輪るピングドラム：第15話『世界を救う者』再視聴感想ツイートまとめ

輪るピングドラムを見る。
幼気な贄と無力な王子様を見下ろしながら、時籠ゆりは回想する。
誰にも愛されないという呪いを、ノミに宿して刻まれた日々を。
砕かれていく心と体を、なんの見返りもなく愛してくれた人のことを。
ここにも家族に呪われ、愛に取り残された者が一人、断崖に立つのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

そんな感じの、時籠ゆりのオリジンである。
”時籠”という名字は上手く付けたもので、多蕗と合わせて”南極物語”のタロ・ジロであり、時の籠に囚われ抜け出せない魂が文字に現れてもいる。
父の呪い、桃果と出逢ってしまった呪い。
栄光を掴んでも、ゆりの視線は過去の中にある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

かなーりマトモになった苹果ちゃんを贄に、二代目ヤバ女を全裸で継承した…と思った次の話で、児童虐待、愛着障害にズタズタにされた犠牲者であり、絶対の愛と献身を総身に浴び、救世主の復活を待ちわびる”取り残されたもの”であることが明かされる。
この話を見ると、時籠ゆりは嫌いになれない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

今回も晶馬は実際の役には立たず、間近に行われているペンギングラグラ危機一髪に気づかず、ノンキに浴衣姿でバカンスしている。
しかし彼が何も考えずに踏み込んだ結果、ただ素裸の自分を愛して欲しいという望みを、強く叫びたかった過去がゆりに蘇っても来る。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

競泳水着も雄々しい真砂子と違って、晶馬は対決の形にならないまま、自分の分身が飲んだオレンジジュース（子供の飲み物）に滑って昏倒する。
大変に弱く、情けない。
しかし危機を前に何が出来るかではなく、危機を前に退かなかった事自体が、グラグラ揺れる状況を変化させていく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

それは苹果ちゃんの貞操だけでなく、ゆり自身の純粋（その名前が常に背負うもの）も守ったのだと思う。
ノミ、ハンマー、パイプ、ダヴィデ像。
大量のファリック・シンボルが露骨に示す性虐待の刻印が、巡り巡って愛した人の妹に刻まれる危機から…被害者が加害者に成り代わる円環から…

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

王子様のノンキで無防備な突進は、未だ時の籠に囚われている少女を、知らず救ったのだ。
当然晶馬は、襖の向こうに誰がいるか知らない。ゆりはおろか、苹果ちゃんも助けられるか解らぬまま、ドン・キホーテのように突撃する。
多分、それが良いのだ。
保身なき踏み込みだけが、救うものがある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

”乗り換え”の反動で炎に焼かれた、桃果のように。
対となる眞悧と同じように、桃果も超越者の席から生者に近づいていくが、安全圏にはいない。
腕を、足を、心を砕かれ死にかけている少女に何が起こっているかをしっかり把握し、自身の身を焼くことで彼女を救う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

それはゴチンと、無様に頭をぶつけた晶馬にちょっと似ている。
周りに生身の誰かがいて、それが砕かれつつある時、己の身を顧みて歩みを止めないもの。
そんな存在との出会いは、その消失とともに呪いと化し、救われたはずの少女が犠牲を求めるようになっていく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

この悍ましき円環のスタートは、間違いなくゆりの父にある。
冷たい大理石像に囲まれ、ゆっくりと飛ぶヘリ、東京タワーよりも高くそびえるダビデ像を通じて、世界を睥睨するもの。
そこに生者の姿はなく、あるのはナルシシズムとネクロフィリアの入り混じった、邪悪な自己愛の投影である。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

父とゆりが向き合う褥は、眞悧と冠葉が商談をする深夜のロビーとよく似ている。
そこは暗く、冷たく、生者≒他者の気配がない冥府である。
孤独で寂しい氷の世界をこそ、美しいと思えるものは悪霊だけで、彼らは時に強く、父権を振るう。
言葉で、愛で、フィレンツェから届いた鋭いノミで。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

父が愛せるのは自分が美しいと認め、自分の指で歪め、傷つけ、削り出したものだけだ。
エゴによる操作を通じてしか他者性を認められない彼は、他者でしかない娘を削り取り、死の寸前まで追いやる。
透明な群衆が見過ごすそのアビューズに、桃果だけが気づき、歩み寄っていく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

陽毬が”白雪姫”、苹果ちゃんが”人魚姫”の意匠をまとうように、ゆりは”みにくいアヒルの子”のモチーフを背負う。
あれは価値転換の物語であり、自身が白鳥だと気づくこと、気づいてもらうことで、アヒルは自分を醜いと断じる世界から羽ばたくことになる。
そんな愛は、父なる冥界にしかない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

石のように冷たく、ノミを諾々と受け入れる死体の自分にしかない。
愛して欲しかった存在にそう言い聞かされ、ゆりは傷ついていく。
父の言説が卑怯なのは、己の半分を背負う母との絆を醜悪と切り捨てられ、唯一残った自分の世界に、幼子を引き寄せようとするところにある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

時籠ゆりは父の鏡像ではありえず、母の遺伝子、己の意志をもった、唯一独立の白鳥である…し、そうでなければいけない。
しかし人は簡単に悪霊になって、他人の匂いがするものをノミで削り取り、空っぽの虚無になるまで苛んでしまう。
かつん、かつんと打ち込んで、最後に残るのは死だけである。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

それでもそれが愛ならばと、ゆりは父が与える三度目の打擲に身を投げる。
悪霊たる眞悧は契約者の同意がなければ力を及ぼせないが、桃果は身勝手な生者なので、ゆりの拒絶を跳ね除けて、己の身を焼き世界を変える。
嘘つき姫が本当は何を望んでいるか、よく知っているのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

ゴリアテを殺した大いなる王が睥睨する、異質なる東京。
誰にも愛されない子供が冷たく、行き場なく追い込まれていく場所は、桃果がその身をなげうって愛を証明したことで、すべてが変わる。
ゆりが死ぬか、父が消えるか。
桃果の決断は、かなりシリアスな倫理の選択に繋がってもいる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

それでも己を焼き、父なるダヴィデを追放して、桃果は皆が愛されるべき世界を守った。
その献身が父の呪いを打ち壊し、ゆりは皆を愛せるように…ならないのが、この物語の、時の籠の凶悪なところである。
永遠を約束するはずの愛は、あの事件によって砕けた。
救いは儚く、生命は幽く、夢は遷ろう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

ならばもう一度の奇跡を引き寄せ、己に穿たれた穴を埋める。
父は運命を乗り越えそれが至る場所に追放されたとしても、愛されない呪いはゆりに残響し続けた。
桃果の存在は、ゆりを白鳥にはしきれなかったのだ。
むしろその愛が圧倒的に本物だからこそ、喪失が呪いを生みもする。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

愛憎は流転し、運命は繰り返す。
虐待された子供は、自分がされたように新たな幼子を苛む。
父の冷たいファロスで引き裂かれたゆりが、苹果ちゃんを性的に蹂躙しようとしたリフレインは、邪悪でエロティックな外装の奥に、とても切ない哀しさを宿している。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

それは愚かなるドン・キホーテと、競泳水着のヴィーナスの乱入で水入りになるが。
真砂子と競り合っている時、闇の中では攻撃に対応できるのに、光に眼を焼かれるゆりが暗示的だなぁ、と再見して気づく。
そう、暗闇の中にいるものを驚かし、負かせるのはいつでも光なのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

