶしながら進む霧の探索本番。
破滅の未来を幻視したエイラはあらぬ方向に銃弾を放ち、作戦は崩壊する。
ここで手早い撤退を判断できる辺、ハンブルグのバルクホルンよりリーダー適正あるよな、サーニャ…。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日

サーニャが夜を見通す自分の”眼”に自信があるように、エイラも未来を見通す”眼”を信頼している。
いつも一緒に、同じものを見ているようで、二人の視界は当然ズレている。
それは異能の眼が、沢山の生と死を見つめてきたからこそ、譲れない信念だ。戦友の死を先見しちゃうの、結構キツいよね…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日

戦士としての矜持、少女を惑わす霧。思いは強く燃えればこそ、お互いを赤く焦がす。
『そういや、階級サーニャのほうが上だったな…』などと思いつつ、親友ではなく上官として、独断専行を諌めるサーニャ。しかしその一撃は、未来を守るための…。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日

サウナで1サービス入れつつ、未だすれ違いは続行。
この段階だとエイラの未来視、サーニャを守りたい気持ちはエイラ一人のもので、”二人だから出来ること”にはなってないのよね。
なので、サーニャの瞳は見えない。作戦にも同行しない。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日

これを詰めていく手助けを、サウナでの宮藤とか、ツリー下でのミーナ隊長とかが担っていくことになる。
一期二期、戦友としての強い絆を既に確立している501は、時に衝突はしても分厚い相互理解、信頼関係が下支えをし、あまり揺れない。
ここの安定感は、なかなかありがたいやな。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日

寡黙な少女が抱えた、故国への思い。
それを判ってほしかったから、言わなかった。
ミーナの言葉は迷妄の闇を払い、行くべき場所を指し示す。
為すべきことを見つけた払暁があまりの爆エモ情景で、少し笑ってしまった…。やりすぎ良しッ！
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日

こんぐらい強くやるべきことを見定めた強さを見せるから、サーニャ自慢のレーダーを無効化してくるヒンメリネウロイの巨大さ、追い詰められたヤバさもよく判る。
ここでサーニャの代名詞であり、ここまで使ってきた”夜”を少し外して、”霧”にしたのは巧いモチーフ選択だなぁ、と思ったり。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日

情景としても、霧に浮かび上がる黒い影の不気味さ、巨大な圧迫感が凄くいい感じだ。
やっぱRtB、少女戦士が思いを賭けるダイオラマとして、凄い良い”絵”切り取ってくれるよね。
個人的には脂っこい肌色シーンより、そっちがサービスだったりする。いや、コッテリも好きだけどね…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日

自分が見ている世界への過信、奪還者としての過剰な思い入れ。
それが呼び込んだ赤い死を、跳ね除ける純情の盾。
ヒーロー参上…惚れたろッ？
あんだけ短慮な未熟を見せた上で、このど真ん中の青春突破。エイラだけに許される主人公力である。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日

『二人の邪魔しちゃ悪いから…』くらいの空気で、舞台袖に引っ込む扶桑組と子機。相変わらず、空気の読める人類の仇敵だ…。
自分が見ている緑の世界を、二人の未来に変えるために。
エイラは己の命を、サーニャのフリーガーハマーにと預ける。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日

決意の一撃が強敵を砕き、晴れる霧、差し込む光。Happy End…である。
クリスマスツリーの払暁といい、燃え上がる情感を照れず、大仕掛けな光と一緒に見せる演出はかなり好き。
なんで”霧”の話だったのか、ストンと腑に落ちる見せ方になっていると思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日

サーニャが寡黙に、奪還者としての魂を示したのに対し、エイラは途中まで、イマイチ戦士としての強さを見せられなかった。
自分の命をビーコンに変え、サーニャの技量と愛を導く咆哮あってこそ、二人の視界は釣り合いを取り戻す。
少女としての甘さを大事にしつつ、戦士達の滾りを書いたのが良い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日

かくしてキールの霧は晴れ、人類は無傷で要衝を抑える。マジ戦略級の大活躍で、四人は勲章貰っていいと思うよ…。
魔女たちにとっても大事な、冬至の祭り。そこに最高のプレゼントを差し出して、二人もニッコリ笑顔である。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日

今回の主役はエイラーニャなんだけど、三期最大のシャフトであるベルリン奪還に向け、部隊レベルでも戦略レベルでもしっかり見取り図作っているのも、なかなか良かった。
アントウェルペンからキール、ベルリンに続く兵站の流れを書いて、少女たちだけの戦場にならないよう、注意深く運んでる感じ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日

同時に人類存亡を背負うエースは、ただただ可憐な少女でもあって。
お互いの思いを寄せたヒンメリが、美しく寄り添う緑の樹。すれ違いつつも掴み取った、最高のプレゼントに”ダイヤのエース”も大喜びである。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日

この満面笑顔、『サーニャが大好きだッ！』という気持ちを一切隠す気のない無防備なLOVEが、やっぱエイラの良いところだな…という気持ちを確認して、キール奪還作戦を成功に導いた、二人の魔女の物語は終了である。
眼、霧、愛…エイラーニャの要素を、的確に再配置したエピソードとなりました。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日

ただ『いつものエイラーニャ』をトレースするだけでなく、故国を奪われたサーニャの胸に燃える炎、戦士としての矜持と頑なさを、しっかり彫り込んでもくれました。
RtBは自分たちが生み出した良さの再発見と、有るんだけど語られてない良さの提示が、凄くバランス良いよね。
良く出来た”三期”よ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日

エイラの可愛い純情、溢れるヒロイズムと素直な愛もチャーミングに描かれ、大変良かったと思います。霧のネウロイさんは、大変いい仕事をしました。
これでベルリンへの血路も開かれ、物語も後半戦。
どんな物語が展開するか、非常に楽しみです。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月26日

プロジェクトセカイ カラフルステージ感想：Leo/need ユニットストーリー感想

”プロジェクトセカイ　カラフルステージ”の、Leo/needユニットストーリーを読み終わる。
気づけば幼い真っ直ぐさを失いバラバラになってしまっていた少女たちが、青春の蹉跌に苦しみつつ、再び繋がり歩き出すまでの物語であった。
衒いも照れもない王道踏破。繊細な問題意識、世界認識。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

