イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

太陽の黙示録 12

かわぐちかいじ小学館。日本分裂二国志、(おそらく)中盤の山場ですよ。今回は仁道の主人公、絃一郎と王道の主人公、操の各々のスタイルの違いが、南北日本内戦という熱戦の部隊で際立った形になりました。才覚と天分をもって少を掬い取る絃一郎の成功と失敗も、理知と決断を持って大きなものを守る操の成功と失敗も、両方等分に視線が注がれていて好感。
絃一郎の甘ちゃんな動きが無条件で肯定されて、何でも巧くいってしまえば、この漫画はひどくつまらなくて、軽いものになると思う。操が現実ってものにすれきって、覇道を目指して何もかも踏み潰す存在なら、この漫画は色をなくすと思う。二人ともそれぞれの天分、それぞれの行き方があり、(文字通り)激動の日本のなかで巧くいき、また巧くいかない。死ぬ人は死に、生きる人は生きる。
ワキの人物の掘り込みの深さも相まって、そのどうにもやっかいで、いろんなことが起きる話がとても面白い。操サイドの惇史さんと加来司令が特に好きです。あと勝呂。藤堂一人勝ちの気配で終わっているので、各々の道を背負う二人の主人公が、そこにどう立ち向かうか。いやがおうにも気分が盛り上がってしまいますよ。