あさりよしとお、ワニブックス。日本一のシニカルポップ作家、あさりよしとおのアフターダスクモノ三巻目。擬人化萌えの皮を被る気配だけ見せて、そこらへんに対する悪夢ビームを乱射する底意地の悪さが光るキャラ・世界設定です。あさり先生のキッチリした部分が出ている漫画で、ヒューマンズダスク臭ただよう高配した世界のろくでもない部分がこれでもかこれでもか、と出てくる漫画。
同時におにいちゃんとユカイな蒸気娘の旅のほうも進んでおりまして。ママンのエピソードをコンパクトかつ的確に纏め上げ、もう一方の視点であるゼルダサイドの話しも回転し始めましたよ。まぁ話が回転しなくても、話しの切り口の鋭さ、語り口の円熟だけで読ませてしまうのは流石のあさり先生。そこらへんが巧いので、だらだらゆるゆるしたシニカルな股旅エピソードも、目を引っ張る魅力が出てくるわけです。
まー話が進むにしろ進まないにしろ、どっちにしろ面白いだろう、と確信させてくれる安定感と丁寧さがこのマンガにはあるわけで。じわｊりじわりと話が進んだ今回もまた満足でありましたよ、と。