ジュブナイルとしての強さをしっかり見せつける、骨のある物語であった。
すれ違い、悩み、苦しみ、それでも胸の中にまだある星を追いかけて、絆を繋いでいく。
未来に進む道は思い出の中にこそあるのだと、四人それぞれの悩みを絡ませつつ掘り下げていく歩みの確かさ、素晴らしかった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

セカイの持ち主であり主人公格でもある一歌が、どこに出しても恥ずかしくないミク廃であることが、一見プレーンなレオニの独自性、ユニット全体の”ゼロ位置”を担当する強さに繋がっていると感じた。
ミクは、いつでも自分に寄り添ってくれた。
答えを出すのを、手伝ってくれた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

そう心から信じている一歌が、”Untitled”な歌に導かれてセカイに飛び込むことで、ありふれたすれ違いは方向を変えて、思春期の青年たちが本当にやりたいこと、繋がりたい絆、なりたい自分へと近づいていく。
そこにVOCALOIDとバンドが、大事な仕事を果たす。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

それは両方とも、モヤモヤと形にならない思い、間違っていると感じているのに正せない歩みを言葉にして、あるいは言葉にはせずに自分を変えていける、大事なメディアだ。
音楽があることで、青年たちは自分の気持ちを形にし、大事な誰かと共有できる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

これは個人の心から生まれながら、同じ波長を共有する”誰か”に対して開かれたセカイと同じ性質であり、つまりセカイとは音楽なのだ。
VOCALOIDのコンテンツとして、これ以上に正しい答えもないだろう。
世は音に満ちて。ピュタゴラス学派的な世界認識、とも言えるか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

さておき、物語の初期状態ではレオニの三人は、それぞれ何かを間違えてしまっている。
四人で流星群を見上げた時の純粋さ、確かな繋がりは成長とともに傷つき、今の自分は何かを間違えている。
それを判っているのに、正すことが出来ない。
成長に伴う普遍的な違和感と、根源的ないくじのなさ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

それは一歌においては決断力の欠如、志歩においては過剰な決断力、穂波にとっては八方美人な意気地の無さとして発露している。
他人なんてどうでも良かった児童期はもう終わって、誰かを思えばこそ繋がり方を間違える、複雑なセカイが見えだす季節。少女たちは、それぞれの在り方で苦しんでいる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

歌とセカイに出会うことで一歌が勇気を手に入れ、その働きかけがみんなを変えていくのは先述したとおりだが、ここでジョーカー的な仕事を果たすのが咲希である。
病院に閉じ込められ、皆が歩み苦しんだスタンダードな成長から遠ざけられた彼女は、その分純粋な想いを強く保持している。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

妹がそんな希望を失わないよう、自分のセカイを明け渡した司くんの人徳がありがたいけども。
咲希のある意味幼い真っ直ぐさ、手に入らなかった日常を濁らず求め続ける魂は、本当の気持ちを思い出させていく。
病院で隔離/保護されていたイノセンスが、青春の起爆剤となる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

それが持つ危うさを、最初のレオニイベストでしっかり彫り込んで、救ってもらった形の”みんな”がどれだけ咲希を大事に思い、恩を返すか即座に補足したのは、異常な目の良さだと思うけど。
名前のとおり、咲希は見失っていた希望の花を咲かせる、幼い流星なのだろう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

同時にその希望は、強く求めても手が届かなかった苦しさ、置いてけぼりにされる寂しさと裏腹だ。
禍福善悪が糾える縄のように密着していて、それが簡単に転位する様子は、登場キャラそれぞれのやり方で描かれている。
穂波の優しさは、傷ついた経験によって転位して、傷つかないための防壁になっていた

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

志歩の強さは、孤独を演じることで自分が傷つかないための武器に変わってしまっていた。
四人で星を見上げていた時は、何も考えずに掴めていた『自分らしさ』は、成長しセカイの中で揉まれるうち、自分と他人を傷つける棘になってしまう。
そんなこと望んでいないのに、変わってしまう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

そんな流れに竿を射し、星空への再転位を果たすために大事なのは、とても小さな勇気。
思い悩んで、苦しんで、それでも一歩踏み出す歩みこそが、世界の壁を壊していける。
凄くありふれた、しかしだからこそ普遍的な答えに向けて、一歌はミク達の歌、咲希の純真に背中を支えられ進む。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

そんな四人の歩みは、人間関係の微細な難しさでみっちり埋まっている。
モモジャンやニーゴのイベストでもそうだが、プロセカが切り取る世間は無理解と思い込みに満ちて、なかなか上手く行かない。
みんな勝手な思い込みで目を塞いで、ありのままの真実が見れないまま、誰かを勝手に判断する。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

いじめも起これば、傷つきもする。そんな生っぽい世界の空気を、一番濃く切り取っているのがレオニだと思う。
キャラ造形と舞台設定が等身大であるからこそ、切り取られる人の難しさ。誰かを思っての行為が、その実真意を裏切りもするややこしさ。
子供じゃないからこそ、思い悩む複雑。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

強くありすぎることで傷つく志歩と、優しくありすぎることで迷う穂波。
二人の対比は、とても鮮明だ。
彼女たちの迷いに踏み込み、拒絶され間違えてなお、過去から現在、未来へと続く夢を取り戻そうと働きかけ続ける一歌と咲希の奮戦も、語り口に嘘と大げさがない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

友達が何を考えているのか。どんな状況で、何に苦しんでいるのか。
見えないからこそ考えて、大事だからこそ立ちすくむ。
子供みたいに真っ直ぐなんて進めないけど、だからこそ思い切って踏み込むことで、過去を取り戻し未来に歩き出す。
そういうありきたりの、大事な青春が活写されていた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

そんなみんなのアジールとして、”バンド”という結束の形を示し導くミクとルカも、”先輩”であることに悩んでいる。
レオニ視線だと完璧な”大人”に見える彼女たちが、彼女たちなりに思い悩み、色々考える”人間”なのだと教えてくれるボカロストーリーは、やはり秀逸な形式だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