ダヴィデが転じた東京タワー（古川監督ッ！）の下で、ゆりはこの世界を去った救世主に、犠牲を捧げる覚悟を新たにする。
何かのために、何かを差し出す。
死体と自己像に満たされた冥界に身を置かずとも、愛と温もりに満ちた楽園こそが地獄に通じているのだ。
だが、しかし。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

ゆりが悪徳を弄んだ部屋には苹果ちゃんがいて、晶馬がノックアウトされたまま寝転んでいて、真砂子も競泳水着で乱入してくる。
ありのままの姿を見据える他者はゆりの世界にいるし、ゆりは自分と敵対し異質な他者を、自分の形に作り変えようとはしない。
正確には、しかけてすんでで止められる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

それは父の呪いが解け、桃果の献身と祈りが実を結ぶ、確かな兆しであったのだと思う。
醜いものなど何処にもいない、カエルもペンギンもあるがまま愛されるべき、美しい世界。
桃果が見ているものを感じ取れるのは、悲しいかな彼女一人だけであった。
それ故、彼女は東京を救って去っていく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

取り残されたものに出来るのは、祈りを呪いへと転移して、刻まれた輪廻を繰り返すことだけか。
運命のレールは環状線を描くのか、はたまた自由に乗り換え可能なのか。
ゆりの起源と欲望、救済と業は、かくして強く描かれた。
それと同じだけの炎を、皆が宿している。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

ここから物語は急速に、伏せ札を暴き出す。
キャラクターの秘密、世界の謎、秘密の思い出。
様々なものが飛び出し、混ざり合いながら、皆が抱える切実な願いが分かりだす。
そのローラーコースターのような目眩と、情報の奔流。奥に宿った、熱い蠍の炎。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

ゆりは彼女なりの”M”…苹果ちゃんを依り代に、桃果を彫塑する計画を破棄した。
幼い子供を欲望の犠牲にして、自分を呪った父と同じ亡霊になる道を拒んだ。
その決断が、彼女をどんな物語に導いていくか。
OPも変わり、物語は続く。
少年よ、我に返れ。
次回も楽しみですね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

takt op.Destiny：第3話『覚醒-Journey-』感想ツイートまとめ

takt op.Destinyを見る。
タクトの腕とコゼットの命を喰らい、”運命”は覚醒した。
託された指揮棒はコンダクターの命を喰らい、少女にかつての笑顔はなかった。
激変に戸惑うタクトに、突如現れた柔和な男。
NYフィルのコンダクター、レニーが語る”運命”の真実とは…？

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

そんな感じのイレギュラー・ワンに命を食う覚醒に家焼き！ 俺の好きなのてんこ盛りな旅立ち編である。
世界設定の細かい所をレニーさんが色々解説しつつ、”運命”とそのマエストロに成り代わってしまった少年少女の悲愴が、激闘に永く伸びるエピソードとなった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

なんかこー…良い作画でバリバリバトルするほどに、タクトくんは痣が広がって苦しむし、全体的に痛々しい。
それでも故郷に背を向けて、微かな希望を手繰り寄せるように漕ぎ出す旅路。
目指すはニューヨーク。
美しき獣が、人に戻れるかも知れない場所。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

第1話で描かれた旅が何を背負い、何を目指しているか上手く補完する、良い第3話でした。
レニーさんとタイタンたんが人当たりの良い、余裕のある人達で、前回バキバキに人生砕かれた悲惨さがなんとか受け止められる程度になってて、ありがたかったね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

漆黒の闇に蠢く獣に、対峙する赤い薔薇。
生まれたばかりの”運命”はその制御を知らず、タクトの青い憎悪のままにD2を狩る。立方体を周囲にばらまきつつ、いい感じのバトル作画が大暴れッ！
隻腕の復讐鬼ッ面をした、黒服タクトくんはカッコよくも悲しいね…
（画像は"takt op.Destiny"第3話より引用） pic.twitter.com/MHu0ziETq0

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

前回D2襲来の時と同じく、自分のぶっ潰れた腕を気にかけつつ、まずコゼットちゃんを思って手を伸ばすタクトくんが、これまた悲愴であった。
夢の中でも、ピアノに背を向けて手を伸ばしたのは彼女だったわけで、『本当に好きだったんだね…』って感じだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

ガス欠になった後の始末はベテランが付けてくれたわけだが、意味深に描写された音叉のようなものは…まぁ、今後顕になる謎のチラ見せか。
レニーさんも親切な態度の奥に事情と想いを隠してるっぽいので、仕組まれた襲撃に関わる何か…ではあると思う。
仮にこの悲劇に、誰かの意志が絡んでいると…

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

タクトくんが黒き復讐者ルートへまっしぐらな気がして、大変落ち着かない。
降って湧いた人類の敵ならともかく、誰かの思惑で音楽も恋もぶっ壊されたとなっちゃ、落とし前付けなきゃ収まらんだろう、タクト青年。
でもそういうのが似合わない、優しい音楽バカなんだよなぁ根っこは…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

かくして意識がぷっつり途絶え、わけの分からねぇまま目覚めた所で、色々知ってる先輩の解説タイムである。
レニーさんはけして声を荒らげない、タクトと”運命”の頑張りを褒め続ける優しい人で、第一印象は大変良い。
ご飯作ってくれるし、”巨人”は可愛い。
（画像は"takt op.Destiny"第3話より引用） pic.twitter.com/ISfBAhYhaj

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

しかし語る内容は超残酷で、コゼットはムジカート”運命”になってもう戻らないとか、イレギュラー個体で色々不安定とか、このままだと早晩死ぬとか、ザックザックと希望を削る。
そらーお姉ちゃんも泣くわ、って感じだけども、タクトくんは過去と涙に溺れるよりも、前に進む手段を探そうとする。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

健気というか痛ましいというか、夢見るピアノ野郎の頑張り日記を見せられて、こっちはすっかり保護者目線である。
物語を受け取る立場としては、メソメソせず前向きな主人公はカラッとありがたいんだけども、『オメーの哀しみは何処に行くんだよ！』感は強い。泣いてもいいんだよ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

やっぱこのアニメ、食事が結構大事な演出アイテムっぽくて。
ムジカートの世界を教え、示してくれるレニーさんは『ご飯を作ってくれる人』として三人の前に現れるし、ムジカートになってしまった”運命”は最初、食事を取らない。
音を殺された世界に残された、微かな人間性の具体。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

それがこのお話の食事なんかなー、という感じはある。
第1話が既に旅に出ているところから始まるように、残酷に全てが変わり果ててもなお人は進むし、そこに希望はある…て物語なんだと思うけど。
タルトタタンを”もう一度”と願う今回の運命は、異質な獣なりに、人に歩み寄ろうとしてる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

喪失は取り戻せず、変化は不可逆であるが、しかしそれでも続くものはある…はずだ。
復興を続けるアメリカを駆け抜け、色んな不穏さを抱えつつ続く旅の中で、”運命”は既に色んなものを食べ、タクトとよく喋るようになっている。
そういう味わいは、荒野にまだ残っているのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

しかしそれはガラスの向こう、とても不穏なものだ。
ラスベガスからニューオーリンズ、目指すはニューヨーク。
”運命”をコゼットに”戻す”希望を抱えて、アンナは変わり果てた妹を見つめる。
ここで、”運命”はタルトタタンを完食している。
（画像は"takt op.Destiny"第3話より引用） pic.twitter.com/ZaSiGKbCiH