あれがあるから、VOCALOIDは人間を助ける神様で終わらず、意志を込めて決断する電子化された人間たり得ている。
同時にファンタジックに特権的な存在であるからこそ、子供らが答えを導く星として、揺るがず存在も出来る。
人間の話とボカロの話を、切り離しつつ繋げた形式は大正解だと思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

孤立をベースにぶつけ続けた志歩（”志を歩む”という名前は、彼女の闘志に相応しい）に重なる形で、少女たちはバンドになっていく。
かつて握っていた楽器を取り戻して、自分を表現し、他人と繋がる手段として音楽を選ぶ。
そうして”Untitled”な楽曲は”needLe”となり、バンドには”Leo/need”と名がつく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

針で突き刺されるような青春の傷みを越えて、友達の苦しみをどうでもいいとは言えない自分に立ち戻る。
”needLe”という楽曲はまさに、Leo/needの物語を凝集したアンセムである。心を押し殺し、子供な自分を諦めていた過去に決別する歌なのだと思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

そこから動き出す物語はまだ、始まったばかりだ。曲を作り、バンドとして活動していくミライはずっとずっと、白紙のまま広がっている。
ワンダショのユニストもそうだが、あくまで結成段階で止めてそこからの活動を、今後のアプリ展開に残してあるのはさすが。そこが美味しいからな…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

原点を取り戻し『やる！』と決め、自分たちがどんな存在か、どんな歌をセカイに吠えていくか決めても、現実は早々簡単には動かない。
でも確かに、その決意があったからセカイは広がっていく。
”Leo/need”の”/”に刻まれたしし座流星群を、その音楽を耳にした沢山の人が共有するミライは必ずある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

楽曲というメディア、バンドという活動を通じて、四人が個人的に共有し、思い出した流星がもっと広い場所へ繋がっていく可能性を、この段階で示唆しているのは凄いなぁ、と思う。
私の歌、私達の歌は、いつでもみんなの歌になれる可能性を秘めている。そういう強さが、色濃く出ていた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

無論そこにたどり着くまでには、色んな荒波もあろう。
バンド活動の厳しさ、ユニットであることの難しさ。お互いを思えばこその軋轢も、青春の悩みもどんどん押し寄せてくる。
しかし、それは越えられる。荒れ狂う嵐に立ち向かう武器は一人ひとりの胸の中、思い出の中にちゃんとある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

そして一人ではないと思い出せば、想いに踏み込む勇気、思いを受け取る強さで繋がれば、ちゃんと進んでいける。
そういうポジティブなメッセージを、作品世界のノイズを濃い目に切り取りつつしっかり出しているのが、若人（と、かつて若人だったすべての人）に向けた物語だと感じた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

バンドとしてのサイズ感と雰囲気、構成メンバーの造形、楽曲のストレートさ。
全てがど真ん中をしっかり捕まえつつ、”Leo/need”だけの物語になってオリジナリティを感じられるところも、とても良かったです。
王道だが、ありきたりではない。これやり切るの、相当難しいと思うよ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

自分の優しさと弱さに苦しんだなほちゃんが、レオニの仲間に心を受け止めてもらうことで、今の友達との関係、そこに繋がる自分もより善くなってく描写があるのが、本当に好きなんですよね。
レオニは特別で大事なホームだけど、セカイはそれだけで構成されてない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

色々悩まされる人間関係も、自分のエゴに繋がった自己防衛も、人が当然持っている在り方の一つで。
セカイと出逢った特別な物語が、そういうとてもありふれたものを変えていける描写があるのは、ファンタジーを現実に繋ぎ、”私達の物語”として活かす大事な足場だと思います。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

己達の名前を定め、追うべき星を思い出したレオニは、この後もたくさんの歌を作っていくでしょう。
彼らはバンドで、それを助けてくれる仲間はいつでも、セカイで見守ってくれる。逢うことも語り合うことも出来る。
隣人としてのVOCALOIDを、しっかり描き出す物語は続いていきます。今後も楽しみです。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

追記　あの思い出の流星群を一緒に見た、四人の若獅子にとってお互いは必要な存在。Leoはneedなワケよ。

レオニは名に”Leo”を背負ってるのが良いですよね。
青春の蹉跌に傷ついて、なお怯まずに歌を吠える金毛の気概が、バンド名から匂い立っている。
『負けねぇぞ…』っていう闘争心は志歩の資質として強く現れてるけど、多分集ったみんながちゃんと持ってて。可愛いだけじゃないのよ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

魔王城でおやすみ：第8話『姫と魔族の恐るべき悪夢』感想ツイートまとめ

魔王城でおやすみ　を見る。
着実に魔王城に迫る、勇者アカツキ。
かえんどくりゅうを送り出すべく開かれた壮行会は、当然のごとく姫様の悪夢相談会と化した。
虫歯で弱みを見せたり、悪い大人にぬれぎぬを着せられたり。
絶対無敵な姫様の、ちょっと違う顔が見れる回。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

つー感じの今までとはちょっと違う塩梅、魔王城でおやすみ第8話である。

・姫様が安眠クエストに奮起しない
・積極的にコミュニケーションを取りに来る
・弱みや恥じらい、可愛げを見せる
・勇者が話の真ん中に来る

など、今までの傍若無人行脚とは大きく異なる変化球であった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

それでも笑いのストライクゾーンにズバッと収まるのは、これまでのパターンが強ければこそ。
速い真ん中に目が慣れていればこそ、落ちるボールに思わず手が出る、って感じだ。
世にも珍しい手弱女ぶりを発揮する歯医者さんも、ミスを引っかぶせる汚い大人達も、今までと違って、今まで通り面白かった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

画面占有率としては主役級だった勇者だが、幼年期から徹底して塩対応であり、すっかり視聴者と姫様の足場が魔王城にある今、天然な空気の読めなさ、団欒の破壊者っぷりを笑うという、なかなかトンチキな立ち位置にいる。
ここら辺、J-RPGの王道を前提とした、シニカルな笑いだよなぁ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

攫われて涙に濡れてるはずの姫様が、すっかり魔王城の中心になってる、アットホームな逆転。
そこから阻害されている”主人公”アカツキ。
魔王に加減されつつ進む『ゆうしゃのぼうけん』は、アカツキ視点だと順調であり、しかし真相からは徹底的にズレている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

今回も形を変えて暴れ狂う、ディスコミュニケーションの笑い。
もはや文化類型となった『いわゆるRPG』からのズレもまた、この話の基本に忠実に転がっているのだろう。
しっかし姫様、今何歳くらいなんだろうな。
蝶よ花よと育てられすぎて、実年齢に対し相当幼く整っちゃった感じするね。そこが良い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

というわけで、初っ端からズレてる勇者と姫の関係。
救出の一手になるはずのゲート魔術は、姫様のつむじを直撃して悪夢を産出。ダーメだこりゃ。
ここで魔王城の面々に話を持ってくる辺、人間の心がない人なりに、怪物を信頼しているようだ。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

まぁあんだけドタバタドタバタ、日常を共有し笑い合っていれば、怪物なりに丞も通おう、というものだが。
姫様は安眠以外に価値を見いださないスリーピング・モンスター。
今回も『悪夢を祓う』という目的で動いてはいるが、一応、殺したり奪ったりしないコミュニケーションを持ちかけてはいる

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

無論壮行会の趣旨は理解しないし、自分の言いたいことブッ込んでるだけなんだが、優しい怪物たちの一方通行だった交流が、一応曲りなりとも双方向になりかけているのは、変化を感じる。
まぁ子供時代と同じく、一方的に言いたいことを投げかけるだけの喋り倒しなんだけどね…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

というわけで、後に勇者となるやべーやつ、あなんとか君との過去が、好き勝手に開陳されていく。
この興味の無さが姫様の怪物的人格によるものか、アカツキがやべーから関係構築に失敗したのか、その両方なのか。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

どっちにしても、自分を助けに命をかける婚約者は、姫様にとって悪夢でしかないようだ。
魔王城にとってもそうなのかは、ゲームめいた朗らかさの迎撃作戦を見てると、なかなか判断しづらいところである。
つーか人類とモンスター、魔王城の外で対立とかしてんのか？　ナレではそういう事になってるけど

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

少なくとも姫様にとって、キャラが薄くてヤバいあなんとか君よりも、魔王城の面々の方が親しみやすいのは間違いない。
魔王城の連中も、傍若無人ながら可愛い隣人にすっかり夢中である。オイあくましゅうどうし、お前まさか…。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

不穏な気配を漂わせつつ、ついに始まった火山の決戦。
その裏では、虫歯腫らしたベイビーちゃんが治療バトルに勤しんでいた。
いつもは好き勝手絶頂に殺してでも奪いとってる蛮族が、弱みを見せる姿は、なかなか新鮮で扇状的であるな…。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

姫様2Pカラーみたいのが顔見世だけしたり、口腔をめぐるセクシーな攻防戦が踊ったりしたけども。
毛糸の動物園の時もそうだけど、姫様セクシーな恥じらいもどっかズレてて、そこが面白い。
恋愛関係に話が転がっていきそうなオーラも出てきたが、多分一筋縄じゃいかないんだろうな…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

のろいのしかいしのサバケた大人っぷりが、姫様にダダ甘な魔王城メンツの中では異質で、そこも新鮮な回であった。
つーか人を人とも思わない姫様も、治療してもらったら『ありがとう』は言うのね…。ベロ短いの可愛いね…。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

これまで姫様は誰にも頼らず、自分だけの価値観を自分だけの力で貫いてきた。
しかし今回の虫歯騒動…あるいはその前の悪夢は、自分の抱えた困難を誰かに預ける、双方向のコミュニケーションが（一応）成立している。『ありがとう』も言う。
無論、いつもどおりの大暴れではあるんだけど。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

その双方向性でもって、怪物たちが大人の汚さを姫様に押し付けるのが、第3エピソードである。
激闘の果てに死んで蘇り、力を封印されたかえんどくりゅう。彼の奮戦が大失敗に終わった裏には、バカ達のやらかし祭りがあったのだ。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

一応死んでるのに、甲子園予選二回戦負けチームを迎える地元応援団みてーな気楽さで対応するモンスター達が、相変わらずの生き死にの軽さだけども。
破滅の裏に姫様あり。
火山決戦反省会を舞台に、今までのパターンを前提に裏返す、汚い大人のぬれぎぬ祭りが開始である。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

まぁ今までされたことを考えれば、こんぐらいは許容範囲だと思うけども。
他の連中がただのやらかしなのに対し、あくましゅうどうしだけどす黒い殺意と独占欲が迸ってて、生臭くて怖え。一応修道士なのに…。あくまだから良いのか。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

ここで仲間もろともの爆☆殺を考える辺、しゅうどうし君結構ガチ恋なのね…って感じ。
確かに人間サイズの大嵐、コミュニケーション不能の怪物だが、仕草と外見はマジで可愛いからな…振り回されているうちに情も湧こう。
でも他の連中は、徹頭徹尾親目線、飼い主目線やぞ？

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

というわけで、無邪気な姫様は大量に覆いかぶさった濡れ衣もなんのその、今日も安眠である。
魔王城の連中が振り回されるパターンから離れて、ちょっとだけやり返す。
公平性が担保されてよかった…と言いたいところだが、かえんどくりゅうはキレていい。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

事情も知らず、無邪気にはしゃいでるって意味じゃ、あなんとか君もおんなじではあるんだよな…術士さん、ご苦労さまです。
みんながみんなどっかズレてて、しかしどこかで繋がっている。だからといって、完全に判りあえるわけでもない。
このお話の基本律を、別角度からクスグる回でした。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

姫様が一方通行に好き勝手やる時代を経て、ズレてるなりに怪物を頼り、弱みを見せる。怪物側もちょっとズルく、自分の不始末を押し付ける。
コミュニケーションに必要な双方向性、公平性を、トンチキながら育む魔王城とその囚人。
助けに来るはずの勇者は、両方にとっての悪夢、と。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