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

かつて姉妹を繋いだ、手作りの菓子。（あの言い回しだと、もしかすっと義姉妹なんだろうか）
そこにアンナが込めた想いを弾き飛ばすように、”運命”はコンダクターの制御を離れて、その生命を食う。
力の代償、唯一の例外、不確定な切り札…俺の大好きな要素が、ギュッと濃縮されてきたぞッ！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

レニーさんは”運命”の在り方を獣と評したが、とすればタルトタタンは”餌付け”である。
それを確かに”運命”は平らげ、タクトのピアノを聞きたがった。
獣は獣なりに、人に歩み寄る気配がある。
ポンコツロボ子の人間性獲得物語も、お話の一つの柱になりそうだなぁ、こりゃ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

それはガラスの檻越しに獣を見てる、人間側のドラマでもあって。
タクトくんが新しい”運命”をそれなりに受け入れているのと、お姉ちゃんがコゼットの残影追い続けてるの、絶対そのうち炸裂する爆弾だよなぁ…。（炸裂する瞬間を、畏れつつ心待ちにしてる顔）

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

目覚めたばかりの”運命”はD2殲滅の使命ばかりが先走り、銃は当たらねーわ負荷はすげーわ、マジでポンコツ。
現場に急行する勢いを見てると、ムジカートだけではなくコンダクターも、身体能力を底上げされる感じかね。
（画像は"takt op.Destiny"第3話より引用） pic.twitter.com/UmPaM6ro7P

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

タクトと”運命”の痣広げまくり非効率バトルに比べると、レニーと”巨人”の戦闘は洗練されている。
”運命”がどんだけ異質で、この段階だと戦闘慣れないかを見せる鏡として、流れるようなショットガン捌きはいい仕事をしている。
駆け出しとベテラン、未熟と練達。良い対比ね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

力も意志も制御できない、危険な赤い獣。
それがマエストロの指揮に最初に従うのが、よりにもよって帰るべき家を燃やす一撃ってのが、ね。
むしろせいせいした顔で家焼きキメるタクトと、オロオロ”妹”の暴威を見守るアンナの対比、なんとも言えねーな…。
（画像は"takt op.Destiny"第3話より引用） pic.twitter.com/nX8aCkIzWO

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

自分も腕をぶっ千切られ、”運命”が暴走する度生命を啜られる痛みが、タクトくんに現実を教えているのか。
確かに我が家には、もうピアノもコゼットもいない。
あの地下室から外に出た時に、少年は現実逃避をもう辞めていたのかも知れない。
それにしたって、なぁ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

無論タクトくんも、見た目ほどサッパリと過去を切り捨てたワケじゃないと思う。
しかし今の彼は黒い復讐者の服を脱いで、比較的フラットな姿勢で、ま白きシャツを着込んでいる。
砕かれた夢、残った希望。
その両方が入り交じる現実を、自分なりの決意を込めて進む。偉いなぁ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

かくして初陣は終わり、我が家を焼いた青年達は旅立つ。
レニーさん、世界設定と今後の指針をしっかり主役に与えつつ、今後話を膨らます謎もしっかりくすぐって、いい仕事しまくってるなぁ…。
でもタイタンたんを、不安にさせちゃダメだよ！
（画像は"takt op.Destiny"第3話より引用） pic.twitter.com/zf7AvqQZf7

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

”巨人”はイレギュラーたる”運命”と対比される、ムジカートの基準軸なんだと思うけど。
タクトと”運命”ほど劇的ではないかも知れないが、彼女とレニーさんにも”生前”があったはずで、そこは大変気になる。
こっちにも超ロクでもねぇ地雷、埋まってねーかな…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

危険だらけの旅路、不安定な能力、不確実な未来。
待ち受けるのは吉兆ばかりではないが、それでも車内には微かな笑いが満ちる。
新たに”運命”として生まれ、コゼットの面影をどうしても残す少女は、確かにピアノとタルトタタンを求めた。
そこに、希望を見出しても良いんではないか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

そう思える、旅立ちのエピソードでした。
制御不能な獣としての顔と、共に旅する仲間としての表情。
両方あるのが”運命”で、それとの向き合い方は人それぞれということが、よく判るエピソードでした。
今後旅を続ける中で、理解は深まり戦いにも慣れていくのでしょう。その過程が楽しみよ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

レニーさんは説明役、誘導担当としてすげーいい仕事をしてて、クィアで柔らかな人当たりもグッド。
悲惨な運命に翻弄されてる青年たちを、けして糾弾せず優しく接してくれるの、見てる側としては嬉しいわな。
色々抱えてるっぽいけど、タイタンたんと仲良く進んでって欲しい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

というわけで、旅立ちの背景、NYを目指す理由も鮮明になった第3話。
しっかり地ならしを済ませて序章終了という感じですが、こっからどんな旅が待っているのか。
気になる伏線も多数埋め込まれていて、今後の物語が大変気になります。
次回も楽しみですね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

シキザクラ：第2話『共闘/TAG』感想ツイートまとめ

シキザクラを見る。
前回ラストで捕らえられた翔くんが、イバラのちからを制御してヒーロー稼業を始めるまでのお話。
第2話までセットで導入…といった風情か。
作品との出会いが終わり、腰を据えて付き合う頃合いになってみると、ややモッタリした話運びが気にはかかる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

近年の物語圧縮率とスピード感からすると、第2話の段階で味方組織、構成メンバーのキャラクター性が不鮮明なのは、やや遅く感じられる。
涼くんに因縁の鬼がいる事を匂わせたり、ある程度種は蒔いているが、主役たちの立ち位置があやふやでどういう存在なのか、彼らがどういう話を作るか未だ見えない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

そこはジャンルの基本構造に埋めてもらう作りなのかも知れないが、このお話だけのクセや強みが弱く感じられるため、型通りのアリもの感の方が前に出てしまって、あんまり作品が挨拶してこない。
オニはどういうルールで世界を脅かし、何を狙っているのか。
なんとなくは判るが、輪郭だけで中身が薄い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

ここら辺、ネームドの敵とか出てくるとわかりやすくなるかと思うが、現状敵は意思疎通不能なモブなので、やはりよく分からない。
アクションシーンになるとキレるんだが、逆に言うとそれ以外のキレが悪く感じる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

要素要素光るものはあって、翔くんの危うい英雄願望とか、桜華を中心にした時代物っぽい空気とか、彫り込んでドラマにすると面白そうではある。
とりあえず物語が転がる舞台は整え終わったので、今後どういう踏み込み方・描き方をしてくるか次第だとは思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

正直翔くんは相当エキセントリックなキャラに感じるので、プレーンなヒーロー志願者ではなく、あからさまに異様な人物としてアクを出しながら使ってくれたほうが、個人的にはしっくり来る。
でもどうなんかな…吉兵くんとセットで、放課後青春ヒーローっぽい書き方してくんだろうか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

ヒーローフィクションに、実在の英雄としての範を求めるややメタな構造も、既にかなりコスられてテカテカになってる要素だとは思う。
それと知って使うのであれば、やっぱりこのお話なりのねじり方ってのが欲しくなるけども…ここも、ここからの応用編次第か。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