『これ勇者が魔王城に到達しても、魔王様ぶっ倒してHAPPY END…たぁならんな』などと確信しつつ、あくましゅうどうしに芽生えた黒い恋心の今後も、なかなか興味深い。アイツも大概やべーな…。
話数も2/3ほど駆け抜け、最終コーナーが見えてきたこのお話。どう終わらすかも含め、次回も楽しみです。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

憂国のモリアーティ：第7話『ノアティック号事件 第ニ幕』感想ツイートまとめ

憂国のモリアーティを見る。
豪華客船を舞台に、”モリアーティ”が描く残酷喜劇。
狩人は駆り立てられて狩場に上がり、衆愚は叫び、選ばれし者たちは日和見を決め込む。
全ては、金色の傀儡師の思うがまま。
そんな芝居に、たった一人疑念を抱いたものがいる。
その名はご存知、シャーロック・ホームズ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

そんな感じのノアティック号事件後半、憂国のモリアーティ第7話である。
階級構造をひっくり返すべく、庶民の反感を犯罪劇場で煽る。その実験は文字通り劇的に成功…しつつ、そこに立った一人、ありえない真実を見抜いた男がいる。
ご存知名探偵、満を持しての登場となった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

このお話し、やっぱ主役たるモリアーティを憂国（あるいは美形、もしくは血盟）無罪とするつもりはないっぽくて、彼の舞台に乗っかる貴族や衆愚と同じくらい、彼ら自身も静かに断罪されているように感じる。
同罪反復を原則に、狩人を狩る姿。
死体を弄ぶ殺人者に、愚かなる墜落を。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

そんな風に貴族を狩る貴族も、また貴族なのであり、自分が踏みつけにしているものを軽んじる傲慢は同じだ。
死体を弄ぶものを弄ぶのなら、いつか彼らも死体となるかもしれない。
”モリアーティ”だけが特権的に、犯罪による罰の収穫から逃れ得るかもしれないが、滝から落ちる未来が待ってはいる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

その上で、賢明だが賢明になりきれないホームズが断罪者としてどの程度の権能を有し、どのように彼らの憂国計画に絡んでくるかが、今後問われることになる。
事件の表層を掘り下げ、しかしその奥にあるどす黒い謀略には踏み込めない。
ウィリアムと同じく、僕らも諮問探偵の資質を探ることになる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

今後全英を舞台に踊る、華麗なる残酷劇場。
その支配人と対抗者両方の腕前、両方の限界を魅せる回だったと思う。
ウィリアムの邪悪な無双も愉快だったが、ライバルと抜きつ抜かれつのレースになっても面白そうだと、思えるホームズ登場であった。さーどうなるかな。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

さて、自分が用意した罠に狙い通り飛び込んだエンダース卿を、ウィリアムはほくそ笑みながら料理していく。
下民を侮蔑する上位種としての共感、渡りに船の死体隠蔽。
盲亀の浮木と掴んだものが、その実自分を追い詰めているとは解るまい。
©竹内良輔・三好 輝／集英社・憂国のモリアーティ製作委員会 pic.twitter.com/4h86eYYBF2

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

今回エンダース卿はとにかく、足元がおろそかである。
高みに登って安全と思い上がって、足下から不意打ちを食らう。あるいは引きずり落とされて、地獄に落ちる。
天から落ちたイカルスか、傲慢を積み上げたバベルの塔か。
そういや、塔を作ったニムロデは優秀な狩人であり、ノアの子孫だったな…

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

狩人気取りで駆り立てられ、超越者と思い上がって足場を崩され、傲慢の高みに登ればこそ地面に落ちる。
その有様が、”モリアーティ”の末路を暗示しているような気がするのは、僕が彼らの破滅を望んでいるからか。
それとも、因果が応報する基本ルールで、この話が動き、演出されているからか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

平等を謳うのならば命の値段を選別するべきではないし、正義を求めるのならば計画犯罪などで人身を動かすべきではない。
正しくない手段を、それでも己の信じる正しさのために選び取らざるを得なかった、その業。…その共有と共犯。
エンダース卿になくて、”モリアーティ”にあるもの。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

それを書けるかどうかが、今後の物語で大事かなーと、個人的には感じる。
金色の犯罪コンサルタントは、なぜ”犯罪”を選んだのか。
彼を主役とするこの作品は、なぜ”犯罪”を選んだのか。
テーマ性の核に踏み込むエピソードが、早めに欲しい気持ち。別に『そういう動物だから』でも良いけど。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

足元の暗闇に死体を回収され、喜劇は順調に進んでいく。
悲劇的な死と生を演出して心を揺さぶる”ジゼル”の上で、下界を蔑しながら見下す貴族たち。一瞬の美酒に酔う愚者を、静かに睨みつけるもうひとりの”モリアーティ”
©竹内良輔・三好 輝／集英社・憂国のモリアーティ製作委員会 pic.twitter.com/6TSCxMPC99

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

葡萄酒の赤、天鵞絨の赫、鮮血の朱。
貴族を追い立てる、魔犬の紅い瞳。宿る邪悪な炎。
警戒色に彩られた天界から、オペラグラス越しに歩く死者を…自身の破滅を見下ろして、エンダース卿は正気を失う。
モリアーティの操る糸に、綺麗に踊らされて失わされる。
全ては、悪魔の書いた脚本通り。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

かくして猜疑の緑に色づいた狭間を駆け抜け、道化は深い地下の底に沈む。
そこが、お前にお似合いの地獄だ、とばかりに。
死体を二度殺す狂気を、冷静に見守り分析して、逆しまの緞帳が上がる。せり上がる奈落が、貴族の醜悪を暴く。
©竹内良輔・三好 輝／集英社・憂国のモリアーティ製作委員会 pic.twitter.com/jeqCMa31jo

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

モラン”大佐”が状況を常に”作戦”として認識しているのが、『彼のアフガン戦争は終わってねぇんだな』という感じで面白かった。
今後ホームズを掘ると、もうひとりのアフガンツィが顔を出してくると思うけど、モランとワトスンの対比どう魅せるかはスゲー楽しみ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

一味は常時連絡を取り合い、変装による虚偽、助言者面の情報操作で舞台を仕上げていく。
エンダース卿はこの船を”方舟”といったが、ならば番以外に乗船資格はない。頼れる仲間がいなかった時点で、彼がこの船から落とされる未来は決まっていたのだろう。
落とすために登らせる。殺すために殺させる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

その仕上げが、最高の演出で大衆に曝け出される。
ここは自領に囲い込んだ安全な屠殺場ではなく、衆目睨む公平な劇場。
皆、悪魔の意図が絡みついていることなど知らず、間抜けな顔で豪華な凶器を奮い、群衆は口々に殺戮を非難する。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

『人の命をなんだと思ってるんだ！』
名もなき群衆の声は全くごもっともだが、それは死体を二度殺した”モリアーティ”にも当然伸びる非難だろう。イヤマジで、なんだと思ってんの？
選ばれたものとして、俺には殺戮者の特権がある。
吠えるエンダース卿の芝居は、同じ志を持つはずの貴種から指弾される

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

産業革命を経て、貴族の英国も土台が揺らいでいる。
小作奴隷と思っていた連中は小銭を稼ぎ、人権意識に目覚めだし、簒奪される富と命を当然とは思わなくなっている。
発火寸前の国内事情があって、”モリアーティ”も劇場計画に乗り出したわけだ。
ならば、貴族様も劇場の皆々様、お顔を伺う必要がある

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

ノアの見立てに乗っかるのならば、エンダース卿は番もつれず、せり上がる時代の波に取り残された古い動物である。
そんな恐竜が勝手に歩いて、人間を喰い散らかす。
あるべき秩序が果たされない現状に、神罰の代行者として、聖なる犯罪者として血の預言を為す。
それを許す神は、何処に鎮座ましますか

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

それを問いかけそうな男が、凶行にバリツキック！
恐怖と憤怒を煽られて、船に乗った全員が踊る只中で、ホームズはひどく強靭で冷静である。
女を釣るための職業占いは、あくまで余暇。死体の謎を一人掘り下げるのが、彼の性分、と。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

ウィリアムの劇場計画は人間知性を侮ってる部分が見え隠れして、慄きつつも『オイオイ、大丈夫かよ』とツッコミむけど。
自分と対等の知性が船に…世界に紛れ込んでいることを仮定し、犯罪の方程式を編まない杜撰さがここら辺、垣間見えてる感じもする。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

駆り立てられ、必死に逃げる。
狩人は獲物に、貴種は道化に成り果てて、無様に高みによじ登り、罪の洪水に飲まれていく。
傲慢と狂気のツケを払わされて、非難の声も水に食われる。かくして、モリアーティの犯罪劇場は幕である。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

”ノアティック”という名前に踊らされて、ここがバベルの塔の見立て殺人だったと読みきれなかったエンダース卿には、似合うの末路とも言えるが。
連続殺人鬼として、時代の趨勢を読めず、古い時代の特権を吠えたけり、通じずに死ぬ。
分断と無理解の権化として、なかなかいい仕事だった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

前回冒頭の”狩り”を、主客を入れ替えて演じる追い込みの演出はやはり、この物語が報復律で動いていることを教える。
悪を為したものは、それによって同じく滅びる。
今の英国にはない正義を成し遂げるモリアーティは、そのルールから逃れうるのか。
死を弄び、人を侮る傲慢の、ツケをいつか祓うのか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

やっぱ気になるのはそこである。
『所詮世の中こんなもん』と諦め、悪に徹するピカレスクとはまた違う。悪なる善を貫く、転倒した世直しモノ。
間違いきった手段を手にとって、（この後の世に生きる、人権民主社会の住人たる僕らにとっても）正しい世界を引き寄せる試み。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

それが失敗しても、成功しきっても、僕のケツの座りは悪い気がする。そうなるように、このアニメ編んでる感じすんだよなぁ…。
主役をどこまで保護するつもりかは、結末まで見ないと解らない。
分割2クールとはいえ連載中の作品だしなぁ…どういうオチにするか、気になるところ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

それは先の話として、見事に初舞台を終えた悪漢一座は、血の如き一服に酔う。
そこに水を差す、ウィリアムの一言。憂国の眩暈を覚ましかねない、諮問探偵との邂逅。
犯罪劇場の舞台裏へ、唯一目を向ける理性の怪物。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

『この船全てを舞台に、群衆を操った存在』
ホームズがそう口にする時、カメラはユニオン・ジャックを写す。
そう、これはあくまで予行演習。”モリアーティ”の狙いは倫敦全土、英国全域を劇場化し、社会体制転覆の機運を盛り上げることにある。
時代に揺れるノアの方舟は、大英帝国全体なのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

時代の洪水が英国を揺らしていくことを、未来の僕らは知っている。
それが天命により訪れたものか、神の…あるいは悪魔の啓示を受けた人為によって近づけられたものなのか。
近代史の裏側に潜り込む、伝奇としての面白さも出てきたな…。表舞台に伸ばす手も、アルバート経由でかなり長いし。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

ともあれ、未来の仇敵は事件の表層を読み、真相を読み損なう。
ダラムを根城に張り巡らされる巨大な蜘蛛の巣が、目の前の青年を主にしているとは思わない。
しかしその知性に、挑戦に、ウィリアムは黄金の輝きを見る。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

アルバートを主役に描かれたモリアーティ殺しでは、自身が背負っていた金色の光。
犯罪卿が諮問探偵に、一生を支配されるほどの輝きを見ている心根は、一体どんなものなのか。
ウィリアムがホームズをどう受け止めたかは、今後物語を引っ張る大事なエンジンな気もする。感情…デカいのか？

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

難しい問題ほど、解き甲斐がある。そう嘯くホームズと同じ好奇を、ウィリアムも業とするのか。
それが自分の完全犯罪を切り崩すとしても、自分の糸に絡め取られない聡明さに、敬意を払うのか。
これから始まる（っぽい）ホームズ研究は、ウィリアムの見えにくい内面もスケッチしてくれそうだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