色々設定を作り込んでいる気配はあるが、アニメ本編を見ていても現状サッパリ伝わってこないので、生きた描写を伴って設定が殴り付けてくるような場面が、一つ二つ欲しくなる。
アクションに強さがあるので、殴りながら魅せる感じだと好みでいいが…さてどうなることやら。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

現状非常にプレーンな、裏切りのないアニメに収まっている感じがあるので、来週女子二人にフォーカス当てそうなお話でこの作品なりの、魅力的なブレを見せてくれたら嬉しい。
ところどころアタマを見せてる火薬に、上手く導火線繋げれたらムケそう。次回も楽しみ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

王様ランキング：第1話『裸の王子』感想ツイートまとめ

王様ランキングを見る。
国の繁栄、王の強さによって王様がランキングされる世界。
聾唖の第一王子ボッジは、周囲の無理解に人知れず涙しながら、逞しく日々を生きていた。
ある日異形のカゲに服を脅し取られ、それでも笑う王子の姿が、盗人の心に刺さる。
そこから始まった奇妙な縁から、物語は始まる

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

そんな感じのOPはKing Gnu！ 制作はWIT STUDIO！！　秋の大本命絶対勝ァつ！という気合が、放送前から漏れていた話題作である。
前評判を軽やかに飛び越えるくらい、素晴らしい第一話だった。
当方原作未履修、ドスゲェ漫画だって評判だけは受動喫煙してるドにわかですが、大変面白かったです。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

お話のテイストとしては童話というか絵本というか、素朴な世界観とキャラデザがまず目に飛び込んでくる。
アニメーションもそんなテイストを活かし、青写真が素晴らしく絵画的な美術で、世界を埋め尽くしてきた。
淡い水彩が郷愁をかきたてる、懐かしい味わい
（画像は"王様ランキング"第1話より引用） pic.twitter.com/fjkAVJSqWo

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

しかしアニメーションとしての動きとライティングは非常に精妙で、ボッジ王子がこの絵本の世界を歩く時、精妙な光の加減がしっかり追いついてくる。
重心移動を感じる歩調、軽快な仕草の心地よさ。
シンプルに見える画作りの中で、非常に高いクオリティが元気に息づいている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

この素朴と精妙の調和が、独特のルールで動くファンタジックな世界に確かな息吹を与え、ともすれば寓意が浮遊してしまいそうな物語にしっかり、重力を与えていると思う。
それはとてもリアルで、作中人物一人ひとりが息をしている、見事な空想の物語なのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

お話は王様と王子様がいて、お城があり、継母と義兄が意地悪をしてきて、強そうな四天王がふんぞり返る。
ティピカルなお伽噺のパロディかと思いきや、微妙に味が違う。
シンプルな造形の奥に一枚二枚、奥行きの有りそうな描写が随所に見えて、色々気になる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

とはいえ、話の背骨はシンプルである。
世の人々に笑われ、力も言葉も持たないボッジ王子はしかし、笑顔と優しさ、秘めたる実力を持っていた。
家族を皆殺しにされ盗賊に堕していたカゲは、彼と出会うことで生き方を変えていく。
何かに導かれるように、王子が住まう城に足を運び、その奮戦を見守る。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

主人公たる王子の特質が、与えること、諦めないこと、変化を生み出すことにあると、カゲを見ていると解ってくる。
聾唖である彼は自分を伝える言葉をあまり持たないが、異形であり孤児（王子と同じく）であるカゲとはなぜか、届かぬはずの言葉が通じ合う。
それが偶然か、運命か、今後解るであろう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

訳知り顔の蛇の人への対応を見ていると、カゲも辛酸を嘗め尽くして、今の盗賊稼業らしい。
ボッジ王子も（物理的に）強大な父王の跡継ぎとして重圧を受けつつ、生来のハンディを国民に理解されず、裸をあざ笑われる立場である。
『王子様は裸だ！』と罵ることは、この国のスタンダードである。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

裸の王様は虚栄心と無理解によって、見えない服を着せられた。
対して裸の王子は、自分を分かってくれる唯一の存在と心を通わせるべく、服を与え彼を庇う。
その善良は何も知らぬ暗愚故ではなく、涙を噛み殺す強さに支えられている。
しかし、そのことはカゲ以外知らない…のか？

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

ヒステリックボインババアこと継母が、王子の手話をちゃんと読めてる（王子も対話を試みてる）所からすると、あの人結構情のある人なんじゃないかなぁ、などと思ったりもするが。
あと蛇の人は第二王子の師匠なのに、蛇さんけしかけてトレーニングしてるし、王子が実力見せた時も唯一驚いてないし。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

何しろ周囲に理解を得られず、蔑まれ涙を流すボッジくんが可愛そうなので、彼の善良な強さを理解するものが城にいてくれると、オレの心に嬉しい。
英雄となるものには多くの試練、尋常ならざる運命が待ち受けるものであるから、彼が背負う数多のハンディは『そういうもの』と、ある程度飲み込めるが。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

同時に非常に人間らしい笑みと涙を持つ、心の豊かな少年だということも力強いアニメーションから伝わってきて、大変に応援したくなる。
これは彼と出会い、彼を追ってしまうカゲの歩みと、視聴者が物語に入っていく歩調が上手くシンクロして、生まれている感情だとも思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

前半は童話めいた素朴さを前面に押し出しながら進んでいくが、カメラが城に入っていく辺りから画面は緊迫の度合いを増し、良いサスペンスとアクションが動き出す。
王国の成り立ちを語るシーンの、戦乱の炎の濃さ。
（画像は"王様ランキング"第1話より引用） pic.twitter.com/4EQmW8m2RC

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

ぬらりと画面を横切る蛇の、靭やかで不穏な動き。
蛇の人は悪人面に似合わず、ひっそりボッジ王子を勝って気にかけてるっぽくて、既に好感度が高い。
カゲに圧かけてたのも、暗殺を警戒してっぽいしなぁ…。キャラの背景見せつつ、ドラマを停滞させない運びもいい感じだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

偉大なる王は病身であり、王位継承は既に波乱含みである。
ここでボッジ王子のライバルとなる第二王子が、如何にも調子に乗った体で出てきて、その第一印象が気持ちよく裏切られる。
剣を振り下ろすのにこういう顔して、あしらわれて拳を握って…彼なりに、懸命で真摯らしい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

かわいそうで正しいボッジ王子だけを際立たせるなら、第二王子はイヤーな噛ませ犬として描けばいいし、そういうムードは確かにある。
んだけど、そんなステレオタイプから既にはみ出す”力み”が、切れ味鋭い殺陣の中から滲んできている。
彼もまた、血と汗と涙を流す人間らしい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

ライバルをそう描くのならば、このシンプルに見えるお話はけして、ティピカルなものではないのだろう。
ボッジ王子は果して、第二王子にどんな感情を持って、立ち会いを望んだのか。
整った前髪を崩された第二王子は、どんな咆哮を上げるのか。
（画像は"王様ランキング"第1話より引用） pic.twitter.com/E4FkLWgHx6

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

次回が大変楽しみである。
前半ののどかなお伽噺調から、後半の鮮烈なサスペンスとアクションの緩急が大変に良く、いい意味で第一印象を裏切り続けるアニメであった。
ここから王子とカゲ、彼らに関わる者達のドラマがどう展開していくか、全く読めない。
からこそ、とてもワクワクする。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