アルバートが間違えきった醜い現世への憎悪に、ウィリアムの犯罪諮問で答えを与えられ、最前線でそれを楽しんでいるように。
ウィリアムは自分の計画を止めてくれる”誰か”を、待ち望んでいるのだろうか。
それとも、己の正義を邪魔する悪魔と、”シャーロック・ホームズ”を呪うのだろうか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

そこら辺が気になる、ライバルたちの邂逅、犯罪劇場第一幕であった。
エンダース卿への報復律が、”モリアーティ”も照らすのか。
その先頭に、理性の刃を携えたホームズが立つのか。
現在進行系の犯罪喜劇だけでなく、その未来への期待も上手く煽るエピソードだったと思います。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

ホームズを鏡にすることで、ウィリアムの人間的執着、審美基準が見えてきそうな感じもあって。
現状見た感じ、アルバートは対等な鏡たり得てないんだよなぁ。感情が実は一方通行…か？
そこら辺深く探るためにも、次回以降の探偵授業、非常に楽しみです。ワトスンくんをどう書くかなー。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月25日

A3！ SEASON AUTUMN & WINTER：第19話『再会の季節』感想ツイートまとめ

A3！ SEASON AUTUMN & WINTERを見る。
木枯らしが吹けば、もう季節は冬。
MANKAIカンパニーにも、新たな仲間が集う。
その内訳は、街の添い寝屋にハイテンションな詩人、記憶喪失に感情拗らせた演劇ガチ勢×2ッ!
いつにもまして濃いメンツが、どんな物語に飛び込むか。
それは星だけが知っているッ！！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月24日

そんな感じのSEASON WINTER開幕ッ！　読めぬ…エーアニの手筋がッ！！　な、冬物語序幕である。
毎回第1話は今後の伏線を張りつつ、トンチキ人間が劇場から出てくる甘～い匂いに誘われ、ゾロゾロ集まってくる作りになる。
濃いめのキャラ以上のものは見えにくいので、歯車のかかりは正直悪い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月24日

同時にここでナメてると、後々とんでもないブロウを食らうことも学習しているので、パット見の印象に流されないのが大事だろう。
まぁ流されるけどね！　冬組、いつにもまして奇人力高くない？　マトモ担当に見える二人は、開幕から情念エンジンフルスロットルで拗らせてるしさ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月24日

エーアニは濃い目のキャラが織り成す楽しいドタバタ、濃厚な感情絵巻だけでなく、そいつらが”演劇”に夢中になり、芝居を編み上げ、一座を組み立てていく過程も魅力だ。
冬組がどんな芝居をするのか。それは紹介編である今回は、まだ見えない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月24日

しかし一年のフィナーレを飾る大樹は、今回見せられたトンチキ座組から、必ず太い幹を伸ばすだろう。
こんだけの特濃メンツに、どういうフィクションを噛み合わせるか。題材と方向性への期待感（と、ちょっとの不安）も沸き立つ冬組スタートである。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月24日

というわけで、演劇に魂を乗せた男と男の視線交錯から冬組は開始。
光あふれる改札から出てきたはずなのに、紬を取り囲む世界は暗い。前回侠気を見せていた丞さんも、彼にだけ視線が重い。
芝居、裏切り、すれ違い。
関係の実体は見えぬまま、輪郭だけがデカい。
©A3! ANIMATION PROJECT pic.twitter.com/L3rTcnnSOz

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月24日

作中でも言及されてるけど、冬組は平均年齢が高い。
”みんないい大人”だからこそ、素直になれないぶつかれない。
大人ぶった賢さで自分をせき止めていた万里が、ガキのようなひたむきさを思い出して演劇に向き合う秋組の物語と、同じような再発見が、あるのかないのか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月24日

今後物語を大きく左右するだろう、感情の動脈瘤が二人にあることを、闇の濃さが印象的なアバンはよく教えてくれる。
丞さん基本良い人なんだが、紬と向き合うときだけピリピリするよね…。
熱のある闇を引っ張り出す、特別な存在。バディ構造を真ん中に据えるのは、秋組から継続…かな？

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月24日

今回のお話は秋組のエピローグという色もあって、あの凸凹を乗り越えたヤンキーたちが、一座として個人として元気に楽しくやってる姿が、勧誘の中で良く見える。
ちゃんとお互いの顔を見て、仲良く喧嘩している十座と万里。後ろで腕組みして、兄貴ぶる左京。
©A3! ANIMATION PROJECT pic.twitter.com/GvOBcaTSFo

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月24日

既に一つの物語を終え、関係性も人格も仕上がった秋組の到達点をしみじみ味わいながら、新しい風も吹いてくる。
…”街の添い寝屋さん”って、やっぱ隠語っスか東サン！（直球）
他人の欲望を受け止め、望みを演じる前職もあってか、妖艶な雰囲気の兄サンはなかなか上手くこなす。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月24日

そして紬は、芝居の重要な要素である”台詞”をあえて抜くことで、観客に気づかせ、考えさせる面白さを演じる。
これがなかなか高度なことだと判るのは、太一の分かりやすいアゲ・リアクションもあるけども、冬組まで視聴者が付き合い、演劇リテラシーが上がってるからでもあろう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月24日

芝居に何が大事か。
ド素人から鍛えた春組、才と非才がぶつかりあった夏組、皆が覆いを外した秋組を通じて、このアニメは自分たちが選び取ったテーマの要点を時に具体的に、時に抽象的に、ドラマの中でしっかり伝えてくれた。
ここら辺の教育効果が的確なのは、このアニメの良いところだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月24日

四季の物語、その末尾を飾る”冬”が、演劇のどんな側面を切り取りドラマに仕上げてくるか。
ある程度以上”やれる”紬を真ん中に置いた配置は、そんな期待感を煽っても来る。
ここまで三組、上手く画角をズラしながら多彩な話を組んできたので、最後の一筆も期待よね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月24日

というわけで、期待の新人二名追加。だが、一座を組むには五人必要。
いづみちゃん、『え”っ！』じゃないんだよ…名塚さんのおもしろ演技が、今回細かくクスグッてきてよかったな。
あと”さきょいづ”仕上がりすぎ。やっぱ金勘定と組織運営を、二人三脚でやってるとねぇ…。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月24日