王子が無理解を越えて己を打ち立てていく物語、その途中で厳しい試練に挑んでいく話も楽しみなんだが、家族を奪われ悪辣な道に墜ちてるカゲが、その王子と触れ合う中で変わっていく様子も気になんのよね。
相当に素朴に、人間の真芯へ衒いなく踏み込んでいく力強さを、期待してもいいかなと。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

思わされる第一話であった。
大変良かったです。
この描線とデザインで、おそらく相当にキレるアクションが待ってるお話なので、風雲が急を告げた後のハードアクションをどんな風に演出するか、今から楽しみだ。
あと美術が最高に良いので、色んな所を旅して欲しい。絵本めいた旅情を感じたい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

パッと見凄みを感じさせない所に、凄いクオリティが追求されてて、そのアク抜きの技芸に色々関心もしてしまった。
その素朴さもこだわった仕上がりも、心地よく波長が合う作品だと感じた。いいアニメだなコレ…。
ボッジ王子の目指すべき王道は、どこにあるのか。
次回も、大変楽しみです。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

追記　座組からしても第1話の仕上がりからしても、効きの悪い対比に尺取る効率悪い創作はしねーだろう、というメタ読みから、今後の足場を作る立ち回り。

王様ランキング追記
冒頭回想されれた母との語らいも、父の御前に呼び出された時も、両方巨人めいた大きな手と触れ合う描写があるのだが、母の手はあくまで白く優しく、父は己の喀血に塗れて赤く書かれていた。
ここの対比に何が秘められているのか、ちと注目どころかなー、と思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

何しろ力と繁栄がランキングを作る世界観なので、父王も血を流すことでランキングを上がったのだとは思うが。
ボッジ王子は明らかに、そういう殺伐としたルールを切り裂いていく側の主役なので、あの血の暗喩（だと思う）がどう効いてくるかは、今後気にかけておこう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

ラブライブ!スーパースター!!：第12話『Song for All』感想ツイートまとめ

ラブライブ!スーパースター!! を見る。
運命の東京本選に向け、澁谷かのんとLiellaは燃えていた。
地元連動のリモート審査に、一体どんなステージを見せるのか。
学友と郷土の支えを背に受けて、雪の原宿に奇跡が宿る。
歌を競う意味、高め合う価値。
その真実を噛み締めて、物語は新たな舞台へと…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

そんな感じのLiella：the Beginning終了！ 雪の原宿決戦の結果はいかに！！ な、スーパースター”一期”最終話である。
最後に歌った曲は”Prologue（序曲）”で”Departure（旅立ち）”、続いてくれなきゃ俺が困るぜ…。
そういう感じの、Liellaと澁谷かのんの一年締めくくりであった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

終わってみると、澁谷かのんの物語であったなー、と思う。
夢破れやさぐれ、しかし胸の奥に消えない輝きが出会いによって発火して、誰かを導く資質を蘇らせながら、己の魂を再生させていく物語。
負け犬がもう一度負けて、今度は心から悔しいと、次は勝つのだと叫ぶまでの物語。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

今後”ラブライブ！”を牽引していく主役として、澁谷かのんにどれだけの強さと弱さがあり、勝たなければいけない理由があり、その歩みがどれだけの人の笑顔を取り戻すか。
作中で一年、12話の物語を通じて、そういうモノを積み上げる1クールであった。
話の舳先であり、土台でもある主役を、まず立てる

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

今後スーパースターが挑むだろうデカい勝負を考えると正しい話運びである。
圧倒的な器の大きさをちゃんと描けたことで、周りを巻き込み巻き込まれながら、幸せを大きく出来る主人公の資格は、しっかり示せた。
澁谷かのんが関わることで、物事は公平に幸福に、明るくなっていった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

最初は分断していた結ヶ丘も、自分たちのアイデンティティを背負う”アイドル”を手に入れてまとまり、今回初めてステージングを手伝う。
クゥクゥ一人が走り回っても成し遂げ得なかった最高の舞台が、”みんな”が動き出すことで整う。
必然的にローカルアイドルでもあるLiellaと、地域が連動していく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

旧シリーズならば第3話、あるいは物語の最初から得られていた、グループの外側、学校の外側への拡大と協調。
それが一つの形になり…なおかつ決定的な勝利には結びつかない、どっしりとした話運び。
それはお話が扱うテーマが、どれだけ重たいか慎重に考えた結果だと思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

止められない思いが溢れ出し、弾みだした青春が聴こえる。
”ラブライブ！”が持つべき”らしさ”はしっかり維持しつつ、誰かを巻き込み本気にさせる事の重さを、新たに語り直した感が強い最終回…シリーズのまとめでもあった。
この慎重な歩みは、前回かのんの挫折を蒸し返した筆とも通じる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

周囲の期待に応えられない辛さを、越えていくこと。
周囲の期待に足りる、自分たちを作ること。
それは12話かけて向き合うに足りる大事なテーマで、義理に篤く負けを知っている澁谷かのんという主役は、その真ん中に立つのに相応しいキャラクターとして、しっかり1クールを駆け抜けた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

やさぐれた敗地から立ち上がり、持ち前の清廉と情熱を取り戻して、二度目の敗北を受け止める。
もう、澁谷かのんに『どうせ』はない。
本気で挑み、思いを認め助けてもらったからこそ、次の勝負には勝つ。
そう思えるようになったのは、掛け替えのない仲間たちがいて、誇れる自分を取り戻したからだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

やっぱ前回、嵐千砂都が千尋の谷に突き落としてヒーローを試したことが、今回の結末、最終話としての満足感に繋がってるな、と思う。
一人でも立てる自分、怖くて震えていた自分を抱きしめ直せたからこそ。
為すべきを堂々為して、色んな人と繋がり助けてきたからこそ。
もう一度、立ち上がれる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

過酷さを増す現実の中で、敗北の痛みと惨めさにどう向き合えば良いのか。
澁谷かのんの歩みを通じて、それを語るファースト・シーズンであったのかなと、12話終わって思います。
とても好きになれる主人公が、そういう話をやりきる。
説得力と愛おしさが、自分の中に育まれるアニメでした。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

というわけで、最終話もサブタイ出しは超オシャレ！
学校も地域も巻き込み、より大きく広がっていく万人の歌に向けて、まずはレッスンだ！
最終話だからこそ、クゥクゥがなにかとかのんに”ゼロ距離”仕掛けてて爆笑しちゃった。間合い近すぎ。
（画像は"ラブライブ!スーパースター!!"第12話より引用） pic.twitter.com/7z7mw6WyS7

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

前回のソロステージを越えて気合十分、自信が総身にみなぎるかのんを、恋は『変わった』と評し千砂都は『戻った』と感じる。
約束のリボンを撫でる度、思い出すスーパーヒーローの姿。
やっぱり嵐千砂都、澁谷かのんの刺さり方が違う。
ダンス修行時代も、へこたれそうになる度撫でてたんだろうなぁ…

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

東京予選に向けて熱量高く進んでいく最終話だが、ここまでの物語の総まとめとして、細かく過去エピをクスグってくれるのも嬉しい。
すっかり間合いが詰まったクゥすみとか、それでもかのんが大好きで触りたすぎる唐とか、それを後方で見ながら無敵幼馴染感だす嵐とかね。
色んな事があった…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

その一環として、葉月周辺の地雷もかなりのスピードで撤去。
運命が動いてるダイナミズムを生むために、短いスパンじゃ解決不能な重たい要素を背負わされた形であるが、一旦幕が下りる前にとりあえず、家庭問題、経済問題、廃校問題まとめて爆破するのは、しこりを残さない大事な処理だと思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

『親父…送金できるならネグってねぇではようしとけや…』とか『これじゃあ葉月がむっつりエロサイト閲覧女じゃん！　ああ”恋”ってそういう…』とか、気になるところがないわけじゃないが。
まぁ第10話のすみれクラスの特大ホームランが、二期に待ってると信じているので今は良いだろう！（傲慢返答）

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

すみれ決意のセンターステージが、Liellaを大きくしてる描写があったり、ここまでの努力が志願者増加に繋がってたり。
Liellaが何かに挑んだ結果、どんな反応があるのかを細かく拾ってくのも、凄くスーパースターらしい描写だな、と思う。
思えばクーカー最初の特別賞から、”報い”の描写は太かったね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

『やりたい！』という個人的で大事な思いが周囲を巻き込み誰かに届き、何かが変わっていく。
それは内面に関わる変化であるし、個人レベルの関係変化であるし、学校や地域、ウェブ越しの評判でもある。
情熱がどんな風に、世界に波紋を広げるか。
色んなレイヤーで細やかに、描写を編んできた印象ね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

ステージが決まらない問題を抱えつつ、Liella大好きサニパさんがまーた本土に上陸。
嵐も思いを預けてた原宿妖精郷で、かのんちゃんの悩みを受け取る。
サニパさんは最初から最後まで、強大な壁にして親切な先輩として、良いキャラしてた
（画像は"ラブライブ!スーパースター!!"第12話より引用） pic.twitter.com/ZqabN2poPt

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

ここで王者の挑戦状に、震えつつも『負けません！』と言えたのも、その直後にアイドル競技への疑問符を投げかけれるのも、今の澁谷かのんらしいなぁ、と思う。
先週、置き去りにしてた自分の過去を抱きしめたからこそ、『歌で世界を笑顔にする』という目標は、かのんちゃんの中で明瞭なんだと思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

そういう志を持った自分は、サニーパッションにも負けない。
そういう自負がしっかりありつつ、『でもなんで、歌で競うんだろう？』という疑問を素直に、先輩に預けることも出来る。
そうさせるだけの信頼関係が、サニパとの間にある、ということでもあろう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

お話が収まる最終話になお、大きなクエリーを投げるものスーパースターらしい作劇だと、僕はと思う。
アイデンティティが白紙の新設校を舞台に、エゴの強いモブがなかなか一枚板にならない中で、”スクール”アイドルに何が出来るかを、恋加入に絡めて描いた第8話。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

あるいは”アイドル”であることで少女たちが、一度挫けた夢に向き直す力強さを彫り込んだ第1話、第4話、第10話。
勝者と敗者が明瞭に決まる”ラブライブ！”であることを、令和に新生するこの作品が今問い直すのは大事だ。
地域の支援を受け、学友に支えられて挑む決戦の舞台を、かのんはまだ知らない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

行けば理解ると、既に”そこ”に辿り着いた少女たちは微笑む。
5人でステージを仕上げなければいけないこの段階のLiellaは、まだ”ラブライブ”の真価を肌で感じるには遠い。
しかしこの東京予選が、一気にかのんと”ラブライブ！”の距離を縮め…残酷に離しても行く。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

それは先の話として、ステージの着想を郷土から得る瞬間は、大変素晴らしい演出だった。
この天啓が鮮烈に描けないと、かのんが見つけた輝き…そこに連なるステージもボヤけるだろう。
印象的な魅せ方で、イルミネーションが街に広がる瞬間を切り取ってきた。
運命に出会う瞬間の書き方が巧すぎるわな

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

ここからLiellaのステージは学友が協力を申し出て、Liellaだけのステージではなくなっていく。
あの講堂で”結”の思いをかのんが言葉にし、分断されていた学校を一つに結んだ時から。
あるいは、誰も顧みなかったクゥクゥの手を取ってから。
（画像は"ラブライブ!スーパースター!!"第12話より引用） pic.twitter.com/WRMzSyV9Ui

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

Liellaは集団にアイデンティティを与え、集団に支えられる偶像であったのだろう。
この東京決戦、その理念に12話かかって現実が追いつき、追い越していくエピソードとも言える。
かのんが実感できず、サニパが馴染んでいる『競って勝つ理由』。
周囲の支援に、勝利で報いたいという思い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

それは学友達が憧れの眼で見上げるだけでなく、実際共に走り回ってステージを作り上げないと生まれてこない、特別な手触りなのだと思う。
それが特別で、そうそう簡単には得られない大事な支えだから、こうなるまで12話使った…とも言えるか。
5人の手作り感を描けるのが、この段階だけってのもある

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

かくして決戦の朝、各々思い思いに時を過ごすメンバーたち。
唐がさぁ…マジで甘えてんだよなぁ平安名にッ！
自分のヤバい部分預けるのは、喧嘩ばかりの悪友ってことでしょ、このアプローチ…危険だなぁ。
（画像は"ラブライブ!スーパースター!!"第12話より引用） pic.twitter.com/BJl0rrDLE5

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

クゥすみに限らず、この決戦前のスケッチは各キャラクターがどういう物語を歩んだか、凄く簡勁にまとめ上げていて、胸にこみ上げるものがあった。
あの時は植え込みに隠れ、一人で描いていたまんまるは、見事な五輪になった。
チビは相変わらず可愛く、世界を遮断するヘッドホンは、もういらない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

色んな事が変わって、色んなものを取り戻せた一年間。
見事な美術で描かれる淡雪の東京が、行き交う季節を雄弁に伝えてくれる。
現実よりも自然豊かに、花と光に満たされた原宿は、四季が流れていく歩みを美麗に教えてくれて、凄く良かったなぁ。
情景が綺麗なアニメは、やっぱ好きだね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

このスケッチに示されるように、スーパースターはかのんと出逢って（あるいは、かのんが出逢って）新しく変化した…と同時に、自分の大事なものを取り戻せた物語で。
大人になるほどに諦めてしまうものに手を伸ばして、はじまった時のときめきを蘇らせる魔法を差し出せる。
だから、彼女が主役だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

でもそんなかのんだって、夢を諦め、世界を遮断してる所から物語を始めた。
目の前でクゥクゥが差し出す未来を跳ね除けて、一度は背中を向けた。
誰かと、何かと出逢えばこそ、そんな在り方に踵を返して、かのんちゃんはかつて輝いていた自分へと、無限の明日へと力強く踏み出せた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

一度敗北した主人公を配置することで、彼女が物語を進め、人々を救う魔法を、彼女自身必要としていること…夢に進む力強さは、全ての人に宿ることを、このお話はちゃんと示せたと思う。
そしてそれこそが、”ラブライブ！”の心臓なのではないか、とも。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

体育館に仲間が造ってくれていると、信じて待ったステージは空。
裏切られた痛みを込めて見上げた視線は、灯火が導く最高の舞台で、大きく見開かれる。
コレがワシラのウルトラオレンジ…ワシラの”Snow Halation”や！
（画像は"ラブライブ!スーパースター!!"第12話より引用） pic.twitter.com/mUBdqCem26