路上で展開する即興演劇、街に溢れるヤクザ・チャント。
言語野を刺激されたエキセントリックな詩人が釣れ、縁に引きずられて丞もやってくる。
今回丞と紬が同時に画面に映るシーンが多いが、必ず一番遠くなるようレイアウトされとるね。
ここが二人の現在位置、ってわけだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月24日

視線を伏せ、丞の糾弾を避ける紬。昔馴染みだからこそ、同じ夢を追いかけたからこそ拗れた関係。
そういう分断を、空気読まずに繋いでしまうのが僕らのいづみちゃんである。天然っぷりが、基本いい方向に仕事をする。
太一が手を引く形で、丞もカンパニーの扉を叩くことに。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月24日

この握手が、秋組から冬組へのバトンタッチなのかな、とちょっと思った。
こっから先は太一ではなく、紬が丞の手を引き、引かれて先に進んでいく必要がある。
だってこっからやる話は冬組主役であって、秋組の話はもう終わってるからね。だからこそ、ここで太一が橋渡しするのだろう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月24日

というわけで四人揃った冬組、最後の一人はし、死んでるッッ！！
最後の最後に、一番無茶苦茶な導入でブッ込んできたな…何だこりゃエエッ！　識者、説明しろッ！！
記憶喪失ボーイすら、芝居に巻き込む微笑みの修羅。
三角への対応思い出せば、まぁ納得ではあるね…。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月24日

雪崩れるようにカンパニーに取り込まれた密クンが、カンパニーの象徴食であるカレーではなく、マシュマロ喰うのが面白いな、と思う。
それは腹を満たすと同時に魂の糧でもあって、彼はここで失った記憶、喪った関係の代わりになるものを、腹に入れて作り上げていく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月24日

しかしまだカンパニーには馴染みきっていないので、カレーは食べない。柔らかで甘くて、しかし栄養には欠けるエンプティ・フードである。”白紙の記憶”のフェティッシュでもあるか。
今後彼がこの新たな”家”で、何を食べるか。そこはちょっと注目したい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月24日

つーわけで、特濃集団の楽しい部屋割である。十椋キタァァァ！　十座の優しさが前面に出るので、この組み合わせ大好き。
秋組開始時は素直に並べなかった従兄弟同士も、舞台の成功、そこで見つけた揺るがない自分を経て、楽しく笑える。ここら辺も、エピローグ色の強いところか
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月24日

白く明るい詩人×記憶喪失者コンビに対し、過去が暗く影を伸ばす経験者組。
ここら辺の大胆な心理主義描写はエーアニの真骨頂であり、冬も元気に暴れてくれそうだ。
ぶっちゃけ今回、作画かなりヘロっているのだが、こういう勝負どころはしっかりやる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月24日

暗い回廊でグダグダやった後、二人は気の進まない同居の扉を開ける。そこには、確かに光がある。
廊下から扉、部屋までのルートはカンパニーの具象であると同時に、彼らが今後進む物語の暗喩、そこで変化していく関係と心の象徴でもあるのだろう。
二人でいることは、多分良いことだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月24日

そんな可能性に、一瞬暗い顔を見せてた東サン。
やっぱ前職で、色んな人間のカルマを受け止め（意味深）すぎて疲れちゃったんスかね！
まーた凸凹しそうな冬組で、余裕ある東は頼れる立場に見える。しかし彼もまた、彼独自の影と苦しみを抱えているのだろう。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月24日

それを切開するのも”演劇”の仕事であるが、それはまだ未来の話。
開いた扉に背中を向けて、暗い場所に進んでいってしまう丞にいづみちゃんは、影の中から視線を伸ばす。隣に並んでくれるのは、今はオウムだけである。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月24日

何も持たない密のために、車を出すの出さないの。免許の話をするの、冬組の平均年齢の高さ、それ故の壁の高さをコスる感じで、結構好きな運び。
リビングでも社内でも、やっぱ紬と丞は遠くなるよう配置されてるわなぁ…。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月24日

過剰にエモい海・星・夜に記憶を揺すぶられ、駆け出した密。
それを追いかけようとする紬を押し留めて、丞と二人きりになるよう、遠い間合いを強制的に近づける東の立ち回り。
この集団の澱みを、手早く見抜いて対処に回った感じか。人間関係の視力が良いし、手も早いね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月24日

星の光に黄昏れる密に、隣り合うのもやはり東である。
春組のシトロン、夏組の一成、秋組の臣。曲者をまとめる調整役…と思わせておいて、多分この人も、抱えた荷物重いんだろうなぁ…。
詩人、お前のキャラは賑やかし限定か。見せてみろよ”獣”を…。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月24日

オープンエアで風に吹かれて、自分の記憶の残滓、新たな関係に揺れる密。
白紙だからこそ自由にも成れるだろう彼に対し、大学時代の因縁がネットネトに絡みつく二人は、視線すら交差しない。つーか車の中で話せッ！
ガラスと鋼鉄で隔たれた、交わらない思い。
それが、彼らの”今”だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月24日

紬はカンパニーで”何か”が変えうる……再び蘇られせれると思って、その扉を叩いた。視線の先には希望があり、後ろめたさの影もある。
しかし丞は過去に囚われすぎて、イマイチ歩みが重い感じがある。
バラバラな”みんな”を乗せた車は、闇を超えて星に漕ぎ出せるのか。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月24日

天の川に流れた星に、集った者たちはどんな願いをかけるのか。冬の物語は、まだまだこれからだ。
そんな感じの、冬組スタートでした。
まだまだキャラもドラマも分からないが、予兆となるものは随所に仕込まれていて、なかなか楽しみであります。
やっぱ明暗とレイアウトで魅せる演出、好きだな。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月24日

この段階から調整役を担当してる、東さんの陰り。
拗れきった感情を随所で暴れさせる、紬と丞の過去と未来。
唐突に漂流した記憶喪失人間という、特級の飛び道具をどう使ってくるか。
気になるポイントは多々あり、それは次回以降、ぐんぐんスピードをあげるでしょう。来週も楽しみです。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月24日