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

ここ色々と最高なんですけども、まず雪景色のスノハレを引用しつつ、実際のステージではやんなかったのが偉い。
もしステージでやってたら、それはスノハレへのオマージュを越え得ず、『Liellaの舞台』にはならんかっただろうからね。
でも、ここで灯火に満たす意義と文脈は圧倒的に”正解”なわけよ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

そしてこのステージは、かのんちゃん達だけでは成し遂げ得なかったもので。
島全体を背負い、島全体に支えられて”ラブライブ！”に出てるサニーパッションが見ている景色を、クラスメイトみんなが走り回った結果、かのんちゃんに連れてくる。
その意外性は、凄く大事だと思います。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

”わたし”では成し遂げ得なかったものが、”わたしたち”なら形になっていく。
”わたしたち”だけでは掴めないものが、”みんな”なら生み出せる。
虹ヶ咲が卓越した”個”の集団であることで見せた答えの、裏拍を取るスーパースターだけの答え。
それがこの”みんな”のステージだと思うのね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

体育館がステージだと思い込んでたかのんちゃんにとって、学校飛び出して地域を巻き込むこの決戦場は、想像を遥かに超えた場所で。
”ラブライブ！”に挑む、”スクールアイドル”であるってことは、こういうところまで到達してしまう強さを持ってると、この瞬間まで実感してなかったんだと思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

この期待と献身を背負って、勝負に挑む意味。競い合う価値。
それがここまで物語を牽引し、色んな人に色んな正しさを差し出してきた主人公の外側から、心地よい不意打ちとして訪れるのは、凄く良いことだと思う。
歌を届けたい世界が、どんだけ凄くて広いのか、かのんちゃんが思い知る展開…というか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

自分を取り巻く郷土のイルミネーションから、着想を得た星のステージ。
そんなかのんちゃんのオーダーを、郷土が受け取り広げて届け直す円環構造としても、凄く綺麗で豊かだな、と思います。
差し出したものが本人に返ってきて、大事なものが蘇る。思い返せば、ずっとそういう話であった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

かくして郷土から世界へ投げかけられる、冬空の”Starlight Prologue”。
譜割りとメンバーカラーをリンクさせた演出と、雪の妖精のような衣装が美しく輝く、頂点への序曲である。
…こうして見ると、勝つつもりで作った曲なんだな、やっぱ。
（画像は"ラブライブ!スーパースター!!"第12話より引用） pic.twitter.com/mf7XxIxj9i

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

ステージを披露する前に、かのんちゃんは母校への愛を強く語る。
その言葉を受けて葉月恋の瞳が潤む様子を、ちゃんとカメラが捉えているのが、視線の演出に特に強さがあったアニメらしいと感じた。
誰が何を見て、度う反応したかを描写することで、物語の情報量を分厚く補強し続けた作品であったな。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

花や光、水と風が美しく際立つ情景に、麗しい少女たちが寄り添う妖精郷の風情。
Liellaは常にそんな、何処か浮世離れした美しさがあったので、最後の衣装が妖精テイストなのは嬉しかった。
実在する青春／風景／少女よりも、もっとイデアルなものにピント合わせて、話作ってきた感じすんのよね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

勝負のステージが終わり、冬の風が上気した肌を刺す。
ここに至るまで関わった全ての人（と動物。チビは可愛いねぇ…）が見守る中、Liellaが手に入れた結末は二位。
夢の時間は終わりを告げ、舞台を片付けなきゃいけない現実が顔を出す。
（画像は"ラブライブ!スーパースター!!"第12話より引用） pic.twitter.com/QJgrEdsoyE

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

そこで初めて、澁谷かのんは『悔しい』と言葉にする。
『受け取ったものを、何も返せなかった』と、このステージを作り上げた”公”に対しての意識が最初に出る所が、常時スジを気にしてた主人公らしい発言であると思う。
地域に、学校に、公に支えられて挑んだ結果の負けは、”わたし”だけの時より苦い

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

『どうせ』で諦めて誤魔化せないのは、誰よりも本気だった証拠。
嵐千砂都がかつて掴みそこね、取り戻したかったヒーロー最後のピースは、この負けん気なのだと思う。
それこそが人間を高みに押し上げることを、既に一つの偉業を成し遂げえた少女はよく知っている。
…ホント、嵐千砂都は凄いよ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

思えば第5話、地域を背負わない自分たちがスクールアイドルをやる意義をサニパに問うていた時から、誰かと繋がり支えられればこそ重い敗北は、確定した未来だったのかも知れない。
解らなかったことが、解るようになる。
それは必ずしも、達成や勝利だけがもたらしてくれる実感ではない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

（勝者となったサニパのステージをやらなかったのは、僕は正解だと思っている。
この”Starlight Prologue”を超えるだけの説得力を込めずに描くのも、超えてしまってサニパが主役になるのも、多分あまり上手くない。
ここで勝ち切るだけの”格”は、ここまでのサニパの描き方にちゃんとあったと思う）

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

流れる涙を振りちぎり、堂々と顔を上げて。
Liellaの円陣は、未来への決意を込めて高らかに。
負ければこその咆哮で終われるのは、これがラストステージにならない、新設校の全員一年だったからこその展開だと思う。
（画像は"ラブライブ!スーパースター!!"第12話より引用） pic.twitter.com/SFsYDHb4O0

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

そして時はめぐり、再び春。
最終話冒頭、サブタイトルが刻まれていたのと同じ、虹色の情景でラストカット入っていくの、凄く好きですね。
『また、始まるんだな』って感慨が凄い。
ホワイトボードに刻まれたのは、負ければこそ鮮明になった目標。
競い、高めあった先にある勝利を、ただ求めて。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

サニパに投げかけ、問い返された『何故”ラブライブ！”なのか』ってクエストに、しっかりアンサーを返しての幕となりました。
あの時不鮮明だったものが、学友に支えられ地域を背負ったからこそ、より顕になる。
物語が始まった時、ヘッドホンで蓋をして作り笑顔で誤魔化していたものに、唯向き合う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

『ラブライブ! スーパースター!!』一期は、そういう物語だったんだと思います。
とにかく澁谷かのんが何に負けてて、それに打ち勝つだけの資質、同じく負けてる連中の手を取り前を向かせる力をどんだけ宿してて、どれだけの人を巻き込んで世界を動かしうる存在なのか。
それを描く12話。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

世界に響く雑音を拒絶し、自分の内側から湧き上がる願いを遮断する壁を、『もう必要ない』と言えるようになるまでの12話。
最後まで主人公を真ん中に据えた物語は、星のステージをあくまで、澁谷かのんに発案させた。
この一年間、物語の中心は彼女だった。
そこがブレなかったのは、凄く良いと思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

そして最後の”リエラのうた”は、第1話ぶりの全員合唱だよ!
まんまる、チビ、グソクムシ、約束のリボン。
物語を彩った色んなアイテムを、アトリビュートとして配置する演出、大変感慨深いですね。
非常に最終話らしい。
（画像は"ラブライブ!スーパースター!!"第12話より引用） pic.twitter.com/SImti1uvug

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

最終話本編で飽き足らず、”リエラのうた”でもイチャコラしたおすクゥすみスゲーな…って感じですが。
彼女たちの”Depature”がどこに辿り着くのか、『じゃあね』ではなく『またね』に込められた思いを二期で受け取るまで、しばしの別れである。
いやマージ、これで二期ねぇのは”嘘”だからよ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

というわけで、色々あってこのタイミング、ラブライブ! スーパースター!! 一期最終回でした。
大変良かったです。
ここまでの歩みを随所で思い返せる、感慨を深めてくれる絵の造り方。
最後まで貪欲に『何故”ラブライブ！”か』を問いただす、未来志向の物語。
最後まで、スーパースターらしかった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

終わってみると、やっぱ澁谷かのんが強かったな、という印象になる。
無条件に輝く太陽ではなく、敗北を知り陰りをまとうからこそ、そこから這い上がる強さ、弱さを受け止める優しさを持った主人公として、作品を力強く牽引してくれた。
第11話、最終話一個前を敗北再話に使う所、ホント好き。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

負けに根性ネジ曲がってるはずなのに、スジの通らないことには堂々身を乗り出し、泣いているものには手を差し伸べる。
幼少期から誰かを導くスーパースターだった彼女が、現実に打ちのめされても消せなかった、魂の色合い。
それが色んな所で元気で、凄く好きになれる主役でした。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

カリスマが状況を打破していく構造は”ラブライブ！”の基本と言えますが、あえて情熱の塊ではなくヤサグレ主人公を真ん中に据えたことで、出会いによって輝きを蘇られ、色んな人を救い導く力強さが、地に足を付けていたとおもいます。
みんながかのんちゃんを推すの、スゲー納得行くんだよな。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

彼女とスクールアイドルを出会わせたクゥクゥは、その後も大暴走の情熱円陣として大暴れし、笑いと熱量を作品に与えてくれました。
やっぱ作中の一人、三度の飯よりラブライブ！ な女（ひと）がいると、ガンッガンに温度上がってええわ。
ハンドリングが難しいので、サブに控えさせた判断もグッド。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

クゥクゥが結構根性悪なパンクスで、澁谷かのんが好き過ぎて頭おかしくて、時折制御を失って大暴れすることが、お行儀良くは収まらない”ラブライブ！”らしさをこの話に与えてくれた部分、結構あるかな、と思います。
まぁ俺がパンクスの狂人が大好き、てのはあるが。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

そんなクゥクゥと一生仲良く喧嘩してたすみれは、道化師の矜持をしっかり示し、可愛く力強いエンターテイナーでした。
第4話での加入、第10話での逆転ホームランと、強いエピソードにしっかり助けられた印象。
戯けることでしか自分を守れない弱さと、それを越えて掴んだティアラの輝きは、凄く眩しい

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

そして幼馴染業界全てを更地にした、怪物・嵐千砂都。
上原歩夢が依存と愛情の極限を示した後、どういうキャラ付けしてくるか興味津々でしたが、まさかこういう形の”答え”を出されるとは…脱帽であります。
他の連中が現在進行系でかのんに出会い、手を取り導かれていく中で。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

ちーちゃんは『己の全てを、あの時既に救われていた…』という、最強の後出しで確固たる地位を築きました。
自分の魂を守り、世界の輝きを教えてくれたあの世界に報いるために、己の全てを使う。
そうして逞しくなった腕で、スーパーヒーローがかつての自分を救うための舞台を用意し、信じて見守る。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

こらえきれず逢いたくなって、思わず抱きしめてしまう感情のデカさ含めて、大変魅力的なキャラでした。強すぎる…。
何故彼女が”嵐”の姓を持つのか、その真の意味が届くのが最終話一個前って、やっぱ凄いよねぇ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

恋は後半コミックリリーフの色が強くなりましたが、あんだけ重い荷物背負って追い込まれてた子が、スケベサイト見たの見ねーのでおバカに騒げるようになった姿見て、正直安心した部分もあります。
色んな枷がスクールアイドル活動でぶっ壊れたんで、その空白に新たな自分を、仲間と創っていって欲しい

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

作品全体としてみると、今や一大コンテンツと化した”ラブライブ！”をあえて語り直す意味を、製作者が強く考えたシリーズだと感じました。
何故”スクール”なのか。何故”アイドル”なのか。
そして何故、”ラブライブ！”なのか。
先行作が既に出した答えに甘えず、自分だけの物語でしっかり彫り込んでいく

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

そのための新設校、そのための一年生オンリー、そのための五人ユニットだったのかなと、終わった今になっては思います。
何度も言うけど、勝つより意味ある負けで終わりに出来たのは、卒業を控える三年がメンバーにいないからこそだと、思うしね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

負けで一期が終わるのは無印もサンシャインも同じなんですが、その二つには正直欠けていた必然性みたいなものが、この最終回にはしっかりあったと思います。
話のピークをどこに持ってきて、度う着陸させるか。
二期が（ほぼ）約束されるほどデカいコンテンツになったからこそ、描ける結末。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

あるいは既に幾つも、大きな物語があればこそ描かなければいけない、新たな物語。
ファンに嬉しく、コンテンツの歴史に敬意を持った様々な言及は、物語を豊かに広げてくれたと思います。
適度に過去に立ち返りつつ、本道はあくまで今、自分だけの物語を貫いたバランス感覚も偉い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

演出に目を向けると、視線の使い方に特筆すべき強さがあったと思います。
誰が何を見て、そこに何を感じているか。
セリフとは少し離れた場所で、しかし無視できない強さで描かれる情感が、キャラが持っている思いやり、思い入れを豊かに語っていて、広がりのある劇空間が生まれていました。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

現実にある場所を舞台にしつつも、より眩しくより生命に満ちたファンタジックな空間として、原宿近郊を描けたのも良かったです。
キャラの表情で勝負をするシーンも強いんだけど、情景に語らせる場面の仕上がりがとにかく良くて、風と樹が色んな事を喋ってくれたの、凄く好きな語り口だったな。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

あとまー…とにかくみんな可愛かったねッ！
結構いろんな衣装を来て、それがファッションの街である原宿と心地よく呼応してたし、コロコロ変わる表情、豊かな感情表現、力強く弾む青春の息吹…全部良かったです。
やっぱ宇宙一可愛い女の子たちが画面を埋め尽くす、濃厚な多幸感が”L”の強さだと再確認

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

傑作となった虹ヶ咲を受けて、本家スタッフで挑む今作がどうなるか。
始まる前に抱いた疑問は、圧倒的なパフォーマンスで完全に粉砕されました。
”今”のラブライブとして、新しく進み出す物語として、非常に細やかに配慮され、力強く鼓動し、描くべきものを見事に描ききった、良いアニメでした。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

個人的には、高海千歌が背負いつつ掘りきれなかった敗北の薄暗さを、澁谷かのんが新たに己に取り入れ、語りぬいた感じが嬉しかったりします。
記号論から少し離れた、手触りのある造形をキャラにも舞台にも物語にも作り上げたことが、暗くて明るい新たなラブライブを、見事形にしてくれた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

あと”リエラの歌”は『Eテレでやる意味』を最大限にぶん回す、最高のコンテンツでした。
かわいいかわいい妖精ちゃんが毎週見れて、素敵なお歌が聞けるの最高だったし、本編で湧き上がった血潮を心地よくチルアウトしてくれる仕事も、しっかりしてくれたし。
二期も是非、続投でお願いします…ッ！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日

というわけで『この物語、この終わりなら続かなきゃ”嘘”だろ！』という気持ちもありつつ、ひとまず幕であります。
大変面白く、毎週心地よい発見と裏切りに満ちて、出てくるみんなを好きになれる作品でした。
いやー…いいアニメだったな本当。
ありがとうございました、お疲れさまでしたッ！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月19日